ぴんぽーん


美央「は〜ぃ!」


ガチャ


熾亜「やっほ〜美央、きたよ〜w」

ミカ「こんにちわ。」

美央「お〜、いらっしゃい。 待ってたよw ささ、上がって上がって。」

熾亜「おっじゃまっしま〜っす!」

ミカ「お邪魔しますね。」


私とミカさんは、美央の家に上がりこむ。
そう、今日から3人でお泊まり勉強会を開催するのだ。


美央「いや〜・・・いざ親がいないとなると、けっこう寂しくなるのよね。」

熾亜「それで私達呼んだの?」

美央「ん〜、それが80%」

ミカ「・・・けっこうな割合ですね・・・」

熾亜「のこり20%は?」

美央「ホラ、よく言うじゃない? "3人寄れば・・・"」

熾亜「"姦しい"?」

美央「・・・こらこら、わかりにくいネタ持ち込まないの。」

ミカ「・・・文殊の知恵・・・ですね。」

美央「そ。そういうコトw」

ミカ「しかし、私は転校してきたばかりですし・・・どれほどお役にたてるか・・・」

熾亜「その確認も含めて、ちょうどいいんじゃない? ね、美央?」

美央「そうねw ミカさんのお手並拝見っと。」

ミカ「あまり期待しないでくださいね・・・?」

美央「そんなこと言っておいて、実はかなりデキるとか?w」

ミカ「いえ、そんな・・・」

美央「まぁいいわ。熾亜、ミカさんと一緒に先に私の部屋行ってて。

熾亜「えっ? 美央の部屋でやるの・・・?」

美央「なにかご不満?」

熾亜「いや、あの雰囲気はチョット・・・」

美央「あ〜・・・それもそうね。 居間にしよっか。
   適当にお菓子と飲み物用意するから、先に行ってて。」

熾亜「おっけ〜。 ミカさん、こっちこっち」

ミカ「あ、はい。」


ミカさんを連れて居間に行く。
勉強で使うものを準備している間に、美央もお盆を持って入ってきた。

美央「おまたせ〜 オレンジジュースでよかった?」

熾亜「私は構わないけど、ミカさんは?」

ミカ「大丈夫ですよw」

美央「そ? よかったw」

熾亜「それじゃ、早速始めよっか?」

美央「そうね。」

熾亜「じゃぁまずココから・・・」


こうして始まった3人の勉強会。


熾亜「それでねミカさん。 この問題はこっちの公式を使って・・・」

ミカ「はい。」

美央「あれ? この公式じゃなくて?」

熾亜「それだと数式がおかしくならない・・・?」

美央「あ、ホントだ。 ゴメン・・・」

ミカ「これはどう解くんですか?」

美央「それはココにコレを代入して・・・」

ミカ「ふむふむ・・・」

熾亜「あ〜・・・この問題とけな〜い・・・
   答えは出せるのに数式が〜・・・」

ミカ「えっと、ここ、こうしてはどうでしょう?」

熾亜「あ、そっか。 そーすると・・・」


3人寄ればなんとやら・・・結構イイカンジ。
だけど、文系科目の勉強に取り掛かると・・・


ミカ「ぅ〜・・・」

熾亜「なに悩んでるの? ミカさん。」

ミカ「さっぱりわかりません・・・」

美央「どれどれ・・・」


覗き込むと、そこには漢字"だけ"の文章があった。


熾亜「えっとね、この文章はこの字よりこれを先に読んで・・・」

ミカ「はいぃ・・・」

熾亜「で、さらにコレとコレを逆順に読んで・・・」

ミカ「あうぅぅ・・・」


ミカさんは語学・・・特に漢文にめっぽう弱かった。
今にも頭から煙が出てきそう・・・


美央「よしっ! ちょっと休憩!」

熾亜「ふぅ・・・」

ミカ「はうぅぅ・・・」

美央「ゲームでもしよっかw」

ミカ「ゲーム・・・?」

美央「私の部屋から持ってくるから、ちょっと待ってて〜」


言うが早いか、美央は居間から出ていった。


