冥王神話 NEXT DIMENSION
「Part12 杯座の水」 感想と考察

(2008年1月24日発売・週刊少年チャ○ピオン8号掲載)




■はじめに――内容以前の感想(表紙)


 今回の表紙の煽り文句には、並々ならぬ気合いが感じられます。

「世界震撼、驚愕展開!」
「伝説の小宇宙、今再び!」
「車○正美 熱筆!」


 個人的には特に熱筆という言葉が秀逸だと思います。非常にツボにはまります。じわじわ来ます。

 実はとある事前情報から、私は今週号の表紙の煽り文句を見た瞬間、何やら本当に物凄いことが起こるのではないか、という予感を覚えました。
 というのは、先週号のNDの次回予告のところに、「衝撃の超展開!」と書いてあったからです。過去、この「衝撃」という字句が踊るたびに何が起きてきたかを考えると、これはなかなか恐ろしい予告ワードだと思います。例えば聖闘士星矢の新連載がいきなり開始され、「前世」なる概念が生み出され、シオンと童虎が青銅聖闘士だったという新設定が生み出され、ついでに「マルチアングルデュアル連載」なる概念が生み出され、いったい幾つの物事が、これまで破壊されてきたことか。(笑)
 今週号については他にも、「あの伝説の男が登場!」「温かい微笑み!」と宣伝されており、まるで我々が良く知っている誰かが登場するかのように聞こえます。
 今度は誰が破壊されるのか。
 ちなみにネタバレする前に申し述べておくと、私が個人的に立てていた予想はアイオロス(の前世の人)でした。(「伝説の男」に該当し、「あの」がつくほどの重要人物で、しかも微笑が「温かい」と形容されるような「男性」と言えば、彼くらいしか思いつかなかった。)
 さて、実際はどうだったのでしょうか。
 以下、本編に続きます。




■論点その1
――ガルーダの人の本心および車田氏の師弟愛萌えについて (pp.1-3)



 「早く天馬にとどめ刺さないとパンドラ様に言いつけるぞ!(意訳)」って言ってるフェルメールと、「お前こそ早く城に帰らないとパンドラ様に怒られるぞ!(意訳)」って言ってる水鏡先生。
 連載も12回目になり、作者のひとが時代劇口調に慣れてきたせいで、表面的には難しい台詞回しでカッコ良いことを言っているように見えるのですが、言葉の内容をよく考えてみればぶっちゃけ小学生のケンカである。(笑)

 しかしそうであるにもかかわらず、ネームやセリフ回しがかなり洗練され、かなり良くなってきているので、ジャンプ連載時の雰囲気にすごく近くなってきていると今回思います。とても素敵です。
 逆にいうと、連載開始の頃、車田さんがまだ聖闘士星矢的なセリフ回しに慣れていなかったがために、しょっぱなから「勝手なことをしたらおこられるぞなどというセリフを言わされてしまったシオンは、本当に割を食っていて可哀相だと思います。
 (たぶん御大としては意図していない結果なのでしょうが、一連の流れ的にこれは仁・智・勇どころか言葉を使う能力すら水鏡の足元に遠く及ばない、いたく無残なひとにシオンが見えます)

 さて、そんなことをしているうちに、「このペガサスの首を落として証明してやる」と言い出す水鏡先生。片手で持ち上げられてる天馬くんの顔が割とすごいことになっているのはとりあえず見なかったことにします。(笑)

 トドメを刺されそうになっている天馬くんが、苦しそうな顔(これはマトモ)で「水鏡…先生」と言った後に、水鏡先生の無言の見下ろし顔が1コマ入ります。
 個人的にはここは御大の長所がよく出た表現だと思いました。
 感情の直接描写は一切ないし、内面の解説もセリフも一切ない。でもなんか酷く読み取りがたい表情で見下ろす水鏡の顔が、1コマだけ入る。
 すっごい意味深。

 一般的に、詳細な言葉や大げさな表情とかで表されるよりも、こんな感じに直接的には何も書かないで行間に滲ませる方が、感情の表現っていうのはずっと心に迫るんじゃないかと私は思います。
 しかも、表現方法としてはこれ多分、車田さんは意図的にやっていると思います。なんか彼がそういうことを言ってるインタビューを昔読んだことある。
 ここで声を大にして言っておきたいのですが、私はそういう御大ならではの上品な表現が心の底から大好きですし、真剣にもっと評価されるべきだと思っています。(本当)(本当)(こんなツッコミ書きやがって今さらなんだこいつはと思われるかもしれないけど本当)

