部屋に戻ったセラフィ達。 定番のアレを・・・ ケルビナ:「・・・結局、お姉さま達はどうなんですの?」 ルーシィ:「どうって・・・何が?」 ケルビナ:「何がって、決まっているではありませんか。」 セラフィ:「・・・やはり、その話なんですね・・・」 ケルビナ:「旅館の女部屋といえば、秘密の恋話と相場が決まってますわw」 ルーシィ:「つまり・・・誰が好きかってコト?」 ケルビナ:「そうですわ。 わたくしは知ってのとおり、異性ではアル様以外見えてませんわ〜・・・」 恍惚とした表情で遠い目をするケルビナ。妄想族なのだろうか・・・ ケルビナ:「ということで、ルーちゃんとセラお姉さまは誰なんですの?」 セラフィ:「私は、特にそういった感情は・・・」 ルーシィ:「私も別に、特別に意識したことないよ。 たしかに、マスターを目標にはしてるけど、そんな気持ちは・・・」 ケルビナ:「本当ですの?」 セラフィ:「ここでウソを言ってどうするんですか・・・」 ケルビナ:「これで、何も気にすることなくアル様にアタックできますわ〜w」 ルーシィ:「でも、マスターって・・・」 ケルビナ:「なんですの?」 ルーシィ:「そういうコト、興味なさそうだよね。」 セラフィ:「今までの行動からして、興味も免疫もなさそうですね。」 ルーシィ:「いつも”非情の心”を持ち歩いてるし、自分でかなり押さえつけてるのかも。」 ケルビナ:「その”押さえ”が外れたら・・・?」 セラフィ:「その状況になったことがありませんし、どうなるか・・・ ただ、夏祭りの時は感情を抑え切れなかったようですけど・・・」 ケルビナ:「あのときは驚きましたわ・・・ いつも冷静なアル様が、あんなになるなんて。」 セラフィ:「私も、あのときが初めてなんですよ。」 ケルビナ:「あまり積極的にならないほうがいいかも知れませんわね。」 ルーシィ:「ねぇ、そういえばお風呂って7時からだっけ?」 セラフィ:「たしか7時から11時までの4時間だと言われたような・・・」 ケルビナ:「すでに8時半ですわね。」 ルーシィ:「じゃ、お風呂行こうよ〜w みんなで背中流しっこしよっ☆」 ケルビナ:「ルーちゃんはいつも無邪気ですわね。」 セラフィ:「そこがカワイイんですよw」 ルーシィ:「お風呂まで競争〜!」 浴衣とタオルをひっつかんで、飛び出していくルーシィ。 セラフィ:「ちょっと、ルーシィ!?」 ケルビナ:「行ってしまいましたわね・・・アサシンの移動速度には勝てませんわ。」 セラフィ:「ともあれ、私たちも急ぎましょうか。」 速度増加を掛け、浴場へと足を進める二人。
フロント前ではアンバーがジェイドを小脇に抱え人気のないのを確認すると アンバー:「ジェイドちゃん、ここなら平気だと思うから3分まっててね。」 ジェイド:「はい・・・姉上・・・」 アンバー:「じゃ、作ってくるから座って待ってなさいね」 そういって玄関を抜けて外へ飛び出して行った ジェイドは椅子に座り息も絶え絶えで何かに耐えていた そこに加速したルーシィが走りこんできた。 ルーシィ:「あぁぁぁぁぁっっ! ジェイドさんどーしたの? だいじょうぶっ!?」 ぐったりしているジェイドを、心配そうに見るルーシィ ジェイド:「・・・・ルーシィ・・・さま・・・大丈夫・・・です・・・から・・・」 何とか平静を装うが見た目にも深刻そうである ルーシィ:「それ、ゼッタイ大丈夫じゃないって! 待ってて、セラお姉ちゃん呼んでくるっ!」 慌しく来た通路を戻るルーシィ。 それを見計らったように、玄関が開く。 ジェイド:「・・・おまちを・・・ルー・・・」 アンバー:「ハァハァ・・お待たせジェイドちゃん!!」 汗だくで戻ってくるアンバー手には蛍光の琥珀色した液体の入った容器を持っている アンバー:「さ、早く飲んで!!」 