河野勲の岩国ノート

 〔2〕思いやり予算 1983/10/23

自由法曹団の一行は驚きの声を・・・  

 十月十五日、中・四国自由法曹団の会議が岩国で開かれた。翌十六日、一行二十五人は米軍岩国基地を調査、視察した。
 まず基地の全景が良く見える、門前町尾津の殖産団地の展望台へ案内する。
 不気味に迷彩をしたC5Aギャラクシーの巨体がまだ待機している。手前にはKC130ハーキュリーズが二機駐機している。これと比較して見ていかにC5Aが大きいかよくわかる。核攻撃部隊第十二飛行大隊のエプロン(駐機場)には、A4Mスカイホーク、A6Eイントルーダーが数機見え、迎撃部隊十五飛行大隊の格納庫の前にはF4ファントムが列をなしている。
 団地を下り元通信所跡に建設された米軍家族のデラックスな住宅(一戸三千五百万円かけて建設)、少年スポーツ施設を見る。これがすべて提供施設整備事業(思いやり予算)でおこなわれていると話すと、一行の中から驚きと憤懣の声がおこる。
 英語の看板が両側に建ち並ぶ国道189号線(約四百メートル)を通り正面ゲートを見て基地北ゲートへ行く。約二十四億をかけて造られた米軍宿舎の側には新たに工事が進められている(九月二十九日着工)。一行は最後に滑走路の北側の土手から、核組立所「MWWU−1」(三月十三日、グアムの核貯蔵施設のすぐ側(そば)へ移駐した)の建物とその付近に点在する弾薬庫群を視察した。

 一行がもっとも不可解に感じたのは「思いやり予算」のことであったので、岩国基地の年度別支出を記しておく。

一九七九年   二十九億円

一九八〇年   二十八億円

 一九八一年   十億六千万円

一九八二年   二十三億円

一九八三年   六十七億円

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