◆◇◆春のシオンムウお花見ツアー 「そうだ、京都行こう」◆◇◆ ――1日目(7) チベット料理店―― で、日も暮れかけたのでここから夕ごはんのお店に移動します。 なお、今回の我々の夕食は、萌えのみを追求して選定されました。 その名も、「チベット・レストラン ランゼン」。 いやー、ここねー、すごいんですよー。 私の知る限り、日本で最もディープマニアックなチベット料理店だと思うんですよー。 そもそも日本では、チベット料理といえばだいたいが ネパール料理店のメニューの中に少しだけチベットメニューが置いてある、 っていう程度のものなんですよー。 しかもそのチベットメニューも殆んど一品とか二品とかしかなくて、 しかもそれはだいたいモモ(チベット風餃子)だけで、 たまにバター茶があったら「うわー超ラッキー!」と思うレベルなんですよー。 仮にその二つ以外のメニューが一品でも置いてあったらもう、 それだけで狂喜乱舞して喜ぶレベルなんですよー。 なのにここの店はほとんどすべてのメニューがチベット料理である上、 しかもそのメニューが全部で10ページくらいあるという、 まるで奇跡としか思えないクオリティ。 というか、チベット料理オンリーのチベット料理専門店といえば むしろ日本ではここだけなんじゃないかという勢いです。 しかも厨房もウェイトレスもみんなチベット人がやってます。 これ以上ないほど本格的です。 ……という訳で前々から非常に気になってはいたのですが、 なにぶんあまりにもディープな店なので同行者が見つからず(笑)、 居住地から遠いことも相まって、これまで一度も行く機会がなかったのです。 それが今回、稲さんに聞いてみたら 即レス!ガバア!でOKを頂けたので、(やった!) ものすごく楽しみにしておりました!(笑) ちなみに「ランゼン」ってのはチベット語で「自由」という意味です。 お店の玄関。 扉の文様はチベット独特のデザインですね! あとドアのところの貼り紙にチベット語で何か色々書いてあって 私の萌えゲージ、早速ぷっつんしました。(笑) ち な み に 、 向かいのビルはアテナでした。 え え え え え 何の陰謀! 誰の仕業! どこのシオンの呪い! ありえねえええええ!(爆笑) 店内に入ると、テーブル聖衣、いやテーブルクロスに チベットの伝統的な織布が使われていて激萌え! 椅子に敷いてある座布団も全部、チベット産のマットレスでした。 壁にはチベットの古い地図と、飾り布がいっぱいかけてあります。 もはや萌え以外の何物でもない! シオンムウもジャミールの館の内装には、 あんな感じにいっぱい布たらしてればいいと思います! ていうか、そもそも昔のチベットでは 窓にガラスも板も何もはまっていないので 動物の皮とか布とかいっぱいかけて 外気の侵入を防いでいたらしいんですよー。 昼は布をまくりあげて、夜は垂らしてたそうなんですよー。 で、シオンは18世紀の人なんだから、 シオンムウも絶対やってたに違いないと思うんですよー。 だって、ぶっちゃけ萌えじゃないですか! 毛皮や織布をいっぱい使ったジャミールの館の内装とかもう! 織布の色とか模様とか、シオンが選んだやつも結構あって、 きっとすっごい趣味がいいと思うんですよ! そんでチベット香とかが焚き染めてあるんだ うー 萌えー あと、店内のBGMにはテーチュンさんという 亡命チベット人シンガーソングライターのアルバムがかかっていました。 伝統音楽っぽい曲調を意識してて、伴奏には伝統楽器が使われていて、 しっとりと落ち着いた作風です。 (興味のある方はyoutubeで「Techung」と検索すれば色々出てきますヨ!) (あっちなみにテーチュンさんはかなりのイケメンですヨ!さあ今すぐGO!) そういうわけですっかり理性が飛んで店内探索を始めてしまった私を 稲さんがどうにかこうにか落ち着かせ(爆笑)、 そんでわいわいモエモエ言いながら、我々、メニューを選びました。 