冥王神話 NEXT DIMENSION
「Part54 魔宮」ツッコミ

(2013年1月31日発売・週刊少年チャ○ピオン9号掲載)




(注意)
このツッコミはネタです。実在の人物・団体等とはいっさい関係ありません。
・強度の毒舌が苦手な方は閲覧の際に副作用として痒み・発疹・アレルギー反応が出ることがありますので十分ご注意ください。





■とりあえず最初に全部読み終わった感想:


 え〜〜〜。(笑)




 というわけで、今回はちょっと論点がデカすぎて箇条書きでは処理しきれないので(笑)、以下、内容ごとに整理しつつ、文章ベタ打ちしていこうと思います!



■論点その1:カルディナーレさんの必殺技「ダガーローズ」の詳細が非常に気になる件。


 いまだに「カルディナーレさんは本当は裏切っていない」説を絶賛提唱中のツッコミ人ことティカですが、それをアザ笑うかのようにカルディナーレさんがのっけから、シジマさんに向けて思いっきり必殺技を撃ち始めました!
 その名も「ダガーローズ」!

 おお、何と。これは新技ではありませんか。これでNDにおける新出の黄金聖闘士のうち、御大から新しい技を考えてもらったのは以下の人々ってことになりますね!

・カインさん(起死回星)
・デストールさん(オメルタ)
・カイザーさん(ゴールディ)
・シジマさん(四門)
・カルディナーレさん(ダガーローズ) ←New!!

 なお私が思うに、ゴールディはたぶん技です。異論は認めん。(笑)
 ……だってカイザーさんって、めっちゃゴールディを放つことによって敵にダメージ与えてたし!

 あと以蔵さんのエクスカリバーも微妙に日本刀仕様になっていたので、ある意味では彼もまた、御大からリニューアルデザインを考えてもらえたという意味で、恵まれたキャラの1人と言えるだろう。

 つまり、ここからわかること:
 キャラデザインや必殺技考案について、時間を1秒たりとも御大からかけてもらえなかったキャラは、今のところオックスさんだけ。

 まさか、このような形でオックスさんのキャラを立ててくるとは、さすが御大!相変わらずキャラ立て能力が普通じゃありません!(震え声)


 さて、そのダガーローズですが、まず何色なのかが非常に気になります。白黒印刷で見た感じ、白でも黒でもないように見える。何か薄い系の色が塗ってあるっぽいが、黄色だろうか、水色だろうか。カラー原稿が非常に楽しみである。個人的には水色を予想!

 で、次に気になるのは、このダガーローズには一体どういう効能・機能があるのか、という点です。だってカルディナーレさんったら何の説明もしてくれないんだもん!もう!この焦らし魔め!(笑)

 とりあえず単語のほうから推理してみると、ダガー(dagger)というのは短剣・短刀という意味なので、なんか敵を直接切り刻む系の技なんでしょうか。一応シジマさんにヒットした瞬間、シジマさんの黄金聖衣に思いっきりヒビが入っているので、やっぱり「触れるものを直接破壊する」系の技であるようにも思えます。
 そういう意味ではアフロディーテのピラニアンローズと似たようなものかとも思われますが、にもかかわらず、ちゃんと別物としての技のデザインと名前と表現を与えてくれているあたり、「原作のアフロディーテと今作のカルディナーレさんはあくまでも別人である」という作者の(適切な)制作意図を感じて、私としては非常に好ましく思います。(←詳しくはPart9やPart39などのツッコミ参照!)