ジェイド:「ハイ・・・」 そういってその液体を一気に飲み干すジェイド アンバー:「・・・・・・・どう?」 ジェイド:「・・・はい、もう平気です。」 飲み終えたジェイドは血色もよく今までの状態が嘘のようである アンバー:「はー・・・・・よかったぁ〜・・・ホントあせったよぅ・・・」 そういってその場に座り込むアンバー アンバー:「でもごめんね、旅行に浮かれてて期間のこと忘れてたよ・・・」 ジェイド:「もう平気ですから、心配なさらないでください」 アンバー:「でも、即席だからあまり持たないかも、家戻ったらちゃんとしたのすぐ飲もうね」 ジェイド:「はい、姉上」 ルーシィ:「ジェイドさ〜〜〜ん!!」 セラを呼びに行ったルーシィが戻ってきた。 セラフィ:「ジェイドさん、大丈夫ですか?」 ジェイド:「あ。ルーシィ様 ご心配をおかけしましたもう平気ですよ」 ケルビナ:「何ともないようですわね・・・」 ルーシィ:「ホントに? もう平気?」 アンバー:「あはーwなんともありませんよー、もう大丈夫です。おねーちゃんのおかげですからー」 ない胸をはって威張るアンバー どう見てもこっけいである。 ジェイド:「何も心配はございません、皆様お騒がせいたしました」 そういって深々と頭を下げる セラフィ:「持病・・・のようなものでしょうか?」 ルーシィ:「持病とかだったら、ここの温泉が効くかもねw」 アンバー:「ほほー それは興味深いですねー」 ジェイド:「皆様はこれからご入浴ですか?」 受付 :「ここの温泉は神経痛・生理痛・リウマチ・肩こり・腰痛やら何やら、イロイロ効きますけぇ。」 セラフィ:「ひっ!」 突如現れた受付のおじいさんに驚く。 受付 :「ごゆるりとつかってくださいましなぁ。」 アンバー:「!!」 ジェイド:「!!!」 咄嗟のことに明らかに身構えあわよくば先制攻撃を仕掛ける勢いの二人 アンバー:「お・・・脅かさないでくださいよー・・・びっくりしてヤッ・・・いやいやビンタしそうでしたよー」 ケルビナ:「いたのですか・・・」 ルーシィ:「気配・・・感じなかったよ・・・」 受付 :「あんれまぁ、そのビンタは全身が粉々になりますけぇ、エンリョしますわいな。」 ジェイド:「んんっ(咳払い)・・・と、とにかく皆様はもう温泉へ行かれるのですね?」 ルーシィ:「うん、今から行くところだよっ」 アンバー:「・・・・・(受付をスルーしつつ)あはー じゃあ私もご一緒しちゃいますかねー」 ルーシィ:「うん☆ みんなで行ったほうが楽しいしね〜w」 セラフィ:「そうですねw」 ジェイド:「わたくしは遠慮いたします・・・まだちょっと・・・」 セラフィ:「ジェイドさん、おじいさんの言うコトが正しいなら、むしろ入ったほうがいいですよ? それに、みんなで入れば何かあったときも安心ですし。」 ジェイド:「ですが・・・・」 アンバー:「まぁ、調子も良くなったばかりですし時間をあけてってことで ここはこのおねーさまの顔に免じてでよろしいですかね?後からでもはいれますし」 セラフィ:「そうですか・・・わかりました。」 ルーシィ:「じゃ、アンバーさん。いこっかw」 ジェイドをその場に残し、足早に浴場へ向かう一行。 受付 :「ぁ、そン言えばさっき・・・」 受付が何か言おうとしたが、一行の耳には届かなかったようだ。 受付 :「ここは混浴しかありませんけぇ、さっき男さんがたが入りよったで、 教えにゃと思ったけぇ・・・行ってしもた。」 と、そこにいたジェイドに目を向ける受付 受付 :「なぁ、お嬢さん? 伝えてもらえんかのぉ?」 ジェイド:「・・・・・・・多分いっても聞かないと思われます・・・ 特に姉上が・・・あと申し訳ありません時間ギリギリでも入浴は平気でしょうか?」 受付 :「今夜はお客さんたぁしか居ませんけぇ、時間延ばしますわいなぁ。 やけんど、あんま遅うに来られても、こちらも後片付けがありますけぇに。 日付が変わる前にはあがっておくんなまし。」 ジェイド:「わかりました、ご迷惑おかけして申し訳ありません では失礼いたします・・・」 そういって自室へと帰っていった 受付 :「お気をつけやす〜」
