■冥王神話 NEXT DIMENSION
「Part2 アローン」 感想 (ツッコミ辞典風)
(2006年8月17日発売・週刊少年チャ○ピオン38号掲載)
■今までのあらすじ&現在の心境
- まず4月のプロローグの「前世」発言で世界観が壊れた。
- そして前回のPart1の描写でキャラ観が壊れた。
- 要するに始めの2回の連載ですでに最大級の破壊が行われてしまったように思われる。
- だから、つまり、もう、慣れた。
- 今さらこんなことで、悲しんだりしない。
- というわけで、なんか個人的には色々なものが音を立てて吹っ切れてしまったので、もうこれからは少し覚めた目で突っ込みまくって遊ぶことにしようと思った。
- これこそが悟りの境地というのではないかと少し思う。
■チャンピオン表紙
- 巨大なシオンと巨大な童虎が顔半分ずつアップで載ってる。
- ど真ん中に「赤+黄色+黒」というものすごい配色の、ものすごく目立つ文字で、「童虎VS.シオン 激突!!」と書いてある。
-
このあおり文句から判断するに、どうやらこの激突が今回の目玉らしい。
-
いやでもごめん個人的にはぶっちゃけその激突、割とどうでもいい。
- だって激突の動機がアホすぎるから、むしろ激突すればするほど萎えてしまうんだ……。
- でも良かったねシオン。まさか週刊誌の表紙を飾る日が来るなんてね。数年前までは身長も体重も誕生日も考えてもらってなかった不遇のキャラだったのにね。
■連載以前のツッコミ
- 前回私は言った。「次も8ページだったら許さない」と。
- しかし案の定また袋とじだった。
- ええっ!また8ページ!?まさかこれからもずっとこのペース!?単行本1冊分溜まるの何年後!?と一瞬本気で不安になった。
- しかし良く見てみたら、袋とじの外の、雑誌の表紙ウラのところに、ものすごくさりげなく、1ページあった。
- 要するに8ページじゃなくて9ページだった。
- (許すとおっしゃい!と言われた気がした)
■「廬山百龍覇」「スターダストレボリューション」(p.1)
- ていうか、前回のラストでは「千日戦争をしかけるつもりか」ってあくまでも疑問形で終わってたはずなのに、そのあと何の駆け引きも逡巡も説得も牽制もないまま、今回いきなり冒頭から戦い出してたよこの2人。
- よもやまさかこの2人がそこまで頭に血上ってます系の黄金聖闘士だったとは思わなかったよ。
■「まて童虎!にげるかきさま」「ちっしつこいぞシオン」(p.2)
- と言いながらとても簡単な顔をした童虎が十二宮の階段を駆け下り、点みたいな顔をしたシオンが後の方を追いかけている。
- さっきの激突の後に何があったの!?一瞬置いてけぼりになった。
- しかし、「にげるかきさま」とは何事だ。そのあまりにも普通すぎる、オリジナリティのない追いかけ方は一体何だ。
- 仮にもシオンなんだから50メートル離れたところからウロタエルナコゾーかまして童虎張り飛ばされて気絶くらいのことやってくれないとこっちは納得できないぞ。
■「こんな時にお前と千日戦争などしていられるかってんだ バカバカしい」(p.2)
- いやバカバカしいもなにも、先に「千日戦争をしかけるつもりか」とかいう不穏なセリフを不穏な顔で言い出したのはどう見てもアナタの方ですから老師。
■「ならばどうあっても行くつもりなのだな」「くどい」(p.3)
- ていうか、結局、最初の1ページでしか激突してないじゃん。
- 表紙のあおり文句に偽りがあるぞ。
- ハッそうか!そのことに気づいた編集者か御大かが、慌てて後から最初の1ページ目を追加したんだな!
■「ハーデスの居場所がわかったのだ 殺すのに絶好の機会ではないか」(p.3)
- あんたそんな、裏の畑に沸いた虫か何かのことを言うみたいに…
- 一応相手は現時点では一般人だってわかってるんですかね童虎さん?