 あ、あとこの、「技の効果とかがいちいち言葉で説明されなくても漫画の表現の中でちゃんと読み取れてしまう」あたりは、やっぱり御大は漫画がうまいなあとしみじみ思いました。(何もかも全部キャラにしゃべらせる漫画は、仮に絵がうまくても漫画自体はあまりうまくないと思います。私見ですが)


 さて、ダガーローズがヒットしたと思いきや、実はシジマさんはかわしていた模様。よく見ると黄金聖衣にもヒビが見当たらないので、さっきのコマでダメージ受けてたシジマさん&黄金聖衣の図は、幻覚というかイメージ映像みたいなものだったんだろう。(←車田漫画では割とよくある表現)

 でもこれちょっと気になるんだけど、シジマさんって一体どうやってダガーローズをかわしているのだろうか。カルディナーレさんが「消えた」と言って驚いているので、光速で移動することによって避けている、という訳ではなさそうです。さすがに。
 ということはもしかしてこれ、テレポーテイションでかわしているんだろうか。シジマさんとシオン(ヒヨコ)の脳内会話はサイコキネシスによって行われていたようだったし(Part24参照)、もしかしてシジマさんはサイコキネシス能力にもある程度秀でているんだろうか。

 ……いや、あの、なんか思いっきり煩悩を捨て切れていなくて非常に申し訳ないのだが、シジマさんはあんまりヒヨコのキャラと存在価値を食わないでやっていただきたいのだが。(笑)

 いやそれとも、よく見たら「カッ」「カッ」「カカッ」のたびにシジマさんのオデコが光っているので、もしかしたらなんかそーゆー新しい能力なのかもしれないな。オデコが光ったら敵の攻撃をよけられるんだきっと。たぶんシジマさんのオデコのポッチンは、ウルトラマンにとってのカラータイマー的な何か。


 あと、個人的にものすごく気になっていることはこれです。
 バラがヒットしてシジマさんの聖衣にヒビが入っているシーン(たぶん幻覚)で、アテナに全然バラが当たってないのは何故なのか。
 こんだけ大量のバラが飛んできて、何でアテナだけ無事なのか。何でアテナには一発も当たってないのか。
 てゆーか、Part22といい今回といい、なぜカルディナーレさんはアテナ(無防備極まりない状態)を直接狙わないのか。

 これはもうわざとアテナを避けて攻撃しているとしか思えないレベル!


 あと、最後に、地味に気になったこと。
 「シジマを倒した」と思い込んだカルディナーレさんが、そのクールさに似合わず「やった」とか口走ってて、すごく嬉しそうな件。(笑)

 いやアンタとりあえず、「やった」はねえだろ、「やった」は!

 だって、今までのカルディナーレさんといえば、教皇の嘘を一発で見抜いたり、微妙に小物臭い教皇を完全に手玉にとってたり、顔色ひとつ変えずにシジマさんを攻撃したり、挙句の果てには「死にたくない」という一見カッコ悪い主張さえすごく偉そうに堂々と主張していたり――と、実にクールでドライで物事に動じない、冷静沈着なキャラとして描かれてました。強さに関しても、不意打ちだったとはいえ、涼しい顔してシジマさんに致命傷まで与えていたので、もしかしたら結構強いのか?かなり余裕なのかこの人?という印象すら醸し出されていた(ように思う)(たぶん)。

 それが今回の「やった」のせいで、実はシジマさんを倒したくてめっちゃ本気でガツガツしてたっぽいという事実が判明。ついでに、実はそれほどクールでもオトナでもないんじゃないかという疑惑すら出現。(笑)

 ほんの一言「やった」と口走ってしまったせいで、色々崩壊しちゃってますよ、カルディナーレさん!




■論点その2:まさかカルディナーレさんは本気でハーデスに寝返ってなんかいないですよね?


 諸々の描写を見るに、カルディナーレさんの行動については幾つかの疑問点が浮かび上がります。

 大問その1.
 まず、シジマさんへの攻撃が本気なのかどうかについて。

 そもそも本当にシジマさんを殺したいなら教皇の迷宮に閉じ込めたままそのまま放置しておけばいいのに、わざわざリスクを犯してまで出向いてくるあたり、怪しいと思ったんだよねえ、前回。
 さらに今回の戦闘の描写でも、カルディナーレさんは一度もブラッディローズを使っていないので、もしかしたら手加減しているのかなあとも一瞬思ったのですが。

 残念ながら思いっきり素で「やった」とか言っちゃってるので、この線はナシかと思われます。めっちゃ本気で技かけとるわこの人!

