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2001年 フィレンツェ (5)

続いてはカッシーネ公園の市場を訪ねます。ヴェネツィアへの移動を火曜日の午後にしたのは、ここに寄ろうと思ったからなのです。



   カッシーネの市  

街の西側、広大なカッシーネ公園で毎週火曜日の午前中に青空市場が開かれています。「公園の中に屋台のお店が立つ」と本で読み、私は興味を持ちました。

期待に胸をはずませてカッシーネ公園に行くと、日本の屋台のクレープ屋さんのようなワゴン車を使った即席の店が向かい合ってズラッと並んでいました。屋台の列はどこまで続いているのか、公園の入り口からは端が見えないので私の期待度もアップします。なんだか日本の縁日の屋台を思い出しました。
冷やかしながら歩いていたら、片側の店を見るだけで30分以上かかりました。

売っているのは、屋台とは思えないあらゆる物です。公園の入り口付近には食料品の店。続いて衣類や靴・革製品・ペットの店・道具類・本・CD・おもちゃ・植物…大体ジャンル別に並んでいるので、お目当ての物を探しやすそうでした。
ワゴン車の裏側で、堂々と洋服を試着するおばさんがいたり(大胆なのは世界共通なのかな…?)、知り合いを見つけておしゃべりをする人がいたりと、地元の人が多いようでした。とにかく安いので大盛況でした。

あまりの人混みと観光客の少なさに驚き! 私はスリの餌食にならないかと緊張しながら歩いていたので結構疲れました。
帰り道はポンテ・ヴェッキオまで歩いてしまい(小一時間かかった。)、疲労に拍車をかけてしまいました。この後ヴェネツィアに向かうために駅に行くと、更に疲れる事件が私たちを待っているのですが。

カッシーネ公園
カッシーネの市は、このワゴン車の左側です。
日本の縁日の屋台のような雰囲気。
向かい合ってお店が並んでいます。
あまりの混雑にビビッて写せませ〜ん。




  列車のショーペロ 

フィレンツェからヴェネツィアまでは列車で行きます。イタリアでの列車の移動ははじめてなので、せめてキップは事前に買っておこうと、日本で購入してきました。
ヴェネツィアに一番短時間で行けると思ってESを選んだのに(註:一番早い列車です。)、運悪くショーペロにぶつかりました。ショーペロとはイタリア語で「スト」のことです。列車に限らず、イタリアではあちこちでショーペロは行われており、悪名高き名物になっています。

* * * * * * * * 

駅に到着し、ホームを確認するために電光掲示板を見ると、ESは1時間くらい遅れていました。しばらくしても列車が到着する気配がないので、夫が窓口で尋ねてみました。

キップを見た係員は「この列車は、いつ来るかわからないからボローニャで乗り換える列車で行った方がいいよ」と教えてくれたようです。要はESだけがノロノロ運転のショーペロをしているので、ICで行った方がいいということだったのです。でも指定席を買ってあるし、ショーペロだとは聞き取れなかった(当時はイタリア語がほとんどわからなかった。)ので、知らない駅で乗り換える方が面倒だと判断し、私たちはそのまま列車を待ち続けました。

やっと列車が来たので乗り遅れまいと、乗客は急いで列車に乗り込みました。でも列車はフィレンツェをなかなか出発せず、ホームに30分も停車したままです。ようやく動き出したと思うと、今度はノロノロ運転。一体どうなっているのでしょうか?

 車内アナウンスで、盛んに「ショーペロ」と連呼しているので、私たちにもやっと列車が遅れた原因が理解できました。列車には乗れたんだし、いつかは着くだろうと腹をくくるしかありません。結局2時半出発の列車がヴェネツィアに着いたのは、午後7時半を過ぎていました。

* * * * * * * *

和伊辞典によると、ショーペロには様々な種類があるようです。しかし「同情スト」や「山猫スト」って、どういう内容なのでしょうか?

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ESの食堂車
ESの食堂車。
さり気なくイタリアンカラーです。
ESに乗ると、飲み物とビスケットなどが
無料で配られます。





  プロントおじさん ご立腹 

列車に乗ったら隣はどんな人が座るんだろう、もしかしたら話ができたりして〜という私の淡い期待は見事に裏切られました。

私の向かい側に座っていたのは、会社の重役風のイタリア紳士でした。ショーペロのせいで仕事に支障でもあったのでしょうか…おじさんはエラくご立腹! 
マナーなんてお構いなしに「プロント〜!(イタリア語で「もしもし」の意)」と、座席から携帯で電話をかけまくり、車掌が通れば呼び止めて文句を言いまくり…その怒りモードが、あたりの空気までピリピリにしていました。

通称『プロントおじさん』は、機嫌をそこねたまま、私たちより先にフェッラーラの駅で下車しました。実は私、彼に言いたいことがありました。「あの〜座席間違っていますよ、そこはウチの夫の席で、あなたは通路側です。」
もしもこう言ったら、プロントおじさんはまた怒ったでしょうか。

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フェッラーラ駅
プロントおじさんが降りたフェッラーラ駅。
本当は列車内の写真が撮りたかったのに
プロントおじさんのいる間は、カメラを取り出せなかった(^^;)





  メストレのホテルへ 

予約したメストレのホテルは駅の近くだったものの、詳しい地図が手に入らなかったので、夫がインフォメーションで道順を尋ねました。「すぐです、タクシーに乗る距離ではない」という言葉を鵜呑みにしたのが大間違い。重〜い荷物を抱えて迷ってしまったので、たっぷり30分以上かかってしまいました。

ショーペロでヴェネツィアに着く時間が遅くなったので、私たちがホテルを見つけた時、辺りは薄暗くなっていました。その日は歩きすぎと列車の一件で2人とも疲れ切ってしまいました。夜のヴェネツィア観光にも出る気にはなれず、ホテルで夕食を済ませて早々に休みました。こんな場合予定を変更できるのが、個人旅行のいいところだと思います。




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