冥王神話 NEXT DIMENSION
「Part60 神の小宇宙」ツッコミ

(2013年9月26日発売・週刊少年チャ○ピオン43号掲載)




(注意)
このツッコミはネタです。実在の人物・団体等とはいっさい関係ありません。
・強度の毒舌が苦手な方は閲覧の際に副作用として痒み・発疹・アレルギー反応が出ることがありますので十分ご注意ください。





 そんなわけで今回もまたまた急展開!ここのツッコミは相変わらずいつものお笑いノリですが、でかい論点もいくつかあるので、とりあえず文章ベタ打ちで行こうと思いますー。




■論点その1:どう見ても、何回見ても、やっぱり前聖戦の教皇にはあまりにも小物感が漂っていすぎるように思われる件。


 いや何がって、まず、そもそもこの教皇、Part23以来の登場なわけですよ。まあ一応Part46では「神々の迷宮」を出現させたりとかしてましたけど、画面上にきちんと登場するのは、Part23以来なわけですよ。それが何年ぶりのことかっていったらもう、Part23が連載されてから3年半もたってるわけですよ。3年半ぶりの登場なんですよ。
 そんでこのPart23以来、聖域に起こった事件といえばもう、それはそれは数え切れない程のすったもんだがあったわけですよ。そもそも未来からやって来た不審な隕石が、沙織さんと瞬以外に3つも追加で落ちてきてるわけですよ。白羊宮においてはついに冥闘士が攻めて来て、ハーデスとの聖戦が正式に開始されてしまったわけですよ。しかも金牛宮なんか黄金聖闘士がひとり死んでるわけですよ。巨蟹宮に至ってはもう思いっきり冥闘士が黄泉比良坂経由で入り込んで、デストールさんに案内されて獅子宮まで来ちゃったりとかしてるわけですよ。処女宮じゃ不審な残留思念が出現して、恐竜とか滅ぼしちゃったりしてるわけですよ(笑)。あまつさえ天秤宮においては見覚えのないドラゴンの聖闘士が、なぜか十二宮の法則を完全に無視して、勝手にワープして来ちゃったりしてるわけですよ。さらにさらに一部の人々の間では、十三の伝説だの蛇遣い座の復活だの何だの言って、そりゃもうどえらい騒ぎになってるわけですよ。

 で、ですね。これだけ色々な大事件が起こってるっていうのにですね。
 この教皇が気にしていることといったらもう、もっぱら「カルディナーレはいつになったら自分の命令を実行してくれるのか」ってことだけだったわけですよ。

 いや、もうね、この人ね、カルディナーレさんが現れた瞬間、めっちゃ勢いよく振り返って「おおっ カルディナーレ」とかいって、あまりにも叫んでいすぎなんですよね。アンタどんだけカルディナーレさんが帰ってくるのをひたすら待っていたのかと。しかもまさかPart23以来ずっとそこのアテナ神像の前でボーっと突っ立ったきり、ほんとに待ってただけだったのかと。むしろ他に心配すべき事はなかったのかと。

 「きさま今までなにをしておったのだ!?余がせっかくアテナとシジマを神々の迷宮に閉じ込めておいたものを!」

 何が「せっかく」だよ!「せっかく」じゃねえよ!たかが技一個出すのにケチケチしてんじゃねえよ!一応教皇だろてめえ!何だよこのやたらビンボー臭いセリフはよ!(爆笑)

 ……というか、私としてはむしろそんな迷宮に閉じ込めたせいで、余計にカルディナーレさんはシジマとアテナを探しにくくなってたのではないかという疑念を拭い去れないわけですが!




■論点その2:カルディナーレさんのピエロ度がますますスゴイことになってる件。


 さて、一方のカルディナーレさんは、取り乱す教皇の態度にもどこ吹く風。涼しげな顔で、「いささか手間取りましたがご安心を」とか答えます。正直、こちらとしては、「いささか……?」という疑問が無いわけでもないんですが、まあともかくこのクールさは良しとしましょう。
 しかしこのカルディナーレさん、いったいどうやって「神々の迷宮」から脱出してきたというんでしょうか。アテナですら出られないっていうのに。やっぱりこの小物教皇にテレパシーとかで連絡して、迷宮を解除してもらったんでしょうか。

 「ふたりの首はとってまいりました」 ドサッ

 むっ。シジマとアテナの生首が。むむむ。何だかどんどん嫌な予感が増幅されてまいりました。というのも、過去の経験上、およそ車田漫画において生首が出てくるということは、ほぼ100%、夢オチか幻覚オチに決まってるわけですよ。
 このままではカルディナーレさんが盛大なピエロになってしまう可能性が……!