 でも、それならカルディナーレさんは今回どうしてブラッディローズを使わないんだろう、という新たな疑問も生じます。一度使って思いっきり引っこ抜かれちゃったので、使うことができないんでしょうか。いやそんなバカな。(笑)
 実際Part22のシジマさんはブラッディローズでかなり深刻なダメージを受けていたので、もう一度ブラッディローズで攻撃するのはかなり有効な戦術だと思うんだよねえ。まさかブラッディローズよりダガーローズの方が強いなんてことは無いと思うし。(←上述のようにダガーローズはピラニアンローズと似たような効能に見えるので、今のところ直接心臓にダメージを与えるブラッディローズの方が、能力が高いように思われる)

 結論:
 技自体は本気でしかけているが、本気で殺そうまでとしているかどうかはまだ判らない……と、私(ツッコミ人)は現在、一縷の希望・最後のワラ一本にすがりついている真っ最中です!


 大問その2.
 ではシジマさんへの攻撃は本気だとして、カルディナーレさんは本当にアテナに反逆しようとしてるんだろうか。

 いや、どうもこのカルディナーレさんがあまりにも故意にアテナを傷つけないようにしてるとしか思えない攻撃方法を、初登場時から一貫してつらぬいていすぎるので(笑)、実は彼はアテナに弓を引く気はないんじゃないかと思えてならないのですが。個人的には。

 だが、しかしその場合だと、まさかこのシジマさんへの攻撃的な態度は私怨なのだろうかという、新たな疑問が生じることに。バ、バカな。(笑)

 でも今回、カルディナーレさんはシジマさんに対して「お前ほどの男が」とか言ってるし(19ページ目)、あとPart22でも「シジマは聖闘士の中でも特に正義感の強い男 アテナに謀反などおこすはずはありますまい」とか言ってるので、実は随分シジマさんのことを評価していらっしゃる模様です。
 したがって、やっぱり恨みとかではないっぽい。

 となると、導き出される推論はひとつ。

 もしかしたらカルディナーレさんは、かの有名なサッカー漫画・キャプテン翼における「勝負だ○○くん!ライバル対決って楽しいよ!」的なノリによって、シジマさんに仕掛けて楽しんでいるのかもしれない。だからこそ、「シジマを倒した」と思った時の反応が、「やった!」になってしまったのだろう。(笑)

 というわけで結論:
 カルディナーレさんは、アテナに反逆するつもりは無い。そんでシジマさんへの攻撃については、カルディナーレさんの中では単にトムとジェリーみたいに仲良くケンカしてるだけのつもり。(ただし一方通行)

 わぁお。超予想外。




■論点その3:十三の伝説について


 ついに種明かしが来ましたね!シジマさんによると、十三の伝説とは「呪われた十三番目の黄金聖闘士 蛇遣座(オピュクス)の復活」でした。
 ちなみに、前回の私の予想その1は結構当たってましたが、予想その2は大外れ!なんだアベル関係ないのか!超予想外!(いやでもまだわからんかも?アベルの存在に蛇遣座が何らかの形で関わっている可能性自体はまだ消えてないかも?)

 しかし正直な感想を言うと、個人的に十三星座=蛇遣座は一番当たってほしくない展開だったので、何というか今は、「敢えてふさいでおいたコースにボール蹴られた!ガーン!」みたいな心境だったりする。(←詳しくは末尾の「番外編」にて後述)

 あと、ここに来て「十三」は現代とも繋がってしまいましたねえ。現代におけるシャイナさんの謎の発掘作業により、天蠍宮と人馬宮の間に埋もれていた「伝説の魔宮の遺跡」が出現!なんだよ、場所も人間もどっちも正解だったのかよ!予想外!
 ……でもこれは考えてみたら確かにそうだ。十三番目の黄金聖闘士がいるなら十三番目の守護宮もあるはずだよな。確かに納得。

