ジェイド:「よかった・・・・・・本当に・・・・・・」 涙を流しつつぎゅっと抱きつくジェイド アル :「じぇ・・・ジェイド・・・?」 ジュノ :「よっ、お目覚めかぃ?」 アル :「お目覚めって・・・俺は一体・・・?」 セラフィ:「クーラとジェイドさん・・・二人の魔力波を受けて、仮死状態になってたんですよ。」 アル :「そうか・・・二人の間に飛び込んだときに・・・」 ファル :「で、ジェイドが体を張って治したってワケだ。」 アル :「いや、それはなんとなくわかるが・・・なんで、その・・・口付けを・・・?」 ケルビナ:「ジュノお兄様が、そうしろと・・・」 アル :「・・・ほう・・・」 ジュノ :「え? いや、あはは・・・」 ひきつった笑顔で、徐々に後ずさるジュノ アル :「そのやり方は、誰に教わったのかなぁ・・・?」 ジュノ :「それは・・・その・・・えっと・・・つい、出来心で加筆修正を・・・ いや、まさかホントにやるとはっ!!」 アル :「・・・殺れ。」 ファル :「いぇっさ。」 アルの言葉を合図に、一斉にジュノをリンチにする。 アル :「まったく・・・ホントに仕方のないヤツだな・・・」 ジェイド:「・・・・・・・・・ジュノ様?」 アルに抱きついたままのジェイドから禍々しいオーラが出てくる ジェイド:「・・・・・・・・・冗談・・・だったのですか?」 ジュノ :「い、いや・・・途中まではあってるんだよ!!耳元でささやくとこまでは!! いや、ゴメン、ホントはそれもちょっとウソで、手荒に起こしてもぜんぜん・・・ って、ちょっとまって!!目が怖い! 目が怖いって!!」 リンチから開放されたジュノだが、今度はそれ以上の恐怖が襲い掛かる。 ジュノ :「だ、だいたいさっ! 兄者と俺がキスするわけ・・・ ひ、ひえぇぇぇ!! おたすけぇぇぇぇぇl!!!」 ジェイド:「人がどれほど・・・どれほど・・・どれほど・・・どれほど・・・どれほど どれほど・・・どれほど・・・どれほどアル様のことを心配しているかっ!!! それを判っていてあのような真似をわざとさせたというのですか!! ひどいです、侮辱です、これは犯罪です、弁解の余地もありません。 人の心をもてあそんで喜んでいられるその性根から作り変えるべきですね。 ええ、そうです、そう決めました、そうせざるを得ません。 いいですか?私がどれほどアル様のことを慕い申し上げているかジュノ様にだって判るはずです!! それをこのような緊急の事態において遊び半分にしていいはずがありません!! 第一ですね・・・聞いているのですか!?ジュノ様!!」 ジュノ :「ぐ・・・が・・・ぁぅ」 説教の後半から自分がジュノの首を締め上げていることにまったく気がついていないジェイド ジェイド:「しかも肉親の一大事なのですよ!?そのような事態によくも・・・ いくらわたくしでももう許すことは出来ません。 アル様の兄弟とはいえ我慢にもほどがあります。 いいですか、この際ですからじっくり言わせてもらいますが・・・・・・」 首を絞めたままの説教開始から一時間半後・・・ ジェイド:「聞いていらっしゃるのですか!! 返事をしたらどうですか!!」 首を絞めたままゆすってはみるががくがくと首が動くだけである アンバー:「・・・あー・・・ジェイドちゃん?ソロソロ解かないと・・・色々大変よ?」 アル :「ジェイド・・・まぁ、そのへんで・・・」 すでに白目をむき、アワを吹いているジュノを見かねて、二人が止めに入る。 ジェイド:「・・・・・・わかりました・・・」 パッと首から手を離す 万有引力の法則により倒れこむジュノ しかし、動く気配は全くなかった。 アンバー:「・・・迷わず成仏してくださいねー・・・・ナムナム・・・」 手を合わせ拝むアンバー ファル :「・・・さすがに効いたみたいだな・・・」 ジェイド:「はー・・・・はー・・・・・」 1時間半にも及ぶマシンガン説教 さすがに疲れが出てくるジェイド アンバー:「・・・ま、ともかく!! これで片付いたということで」 強引に締めに入るアンバー セラフィ:「これ(ジュノ)は、ココにでも入れておきますね。」 ファル :「っちょ、それ俺のカート!」 セラフィ:「荷物持ち・・・ですよねぇ・・・?」 ファル :「生きてるか死んでるかわからんようなモノ入れるな!」 セラフィ:「じゃぁ死体なら・・・」 ファル :「殺すなっ!」 セラフィ:「ゾンビの牙や爪は入れるのに、ナマモノはダメですか・・・」 ファル :「・・・そのうち目ぇ覚ますだろ。」 