 「な…なんだそれは?」
 「ごらんのとおりアテナとシジマの首です」
 (略)
 「バカめ よく見ろ!」 ドン


 うわああああーーー!やっぱりいいいいーーー!思いっきりタダの石じゃないかーーー!

 しかもこれが生首に見えていたのはカルディナーレさんだけで、教皇には最初から石に見えてたってあたりも救われなさすぎです。だってつまり、要するにこの人、どう見ても石にしか見えないものをドカッと偉そうに投げ出して、「ごらんのとおりアテナとシジマの首です!(キリッ!)とか、人前で盛大にやっちまったわけですよ。うわあ、居たたまれない。居たたまれなさすぎるよ、カルディナーレさん。

 そんな訳で、さすがのカルディナーレさんも、この展開にはかなり精神的動揺が大きかったと見えます。眼前の教皇(小物)から、「行け!行って今度こそ必ず二人の首をもってくるのだ!」とか思いっきり命令されてるというのに、全然聞こえてないっぽいです。教皇(小物)のセリフをガン無視して、ひたすら「むうう〜〜っ」とか言ってます。コミュニケーション全然成立してません。チームワーク、ぼろぼろです。この人たちの陣営、既に終わっちまった感が満載です。
 いやあ、一応ストーリー展開上は、まだこいつらもメインの敵(の一部)であるはずなんだけど(一応)、もはや終わっちまった感があまりにも満載すぎて、全然アテナの脅威に思えないっていうね!

 しかし、カルディナーレさん本人は全く聞いちゃいませんでしたが、一応教皇(小物)の分析によると、どうやらカルディナーレさんは「なにかにたぶらかされた」らしいです。順当に考えれば、シジマかアテナのどっちかに幻覚を見せられたという可能性が一番高そうにも思えますが、いったい犯人は誰なんでしょうか。非常に気になるところです。

 ところで以下は割と雑談なんですが、良く考えてみたらこれ(幻覚)って、原作でもジャミールのムウさんがかなり似たようなことやってましたよね。あの時は生身の暗黒聖闘士を青銅聖闘士に見せかけて、刺客の白銀聖闘士全員を、見事にたぶらかしていたわけですが。しかもその時の白銀の皆さんは、ムウ本人が直接いあわせない場所においても、しっかりと幻惑に引っかかっておったわけです。幻惑に引っかかったまま暗黒聖闘士を殺して、死体を持って移動して、ミスティに見せて、白銀の皆さん全員でお墓を掘って死体を埋めるまで、全員が何も気づいてなかったわけです。要するに、原作におけるムウさんは、今回の幻惑の上位互換的なスキルを持っていたように思われる。
 そんな経緯を考えると、どうにも疑問なんですが、いったい今回の犯人は教皇にも幻惑をかけることはできなかったんでしょうか。それとも、実はそれほど幻惑が得意じゃなかったんでしょうか。それとももしかして、ムウさんがあまりにも他の人と比べて幻惑が得意すぎただけなんでしょうか。
 一応、原作の氷河の証言によると、「聖闘士の中でもそうとう力のある者は敵を幻惑させる技をもっている」そうなんですけど、上記諸々含めた上で、今回の幻惑の犯人が誰なのか、微妙に気になるところです★




■論点その3:そもそも教皇はどうしてアテナを殺そうとしているのか、理由が非常に気になってきた件。


 「むうう〜〜っ」と唸ったきり、もはや教皇の言うことを聞いている気配すら全くないカルディナーレさんのせいで、辺り一帯には何だか絶望的な雰囲気が漂ってきました。読者としては何だかもう、あまりにも部下から蔑ろにされすぎているこの教皇が、色んな意味で気の毒になってきます。(笑)

