河野勲の岩国ノート

 〔1〕コロンブス・デー 1983/10/16

  韓国閣僚テロ事件の翌日、米軍機は・・・

 ふたたび岩国に戦闘機の爆音が帰ってきた。米軍岩国基地はさる八月十五日から十月一日まで、滑走路の一部補修工事がおこなわれ、航空機は沖縄、韓国、フィリピンに移駐していた。それが二日までに、全部隊(約七十五機)が岩国にかえってきて、翌日から激しい訓練に入っているのだ。
 十月九日、ビルマを訪問した韓国の全斗煥大統領一行の多数が、テロによって爆死するという事件がおきた。九死に一生を得た全大統領は「犯人は北朝鮮だ」と発表。韓国軍と在韓米軍は警戒態勢に入った。
 翌十日はアメリカは「コロンブス・デー」(コロンブスがアメリカ大陸を発見した日にちなんだ国民の祝日)だった。岩国基地の米兵も休日である。
 しかし、米軍機の動きはその激しさを失っていなかった。
 C141輸送機、F4戦闘爆撃機、A4攻撃機などの発進は十数回を数えた。迷彩をしたC5Aギャラクシー大型Z輸送機も姿を見せ、十三日現在、待機していた。 
 休日なのに街を歩く米兵の姿はほとんどみられない。韓国に事件が起こればたたちに反応する。岩国基地の姿をまざまざとみせつけられた。
 韓国軍、在韓米軍同様、岩国基地もまた、警戒体制に入っているのではないだろうか・・・。
 核空母、カールビンソンの佐世保寄港、核搭載可能機F15の三沢配備、戦艦ニュージャージー(核・非核巡航ミサイル積載可能)の日本寄港・・・。日本列島は北の海から南の果てまで、“核不沈空母化”が急速に進んでいる。岩国も例外ではない。
 私が岩国基地の監視活動をはじめて、二十年以上になる。このほど、「赤旗」から「岩国ノート」という形で、その活動を毎週執筆してほしいとの話しがあった。私は、故郷、岩国から安保を告発するための  をとることにした。

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