アル :「・・・とりあえずアンバーの話、聞こう・・・」 アンバー:「相変わらず容赦ない扱いですねー・・・まー、それはさておき」 ひとつ咳払いをすると アンバー:「これで私たちの目的は果たせたわけです・・・皆さんすみません最後まで巻き込んでしまって・・・」 ジェイド:「本当に・・・申しわけありませんでした・・・」 アル :「他人事じゃないからな・・・それに、俺たちは俺たちの意思で参戦したんだ。 巻き込まれたっていうのは、ちょっと違うな。」 アンバー:「何はともあれ、ありがとうございましたこれで。悠々自堕落に過ごせるというものですよ♪」 アル :「本当に・・・終わったのか?」 ジェイド:「ええ、後始末は全て終わりました。」 ファル :「で、アンバー達はこれからどーすんだ? これで一件落着なワケだし、もうコソコソ隠れてる必要もないんだろ?」 アンバー:「そーですねー・・・・どーしましょぅ? ぶっちゃけその後のことは考えてないんですよねー あはー♪」 セラフィ:「ウチで一緒に過ごしてはどうでしょう? きっと、アル兄さんも大歓迎しますよw」 アル :「・・・ま、まぁ・・・な。」 ルーシィ:「ますた〜、カオ赤いよ〜?」 アル :「・・・・・・」 ケルビナ:「ともあれ、お二方が私たちと共に生活するというのであれば、それは大歓迎ですわw また毎日が賑やかになりますわね〜w」 ジェイド:「ですが・・・ご迷惑では?・・・いきなり二人も居住者が増えるとなっては・・・」 アル :「部屋のことなら心配はない。これだけの人数でも持て余すくらいだ。」 セラフィ:「2人分くらいなら、食費もそんなに違いませんよw」 ファル :「っていうか、大歓迎っつってんだから迷惑になるワケねぇじゃんよ。」 ルーシィ:「でも、私たちのほうも、けっこうコソコソしてると思うけど〜・・・」 アンバー:「そーですねー・・・・・・もともとの住居に必要なものもありますしー・・・ 一応荷物整理もしないといけませんねー、お引越しとなるとー」 ジェイド:「あ、姉上!?」 アンバー:「身辺整理はそんなかからないと思いますし その後からご厄介でもいいですかねー?」 アル :「あぁ、構わない。 案内するから、どこかで待ち合わせしよう。」 アンバー:「では、2・3日後にまたご連絡でよろしいですかねー?」 アル :「ん、そうだな。」 アンバー:「あ、アルさんジェイドちゃんには花嫁修業みたいなことはまったくしてませんけどいいですかねー?」 ジェイド:「姉上!!何を言ってるんですか!!!」 アンバー:「ぇー・・・ジェイドちゃんそのつもりじゃないのー?」 ジェイド:「それは!!・・・・・・そうなのですが・・・」 真っ赤にうつむき語尾は聞き取れないほどしぼんでいった アル :「ウチには料理担当でセラフィとジュノがいるし、掃除担当でルーシィとケルビナがいる。 家事全般は問題ないと思うが?」 アンバー:「じゃージェイドちゃん担当はアルさんの身の回りのお世話と他色々ですねー」 アル :「あ、いや・・・自分のことは自分で・・・というか、他色々って・・・」 ファル :「買い物の付き合いとか?」 セラフィ:「紅茶はアンバーさんにお任せしてもよさそうですね。」 ケルビナ:「・・・また一服盛られそうで怖いですわ・・・」 アンバー:「なんか私にいやな先入観が植え付けられてますねー・・・まぁいいでしょう 色々?朝から晩まで一緒って事ですよー?なにいってるんですか」 ジュノ :「と・・・りあえず・・・さ。」 ジュノがようやく起動した。 ジュノ :「話・・・そこらへんで・・・ 早く、帰って・・・休みて・・・ぇ」 それだけ言うと、また地面に倒れ付した。 セラフィ:「・・・相当ダメージが深かったみたいですね・・・」 ファル :「ま〜確かに、ここで立ち話もなんだし・・・詳しいことはまた、そっちの身支度ができてからにしよーぜ。」 ケルビナ:「戦いの疲れを癒すほうが先決ですわね。」 アンバー:「さすがの私も疲れましたよー・・・あまり動きたくないですねー」 そういってその場に座り込むアンバー ジェイド:「・・・・・・最後の最後でしたからね、色々と疲れました」 そうは言っていても平然と立っているジェイド アル :「それじゃぁ、一旦お開きにするか。」 セラフィ:「はい、ポタ出しますねw」 アル :「みんなは先に戻っててくれ。 俺はちょっと後で戻る。」 ファル :「ほいさ。」 セラフィのポタにみんなが入ったのを確認し、アルは気になっていた話を切り出す。 アル :「ジェイド、アンバー・・・ちょっといいか?」 アンバー:「・・・なんでしょう?」 