 「は…早く… 早くせねばなにもかもすべてが終わりになる すべてが……」

 はて。この教皇のセリフ、何やら非常に深い事情がありそうな雰囲気ですな。
 アテナを始末しないと「なにもかもすべてが終わりになる」っていうのは、一体どういう意味なんでしょう。
 単純に考えれば、一応この人、アテナを裏切ってハーデスについてるから、「早くアテナを始末しないと大変な事になる」という意味なのかな、とも思われます。しかし、場合によっては、違う解釈も成立しうるかもしれません。

 いや、何がって、そもそもこの教皇、自分で「ハーデスに寝返った」とは一度も言ってないんですよねえ。いや、私もまさに今気づいたんですけど。(笑)

 ちなみにカルディナーレさんのほうは、Part23において、自分で「ハーデスに与することにした」って、はっきりと明言しています。でも教皇の方は、単に「早くアテナを始末せねば」「アテナを殺せ!」って言ってるだけ。良く読んでみたらこの教皇、今のところ、アテナを殺すのが「ハーデスのため」だとは、ひとことも言ってない。
 一応、シジマが「あなたともあろうお方が謀反か」って言ったり、カルディナーレさんが「謀反人はむしろ教皇あなたのほうでしょう」って言ったりしてるんだけど、実は、教皇本人が「私はハーデス側に寝返りました」って明言したことは、今に至るまで一度もなかったりする。

 だからこの人、もしかしたらハーデスのためとかではなく、別の理由からアテナを殺そうとしている、という可能性もあるかもしれません。実は教皇はハーデスに寝返ったわけじゃなく、何か別の深〜い事情のために、アテナを殺そうとしてるだけなのかも。意外と教皇本人は正義だったりするのかも。
 そう考えると、Part23の教皇の、「カルディナーレ きさまどういうつもりだ」というセリフや、「まさか他の黄金聖闘士の中にもまだ裏切者がいるというのか」というセリフの意味が、180度違った意味にも取れてきます。

 ちなみに、ちょっと踏み込んで付言すると、この「なにもかもすべてが終わりになる」っていう言い回しって、何だか蛇遣座の伝説を非常に髣髴とさせるんですよねえ。Part54で意識を乗っ取られていたシャイナさんも、全く同じようなセリフをしゃべっていたし。
 そんな訳で、この前聖戦の教皇が、単にハーデスに寝返っているからアテナを殺そうとしてるのか、それとも蛇遣座の復活を防ぐためにアテナを殺そうとしてるのか、個人的に非常に気になってまいりました!

 ……しかしまあいずれにしても、教皇とカルディナーレさんの周辺に漂うこの強烈な終わっちまった感は、もはやどうしようもなさそうですが。(笑)




■論点その4:ボロボロの水鏡相手に相打ちになってる童虎さんは、良く見ると相変わらずヒヨコの大型補強を受けていた件。


 場面変わって天秤宮。何やら水鏡先生が偉そうに語っています。

 「いいか童虎 わたしがハーデス軍から学んだものは非情ということだ たとえ相手が何者だろうと目的のためには情け容赦なく倒すということだ」

 ……いや水鏡先生、僭越ながら私思うんですけど、別にそんなもんハーデス軍じゃなくても学べますがな。

 参考例その1:現代におけるデスクィーン島のギルティさんの証言。「一輝(略) わしを師と思うな 戦いに礼や情けはすてされ!ただ目の前の敵を倒すことだけをかんがえろ!!」

 参考例その2:現代における乙女座のシャカさんの証言。「このシャカ(略) 神にくらべたらまるでもちあわせていないものがひとつだけある!それは弱者に対する慈悲の心だ!」

 ほら、ご覧下さい皆さん!どう見てもこの人たちの方が水鏡先生よりもはるかに非情です!(爆笑)

 ……とまあそんな冗談はさておき(笑)、「これが最後」と言って童虎に向かって行こうとする水鏡先生は、どうかすると聖域でも歴代数本の指に入るほどの面倒くさい人物と化しつつあります。いや、だってこの人、巨蟹宮ではデストールさんの華麗な踊りを見てソッコー意識不明になってたくせに、味方相手だといつまでたってもくたばりゃーしないじゃないですか。もしかして意外と内弁慶なんでしょうか。身内相手にしか無双しないタイプなんでしょうか。ほんと面倒くさいな、もう。(笑)

