■冥王神話 NEXT DIMENSION
「Part41 いつかの日のために…」 ツッコミ
(2012年5月31日発売・週刊少年チャ○ピオン27号掲載)
(注意)
・このツッコミはネタです。実在の人物・団体等とはいっさい関係ありません。
・強度の毒舌が苦手な方は閲覧の際に副作用として痒み・発疹・アレルギー反応が出ることがありますので十分ご注意ください。
■連載以前のツッコミ
- まあ確かに世の中的には「4月」といえば明らかに春なんだから、「5月」が春「頃」であったとしても、一応、おかしくはないよな! 一応!(爆笑)
- そしてまあ、1日だろうが31日だろうが、同じ5月には違いない。
- ……というわけで、前回の連載で作者の人があまりにも楽しそうだったので、再開は早いだろうと踏んで「3月」と予想した私ですが、2ヶ月ほどズレたとはいえ、やっぱり再開はけっこう早かったなと思います。
- なので、やはり車田サンは今、この聖闘士漫画を、相当楽しんで書いていると見ました。マジメな一読者としては実に嬉しい限りであります。(あ?ええ?はい?勿論、マジメな一読者ですヨ?何か疑問でも?)
■双児宮―― 「アベル 出てこい! これ以上おまえの勝手にはさせぬぞ! 邪悪な弟め!」 (1ページ目)
- Part37で弟が自分のストーカーだったという事実が明らかになってしまった気の毒なカインさんが、どこともわからぬ空間に向けてブチキレています!
- しかしどうでもいいのだが、「邪悪の化身め」とかいうのなら、割と聞きなれた良くある罵詈雑言の言い回しなんだけど、「邪悪な弟め」って、微妙に斬新。
- 「邪悪」はともかく、「弟」って別に悪口じゃないよな。
- 「弟め」とか言われても別にムカつかないよな。
- 微妙にマヌケでジワジワくるな(笑)
■「いったい誰に向かって言ってる?」「おまえは!?」「青銅聖闘士のフェニックス一輝!!」 (1〜2ページ目)
- まあ確かにその双子座の人、何もないところでひとりで絶叫してて、どう見ても頭オカシイから別にいいんですけど、よりにもよって一輝兄さんともあろうお方が、なんだかものすごく常識的でマトモなツッコミをなさるんですね。
- しかも「青銅聖闘士の」とかわざわざ自分でつけてあげてるあたり、まるで一輝兄さんだとは思えないくらい聞き手への思いやりに溢れた、ものすごく親切な自己紹介ですよね。(笑)
■「フェニックスだと?いったいどういうことだ…青銅聖闘士(ブロンズ)ごときまでがこの双児宮に入りこんで来るとは…」 (2ページ目)
- そ、それじゃPart33〜34あたりで双児宮に入りこんで来てた人々は、いったいカインさんから見て何聖闘士だと思われていたんでしょうね……
- ちょっと前まで「クロス」も「セイント」も漢字でしゃべれてなかった天馬くんがガン無視されるのはしょうがないとしても、せめて瞬の方くらいは青銅として認識してもらわないとまずいんじゃないの?
■「オレのことよりも…先に倒さねばならぬ相手がいるようだが…アベルとは誰だ?」「おまえには関わりのないことだ」 (2〜3ページ目)
- いやカインさん、あなた水鏡先生に対してはアベルのこと、聞かれてもないのにベラベラしゃべってたような気がするんですけど。
- さてはカインさん、「アベルが自分のストーカーだった」という事実がよっぽどキモかったんだな!
- たぶんカインさんは今、アベルのアの字すらも話題にしたくない心境!
■「それにわたしは闘いを好まぬ 命がおしければ来た道をまっすぐに戻れ」「命はすでにすてている」「(略)その言葉が本当ならば そこから一ミリでも入ったらそれが証明されることになるぞ」「ならば…うっ!?」 (3〜4ページ目)
- いやいやいやいや!(大爆笑)
- いくらなんでもこの漫画の登場人物、揃いも揃って、「この線からこっちに入るな」ゴッコが好きすぎだろ!!