 でもちょっと疑問なんですけど、蛇遣座の「復活」って一体どういうことなんだろう。

 というか、ぶっちゃけ蛇遣座(オピュクス)って既に白銀聖闘士のなかに存在しているんだけど、まさかそいつが黄金に昇格するとでもいうのだろうか。いやいやいやいや無いだろさすがに。だって白銀の実力でしかないヤツが、そんな伝説とかによっていきなり実力アップして黄金レベルの強さになるとか、フツーに考えて有り得ないだろ。幾らなんでも都合良すぎだろ。

 ちなみに、この十三の伝説は、魔鈴さんとシジマさんによると、「神話の時代からの言い伝え」だそうです。うん、その辺は予想通り。だって「神話の時代」とか付けといた方が、絶対カッコ良くなるに決まってるからな!実際「神話の時代から」って聖闘士星矢における慣用句だしな!(←聖闘士星矢における御大のお気に入りの思考パターンは、ある程度把握できている自信があります・笑)

 さらに、この伝説そのものは、結構たくさんの聖闘士に知られている模様。カルディナーレさんも噂には聞いたことがあるそうです。……というか、今までシジマさんにちょっかい出すことだけに己の集中力のすべてを注ぎ込んでいたカルディナーレさんが、シジマさんの口から「十三宮の伝説」という単語を聞いた瞬間、あまりにも一瞬でマジ顔になりすぎていて超ウケました

 さっきまで「やった」とか言ってた人と、同一人物とは、とても思えん。
 (↑ちなみに今までの全カルディナーレさんの中でもこのマジ顔は一番イケメンだと思います・笑)


 でも、カルディナーレさんは同時に「伝説にすぎん」「神話の時代のつくり話ではないか」とも言ってたので、聖闘士業界ではこれ、あまりにも古い話すぎてもはや誰も本気にしていなかったように推察されます。
 魔鈴さんも遺跡を見るまでは、言い伝えが本当とは思ってなかったぽいし。

 しかしですね。「十三」が蛇遣座であり、しかも現代とつながってしまった以上、すぐさま深刻な疑問が生じるのですがね。

 それじゃ現代の聖闘士たちが誰もこの「十三」を気にしていなかったのは一体なぜなのよ。

 この前聖戦の時代において「十三」が復活する(あるいは復活しそうになる)のなら、少なくとも現代の聖闘士どもは、もうちょっと十三について気にしているべきだと思うのだが、誰も十三の宮を警戒していなかったのは一体なぜなんだ。特にシオンと老師。
 それとも前聖戦の時に完璧に封印することができた(ように見えた)から、現代ではもはや十三を気にする必要はないってことになったんだろうか。しかし、そうであるならば、「十三の言い伝えは実話でした」という話が、もう少ししっかりと聖闘士たちの間に広まっているべきだと思うのだが。

 結論。
 なんか早速、過去と現在のつじつまがあわなくなってきてないか?
 (まあ車田漫画だから別にそれでもいいけどさ!)




■論点その4:シャイナさんのご様子が非常に不穏である件について。


 あのシャイナさんが、言うに事欠いて星矢に手をかけようとしている(ように見える)時点で、これはもう明らかに、何かに操られているとしか思えません。
 ……いや、一瞬、「沙織さんが居ない間に星矢との間に既成事実を作るつもりなのかもしれない!」と、間違った方向に想像力を発揮してしまったのも事実ですけど。ていうかそれ私だけじゃないことを祈りますけど。
 でもまあ星矢と既成事実が作りたいんなら、背後から延髄を狙うんじゃなくて、正面からキスとかを狙うよなあ、普通。

 なお、その直後に魔鈴さんに声をかけられたシャイナさんは、「一瞬めまいがしたような…」とか言ってます。ますます操られてる疑惑が高まります。(もっと言えば、魔鈴さんに「めまいがした」と言い訳しているシャイナさん自体がまだ操られたままという可能性も、ゼロではないと思います)