その頃の浴場・・・女性陣が来るとも知らず、男性陣が盛り上がっていた。 ジュノ :「で、ファル兄ぃはどうなんだよ〜?」 ファル :「どうって、何がだ?」 ジュノ :「トボけんなよ。 いるんだろ〜?好みのオンナw」 ファル :「ばっ! お前なぁっ!」 ジュノ :「その反応は、図星だな〜?w」 ファル :「か、からかうんじゃないっ!」 ジュノ :「誰だよ、誰なんだよ〜?」 ファル :「て・・・天使連のメンバーじゃねぇよ・・・」 ジュノから少し目を逸らしつつつぶやく。 ジュノ :「ホントか〜??アヤシイなぁ〜・・・」 ファル :「ホントだって!」 必死に抗議するファル ファル :「それはそうと、なんでアル兄には聞かないんだよ。」 ジュノから逃れようと、アルに話を振る。 ジュノ :「答え、わかってっから。」 ファル :「え?」 アル :「・・・興味ないな。」 ジュノ :「な? 兄者は昔っから色恋沙汰には興味ないんだよ。」 ファル :「ナルホド・・・で、そういうジュノはどうなんだ?」 ジュノ :「え? 俺? いねぇよ?」 しれっとした表情で答えるジュノ ファル :「いない!? あれだけ俺を煽っておいて、自分はソレかよ!」 ????:「あはー 結構広そうですねー♪」 アル :「・・・何?」 脱衣所のあたりから聞きおぼえのある声が聞えてきた ジュノ :「今の声・・・アンバーじゃ・・・?」 ファル :「まさか・・・」 ジュノ :「やべぇ、忘れてた・・・」 アル :「何をだ?」 ジュノ :「浴場の入り口に書いてあったんだよ。 当館は混浴のみとなりますって。」 アル :「なぜ早く言わない・・・」 ジュノ :「いや、入ったとき誰もいなかったから・・・」 ファル :「やべぇって、このままじゃ! 早く・・・」 ??? :「いやー皆さんスタイルもいいですねー♪ うらやましいですよー」 アル :「時間がないな・・・」 ジュノ :「どーするよ! 隠れれそうな岩場もなんもねぇぜ?」 ファル :「入り口はあそこだけか・・・」 ??? :「皆さん、ちょっと待ってください」 更衣室で、誰かが何かに気づいたようだ。 ??? :「ここのロッカー・・・いくつか使用中みたいなんですけど・・・」 ??? :「あ、ホントですわね。 1番・42番と・・・飛んで666番? が使用中ですわね。」 ??? :「なんでイキナリ600番台に飛んでるの・・・コレ。」 ??? :「あはー♪木目が人の顔に見えるロッカーですねー666番って」 ??? :「よく使う気になりましたわね・・・」 ??? :「おかしいですね・・・」 ??? :「どうしたの?おね〜ちゃん。」 ??? :「いえ、ここに来るときに男女の分かれ目を見なかったもので・・・ それに、使われてるロッカーは3箇所・・・ もしや兄さん達がすでに・・・?」 ??? :「それって・・・混浴ってことですの?」 ??? :「そのようですね。 どうします?アンバーさん。」 アンバー:「あはー♪やることは一つですよー」 ??? :「まさか・・・このまま入・・・?」 アンバー:「既成事実を作るために特攻ですよー!!!」 勢いよく開け放たれる浴場の扉。 湯煙が少し晴れると、驚くほど堂々と、入り口に背を向けて湯に浸かっている3人の姿が見えた。 ジュノ :「よ〜、遅かったなぁ」 こちらを振り向かずに、背を向けたまま話してくる。 ファル :「のぼせそうだ・・・」 どうやら、ハラをくくったらしい。 アンバー:「あはー♪こんばんわーですよー 湯加減はいかがですかー?」 