そんでメニュー選んだ後にお手洗いに立ったら、 チベット人のご夫婦が一緒に厨房で働いてるのを目撃できました。 そうして興奮したオタクたちは早速 シオンムウがチベット料理店を開いている姿を想像し、 妄想全開して萌えたぎる。ぬおおお。 で、肝心のシオンムウ料理はどうだったかというと。 私が頼んだのは、まずは、バター茶。 ひと飲みしてみたら、もう現地感たっぷりでした。 フアアアアと幸せな気持ちになって魂飛び立ちました。 バターがとても濃厚。香りがすごく強い。 あと、お茶自体もかなりしっかり発酵させた黒茶で 味がとてもしっかりと感じられました。 素朴で自然で香り高くて、濃厚なんだけどすっごく優しい味です。 ちなみにこれまで東京にあるネパール料理店なんかで 色々なバター茶を飲んで来た私の感想では、 殆んどの店では日本人の味覚にあわせて味を薄くしていたと思います。 なので、発酵茶の味よりもバターの味よりも、塩味の方が目立ったりしていた。 (店によってはぶっちゃけ、薄!と思ったことも一度や二度ではない) でもここのバター茶は塩味よりも、発酵茶の味の方がはるかに濃厚で、 さらにバターもものすごくコクがあって味わい深くて、 それが何とも言えない現地感を醸し出してたと思います! なんか人によって好みは分かれるみたいですけど、 私の味覚にはピッタリでした!すっごく美味しかった! 次に、羊肉のシチュー(ルッシャ・ゴツェ)です。 味は、ゴロンとした分厚い羊肉の塊に、多めの岩塩を降りかけて、 さらに黒胡椒の実を丸ごとババッと投入し、そこに水を入れ、 そのまま長時間コトコトコトコトコトコト煮ました、って感じ。 羊肉がもろにカタマリなので、コラーゲンたっぷりです。 塩味が濃ゆめだけど超おいしかったですよ、私は! てか、もう一度食べたい! てか、レシピが想像可能だったので、ぶっちゃけ自分で作っている!ここ最近! 分厚い羊肉が手に入らないので、薄切りのラム肉でガマンしてるけど! ただ、人によっては苦手かもしれません。色々とディープで濃ゆいので。 何と言うかものすごく、野生の味がします。 現地の、本土のチベット、って感じの味がします。 そんでものすごくシオンの得意料理って感じがします。 シオンは薬を調合する感覚で料理をしそうです。 薬草バサーっていう感覚で塩もバサーって入れそうです。 黒胡椒も漢方を煎じる感覚で、実ごとバサーって入れそうです。 もちろん全部、目分量。 っていうか今気づいたが、これ、 羊肉を多めの「シオ」で味付けし、 長時間熟成させたシチューとか…… なんかものすごくシオンムウ要素が満載な料理ですね…… そして、次に!これが! 我があこがれのツァンパ!初体験です! ツァンパというのは大麦の粉を炒ったもので、チベット人の主食です。 チベット人に「チベット人の定義」を聞くと、 「チベット人とはツァンパを食べてる人たちのことだ!」 って答えてくれるらしいほどのレベルで、 チベット人のアイデンティティはツァンパなんだそうですヨ。 シオンムウもきっとツァンパを食べて育ったんですヨ。 そんなこと考えただけでもう激萌えですヨ。 で、ツァンパですが、これ、本来ならば粉のままのものが出て来て、 それを、食べる人が自分の指で上手にこねて 自力で団子にして食べなければならない、 しかもこね方が下手だとべちゃべちゃになってしまうという、 日本のテーブルマナー的な意味でたいへん恐ろしい食べ物なんですが、 ここではちゃんと団子になった状態で出て来てくれました。良かった……!笑 実は内心かなり心配だったので、 団子になったのが出てきてくれて、ホッと一安心。(笑) (ちなみに自分でこねる時にはバター茶を混ぜてつなぎにします) で、食べてみた感想。 暖かい時に食べると大麦の香りがホワァァァアアア!