 さらにそこから「ちょっと気になることがあってな」とか言いながら、いきなり十二宮に向かおうとするシャイナさんの行動も非常に解せません。行動があまりにも唐突すぎるうえ、会話のあいだ常に魔鈴さんに背中を向けているという不審者MAXの態度のため、「コイツあやしい」感が早くも最高潮です。

 「なあに すぐにもどる」

 ……あの、なんか、「このまま二度と戻ってきませんフラグ」がビシバシ立ってるような気がするのは私だけですか!(震)


 あ、あと瑣末な事ですけど「黄金聖闘士が亡き今 十二宮は無人だぞ」っていう魔鈴さんのセリフとか、実際に雑兵だけが厳しく警護してる十二宮の様子とかに、ちょっとしみじみしちゃいました。ああこれ原作ハーデス編の続きなんだなあって感じた。


 まあ、そんなこんなで、天蠍宮と人馬宮の間あたりでめっちゃ通路から外れた崖みたいな所にある、誰にも存在を知られていない遺跡を、めちゃめちゃ一発で、自ら掘り当てたシャイナさんですが。

 どう見ても何かに操られてる。彼女の今後の身の安全が非常に不安です。
 (ちなみにシャイナさんを心配して遺跡までついてきてしまった魔鈴さんの今後の身の安全はあまり心配してません!たぶん魔鈴さんだから大丈夫な気がする!)(←根拠のない信頼感)


 しかし微妙に気になるのが、十三の宮の遺跡、めっちゃ十二宮の通り道から外れてますよねえ。他の宮のように通り道をふさいでいない。
 位置的に考えて、これ、仮に出現しても、めっちゃ素通り可能じゃね?
 まさか、十三が完全復活したらこの遺跡がゴゴゴゴとかいって道の真ん中まで移動してくるわけでもあるまいし。(笑)


 と、ここでいきなり苦しみ始めるシャイナさん。
 「う…うう… お…終わりがくる… サ…聖域はおろか…地上すべての終わりの日が間もなくやってくる…」
 セリフのフォントが、星矢を襲おうとしていた時と全く同じです。一連の描写から推察するに、何者かに行動を操られながらも、同時に必死でそれに抵抗するシャイナさん本人の意識も、今はまだ存在している、といった状態でしょうか。

 ……いや、既に「シャイナさんが操られてること100%確定」として勝手に話を進めているツッコミ人ですが、だってこれもう、セリフの内容がどう考えてもシャイナさん個人の知識を超えていますもん。
 それに、そもそも良く考えてみよう。
 まず、「蛇遣座の黄金聖闘士が復活する」なんて言ったって、シャイナさん本人の今の実力は残念ながらどう見ても黄金レベルではないので(原作参照)、残念ながら今のシャイナさん本人はどうやっても黄金聖闘士にはなれません。聖闘士の設定にそって、基本に忠実に考えれば当然そうなる。

 で、あるならば。

 「何かもっと強いヤツに乗り移られたシャイナさんが蛇遣座の黄金聖闘士の傀儡として覚醒する」という可能性一択しかないように思うんですけど・・・。

 ウワアアアン!今までだってさんざん色々あったのに、シャイナさんどんだけ不幸の星の下に生まれてるんだヨ!


 というわけで結論:
 斗馬さんと天界つながりで、てっきり魔鈴さんがラスボス(というか渦中の人)になるとばっかり思っていたら、まさかシャイナさんの方にラスボスフラグが立つなんて。


 ちなみに余談:
 蛇遣座のエンブレム、結構カッコイイですね!




■論点その5:水鏡先生と「十三」の関係について。


 シジマさんの推理によると、水鏡先生が「十三」の復活を知っていた理由は以下の通りです。

「杯座の聖衣は未来を映すという… 水鏡はおそらく見たのだ… 呪われた十三番目の黄金聖闘士 蛇遣座の復活を!」

 すげえ!杯座の聖衣の伏線がここで見事に生きた!車田漫画すげえ!(←ほめてます)

 しかしですね。そうすると、個人的には微妙に気になってくるんですけどね。
 Part50では「水鏡先生がボロボロになりながらも必死で十二宮を突破しようとしている理由は、アテナに十三のことを伝えるためだった」という描写がされていたように思うんですがね。

 この「十三」の伝説で今回、彼の裏切りが一体どう正当化できたっていうんだ?