ジェイド:「・・・・・・?」 アル :「さっきからずっと気になってたんだが・・・ 以前、ジェイド達の目的は”組織に関わる全ての排除”みたいなことを聞いたんだが・・・ それにはひょっとして、お前たち自身も含まれてるんじゃないのか?」 アンバー:「・・・・・・んー正確には少し違いますけど、大体あってますねー」 ジェイド:「姉上・・・それは・・・」 アンバー:「いいの・・・隠し通せるものでもないでしょ、アルさんだし」 アル :「2〜3日後に連絡なんて言っておいて、そのまま音沙汰がなくなるような予感がしてな・・・ どうも不安だった。」 アンバー:「あはー、なかなか勘も鋭いようで、まいっちゃいますねー」 アル :「結局、本当のところはどうなんだ?」 アンバー:「まー、結論いっちゃえば、音信不通になってそのままお別れーなんですけどねー。 実際私は作られたものですから存在してはいけませんし。 ジェイドちゃんはれっきとした人間ですから、体内の原石を外せばいいんですけど、 それが出来ないんで・・・・・・まぁ同じ運命ってやつですねー」 ジェイド:「・・・・・・・・・」 アル :「そんな言葉で、俺があきらめるとでも?」 アンバー:「いいえー、まったくー・・・でも、こっちも引き下がるわけにも行かないんですよー ですけどね、このままいてもジェイドちゃん死んじゃいますから。 魔力をほぼ無尽蔵に蓄積できるジェイドちゃんの原石は、その魔力がなくなれば無論機能停止しますし 本体に耐性がなくなれば、その身自体を食らうでしょう。 かといって維持できるほどの魔力自体毎日のように蓄えておくことも無論不可能です。 許容量が半端ナイですからね、全盛期だったら高レベルwiz30人分くらいの魔力が必要でしたからねぇ」 アル :「・・・放っておいても自壊する・・・ということか?」 アンバー:「・・・まぁ今すぐって事はありませんけど、いつかは・・・ってことです」 アル :「自壊を防ぐには原石を外すしかない・・・しかし、それもできない・・・ 維持のための魔力供給も限度がある・・・他に方法はないのか・・・?」 アンバー:「ありませんよ?」 きっぱりと答えられた ジェイド:「・・・母体となるものの生命活動がなくなれば、供給のなくなった原石は最終的には機能停止して、 ただの石になります」 アンバー:「そういうことです・・・って、何でジェイドちゃんしってるの!?」 ジェイド:「・・・・・・知ってましたよ最初から。黙っていてすいません・・・」 アンバー:「そっか・・・知ってたんだ・・・」 アル :「いずれにせよ、死ぬしかないのか・・・」 アルは力なくうなだれる。 アル :「たとえば・・・だ。一度死んだ後、原石がただの石になってから・・・蘇生したりはできないのか?」 アンバー:「・・・ジェイドちゃんモノだけは特別製ですからねぇ、死なせることがそもそもむずかしぃんですよ」 ジェイド:「原石自体が、母体を死なせないために強力な再生力を施しますから。 簡単に言ってしまえば、首をはねない限り母体は死にません」 アル :「石を外すのではなく、壊すこともできないのか?」 アンバー:「物理的に破壊は問題なく可能です。もともと石ですし」 アル :「石を壊すことは、ジェイドの命に関わることなのか?」 アンバー:「容量が容量ですからね。割った瞬間どうなるかもわかりませんし、それに・・・・・・」 アル :「それに・・・?」 ジェイド:「わたくしの心臓内にそれはあります」 アル :「心臓内・・・だと?」 心臓内では、取り出すにも壊すにもジェイドの心臓ごと・・・ということになる。 アル :「しかし、埋め込むことができたなら、その逆も・・・」 アンバー:「このジェイドちゃんの原石は直接ではなく、時間と共に身体になじんできて、 自然と埋まってきたんです。 元々は心臓の表面に癒着させていたものが、内部に取り込まれて定着した・・・ 技術的なものではないんですよ・・・・」 アル :「・・・どうにもならないのか・・・」 ジェイド:「・・・・・・そんな顔をなさらないでください。わたくしは覚悟をしておりましたから・・・」 アンバー:「・・・知らなければよかったって事もあるんですよ、アルさん」 アル :「しかしっ! お前たちが、悪魔のような研究の犠牲になるなど・・・!」 ジュノ :「・・・そーゆーコトかよ。」 アル :「!?」 突如、ジュノがアルの背後から姿を見せた
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