- ちなみに、繰り返すようですが参考例その1:「お嬢さんと星矢が無事ここからいなくなるまでこの線よりこちらに入るな 入ったヤツは死ぬぞ!」「この線から入ったら死ぬだと たかが青銅がふざけるな――っ」 ←原作白銀聖闘士編における一輝さんとカペラさんの応酬。
- 参考例その2:「おまえこそ この線からこっちへ入ったら死ぬのだ!」「なにい!」 ←原作白銀聖闘士編におけるダンテさんと一輝さんの応酬。
- 参考例その3:「(ザッ ザッ)三秒後にここに奴は落ちて来る…」 ←原作ハーデス編におけるアイアコスさんの一人遊び。
- 参考例その4:「おまえはそこから三歩も進まぬうちに息たえておるのだぞ」「ならば行こう しかしそれが出来ねば死ぬのはきさまだぞ」 ←Part29におけるオックスさんと水鏡先生の問答。
- やべーよ。「この線からこっちに」ゴッコの犠牲者がどんどん膨れ上がっていくよ。っていうか参考例その4以外、すべてに一輝兄さんが絡んでいるのはいったいどういうことだよ。
■「青銅聖闘士よ 今はおまえなぞにかまっておれぬ アベルが白日のもとに牙をむきはじめた今…なんとしても滅せねば猶予はないのだ…」「な…なにがアベルだ そんな男がどこにいる」「なに!?」「おまえはどう見たってひとりだぜ アベルなんて男はどこにもいやしない おまえはひとり芝居を演じてるだけではないのか…」 (5ページ目)
- ぶはああああっ!!
- こ、この男、作中のキャラが今まで怖くて誰もつっこめなかったことを、つっこみやがった!!
- さすが一輝兄さんとしか言い様がない!!
- いやまあしかし、天馬くんにも水鏡先生にもアベルが実体に見えてたんだから、一輝兄さんの思い違いなような気もするんだけど……
■「むうう〜〜っ 貴様になにがわかるかぁ――ッ」 バコオッ ドシャッ ドカッ バキッ ガキッ ビシッ ドシャアッ (5〜7ページ目)
- ちょっ!!!(大爆笑)
- この黄金聖闘士、マジギレしすぎ!!
- あまりにもマジギレしていすぎ!!
- つーか、あまりにもマジギレしていすぎるせいで、一輝兄さんの言葉が図星だということが、はからずしもバレバレになっていすぎ!!
- ……ていうか、マジなの?
- 本当にカインがひとり芝居してたの?今までの全部?
- ってことは、Part37で繰り広げられてた「私が全部泥かぶってあげる!」「兄上に全部プレゼントしてあげる!」っていう昼ドラ愛憎劇も、全部、こいつの脳内妄想なわけ?
- ……うっわあ……。
■「消えろ 命だけは助けてやる アベルだけでなく今 聖域には邪悪な小宇宙がうずまいているのを感じるのだ 一刻も早くアテナの身だけは守らねば…」 (7ページ目)
- うっわーウソくせえー!
- マジギレの直後だけに、いかにも小芝居感がぬぐえねえー!(笑)
- ていうか、そう思うんならさっさとシジマさんのところに行ってあげてくださいよ、カインさん!シジマさんシカトされまくってて超かわいそうですよ!
- だいたい、アベルさんはPart34で「教皇も魚座もアテナに反旗をひるがえした」という話を既に知っていた訳なんだから、シジマさんの例のフニャフニャのメッセージ(笑)は、アベルさんにはちゃんと聞こえてたんじゃないかと思うんだけど。ならカインさんにだって当然聞こえてたはずだと思うんだけど。
- 実はおまえ、わかっててシジマさんシカトしてるだろ!
- 何気におまえ、裏切者でしかも黒幕だろ!
■「オ…オレは…そのアテナを守るためにやって来たのだ 未来から…な」「なに?今なんと言った!?」 (7ページ目)
- むっ。この小芝居男、意味深な驚き方をするな。
- まさか、実はカインさんも未来から来てて、その正体は聖域をぶっ潰そうとする天闘士だった……なんてオチはないよな?幾らなんでも?