 だって水鏡先生、杯座の聖衣で未来を見たんだよね?つまりそれって、水鏡先生はまだアテナ軍で杯座の白銀聖闘士として働いてた時代に「十三」の復活のことを知ったんだよね?だって杯座の聖衣を手元に置いて使うことができていたんだもんね?天馬くんに杯座の聖衣を預けてタル(笑)に入れられてしまうよりも前のことだよね?思いっきり白銀聖闘士時代だよね?

 つまり水鏡先生は、ハーデス軍に寝返るよりも前に、「十三」のことを知ってたんだよね?

 ……あの、なんかもう全然わかんないんだけど、まさか水鏡先生は白銀聖闘士時代に杯座の聖衣で「十三」の復活を知ったがために、(なぜか)わざわざ裏切って冥闘士になり、今ガルーダとして十二宮を突破してアテナに十三のことを伝えようとしている、とでもいうの?


 意味不明すぎるわ!!


 それなら裏切らずに聖闘士として直接みんなに言いふらせばいいだろ!つーか、世界の滅亡に関わる重要案件なんだから、 そ う し ろ !


 ……それとも、アレですか。まさか水鏡先生は白銀聖闘士時代に杯座の聖衣で「十三」の復活を知ってガーンって思ってたんだけど、そのこととは全く無関係に別の事情(弟関係)でハーデス軍に寝返らざるを得なくなり、仕方がないから今ガルーダの冥闘士の姿のまま十二宮を突破して、アテナに十三のことを伝えようとしている、とでもいうの?


 そりゃアホすぎるわ!!


 それなら裏切る前に、シオンなり童虎なり天馬くんなりに、「十三」のことだけでも伝えとけばいいだろ!つーかシオンと童虎には水清の墓の前でいくらでも言えただろ!あるいは天馬くんに修行つけてやってた時にだって、いくらでも伝言くらい頼めたはずだろ!つーか、世界の滅亡に関わる重要案件なんだから、 そ う し ろ !

 「十三」の復活を知ってガーンって思ってから、ハーデス軍に寝返るまでの時間、アンタいったい何やってたのさ!


 結論:
 どっちに転んでも、「十三」の伝説によって水鏡先生の裏切りがどう正当化できるのか全くわからんどころか、ますますもって水鏡先生は裏切るべきじゃなかったとしか思えなくなってくるというこの現状!(笑)

 いやでも、敢えてムリヤリつじつまを合わせるとすれば、白銀聖闘士時代に杯座の聖衣の映像を見た時には、映像があまりにも断片的すぎて、水鏡先生自身も意味がわかってなかったんだけど、ハーデス軍に寝返ったあとで色々事情がわかって、「そうかあれは十三の復活のことか!」ってようやく気づいて、そんで今冥闘士として十二宮を突破して、アテナに十三のことを伝えようとしている、のかもしれない。
 ……きっとそうだ。たぶん。ゼッタイ。(震え声)


 というか:
 まさか、水鏡先生が杯座の聖衣で見た「十三の復活する未来」っていうのは、前聖戦の時代じゃなくて、思いっきり現代(1990年)のことだったりして。(←根拠:シャイナさんのフラグ)

 ……ま、ますますもって水鏡先生の悲壮な十二宮突破に、とてつもない無駄足感が漂い始めたぞ!どうする!