 ところで、このモチーフ。
 師匠である水鏡先生が、本心は(たぶん)違うのにそれを押し殺して弟子の人のトドメを刺そうとしてる、このモチーフ。
 ものすごく以前から何回も見たことがあるような気がするんだけど気のせいでしょうか。
 例えば、白銀聖闘士編で、同僚の目を誤魔化すために、(本当は殺したくないのに)鉄壁の無表情で星矢にトドメを刺そうとした魔鈴さん。
 十二宮編で、聖域にはむかった氷河を押しとどめるために、(本当は殺したくないのに)鉄壁の無表情で氷河にトドメを刺そうとしたカミュ。
 そして今回、何でなのか良くわかんないけど冥闘士に成りすましていることを疑われないために、(本当は殺したくないのに)鉄壁の無表情で天馬にトドメを刺そうとしてる水鏡先生。
 三回目だよ。三回目っていったら仏の顔もキシャー!ってなる回数だよ。ただ事じゃないよ。

 いや、こんなことを言うとアレに思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、わたくしは何か今、わかってしまったような気がします。
 車田サンは、好きだね。
 本心を押し殺した師匠が鉄壁の無表情で、弟子にトドメをさそうとするシチュエーションが好きだね。
 なんで!どうして!とうろたえまくる無抵抗なお弟子さんと、それを顔で黙殺して心で泣く師匠、そんなシチュエーションが、このひとは、好きだね。
 絶対に、好きだね。
 だってもう三回目だよ。三回やったらホンモノだよ。絶対に偶然じゃないよ。これはたぶん、確信していいレベルだと思うよ。

 したがって、推察するに、ジャンプコミックスの19巻を読んだ瞬間に何かモヤモヤモヤモヤした私の受信装置は、やっぱり間違ってはいなかったんじゃないかと思うんだ。口ではついさっき三回目とか言ったばかりだけど本当は絶対四回目だと思うんだ。アレもやっぱりこのモチーフだったと思うんだ。(なんのことかピンとこない人は気にしないで下さい)


 ちなみに今回、本編1ページ目のタイトルロゴの隣の「車○正美」の文字の上の煽り文句には、熱気は次元を超える!って書いてあります。表紙の「熱筆」といい、この煽り文句といい、どうやら現在の御大にはかなりの高熱があるようです。ますます往年のジャンプ連載時を髣髴とさせます。




■論点その2
――ハーデス城の結界の中に滞在しているだけで瀕死となるシオンと童虎の脆弱ぶりはあまりにもヤバすぎるのではないかという点について (pp.3-7)



 さて、水鏡先生がトドメを刺そうとした瞬間に、やはりハーデス軍の伝令の人が突然やって来てジャマをしたため、結局天馬は助かりました。何でも至急登城しなければならなくなったらしい。おお、お約束だ。良かったね水鏡先生。
 しかも、当初この伝令を無視しようとしていたフェルメールさんも、伝令から「パンドラ様のご命令でございますぞ」と言われた瞬間、あっという間にガッカリして速攻で帰りました。どんだけパンドラ様が怖いんだよアンタ。
 で、そのフェルメールさんですが、去り際に非常に気になる捨て台詞を1つ残して行かれました。

 「しかたあるまい どうせその3人 
 この結界の中ではもはやほっといても死ぬ 城へ行くぞ」


 ん?

 「どうせその3人 結界の中ではほっといても死ぬ」?

 つまりこの人たち、まさか実力が十分の一以下になっただけで、生存すら危うくなるレベルの生命力なのか? えっ、聖闘士の分際で? しかもそのうち2名は黄金聖闘士の分際で?

 ……。

 そんなのもう黄金聖闘士じゃねえだろ!


 病弱な一般人レベルだろ!