ミカ「どんなゲームをするんですか?」

熾亜「たぶん、TVゲームだと思うけど。」

ミカ「てれびげーむ・・・? あぁ、"ふぁみこん"ですねw」

熾亜「いや、ちょっと違うけど・・・まぁ、そんなようなモノね。」

美央「じゃ〜ん、おまったせぇ〜w」

熾亜「あ〜〜! "スマシス"じゃない! 買ったの!?」

美央「もっちろんw」


スマシス・・・大乱戦スマッシュシスターズ。
かわいいキャラとそのゲーム性で、子供から大人まで男女問わず人気を博している
ドタバタ対戦アクションゲーム。


ミカ「これは・・・どのように遊ぶんですか?」

美央「ミカさん、やったことないの?」

ミカ「はい・・・」

美央「カンタンだから、手早く説明するね。 まず、このスティックで移動。
   こっちの4つのボタンが、それぞれ攻撃・ガード・ジャンプ・必殺技」

ミカ「が、がんばります。」

美央「じゃ、私"フーリン"!」

熾亜「隠しキャラも全部出てるのね・・・
   でも、ここはオーソドックスに"マリコ"にしようかな。」

ミカ「では・・・この"カノン"という子を使ってみます。」

美央「じゃ、スタート!」

ミカ「ドキドキ・・・」

熾亜「ミカさんは初心者だから、加減してあげるね。」


TV「レディ・・・ゴー!」

・・・
・・
・

TV「ウィナー・イズ・カノン!」

美央「・・・」

熾亜「・・・」

ミカ「・・・勝ってしまいましたね。」

美央「い、今のは手加減してたからっ!」

熾亜「今度は本気!」

・・・
・・
・

TV「ウィナー・イズ・カノン!」

ミカ「・・・また、勝ってしまったみたいです・・・」

美央「つ、強い・・・」

熾亜「・・・・・・」

美央「まだまだ!」


その後、何度も対戦した。
私達が勝つときもあったけど、結局ミカさんの勝利数が圧倒的だった。


美央「ミカさん、ホントに初心者・・・?」

ミカ「はい、そうですけど・・・」

美央「ウソだ・・・」

熾亜「・・・残念ながら、ホントなのよ。
   ゲーム自体、ウチで少し触ったくらいで・・・」

美央「ショック・・・ってもうこんな時間!!」


時計を見ると、もう夜の7時半。


美央「晩御飯どうする? どこか食べに行く?」

熾亜「せっかくだし、みんなで何か作らない?」

美央「調理実習みたいで楽しそうねw じゃ、冷蔵庫の中のモノ適当に使って、
   何か作ろっ」

ミカ「自信ないですけど・・・」

熾亜「大丈夫w 連帯責任よw」

美央「そ、楽しければい〜のw」

ミカ「わかりました。」


3人で作る料理・・・その一部をお送りします。


ミカ「えいっ!」

美央「ちょっ! 油もひかずに肉を!?」

熾亜「美央!! 卵に砂糖そんな入れたら・・・!」

美央「あぁぁぁぁぁ! しまったぁ!!」

ミカ「油・・・ですか? これですね。」

熾亜「ソースは・・・これかな?」

美央「それ! 麺つゆ!!」

熾亜「え・・・えぇぇぇえぇ!?」

ミカ「きゃぁぁぁぁ!」

美央「どうしたの! ミカさん!」

ミカ「油を入れたら、フライパンが、燃えて・・・」

熾亜「ちょっと、これブランデーじゃない!?」

美央「・・・フランベですか!? フランベのつもりですかっ!!」


こうして出来上がったものは・・・

ブランデーの香り漂う肉が入った麺つゆ味焼きソバに、
もはや卵とは思えぬ色と甘さの卵焼き。
もったいないから私達で全部食べたけど・・・
感想は・・・ごめんなさい。

食器を洗って、3人でもう少し勉強することにした。
なんとなく・・・家庭科を。



←第2話へ  第4話へ→