■「しかし勝手なことをしたらおこられるぞ」(p.3)
- 「おこられるぞ」ってシオン様……そんな小学生みたいな言い方やめて……
■「教皇のお話ではまもなく聖戦が始まるというではないか」「だからこそ今ハーデスを倒しておくべきなのだ(略)今ならわしの命ひとつですむ」「童虎……わかった」(p.3-4)
- いや、今のところ、童虎の命ひとつで本当に済むという保証など一切無いと思うのだが。
- そもそもたった1人で乗り込んで本当にハーデス(神)を倒せるつもりでいるとしたら、いくら黄金に昇格させてもらったばかりだとは言え、この童虎はあまりにも浮かれあがりすぎなんじゃないかと思う。
- ていうかそんな怪しい理論聞いて1秒で説得されるなシオンー!(号泣)
■「しかしお前ひとりを死なすわけにはいかん わたしの命もくれてやる いくぞ」「シ……シオン すまん」(p.4)
- いやあの、だからそれ、無駄死にならない保証、まったくないから。
- でも台詞回しはかっこいいなと思いましたすみません(私情)
- しかし気になるのは、「すまん」と言ってる童虎の顔がどう見てもすまないと思っているようには見えないという点だ。
- どう見ても満面の笑みだ。絶対すまないって思ってない。
- どうも18歳の童虎の姿をしているこの人物、随分と大胆なことを言ってる割に、自分が今から何をしに行くのかを、あんまり自覚してないように思われる。(一般人ぶち殺しに行くんだぞってこととか)(それに友達巻き込んだんだぞってこととか)
- ていうか、私の知っている原作の童虎は、どう控えめに見ても、もう少しまともなひとだったんですけど……。
- それともまさか、この時の童虎はまだ若いから、こういうまともじゃないことを言ってもいいんだ、とでも思っているのだろうか御大は。
- でも彼の漫画は昔からずっと、キャラの性格を描写する時は、若いか若くないかなどよりも、個性の方を断然重視していたように思うのだが。
- そもそも2歳の一輝に「むうう〜宇宙とは」と言わせ、15歳の一輝に「惰弱な!」と言わせた時点で、「若さ」というものはキャラの性格付けに対して全く関係ないのだということを、地で示したんじゃなかったかと思うのだが彼の漫画は。
- 要するに前回と今回で彼が破壊した童虎やシオンのマトモさは、2人が若かろうが若くなかろうが、絶対に破壊してはいけないマトモさだったんじゃないのかと思うのだが。
- っていうようなツッコミ所がいっぱいあるもんだから、2人の友情パワーが強調されればされるほど、2人のキャラが軽く浅く見えてしまって困る。
- 悪い意味でのアイデンティティ・クライシスだと思う。
■「バアアアン」「がはあっ」「ドシャアッ」(p.5)
- !?
- 全く何の前触れもなく、童虎があまりにもふっとばされすぎていて、思わず三度見くらいしてしまった。(笑)
- 背景の神殿の柱と比較して類推するに、3階建てのビルよりも高く吹っ飛ばされてるように見える。
- そして次のコマで「童虎!」と言って駆け寄るシオンも何気に目が点になっているように見える。(笑)
■「くっ…よ…よるなシオン あの少年のまわりからおそろしく強大な小宇宙が立ちのぼっている それが目に見えぬ防御壁となってここから一歩でも近づけばはじき返されてしまう」(p.5)
- でも一応強大な小宇宙で出来てるんでしょその壁?それなら聖闘士である以上弾き飛ばされる前に気づかなきゃまずいんでないの?
■「で…ではやはりあの者がハーデス」「まちがいない」(略)(p.6)
- 「ではやはり」「まちがいない」って、今までは間違いかもしれなかったってことかよ!
- しかしこれでますますあの雑兵の報告が謎になってきた。いったい誰がどうやって気づいたんだその子がハーデスだってことに。
■「どうかしましたか」(p.7)
- シオンと童虎の2人が漫才やってる間に、問題の少年が2人に気づいて言ったセリフ。
- いやほんとシオンも童虎も存在自体がギャグだよこれじゃ。
- しかし少年の顔の描かれ方を見るに、どうも描いてる人の気合がこのコマだけ明らかに違う。
- 御大の萌えが透けて見えた瞬間である。
■「あっケガをされたのですか 旅の人」(p.7)
- まさかその殺気発しまくりの、全身わけのわからない鎧でフル装備した2人のことが、旅の人に見えたのか少年よ。
■「ちょうどいい ぼくが治してあげましょう(略)」「す…すまない」(p.7)
- 少年の優しさに触れた童虎はここに来て自分が恥ずかしくなった模様。
- ああどうしようこの少年殺すのイヤだなって思ってるのがバレバレ。
- しかもあまりにも動揺しすぎているせいで、顔がものすごくコワイ。
- つまり、フツーに見て明らかに挙動不審者。(早く通報するんだ少年!)