■論点その6:そんで結局、氷河さんは一体どうしたんだろう。


 「来シーズン以降で氷河がどこに落ちてくるのか」の答えは、やはり「紫龍が天秤宮に落ちたのは老師の杖のおかげだったのか、それともアテナの結界が全体的に弱まり始めているせいだったのか」の答え次第であるとは思うのですが。

 でもアテナの結界が緩んだとはいえ、黄泉比良坂という反則道しるべ+デストールさんの案内が付かなきゃ、いまだに冥闘士は十二宮を近道できないんだもんなあ。(←Part46参照)
 やっぱりいきなり天秤宮に落ちる、ってことの方がイレギュラーな事態に思える。(←つまり老師の杖の影響だったような気がする)

 というわけで結論:
 まさか氷河くんだけ今さら白羊宮スタートだったりして。(気の毒)

 ……でもまあその場合は再びヒヨコの出番が来るってことだから、原作シオンをこよなく愛する私(ツッコミ人)も漏れなく一緒に気の毒!
 どうせヒヨコの名誉挽回シーンなんて来ないに決まってるし!もはや氷河さんのかませにされないことを祈るしかないし!(←ヒヨコに関してはこのティカとうに悟りを開きました)(←Part2くらいで・笑)




■論点その7:今後の展開の予想


 とりあえず、「十三」の宮の場所が人馬宮の直前だってことが、今は個人的に気になっています。なんかこう、まるで人馬宮の黄金聖闘士が活躍するフラグみたいで。
 くれぐれも良い意味での活躍であることを祈っておりますがね!

 ……ちなみに悪い意味での活躍だった場合、「人馬宮の黄金聖闘士が黒幕でした」的なオチも十分ありうるからなあ。御大そのへん容赦ないし。(←これは物凄くほめてます)
 あと、カルディナーレさんいわく「自分以外にももうひとり裏切者がいる」らしいしなあ(Part23参照)。しかも、今まで出てきたカルディナーレさん以外の黄金聖闘士が、どうやら誰も裏切ってないっぽいんだよなあ。
 あと残ってるのが蠍座と射手座と水瓶座しかいないんだよなあ。まあ結局は誰も裏切っていませんでしたっていう展開もありそうだけど。(というか是非ともそうであって頂きたい…)


 あとは「論点その5」で指摘したように、水鏡先生のこの時代での十二宮突破が壮絶な無駄足じゃないことを祈りたいものです。
 ……だがしかし、なんだか「十三の復活」が、前聖戦じゃなくて現代(1990年)で起こりそうなフラグがビシバシ立ってるんだよなあ……シャイナさんの予言とか様子とかのせいで。


 あ、あと、蛇遣座の神話から考えて、個人的には、十三番目の黄金聖闘士は、「死者を甦らせる」という能力を持っていたのではなかろうか、と予想しております。そんで神話の時代にどっかの神の怒りに触れて殺されて、十二宮に封印されてしまったんじゃなかろうか。アスクレピオスのエピソードが(封印以外は)だいたいそんな感じだし。
 となると、この先十三番目の黄金聖闘士は、めちゃめちゃハーデス側に付く可能性もあるよな。っていうか、十三番目の黄金聖闘士は、めちゃめちゃ悪霊(怨霊)になってる可能性すらあるよな。あれ……?サガにとりついてたあいつって……?悪…霊……?

 あとちょっとだけ思うのが、なんかその蛇遣座の能力によって、どさくさに紛れて現代で黄金聖闘士が甦ってしまったらどうしましょう。(←映画・天界編のトーテムポールは、「黄金聖闘士たちは魂が封印されてるだけで死んではいない」って意味だったように思うのだけど、そのアイディアに関しては、車田原案である可能性がかなり高いのではないかと私は感じています)(根拠はゼロだが長年の車田ウォッチャーとしての勘である。勘。)


 何はともあれ、「予想は外すために立てるもの」という心持ちで、来シーズンが始まるのを楽しみに待ちたいと思います。ああ、楽しみ!




