■冥王神話 NEXT DIMENSION
「Part98 憑依」ツッコミ&感想
(2021年6月17日発売・週刊少年チャンピオン29号掲載)
(注意)
・このツッコミはネタです。実在の人物・団体等とはいっさい関係ありません。
・強度の毒舌が苦手な方は閲覧の際に副作用として痒み・発疹・アレルギー反応が出ることがありますので十分ご注意ください。
■論点その1:水鏡先生の亡骸について
- そういえばPart62で天馬くんから杯座の聖衣を着せてもらったまま、ずっと天秤宮にいたんだったね水鏡先生。めっちゃ久しぶりすぎて忘れかけていた。思わず確認したら、Part62が掲載されたのは2013年だった。(2021年なう!)
- しかしアスクレピオスはどうか知らんけど、少なくとも今のオデッセウスさんは死人を生き返らせることはできないんだな。(一瞬だけオデッセウスさんが水鏡先生を復活させたらどうしようと思ったけど、全くそんなことはなかったぜ!)
■論点その2:修行時代の水鏡について
- シオンや童虎よりも二、三歳年長?!
- 二、三歳年長だったんですか、水鏡先生?!
- あー、だからあの時ヒヨコ1号(シオン)が手も足も出なかったというわけなのね。(←Part25参照)
- (いや、それか、もしかしたらこの設定は、あまりにもヒヨコ1号がヒヨコでありすぎるという事実にようやく気づいて危機感を覚えた御大が、後付けで追加してくれたフォロー設定なのかもしれない……)
- (だがこの際、後付けでもなんでも構わないので、オタクは全力で乗っからせてもらう……たとえ「聖闘士の実力の序列に年齢は関係ないのでは」「そいつが何歳であろうとも白銀より弱かったら黄金にしちゃいかんのでは」という疑念がチカチカと点滅しながら脳内を1秒間に100往復くらいしていようとも……)
- それにしても「さすが水鏡」「一気に白銀聖闘士とは」とか言ってずいぶん水鏡先生の実力を買ってくれてるみたいですけど、それじゃどうしてオデッセウスさんは水鏡先生を黄金候補生扱いしてあげてなかったんですかね?
- オデッセウスさんによる黄金候補生用の特訓の時、明らかに水鏡先生いなかったよねえ。
- 個人的に黄金候補生は最初から特定の人物に絞るんじゃなくて、ちゃんと健全に競争してから決めたほうがいいのではないかと思うんだけど。
- っていう話に比べたら割とどうでもいいんだけど、「二、三歳年長」ってカウントがものすごいザックリしてんな。シオンも童虎も同い年なんだから、二歳差なのか三歳差なのかはっきり言えそうなもんだが。
- それともアレか、もしやオデッセウスさんはヒヨコがあまりにもヒヨコすぎるがゆえに興味がなくて年齢もウロ覚えなのか。
- とりあえず水鏡先生は最近まで母親が健在なんだから、生後すぐに孤児で自分の年齢がわからないってわけじゃないだろうしなあ。
- いちおう御大は「生まれ月の違いによる年齢差」にはあまり配慮しないタイプの人だったはずなのだけど、まさかそのへんが変わったわけじゃないよね?
■論点その3:オデッセウスさんの「まさか」のカッ飛びっぷりが半端じゃなさすぎる件について
- いや、だから、何がどういうわけで、杯座の水に赤子が映ったからって「その赤子がアテナで、しかもアスクレピオス復活の真犯人」とかいうワケのわかんない連想を思いつくんだよオデッセウスさんは!!!
- もしかしたら杯座の聖衣は単に「この時代のアテナの降臨はもうすぐですよ、よかったね」っていう超ハッピーなお告げを出してただけかもしんないじゃん!!!
- で、タルタロスの井戸に行ってアスクレピオスに直接確かめた結果、本当に未来のアテナが諸悪の根源だったわけだが。
- いやそれ、たまたま合ってたからよかったけどさ!間違ってたらどうするつもりだったわけ?!アスクレピオスに肉体だけはしっかり盗られて、それでもし「諸悪の根源はアテナかも」っていう推論が間違ってたりしたら、その後いったいどうするつもりだったわけ、この人?!
■論点その4:クロノスさんを叩き起こした報いがここにきてヤバすぎる件について
- いや、これ、クーリングオフできないの?!