 「水鏡 おんしにゃもうわずかの力も残っとらんと言うたじゃろ ましてや同じ白蓮華など通用せんぞ」

 そう言って止める童虎さんですが、いやしかし彼は同じ昇龍覇をまともにくらって、青銅聖闘士と互角だったからなあ。イマイチ心配なんだよなあ。(←Part53の紫龍戦参照・笑)

 「同じ技など使う気はない(略) わたしがこの数年何もせずにいたと思うか 童虎 おまえの知らぬわざでおまえの息の根を止めてくれるぞ」

 いやいやいや、「今からあなたの知らない技を使いますよ!心の準備はいいですか!」といちいち予告してから技を出してやるなんて、これはむしろ水鏡先生はつくづく甘いと見るべきですよ!まったく非情になりきれてないじゃないですか!いやもちろん水鏡先生が一生懸命なのは良くわかるんで、こちらとしても大変申し訳ないんですけど、ちょっと流石に芝居が下手すぎてあまりにも居たたまれないんで、いい加減なんとかしてほしいです!(笑)

 さてそんなこんなで水鏡先生の新必殺技、「氷槍百牙旋嵐(ひそうひゃくがせんらん)」ですが。
 ……あの、なんかほんと、ますます申し訳ないんですけど私、水鏡先生がこの数年かけて、一生懸命、延々と、凝りに凝って、この必殺技の名前を考えていたのであろう姿を想像したら、そりゃもう耐え切れないくらい、ものすごーく、横隔膜がムズムズしてきたんですけど……!
 いやー、なんか水鏡先生ってクソマジメな孤高キャラを演じてる割に、微妙に中2っぽくて独特の味を醸し出しててイイですね!四門で敢えて死の門を選んじゃうあたりとかもさあ!

 さて、その「氷槍百牙旋嵐」に対して童虎が繰り出したのは、何と、「廬山百龍覇」。
 「止めとうせ…水鏡 わしは…わしはおまえをとりたくはないんじゃあ!!」とか言いながら撃ってるので、どうやら童虎は奥の手として、最後までこの技を取っておいたみたいです。ああ良かった。今まではPart2で百龍覇を撃ったきり、最近じゃ昇龍覇しか撃ってないから、もしかして百龍覇をすっかり忘れてしまったんじゃないかとかいらない心配してたけど、ちゃんと覚えてたんですね。ほんとに良かった。(笑)
 水鏡先生もめちゃくちゃ驚いてるんで、どうやら童虎が「廬山百龍覇」を会得したのも、ここ数年のことのようです。たぶん水鏡先生が失踪した後の出来事。

 ……ということは、この百龍覇はもしかして、童虎のオリジナル技なのだろうか。だって師匠から習ったんなら、修業時代に水鏡だって見てると思うんだよな。はてさて。

 しかし、そんなとっておきの百龍覇を繰り出した童虎さんの結果はというと、何と、水鏡先生と相打ちでした。

 いや!ダメだろ!さすがにダメだろ!
 これだけボロボロの、「身も心も生命のすべてを使いきった」とか言われてる人間を相手に、一応五体満足でピンピンしてる黄金聖闘士の童虎さんが、よりによってとっておきの百龍覇を出してきて、そんで相打ちとか、マジでひどいだろ!
 作者はヒヨコ2名に何か恨みでもあるのかよ!
 お願いだから原作のハーデス編も少しは読み返してくれよ!一応このヒヨコたち、「18歳の前聖戦の時が一番最強だった」っていう設定なんだぞ!原作ハーデス編における18歳のシオンさんなんか百龍覇の衝撃を筋肉の力だけでパアアアアンとかしててほんと意味不明なんだぞ!(←超ほめてます)
 シオンと老師の激突だって、間近で体感した紫龍が拳圧にのけぞりながら、「うおおお!なんてすごい激突なんだ!」とか絶叫するレベルなんだぞ!しかもそん時はまだ老師が若返ってなかったんだぞ!
 もう何でもいいからちょっとくらい原作のシオンと童虎のことも読み返してくれ!読み返してくれよう!ウワアアアアン!(血涙)