- ていうかまさかそんな中途半端な覚悟でハーデス殺しに行くって息巻いとったんかいお前は。
■「いいえ(略)お役に立ててよかった」「さっきの小宇宙が消えている 今ならハーデスを倒せる…」「むう…やる気かシオン…」(p.8)
- どうやら聖域が誇る黄金聖闘士アリエスのシオン様は、お友達のケガを治してくれたすごく善良そうな一般人の少年を、背後から闇討ちに葬る覚悟をお決めになられた模様。
- しかしこの童虎さん、すごいビックリした顔で「やる気かシオン」だなんて言ってますけど、そんな酷い作戦をやろうって最初に言い出したの、アンタだから。
■「い…今…この少年を倒しておけばハーデスのよみがえる肉体はなくなる…そうすれば血みどろの聖戦はない」(p.8)
- いや、今その少年を倒しておけば、ハーデスはフツーに地上で2番目に清らかな少年の肉体を借りて復活するだけなんじゃないかと思うんだけど。
- そうすればフツーに血みどろの聖戦はあり、しかも無駄死にしたアホの黄金2人の分、他のみんなはきっとものすごく苦労するんだろうな可哀想だなと思うんだけど。
■「この少年に罪はないが…許せ…」(p.8)
- とか言って余裕ぶっこいているシオンだが、その瞬間少年の顔には濃い影が差し、首に下がった「yours
ever」のペンダントは不気味に光り出し、しかも全身から妖気みたいな怪しげなものがおどろおどろしく漂い始めている。
- 内面の葛藤をしている暇があったら敵の変化に注意してくださいシオン様。
■「まて!」(p.8)
-
いやマジな話、ここで止めが入らなかったらシオンはそのままハーデスに倒されていたんじゃないだろうか。
■「オレの友だちのアローンに何をするつもりだ」「ペガサス!」(p.9)
- 子供に「ひとりぼっち」っていう名前をつける親もどうかと思うのだが、やはりペガサスの他には誰も友だちいなかったりするんだろうか。
- ちなみに、そうして現れた「ペガサス」と呼ばれる少年の外見は、どこからどう見ても少年時代の星矢そのもの。
- 個人的には、前世が現世と全く同じ容姿をしてるというのは、「現世のアナタは前世のアナタそのままでした」みたいで、現世の自分の自由裁量が皆無な感じがするので、どうかと思う。
- この先の展開で、前世の星矢と現世の星矢との違いをうまく出してくれればいいんだけど。
■総括
- 童虎とシオンのキャラというか人柄が、(懸念通り)かなりショボくなったと思った。
- でもストーリー自体をどう評価するかについては、現時点では今後の展開次第だなと思った。
- つまり今後の展開次第でチョウにでもハチにでもボウフラにでもなり得るだろうと思った。
- ちなみにチョウになるかボウフラになるかは、アローンとペガサスをうまく書けるかどうかで決まると思う。
- あとその次くらいに、シオンと童虎をどう成長させていくか(最終的にちゃんと伝説の聖闘士と言われるようなキャラにできるかどうか)で決まると思う。
- でも個人的にはここまで読んでみて、5の可能性はもうあきらめた。(4はまだわからない)
■次回予告情報によると
- 今後はランダム連載になるらしい。
- つまりPart3が出るのは1ヶ月後らしい。
- ていうかやっぱり。と思ったのは私だけではあるまい。
- あと、「もうひとつの星矢」とかいって「LOST CANVAS 冥王神話」とかいう漫画が少女漫画家によって連載されるらしい。
- なんかもう色々突っ込むのさえめんどくさい。
- ある意味この発表のおかげで現在のような境地に達することができたのかもしれないが。
……というわけで、以後は、もう好き放題ツッコんで遊ぼうと思います。ネタ部屋に入れとけば良かった気もしますがまあ最初の2回を真面目に語ってしまったし、この先真面目に語りたくならないとも限らないので、さし当たってはこのままここに置いとくことにしよう。
2010/05/02 ネタ部屋に移しました(笑)。
続く(多分)。
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