 こうしてフェルメールが去り、天馬を気絶させて水鏡先生が去り、ただひとり伝令の人が残されました。

 「ケッケケもうけもうけ ゴールドとブロンズが3匹もころがってるとは…首を持っていけばパンドラ様から褒美がもらえるぞ」

 何と正しい判断力でしょう。この漫画に出てきた人々の中で、一番正しい判断力かもしれません。
 しかし、転がってる3人を前にした伝令の人は、次の瞬間、以下のような衝撃のセリフを言い放つのです。


 「まずはこのブロンズの小僧からいくか」


 おいおいおいおいおい


 こういう場面では一番強い敵に最初にトドメを刺しておく、というのが戦闘行為の基本だと思うのですが、まさかよもやこの2人の黄金聖闘士は、青銅の、しかもすでに水鏡に気絶させられた天馬よりもザコだと、伝令の人にすら思われてしまったというのでしょうか!




■論点その3
――まさかここにきて例の馬が復活するとは誰も思っていなかったであろう件について(pp.8-10)



 さて、伝令の人が天馬くんのトドメを刺そうとした瞬間、衝撃の展開が。

「ぎゃっ」
ドカッ

「ブルル〜〜ッ」

 天馬のペットの例の馬が突然走ってきて、伝令の人を吹っ飛ばしました!!!!前回の感想で「馬はどこ行ったーー!」と久々に叫んだとたんにいきなり出てきた!!!(爆笑)


 「な…なんだこいつぅ じゃましやがって」

 吹っ飛ばされた伝令の人が怒っています!気持ちはすごく良くわかります!


 「たかが馬のクセに生意気なぁ こいつ こいつぅ (ガッ ドカッ ガシッ)

 伝令の人はマジ切れです!「たかが馬」めがけて全力です!でも大鎌がタルにしか当たっていない!少し落ち着け!


 「おまえから血祭りだぁ!」

 ついに伝令の人がマジモードで馬と戦いはじめました!馬vs伝令の真剣勝負です!描写も効果音も真剣です!ヘンです!何とも言えない奇妙さが、マンガ全体から漂っています!色々なことがヘンすぎて、もはやどこから突っ込めばいいのかわかりません!

 しかし、「しゃああ――っ」という超マジな掛け声と共に、めちゃくちゃすごい特殊効果つきで大鎌を振り上げ、めちゃくちゃ真剣に馬に襲い掛かった伝令の人は、
「パカッ」
というマヌケな効果音とともに馬に蹴られて500メートルくらいぶっとんで池の中に落ちて沈んでしまったのでした。
 伝令の人の最後の悲鳴:「うわああ――っ」

 ……今まで冥王神話NEXT DIMENSIONを読んできた中で最も激しく真剣で見ごたえのあった戦闘は、かくのごとくして終焉を迎えました。シオンvs童虎とか、フェルメールvs黄金2名とかよりも、はるかに緊迫感の漂う、生死をかけた戦いでした。
 ていうかむしろその事実自体に対して激しく突っ込みたい気分で一杯です。


 まとめ:この戦闘の結果、明らかになった衝撃の力関係。

 シオンと童虎<天馬<伝令の人<

 ……だめだ。面白すぎる。もうアテナ軍は聖闘士なんか養成しないで、真剣にハーデス城の中に猛獣百万頭けしかける作戦でも取った方がいいと思うよ。いやマジでマジで。




■論点その4
――相変わらず2名の黄金聖闘士があまりにも弱すぎる点について(p.11)



 馬がせっかく伝令の人を倒してくれたというのに、この黄金2名と来たら全然動けないどころか、ついに、

「どうやらハーデスの結界も動物には効かぬらしいが…」
「わ…わしらはもうダメだぞ」


とか言い出しました。

 どうやら結界の中に滞在しているだけで本気で死にそうになっているらしいです。

 あんたら、ほんと、誰。




■論点その5
――杯座(クラテリス)の聖衣が使えるようで微妙に使えないっぽい件について(pp.12-14)



 もはやリアル18歳の時の方が243年後よりもはるかに要介護老人状態であるように見える、若き日の最強の黄金聖闘士約2名(笑)ですが、そのとき馬が落としていったタルの中から、杯座の聖衣が現れました!