■論点その5:シジマさんはどう考えても「くっカルディナーレめ」とか言ってる場合じゃないだろうと思われる件。


 さて、その頃、教皇の間ではシジマさんが意識を取り戻し、アテナがいないことに驚愕しておりました。

 「くっ カルディナーレめ!!アテナをどこかへ連れ去ったか!」

 いや、「くっカルディナーレめ」じゃねえよ。すべてはアンタが処女宮でいらんことして、無駄に力尽きるからだよ。ほんと意味わかんねえよ。目の前の敵とアテナを放置して、なに味方と闘って気絶してんだよ。

 「むっ!?こ…この迷宮に…いったい何者?」

 むっ!?確かに、シジマさんの言うとおり、向こうの方に見覚えのない光があるぞ!?何者!?
 ……いや、しかし、そちらの話題に移る前に、まずはひとこと、何としても突っ込んでおかなければならないことが。

 おい!迷宮まだ解けてなかったのかよ!

 いったいカルディナーレさんはどうやって迷宮から脱出したっていうんだよ!(大爆笑)

 いや、マジな話、カルディナーレさんの力で出られるんなら、アテナの力でも出られる気がしてならないのだが。
 ……それとも教皇(小物)が小器用なところを発揮して、カルディナーレさんだけを出してあげたりとか、してたんだろうか?いやしかし、あの教皇、そんな気の利くタマかなあ。


 「むうっ 信じられん この大いなる小宇宙はなんだ!?これほどまでに偉大な小宇宙を感じるのははじめてだ こ…これはもはや……神の小宇宙!!」

 いや、あなた今まで腕の中の赤ん坊に何も感じてなかったんですかシジマさん。特にアテナが処女宮の水鏡を助けた時とか、私の思い違いじゃなければ思いっきり腕の中の赤ん坊から「大いなる光」が放たれて、めちゃめちゃビックリしてたじゃないですかシジマさん。もしかして変な残留思念と対決したせいで、記憶まで吹っ飛んじゃったんですかシジマさん。しっかりしてくださいよシジマさん。ほんと色んな意味で「くっカルディナーレめ」とか言ってる場合じゃないですよシジマさん。(笑)




■論点その6:ラストの人物が本当にアテナなのか、アテナだとしても本当にこの先大丈夫なのか、何だか非常に不安な件。


 「ま…まさか…まさかあなたは…アテナ!!」

 叫ぶシジマの視線の先には、ボロ布をまとった人物が1名。
 一応ここはまだ「神々の迷宮」の内部であって、その中にいる人物は目下のところ、シジマさんとアテナの二人きり。しかもこのボロ布の人物、「神の小宇宙」をまとってる。
 以上の事実から考えると、この人物はアテナであるように思われるのですが……


 ……いや、ええっ!?ちょっと待って!?


 これ、一体、何歳だ!?


 どう見ても、5〜8歳くらいの子供に見えます。少なくとも自立して歩いてて、髪の毛も生えてるんで、明らかに乳児ではありません。
 いやあの、何コレ。まさかこの期に及んで、体が急成長し始めたとでもいうのでしょうか。クロノス様のイタズラで狂わされたテロメアって、そんないきなり元に戻るもんなんでしょうか。それとも、この急成長自体も、クロノス様のイタズラの一環なんでしょうか。それじゃ心配しなくても、ほっといたらそのうち元の13歳に戻るんでしょうか。いや、しかし、それじゃあまりイタズラになってないように思うんですけど。それじゃあまりにもクロノス様が親切すぎるような気がするんですけど。どう見てもそんな親切なキャラには思えなかったんですけど。

 さらに、外見も非常に気になるのですが、この子供、顔に思いっきり怪しげな影がついてるんだけど、ホントにこれ、アテナか?
 何だかものすごーく不穏な予感がしてならんのだが、ホントのホントに、これ、アテナなのか……?

 だって、良く見たら髪もザンバラのショートカットで、乗馬ごっこをしてた6歳の沙織さんとは全く違う髪型になっているし。や、まあ、そのへんは、単に城戸邸でカットしてもらってないからザンバラになっただけかもしれないけどさ。
 何が一番気になるって、どうも、この子供の顔つきがなあ。思いっきり不審な影がついてるうえに、何だか俯き加減なんだよなあ。これ、あんまり、沙織さんっぽいポーズじゃないような気がするんだよなあ。沙織さんって、たとえ何歳であろうとも、あんまり俯かないような気がするんだよなあ。いつも凛と真っ直ぐ前を見ているか、上を見てるかしてる気がするんだよなあ。少なくとも下は向かないと思うんだよなあ。
 ……まあ、気のせいだといいんですけどね!