- しかし、今回の一輝兄さんは一体どうしてしまったというのでしょう。聞かれてもいないのに「未来から」だなんて、あまりにも聞き手に優しすぎる説明仕様です(笑)
■[場面転換] 「どうにか巨蟹宮もぬけられたね 天馬くん」「ごほっ ごほっごほっ」「天馬くん!蘇生したとはいえやはり一度止まった心臓のダメージはきつそうだね」「だ…大丈夫だ 瞬」 (8〜9ページ目)
- どこからつっこめばいいのか非常に迷うところだが、やはりここはあれだろうか、心臓のダメージなのになぜ肺・気管支系の症状に苦しんでいるのかという所からつっこんでおくべきか。
- そしてまるで「ドライブシュートのうちすぎで怪我した右足」を心配するのと同じレベルで「一度止まった心臓のダメージ」を心配している瞬の感覚は、いよいよ人間のものではない。
- しかもさっきまでクロスを漢字でしゃべれてすらいなかったくせに、当然のようにさらっと「大丈夫だ」と答えている天馬くんが、あまりにもナチュラルに聖闘士に溶けこみすぎてて只者じゃなさすぎる。
■「それより先へ行ってくれないか このままじゃおまえの足手まといだ」(略)「モタついてる時間はないんだろ すぐにあとを追っかけるから」「天馬くん…わ わかった」 (9〜10ページ目)
- おお、懐かしい展開だな。
- このへん、瞬の中の迷いと逡巡をわずか数コマながらもちゃんと描き、そのうえで「わかった」って言わせる流れが、やっぱり上手だし簡潔だし、安心感があっていいなと思いました。(もしここで瞬が迷いもせずに「わかった」って言ってあっという間に天馬くんを置いてっちゃったら、そりゃもう『聖闘士星矢』じゃなくなりますからネ!笑)
- 個人的な感想ですけど、車田ネームのクオリティはほぼジャンプ連載時に近いものが戻ってきてるんじゃないかなあ?
■「瞬 オレたちは神々の時代から地上の平和のために戦ってんだよな おまえのいた未来ってのはどんな世界だ ここから数百年後には地上に争いも悪人もいなくなってんのか」 (10ページ目)
- あの…ちょっと…
- なんか天馬くんが突然「この戦争が終わったらオレ結婚するんだ…」みたいなこと言い始めたんですけど…
- 別れ際にそんなセリフ言うなんて、完全に死亡フラグだぞ!おいこら天馬!
■「い…いえ 戦争も飢餓も悪い人もいなくなってません」「しょせんおんなじってことか いくらオレたちが命がけで闘ったとしても結局この世から悪を一掃することはできない だからいつかは神々の罰をうけ 地上から人間は抹殺されるんじゃないのかな」 (10〜11ページ目)
- いや、天馬くん、くどいようだけど君、ついさっきまでイタリアのお花畑で「セイントって何だ」って言ってたばかりの人だよネ?
- そんな言うほど命がけでずっと闘ってたわけじゃないよネ?
■「天馬くん ちがいますよ たしかにいつの世にも争いや悪人は絶えません でもきっといつかは世界中に人々が微笑んで暮らせる時代がくるはずです その時こそ神々は本当に人間に地上を与えてくれるのでしょう この時代もぼくがいた時代も女神の聖闘士は必死で戦って地上を守りぬいてきたのです だからこの先も闘いぬいてこそ いつか…いつかきっと…」 (11〜12ページ目)
- いや、ここ一応ネタ部屋なので、さっきから敢えて茶化してみたりしてるんですけど、正直、10ページ目からこのあたりにかけての流れ、すごくイイと思うんですよ。
- なんかこう、すごく、「ああ聖闘士星矢だなあ」って思ったんですよ。
- 「そうそう聖闘士星矢ってこういう漫画なんだよなあ」って思ったんですよ。
- すごく印象深いシーンだと思うんですよ。
■「フッ わかったよ おまえに言われると不思議とそんな気持ちになっちまう そのいつかのために闘いぬくか…」(略)「先に行ってます」「必ず追いつくからな」 (12ページ目)
- やばい。ツッコミが思いつかない。
- 妙にしんみりとしてしまった。私が年をとったせいなんだろうか。
- それともつい最近、風の噂で詳細を聞いてしまった「ものすごく聖闘士星矢っぽくないテレビアニメ」のせいで、こういう「いかにも聖闘士星矢!」なシーンが一段と胸に沁みるんだろうか。(笑)
- いずれにせよ、この「冥王神話ND」どころかジャンプ連載時の「聖闘士星矢」そのものが、一体どんな世界観と信念をもちつづけた漫画だったのか、この3ページの中にすべて表現し尽くされていたような気がします。
- ああ、結局マジメに褒めてしまった(笑) おのれ(笑)
■「いつかの日のために…か… がはっ (略)まだまだこんな所でくたばるわけにはいかないぜ… い…いつかの日のために…き…きっと…」 (13ページ目)
- いや、だから天馬くん、それ、結核の症状だから。
- ダメージは心臓だったはずだろ!