- せいぜいテロメアへのちょっとしたイタズラくらいで済んでたのかと思ってたら、何それ?!宇宙?!宇宙の崩壊?!
- クロノスさんはもうちょっと商品サービスの説明を丁寧にしたほうがいいんじゃないの!?
- ……いやでもよく考えてみたら、そもそもこれって沙織さんが勝手に自分から休業中の店舗こじあけて「タイムマシン使わせろ」っつって睡眠中の店長叩き起こして、サービス労働させたようなもんだったしな……。
- まあそりゃサービスについての詳細な説明がお留守になっても仕方はないか……。
- しかもクロノスさんはそもそもアテナ側に対して何の義理立てもないんだしな……。
- ……えってことはやだこれ本当に100%アテナのせいじゃん?!何の言い訳の余地もないじゃん?!
- しかしこうなると逆に心配なのは、事ここに至った今、このNDの物語はどこに落とし所をつければよいのだろう。明らかに主人公側のほうに筋が通ってなくて、しかもそれが割とシリーズ全体の根幹に関わる、根本的な問題になってきた気がするんだけど。
- まあ面白さで言えば、めちゃくちゃ面白いんからいいんですけど!
■論点その5:教皇様とオデッセウスさんが予想以上に濃密なホットラインを構築していてビビった
- 「Part96」でも思ったけど、やっぱり明らかにこの2人、距離感が近いよな。
- だってこの描写からすると、教皇はわざわざ十二宮を降りてきて直々にオデッセウスに付き添ってたってことなんだもんな。(ただし漫画の描写を見る限り、実際の看病は水鏡任せで、教皇本人はボーッと突っ立ってただけのようにも若干見えるが・笑)
- しかしこの教皇、機密情報の共有範囲とかから見るに、どうも黄金聖闘士たちよりもはるかにオデッセウスさん1人のほうを信頼しているようにも思える。シジマさんとか以蔵さんとかすごいマトモそうなのに、ちょう気の毒。
- まーでも確かにこの時代の黄金聖闘士ときたら、透明人間とか妄想ケンタウロスとか腫瘍とか棺桶オタクとか、ウッカリポンコツのカルディナーレさんとか、黄金のくせにあまりにも実力がヒヨコすぎるピヨピヨ2名とか、現代以上にヤバすぎるのが多いのは事実だから、ある意味しょうがないのかもしんないけどさ。
- いやでもマジメに考えると、仮にこの教皇が「聖域の混乱」を恐れるあまりに黄金聖闘士たちにこの件を話したくないというのを100歩譲ってまあわかったとしてもだ。しかしそうだとすれば、聖闘士になりたての水鏡をその場に残して、情報丸漏れなのは大丈夫なのか?
- もしこの時点でこの2人が、そんなにも黄金以上に水鏡を信頼してたっていうんなら、もうこれ、ヒヨコなんかよりも水鏡のほうが黄金聖闘士でよくない?
■論点その6:何気に過去アテナがどえらいとばっちりを食らっている件について
- いや、沙織さんさあ、あんなに堂々と「この時代のアテナは別にいます 心配しなくてもやがて姿を現すでしょう」とか言って、めっちゃシジマに断言しとったよね?(Part61参照)
- めっちゃ保証してましたよね?
- 全然ダメでしたやん!!!
- むしろアナタがいる限りこの時代の真のアテナが出てこられない上に、無駄にサマエルの猛毒受けて未来にも帰れなくなっちゃって、もうこれ正直言ってクソ迷惑以外の何者でもなくね!?
- しかもこれ多分、沙織さんが今から急いで未来に戻ったからといって、問題が解決するとも限らんのだよなあ。なんかいずれは宇宙が崩壊するとかなんとか、既にクロノス様も言ってるわけだし。
■論点その7:この時代の教皇からヘタレの臭いが消えない件について
- 「し…しかし誰がアテナを討つ?」って、そんなんおまえが決めることだろ!!!!!
- おまえ、アテナ不在時の最高権力者だろ!!!!!
- 何で教皇のくせにセリフが他力本願の質問形なんだよ!
