フィレンツェからの列車はショーペロにぶつかり、ホテル到着が遅れたので、ヴェネツィア1日目は何もせずに終わってしまいました。
2日目は美術館巡りです。最初はヴェネツィア派の作品を数多く所蔵しているアカデミア美術館に向かいました。
アカデミア美術館
この美術館では、入り口でバックなどを預けなければなりません。
この数日間、美術館や教会で多くのルネッサンス絵画を見ており、この美術館内の何メートルもあるルネッサンス絵画の大作には、やや食傷気味。多くの人物を整然と描いている構図は変化に乏しく、退屈にさえなります。
ただ、数百年前の絵の中にも、現在とほとんど変わらないリアルト橋やサンマルコ広場が描かれており、これには少し驚かされました。
また、ジョルジョーネの『老婆』という作品は、年老いた女の表情を精緻に描いた佳品ですが、「時間とともに」と書かれた紙片が右手のそばに不自然に配置されており、ややシニカルな印象でした。
開館直後のためか館内は閑散としており、日本人は最後まで見かけませんでした。
アカデミア美術館
グッゲンハイム・コレクション
グッゲンハイム・コレクションはアカデミア美術館のそばにあります。入り口は普通の家の裏門のようで、看板もなく、私たちは何度もその前を通り過ぎてしまいました。アカデミア美術館と同じように手荷物を預けて鑑賞するスタイルです。
ここは、ペギー・グッゲンハイムが生前住んでいた邸宅を使った個人美術館です。美術品のコレクターだったペギーが買い求めた近・現代の絵画やオブジェを中心に展示しており、ペギーと結婚していたエルンストをはじめ、ダリやミロ、マグリット、カンディンスキー デ・キリコなどの作品があります。
この白亜の豪邸の中庭には、草花や木々が豊富に植えられており、ブロンズや石のオブジェとともに配置されているベンチに腰掛けてのんびりしていると、ここが水の上の人工島の一部であることを忘れてしまいそうになります。
中庭に面したオープンカフェでは、近くの高級レストラン「アイ・ゴンドリエーリ」の料理を楽しむこともできます。
中庭に点在するオブジェ。
ペギーと愛犬たちが中庭に眠っています。
また、表玄関はカナルグランデに面していて眺望抜群です! また絶対行きたい、いや1日中過ごしたいと思うほど気に入った美術館です。作品が充実しているのにもかかわらず、非常にすいていて、美術好きには穴場といえると思います。
グッゲンハイム・コレクション
カナルグランデの眺望を楽しむことができます。
リアルト橋
カナルグランデのほぼ中央にはリアルト橋があり、この辺りは街の商業の中心となっています。カナルグランデに架けられた3つの橋の中で一番古く、数回建て直されています。以前にあった木製の橋は見物人の重みで倒壊したり、火事になったりと、イタリアらしい(?)エピソードが残されています。
現在は石でできた真っ白い太鼓橋が架かっています。この橋が完成した16世紀当時は、そのエキセントリックな造形が受け入れられなかったのか、「白い巨象」と揶揄されたそうです。
ど〜んとそびえ立つリアルト橋。
下をゴンドラが通っています。
(2002年撮影)
リアルト橋周辺は、サンマルコ広場と並び観光客の多いところです。
階段状になった橋の上には、土産店や露店などが立ち並んでおり、欄干付近では、大勢の人が眼下を通り過ぎる水上バスやゴンドラを背景に写真を撮ったりしています。
橋の上から見る夕暮れの街の風景は、なかなか趣があり、ヴェネツィアを紹介する絵や写真によく使われています。
リアルト橋の外側です。内側には土産物の店があります。
アカデミア方向のほうが、眺めがいいので
ここで写真撮影をする人が大勢います。