ってして すっっっごい香り高かった! しかし冷めると、この香り高さは完全に消滅します。 そんで、ホカホカしてた食感が、ちょっと、いやかなりポソポソしてくる。 でもそうしたらおかずと一緒に食べるといいよ!美味しくなるよ! ちなみに冷めたツァンパは、先述の羊シチューとめちゃくちゃ合いました。 バター茶ともめちゃくちゃ合った。 そしてすごくシオンムウが食べてそうな味がした。 野生だった。 ワイルドだった。 飼いならされてない感じがした。 チベットだった。 私はすごく好きだったけど、ワイルドな味が苦手な人は もしかしたら苦手かもしれません、特に冷めた後は要注意。 ええと、それでツァンパの味ですが、これ、 他の食べ物で喩えるのはとっても難しいです。 うん。同じような味の食べ物とか、皆無。 ただ、原料の穀物の香りがホワァァァァアアア!ってするあの感覚は、 「蕎麦がき」とけっこう似てるかもしれません。 そんで、次に、蒸しパン(ティモモ)です。 もっちもち! ムウ様の二の腕以上にもっちもち!! たぶん、モモ(チベット餃子)の皮と同じ素材で出来てると思います。 ちなみに、モモも一緒に頼んだのですが、 ここの店のモモは、他の店のモモと比べて、皮が圧倒的にもっちもちでした! こんなもっちもっちのモモとかティモモとか、初めてだよ! 圧倒的だよ! あっでもそういえば、なんかチベットでは料理のうまい人は このティモモをすごくもっちもちにできる。 各家庭でティモモの味が違う。 って話を昔、ダライラマのお母さんの自伝で読んだような気がする。 だからきっと、ここのお店のチベット人は すごくチベット料理が上手なチベット人だと思います! (そして案の定、オタクたちは こねた麦粉を麺棒で広げてモモの皮を作るシオンムウの姿を ひと通り妄想して非常にモエモエしました) (たぶんあれ、腕力と器用さが両方とも必要だろうから、 シオンムウには結構向いてるだろうし、絵的にも非常に似合うと思う) (それかシオンが皮を作ってる横でムウが具を包む、とかでも萌えだな! いかにも共同生活してますって感じで!爆) あと、モモといえば、ここの店ではモモの種類が メニュー2ページにも渡って延々とあって超ビビリました。 肉モモとか大根モモとか野菜モモとかなんか色々。 いや普通、日本では、モモを置いてある店を見つけるだけでも難しい上に、 たとえモモがあったとしても、絶対に一種類しか置いてないですよ……? こんな店、初めてですよ……? さすが本格チベット料理店。 ちなみに我々が頼んだのは、チベットで最もオーソドックスな肉モモでした。 中に入ってたのは羊肉だったような気がうっすらとする。 あと、店内には雑貨とかも色々置いてありました。 チベット式の香箱にとりわけ萌えたぎった。だが値段を見てムンクになる。 や、すごくシオンムウが使ってそうな雰囲気だったんですよー 激萌えだったんですよー 他にもチベットアクセサリーとかチベット服とかチベット香とか、 色々目移りしまくったのですが 最終的にCDコーナーににじり寄っていった私は その中から一枚だけ衝動買いし、 そんで後はキリがないので泣く泣く自重しておきました、フッ……。 ちなみになぜそのCDに決めたかと言うと、 チベット音楽のCDを選ぶ際の、諸々の私基準をクリアしていて、 その上で一番内容が充実していそうだったから、なのですが。 (演奏者の名前が全員チベット人) (曲のタイトルがちゃんとチベット語) (タイトルの内容から、素朴でメロディのきれいな民謡や伝統音楽であろうことがわかる) (使用楽器や製作元から、趣味の悪いアレンジが加わってないことが確信できる) だが、しかし。 買ってから気づいたのですが、このCD、 アルバムジャケットがめっちゃシオンムウ色じゃないですか…… 何なの、このどこにいってもシオンムウの呪いがもれなく付いてくる感は何なの。 ジャケット外側 ジャケット内側 →次回へ続く |