 ちなみに、個人的にはこの子供が身につけているボロ布も微妙に気になります。フードこそついていませんが、それ以外はハーデス編でシオンさんたちが着ていたボロ布そっくりじゃーありませんか。何だかあまりにもハーデス軍が身につけていそうなボロ布すぎて、個人的にはそのへんも非常に不穏です。
 ……いやまあ、気のせいだといいんですけどね!

 しかし、この子供が急成長した沙織さんだったと仮定すると、このボロ布はさっきまで赤子の体を辛うじて包んでいただけの教皇の法衣の袖の切れっ端、ってことになりそうなんですが、いくら神の力とは言え、あんな小さな布キレが、いきなりこんなにでかくなって良いのだろうか?(笑)
 いやまあ、ぶっちゃけ赤子の沙織さんは全裸なんで、急成長しちゃった後、「やばい!着るもんがない!」と気づいて、急いで迷宮の隅のほうに行って、神の力で一生懸命ボロ布を拡大させてたのかもしれませんが。だとしたら、すっごいお茶目。(笑)

 それにしても、この子供が沙織さんだったとして、どうして今頃、この期に及んで、いきなり急成長するのかというのは、ちょっと想像がつきません。「実はずっとクロノス様の力に対抗してて、今ちょうど勝ったところ」とでもいうんだろうか。それにしてもいきなりすぎるような気がするんだけど。前フリも伏線も全然なかったし。それだとちょっと余りにもご都合展開すぎるような気がするんだけど。

 いや、何がってどうも私、この子供が仮に本物の沙織さんだったとしても、脳ミソの中身は沙織さんじゃないんじゃないかという直感的な不安がぬぐいきれないんですよねえ。根拠は、あまりにもこの子供の外見が禍々しすぎること。
 あるいは、この子供、実はぜんぜん沙織さんじゃなくて、新しい敵だったりして……。この新しい敵(子供の格好をしている)が、来週あたりで突然「赤子のアテナは預かった!返してほしくば(以下略)ウワーッハハハハ!」とか言い出す可能性も、ゼロじゃないような気がします……そんでそいつが蛇遣い座だったりしてな。
 ……いやまあ、気のせいだといいいんですけどね!

 というわけで、ラスト、ほんとに次回が読めません!全く読めません!続きが楽しみだー!




■そんなツッコミ人の独断と偏見にもとづく今後の予想:


(1)本命:このラストの人物は、一応沙織さんだが、すっかり蛇遣い座に意識をのっとられている。今回、教皇(小物)が早くアテナを始末しようとしていたのは、この状態を防ぐため。(←つまり教皇は本当は地上の正義のために行動していた)
(2)対抗:このラストの人物は、蛇遣い座の黄金聖闘士である。来週あたりで赤子の沙織さんを拉致して、「返してほしくば」とやる予定。(←ただしこの説だと、今週の教皇の態度があまりキレイに説明できないのが痛いところ)
(3)大穴:このラストの人物は、アローンである。神の力で迷宮に出現して、赤子の沙織さんを拉致してハーデス城に引っ込む予定。少し幼い姿に見えるのは、たぶん気のせい……もとい、迷宮のせい。(←いや、最近あまりにもアローンが忘れ去られていすぎてるんで、こういう展開にしたら一気に話が動くかなーと…笑)
(4)希望的観測:このラストの人物は、クロノス様のイタズラと闘って、ついに打ち勝った沙織さんである。無事に体が成長して、来週あたりで13歳の元の姿に戻る予定。そんで、無事に黄金聖闘士たちと一緒になってハーデスを倒す予定。何もかも順調だね!全てうまくいって良かったね!

 ……。

 あー、なんか今、自分で書いてて、「少なくとも(4)だけは無いな…」という気持ちになりましたヨ……。覚悟ができたというか……。
 むしろ、もし本当に(4)になったら逆にすごいと思う!聖闘士の皆さんのためにもぜひ(4)の展開になることを心からお祈りしたいと思う!まあたぶん無いと思うけど!



<完>


多分続く


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Written by T'ika /2013.9.26