 一体何個タルから聖衣が出てくるんだよ!!(爆笑)


 そして次に天馬くんが気付いた時には、そこは既に結界の外だったのでした。あれっなんか助かったっぽい。

 経緯を尋ねる天馬に黄金2名が話す新事実。杯座の聖衣に水を汲んで飲めば、その水は飲んだ人のダメージを癒してくれるらしい。(運良く近くに泉があって本当によかったですね)

 しかし、「わしらはもうダメだぞ」とか言いながら、そのデカい聖衣持って泉まで行って水くむ元気はあるんだなこの黄金2名。
 おまえら実は意外と元気だろ、本当は。



 「さあ天馬おまえも飲むがいい」
 「う…うん」


 コップ、でかっ!(笑)

 これはどうやら、杯座の聖衣で水を飲むためには、杯座の聖闘士が杯座の聖衣を全部脱がなきゃならないのではないかと思われます。
 ということは、杯座の聖闘士の人は味方のダメージを治してる間ずっと、戦地のど真ん中で聖衣を脱いでなきゃならないという理解でいいのでしょうか。それって微妙に使えなくないか? もういっそ紫龍が杯座になれば良かったのに!

 しかしこの黄金2名、自分たちだけ勝手に先に飲んでさっさと元気になっちゃってるけど、倒れてる天馬にも飲ませてやればいいのに。それとも自力で飲まないとご利益がないのだろうか?

 まあでもとりあえず言えるのは、馬があまりにも救世主すぎるってことですな。もう前聖戦はこの馬が最大の功労者でいいよ。次の教皇は馬にすればいいよ。そしたらもうサガなんか絶対になりすませなかったに違いないよ。




■論点その6
――杯座の聖衣の隠れたオプションについて(pp.15-16)



 さて、ここへきて突然、「そう言えば聞いたことがあるぞ」とシオンが言い出しました!杯座の聖衣には隠れた機能があるそうだ!

 杯座に満たした水の水面を見ると、アナタの未来が見え(ることもあり)ます!

 やめてええええええええ

 そんな機能いらない!未来見たくない!聖闘士の未来なんてかなり致死率高そうなのに!自分があと半日しか生きられないとか判ってしまったらどうすんのさ!

 なのにそんな危険なモノを、「どれどれわしの未来はいい男かな?」とか言ってすごい気楽に覗き込むな童虎ーーッ!

 こ、この気楽さは、自分が死ぬかもしれないとは露ほども思ってないってことなのだろうか。それとも黄金聖闘士にまでなるようなヤツはこのくらい心臓に毛が生えてないとダメだってことなのだろうか。すげえ。さっきは敵の城に入っただけで完全に要介護状態で生きる気力を失ってたくせに。理解できねえ。こいつらの心がまえが理解できねえ。

 そして覗き込んだ水面には案の定、紫色のスゴイ形状の中華乾物(仮)が、二本しかない前歯を覗かせながら、滅茶苦茶ビミョーな表情でどアップに。御大渾身の1コマです。
 いや、タイミングのあまりの絶妙さと、中華乾物(仮)の表情のあまりのステキさと、絵のクオリティのあまりの最高さとで、ちょっとこの1コマにジャンプ連載時の絶頂期の御大を見てしまいました。

「ぎょっ シワだらけのじいさんが」

 と、ショックを受ける童虎に対し、「フッそれがおまえの未来の姿か」と答えるシオンの顔が、何やらめちゃくちゃイイ笑顔。
 いや、それ、老人が見えたってことは、明らかに童虎が聖戦で死なないってことなんだから、もうちょっと神妙にしたりとか驚愕したりとか色々すればいいのに、何かあんまり死ぬ覚悟してないっぽいよな、この黄金2名。

 まあそういうわけなので、その直後にすっげー軽いノリのシオンが「どれわたしは?」とか言って気軽にコップを覗き込んだからって、ツッコミ人はいちいち驚いてちゃいけない。(←諦めの境地)

 ちなみに水面に映ったその教皇シオンですが、どうみてもシワ一つない人物でした。(目の辺りは影になっているがそれ以外の部分は綺麗に露出)この教皇シオン、いったい何歳頃の容貌なんでしょう。ていうか童虎のあまりにもひどい扱い(乾物)に比べて、一応シオンは原作者からシリアスキャラという位置づけを与えてもらっているようです。あはは……。(複雑)




■論点その7
――杯座の聖衣が映した「天馬の未来」の件について(p.15、17)



 天馬が覗き込んだらそこには天馬の未来が映っているはずだと思うのですが。

 「い…いや 似てるけどオレじゃない」

 そこには天馬じゃない人が映っていました。

 ああ、どうしましょう!水面に映る人物は、赤いタンクトップに青いジーンズをはいています!花霞の中で少しうつむいて、ものすごくどこかで見たことのある車椅子に乗っています!
 ちなみにこの車椅子は、天界編の映画の前宣伝ために御大が描き下ろした車椅子にそっくりです!

