■EPISODE-ZEROについて事前にいろいろ予想してみた・5
 チャンピオンREDの発売前に、個人的な妄想を書き連ねてみました。
 ここでは年中の三人が教皇の正体を知っていたか否かを。



個人的な注目点その7
  ――蟹と山羊と魚がどこまで知っていたか


原作では、この三人は教皇の「悪事については」知っていた、
ということが明記されている。

具体的には「教皇こそ幼き日の女神を殺害しようとし
聖域を簒奪した反逆者なのだ」という瞬のセリフに対して、
アフロディーテが「知っているさ」と回答している。

そしてまたアフロディーテは、
「デスマスク シュラ そしてこのアフロディーテの三人は」
「過去の教皇のおこないを知った上であえて教皇に忠誠を誓っているのだ」
とも述べている。

しかしここでひとつの疑問が生じる。

それは、この三人は「教皇が悪だ」とは知っていたかもしれないが、
はたして教皇が偽者であることまでは知っていたのかどうかということである。

個人的には、「知らなかった」という仮説を推したい。

1つ目の理由は、ハーデス編での三人の言動である。
まず、ハーデス編での三人は、真の教皇(シオン)に対して、
かなり強い敬意あるいは服従の姿勢を示していると思う。
とくにデスマスクなどは明確にそうだ。
なにしろ「この聖域であのお方に逆らう者など
ひとりとして居はしないのだ」とまで言っている。
あのデスマスクが、である。
個人的に、このシーンは、結構デカい。

その一方で、三人が「サガ」個人に対して
特別な思い入れがあるというシーンは、
別段、描かれていなかったように思われる。

私はここから、三人は「サガ」ではなく、
これまでずっと数百年も聖域を守り続けてきた「教皇」という人に対して
忠誠を誓っている「つもり」だったのではないかと思った。

そして理由の2つ目は、聖闘士としてのサガの実力である。
あれだけ正体がばれないように注意深く振るまっていた
実力者サガの隙をついて、
まだキャリアの少ない10歳前後の三人が、
自力で教皇の入れ替わりに気づけたとは、
個人的にはどうにも思えないのだ。

そして理由の3つ目は、サガの性格である。
とくに人一倍「いい子」でいたがっていた善サガの性格である。
彼は事を起こしてしまった後でも、
自分の悪事をみずから他人にバラすなんて、
絶対にやりたがらなかったんじゃないかと思う。
かなり本気で、頑なに、絶対に、誰に対しても、
正体を明かさなかったのではないかと思う。
(実際に原作でも最後の最後まで善サガは自首しなかった)

現実の犯罪においても、共犯者が増えれば増えるほど
犯行はバレやすくなるのだし、
やはりサガ自らが正体をバラすメリットは、
あんまりないんじゃないかと私は思う。

あと最後に、直接的な理由としては弱いのだが、
原作のストーリー展開の都合的には、やはり
「教皇の正体」がデスマスクたち三人に知られていないほうが
物語が盛り上がる、というメタ的な事情もある。

原作では、教皇の中身が別人だということが
読者に対して初めて明かされるのは、ムウが他の黄金に向かって
「今の教皇は真の教皇ではない!
いつの間にか別の人間がいれかわってしまったのだ!!」
と言うシーンである。
推理物のストーリー展開という意味では、
そこが十二宮編のクライマックスだったのではないかと思う。

だがもしデスマスクたち三人が「教皇の中身が別人だった」ことを
すでに知っていた場合は、
このシーンの衝撃度って、けっこう弱まってしまうのではなかろうか。
なんというか、物語のメタ的な事情としては、
「誰も知らなかったこと」が初めて明かされたほうが、
「けっこう何人にもバレてたこと」が明かされるよりも、
いっそう盛り上がるよねっていうか。

というわけで私の仮説は、
「シュラたち三人は、教皇の中身が入れ替わっていることには
気づいていなかった」というものである。

ま、以上の推論が、EPISODE ZEROですべてひっくり返されるっていう可能性も
ものすごーくあるんだけどね!(白目)


→6へつづく


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Written by T'ika /2017.12.17