- しかし、主人公に思いっきり死亡フラグが立ち始めてしまったが……これはまさか、舞台がもうじき未来に戻るというフラグなんだろうか……
- でも個人的にはなんかさっきのシーンのせいで、この漫画が連載されて以来初めて天馬くんに感情移入することができてしまったので(爆笑)、もしこれで天馬くんが死んじゃったらものすごく悲しい。
- でも車田なので、意外とそういうのは容赦ない気がする。(←めちゃめちゃ褒め言葉ですヨ!)
■[場面転換] 「未来からだと?そんなバカげた話を信じる者がいると思うのか」 (14ページ目)
- いやあ、それが、いたんですよ……白羊宮には。
- カインさんには見えてなかったのかな?
■「信じようと信じまいとここはおし通るまで 地上の正義とアテナを守るために」 (14ページ目)
- まあ、実を云えばそもそもの発端は、「星矢のため」という沙織さんの超個人的な私情だった訳だが、そのせいで実際にアテナがピンチになってる以上、たしかに、一輝兄さんの今していることは結果的に、「地上の正義とアテナを守るため」なんだよな!
- ていうかこれ、Part16でツッコミ人がさんざん文句たれてた論点なんだけども……むう、なかなかうまく軌道修正してきたな、車田よ……。
- いったいどうしたんだ、まるでジャンプ連載時の頃の聖闘士星矢みたいじゃないか、車田よ……。
■「ならばそれが本物かどうか行動でしめしてもらおうか」「是非もない!いくぞ!!」(略)「おそい いくら小宇宙を高めようとも青銅聖闘士はしょせん音速どまり!だが黄金聖闘士は光速なのだぞ!!」 (14〜16ページ目)
- な、なんかこれもまた、ものすごく「聖闘士星矢」の基本に立ち返った、懐かしい設定の復習がきましたね!
- まるで何者かが車田センセイの「聖闘士星矢って本来こうだったはずでしょ」魂に火をつけてしまったとしか思えないのだが、これはいったいどうしたことか(笑)
- いや、原作読者としては大歓迎なんだけどさ!
- (いやでも理想を言わせてもらえばこういう「聖闘士星矢」らしさはさー、できることなら若いシオンと若い童虎を描写する時からちゃんとやっててほしかったかなー、今さら遅いけどさー……)(←遠い目)
■「(略)ぐわああああっ(略) さ…さすが十二人の黄金聖闘士の中でも最強を誇る双子座よ…この時代においても例外ではないらしい…」 (17〜18ページ目)
- あの、一輝兄さんって、もしかして節操ない人デスカ?
- たしか水鏡先生と闘ったときは「この男の実力は今まで会った黄金聖闘士以上」って言ってたような気がするんですけど?(Part27参照)
- 要するに「このオレが苦戦している以上、相手は絶対に最強のはず!(キリッ!)」ってことなんですかねえ?(笑)
■「敗れるわけにはいかぬ…今こそオレのすべてを放つ時…(略)くらえ!鳳凰のはばたき!!鳳翼天翔」 (18〜21ページ目)
- なんか、こんな2コマぶち抜きのド迫力の鳳翼天翔、ひっさしぶりに見た!!
- ちょっとこれはいきなりクライマックスっぽいぞ!?
- ということはいよいよこれは、過去編が終わりそうな予感がしてならないぞ!?
■おまけ:巻末車田コメント「新シーズン、怒涛の展開スタート!愛読よろしく!!」
- オウ……これは……
- もはや「オレの予想が当たってる予感」しかしないのですが。
■というわけで今回のツッコミ人の予想まとめ
- 天馬くんは近いうちに死ぬ。
- そして舞台は近いうちに未来に戻る。
- ちなみにもうひとりの裏切者(黒幕)はカインさん。
■そしておまけ2:今回の連載のよかったところまとめ
- 沙織さんの超個人的な私情だったはずの闘いが、いつのまにか「アテナのため=地上の平和のため」の闘いに軌道修正されており、しかも状況的にもネーム的にもそれが非常に自然で妥当だった点。(笑)
- 「聖闘士は何のために闘うのか」という物語の根幹部分が、非常に印象深く適切に示されていた点。
- 個人的に初めて天馬くんに感情移入できた点。(爆)
- 車田ネームのクオリティがすごく上がってた点。
<完>
多分続く
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