■番外編:で、十三星座(笑)ってどーなのよ。


 さて、以下はNDという作品そのものに内在する問題ではないため、少々フェアじゃない評論になります。フェアじゃない(と思う)ので、一応オマケの番外編として、末尾に置いてみました。

 「十三星座」についての話です。

 この文章を読んでいる皆様にとっては心底どうでもいい情報ではありましょうが、このティカ、ひょんなことがきっかけで西洋占星術について自主勉強してみたことがあります。
 その時に入手した(初歩的な)知識をもとに、敢えて断言してみるのですが。

 十三星座って占星術的には思いっきりパチモンなんですけど。


 ぶっちゃけ思いっきり「(笑)」っていう扱いなんですけど。


 理由:
 十三星座占いの根拠は、「十三星座を導入したほうが実際の夜空の星座に近くなるから」というものなのだが、そもそも占星術における十二星座はシンボル(象徴)なので、「実際の夜空の星座」とはまったく別物。なのでそれを考慮する意味も必要も、まったく皆無。

 占星術とは全く無関係な「実際の夜空の星座」を根拠に持ち出して来ている時点で、十三星座とは、占星術の基本を知らないか、あるいは敢えてガン無視しようとしている人が、商業的な意図で仕掛けたものなんじゃないかなあという気が、個人的にはしています。
 (以下、青文字の部分は少々マニアックなので、興味のない方は飛ばしてください)

 なお、占星術にはむしろ十二星座でなければならない理由、十二星座でなくては困ること、というのがたくさんあります。
 例えば、占星術ではまず何よりも「円(360度)を割りきれる数」というのが重視されます。円の360度を30度ずつ、「12の」宮にきれいに分割できる、ということが重要なのです。
 もし13星座だと、360度÷13=27.6923077...となって、割りきれませんので、「円を等分割する」というお約束が崩壊し、占星術として成立できません。
 まあ13星座占いの中では一応、「実際の夜空における星座の面積」にしたがって、十三の宮を「不均等に」分割する、ということにしているようですが、一般的な占星術ではそのやり方はアウトです。色々矛盾が生じる上に、数秘術的な必然性も数学的な美しさも全くなくなるからです。

 さらに「12」という数は、「2でも3でも4でも割りきれる」という点でも非常に重要です。なぜなら他でもなくそのおかげで、十二星座は「陰・陽」の二要素にも分けられるし、「活動・不動・柔軟」の三区分にも分けられるし、「地・水・火・風」の四元素にも分けられるからです。これらの二要素・三区分・四元素は、占星術の基礎として、理論でも実践でも頻繁に使用されます。
 それがもし十三星座だと2でも3でも4でも割りきれないので、これぜーんぶできなくなっちゃうんだよね。もはやこれでどうやって占えってゆーね

 まあそういう意味では、「十三が出てきたら十二宮が破壊される」というテーゼは、あながち間違ってもいないわけですが。ううむ。車田すげえ。


 と、いうわけで。

 とりあえず、「聖闘士星矢」という世界の話は、「聖闘士星矢」という世界の中のみで独立させたうえで、独立したものとして評価する。というのが、批評の姿勢としては適切だろうと個人的には思っています。
 なので、いくら現実の世界における十三星座占いが「(笑)」的なモノであったとしても、NDという作品はそれとはキッパリと切り離したうえで、あくまでも「その要素が聖闘士星矢のストーリーとしてうまく成立しているかどうか」という観点(のみ)で見ていきたいし、見ていこうと思ってはおるのですけれど。

 ……でもまあ元ネタの胡散臭さを知ってる身としては、いささか複雑というか、ぶっちゃけ、
  ( ^ ^;)
   ↑こういう気分でもあったりする。


 そんな訳で、初読時の全体感想が「え〜〜〜」だったのでした。(笑)


 ちなみに、今のところは演出もストーリー構成もしっかりしてると思うので、「ND」という作品の評価としては、「十三」がこれでも別にいいんじゃないかと思います。個人的嗜好はまた別ですが、とりあえずは「作品としてちゃんと成り立ってるかどうか」という観点で、できるだけ冷静な評価を述べてみた。


<完>


とまあ、常に無い感じで真面目に書いてしまいましたが、次回からは是非とも盛大に不真面目に戻りたいところですヨ!ヒャッハー!

多分続く



「Part53」へ←  →「Part55」へ

NDツッコミ目次へ  ネタ部屋トップへ

Written by T'ika /2013.1.31