 「あの少年は一体誰だ!?」




■ラストページ (p.18)

 ああー!
 そこに乗っているのはー!

 1ページまるまる大コマ使って、杯座の水面の中、目を閉じてうつむいて車椅子に座る星矢でしたー!!

 御大に見事に踊らされている自覚はあるが敢えて言う!

 なにいーーーーッ!!!

 もう一度言う!


 なにいいいーーーーッッ!!!


 衝撃の新しい登場人物って
 星 矢 な の か !

 まさかこの先、この連載、
 物 語 は 現 在 と 交 わ る の か !

 「熱気は次元を超える!」って


 ほんとに超えたよこの人!!


 どうやらこの先、NDの物語は現在と交わる、つまり聖闘士星矢の本編そのものと交わることになりそうです。さらに言うと、星矢が車椅子に乗っているということは、時系列的には明らかに天界編の範疇になります。ということはこれ、単に時間が現在に戻るというだけの話でもありません。このNDという連載が、ジャンプ連載時の聖闘士星矢の、正当なる続編になることを意味します。なぜなら、「星矢の続編を書くなら天界編になる」という話は、ジャンプ連載時から原作者が明言していた、長年の宿題だからです。

 ……そんなこんなで、以下次回。
 いやー待て待て待て!どうなるんだコラ!チャンピオンと御大の戦略に乗りまくってる自覚はあるが、この先どうなっちまうんだようバカヤローコノヤロー!(←と叫びながらオタクは喜びの踊りをおどっています!)

(ちなみに「次回掲載は春頃を予定しています!!」と書かれているので、まあ多分梅雨頃には掲載されるんじゃないかと思います!)




■ちなみに

 参考までに最終ページの煽り文句はこんな感じでした↓

「未来を示す水面に映るはハーデスとの死闘で傷つき、抜け殻となった星矢の姿!!誰も想像しなかったNEXT DIMENSION大いなる展開が幕を開ける!!

 さらに参考までに、編集後記における各々方のお言葉はこうです↓

編集者:
「星矢の登場によって大きく歯車が回転し始めた『NEXT DIMENSION』の驚愕の超展開に括目。激動の年が始まった!!」

原作者:
「今年は激動の年になるかもしれない。ならないかもしれない。(笑)」

 ・・・・・・。

 いや、まあ、その。
 一応、具体的には、まだ何も発表されてはいないわけですが。
 一瞬だけ伏線が張られてそのまま放置(二度と出てこない)ということだって、そりゃ車田マンガでは良くあることですが。

 ぶっちゃけ、今の私の直感を敢えてここに記します。
 直感とは言え確信に近い自信があります。

 この人、天界編、書く気だ!!!!

 次の掲載予定が「春頃」と、かなり時間に余裕を持たせている事実ですら、こうなると微妙に気になってきます。ていうかぶっちゃけ車田サン、前聖戦に飽きたんじゃないかとも思います。
 しかし、そもそも「プロローグ1」で描かれていたエリシオンのシーンが現代の聖戦であることを思い起こすならば、もしかしたらあるいは最初から、天界編を書くかもしれないくらいのことは、アタマのどこかで思っていたのかも……。

 ちなみに、御大は2004年2月に『スーパージャンプ』で「天界編 序奏」という8ページのオールカラーマンガ(袋とじ)を描いているのですが、その冒頭シーンは車椅子に乗った星矢を沙織さんが後ろから押しながらお花畑の中を散歩するシーンでした。

 めっちゃ今回のラストページの映像とかぶるんですけど。


(蛇足)
 しかしひとつだけ今回の連載で残された謎としては、事ここに至った今では本当に極めてどうでもいい疑問ではあるのだが、はたして星矢の微笑みは「温かい微笑み」なのかということだ!
(確かルネ様の前でオナラオナラ言っちゃう系のキャラだったように思うのだけど笑)(しかも「温かい微笑み」っていうのはどっちかというと大人のひとの微笑みを描写する言葉だと思うんだけど)(それとも今の御大の中では、星矢ってそういうイメージなのか?)


<完>


多分続く

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Written by T'ika /2008.1.25