- まったく先の大戦の日本軍じゃあるまいし、ちゃんとトップが責任込みでリーダーシップとってくださいよ。何で聖闘士なりたての水鏡が全部おっかぶることになってんのよ。
- というわけで、やっぱり「Part22」あたりから漂っていた小物臭の印象そのままに、シリアスなシーンですらうっすらとしたヘタレ感が抜けきれない過去教皇なのであった。すげえよ御大。仮面で顔が隠れてるのにちゃんとキャラ立ってるし、しかもそのキャラがずっと一貫してるよ。
■論点その8:「アガペーじゃなくてラブに走った城戸沙織」の伏線が、まさかこんなところで効いてこようとは。
- いや、こちとら「Part16」のツッコミでさんざんさんざん文句言わせてもらっといてアレなんだけど、まさか今頃になってこの話題が生きてくるとは、正直いってかなり驚いたよ、この展開。
- てことはやっぱり当時の私の感想、そこまで的外れでもなかったんだな。アテナが摂理を捻じ曲げてまで過去に飛ぶその行動の基準が、めっちゃ個人的な、えこひいき1000%の、相手がおひとりさま限定でしかない愛(私情)なのって、やっぱどう考えても問題だったよな。笑
- 正直、アスクレピオスさんによるアテナへのツッコミ、ほとんど私も同意見なんで、なんだか自分が悪役になってしまったみたいな気がして困る。笑
- でも作者いち押しのオデッセウスさんですら「バカな…」っていう反応だもんなあ。
- オデッセウスさんほどの聖闘士ですら、めっちゃショック受けてるし、未来アテナにドン引きしてる……。
- まーでも、確かにそりゃそうだよね。オデッセウスさんなんてこれまで私情どころか健康も顔面偏差値も寿命も全て投げ打って、ずっと地上の平和と聖域のために尽くしまくってきたんだもんね。
- しかしこりゃあオデッセウスさんたち側の事情、超わかるわ。すげーわ。そしてこの期に及んで読者を「わかるわ」にさせる御大のストーリー展開能力と伏線処理能力とプロット修正能力がすげーわ。ジャンプ全盛期に看板張ってた作家の凄味を見たわ。
- だってこれ絶対「Part16 愛あるかぎり」あたりを描いてた時には、こんな展開にしようなんて考えてもいなかったでしょ?!
- やべえ。御大まじですげえ。一流のストーリーテラーの本気、まじですげえ。
- しかし逆に、ここから一体どうやって沙織さん側の行動に説得力を持たせていくんだろうなあ。一応最終的には主人公サイドのほうに読者が共感できるような展開になる……予定ではいるんだよね?(そうじゃなかったらどうしよう)
■論点その9:しかしそういう事情だったんなら水鏡はむしろアテナ軍に留まっていたほうが良かったのでは?と思う件について
- とりあえず「未来から今の聖域にやってくるアテナを始末すること」が一番の目的なんですよね?別に聖域自体に反旗を翻そうが、翻すまいが、とにかくアテナさえ殺れればそれでいいのよね?
- だったらどう考えても聖域側に留まってアテナに仕えるフリをしながら後ろからサクッと殺ったほうが早いし、確実なんじゃないの???
- わざわざハーデス軍に寝返ってガルーダの冥衣着て、一番下からコツコツと十二宮突破する必要なんて、どこにもなかったんじゃないの???
- (それともやっぱアレか?そのへんは弟関連の私情も絡んどるのか?)
■論点その10:で、ハーデスとの聖戦って結局……
- つまり今回のアスクレピオスさんやオデッセウスさんの説明が正しいとすれば、そもそも本来のNDの時間軸ではまだハーデスとの聖戦は起こらないはずだってことでいいんだろうか。(そもそも当代のアテナが沙織さんのせいで未だに降誕できてないみたいだし……)
- あと今回明かされた「水鏡はシオン・童虎より二、三歳年長」っていう設定からしても、どうもシオンも童虎もまだ18歳になっておらず、ハーデスとの聖戦の開始までにはあと何年もかかるんじゃないかって気がするんだけど。(シオンの髪も短いままだし)
- ……ってことになると、ものすごく根源的な疑問が発生するのだが、この漫画『冥王神話NEXT DIMENSION』の初っ端に出てきた冥王軍の人々って、アレ、何してたわけ???
- 特にガルーダもグリフォンも、めっちゃ聖戦始まる前に無意味に戦死したことになっちゃうんだけど、あれって一体、何だったわけ?
- あと、アローンの存在って、もはやこのネクストディメンションに関係あるのか?(笑)
<完>
多分続く
「Part97」へ← →「Part99」へ
|