とてつもなく無邪気に話しかけるアンバー アル :「なかなかいい湯だ。」 普通に答えるアル ・・・さかのぼること数分前・・・ ファル :「どうすんだよ、逃げられネェぜ?」 ジュノ :「ここはトンネルドライブで・・・」 アル :「俺はクローキングで・・・」 ファル :「俺はどーすんだよっ!」 二人 :「・・・」 ジュノ :「しゃ〜ねぇ、ハラくくろうぜ。」 ファル :「というと?」 ジュノ :「さっきの会話聞いたろ? すでにセラフィっぽいヤツが混浴なことに気づいてる。」 アル :「つまり、ここで入ってくるということは、その覚悟があると認識する・・・と?」 ジュノ :「そーゆーことw で、あっちを見ずにいればいいんだよ。」 ファル :「それでいくしかないか・・・」 ジュノ :「・・・そろそろ来るぜ・・・背ぇむけて、ゼッタイ振り向くなよっ!」 ガラガラガラガラ ・・・・・・・・・・ -----現在------ アンバー:「あらーどうして後ろを向いていらっしゃるんですカー?」 アル :「いうまでもない」 セラフィ:「大丈夫ですよ、兄さん。 水掛衣を着てますからw」 アル :「・・・何?」 3人が振り向くと、たしかに衣をまとっていた。 アンバー:「あはー♪わたしは着てるなんて一言も いってませんけどねー」 振り向いたのをいいことに前かがみになるアンバー セラフィ:「アンバーさん、おふざけが過ぎますよ?」 アンバーの襟元を少し引っ張るセラフィ アンバー:「あらーこれは失礼を♪」 そういいつつ静かにアルの元へ歩み寄るアンバー 耳元で アンバー:(小声で)「ジェイドちゃんは来ていませんよ♪」 そういうとすぐさまそばを離れた セラフィ:「実は、ついさっきなんですけど・・・いきなり従業員の女性が来て・・・」 ケルビナ:「使ってくださいって、渡されたのですわ。」 ジュノ :「そっちはそれでいいだろうけど・・・」 ファル :「こっちが動けないことに変わりはないんだけど・・・」 と会話をしていると、ついさっきまで居たはずのアルの姿がない。 ジュノ :「あ、あれ? 兄者? どこいった?」 アル :「ここだ。」 開けっ放しになっていた扉を見ると、水掛着を着たアルがいた。 アル :「・・・どうやら、セラフィの言ってた従業員が置いていってくれたらしい。 お前達の分もあるぞ。」 二人に水掛着を手渡す。 ファル :「アル兄ぃ、クローキングで?」 アル :「あぁ。 かなり抵抗はあったが・・・この状況では仕方あるまい。」 ファル :「そっか。ジュノのトンネルドライブは地中を掘り進むから・・・」 ジュノ :「そいえばそ〜だな、ウッカリしてたw 俺も逃げられねぇじゃん。」 アンバー:「なかなか度胸がありますねーアルさんも♪」 アル :「これでもアサシンだ。それなりに度胸はあるぞ。 無感情を維持する訓練も受けているしな。」 アンバー:「さて、問題も解決したことですし 入浴タイムでーす♪」 いいつつ湯船に浸かるアンバー セラフィ:「この水掛着、白いんですけど透けたりしないでしょうか・・・?」 アル :「水掛着というのは、もともと水浴びや入浴で濡れても平気なように作られている。 大丈夫だ。」 アルも湯船に浸かりなおす。 アンバー:「はーええ湯じゃのぅ・・・・余は満足じゃー」 ファル :「アンバー・・・やっぱおまっ・・・モガ」 何かを言いかけたファルだったが、ジュノに止められる。 ジュノ :「それ以上はダメだ、ファル兄ぃ。」 アンバー:「ファルさーん 続きをどうぞー♪」 ファル :「・・・エンリョするよ。」 目に見えて右腕に魔力がこもっていた セラフィ:「まぁまぁ、せっかくの温泉なんですから、ゆっくりしましょうw」 アンバー:「それはそうと・・・・」 アンバーは女性陣3人をまじまじと見ていた セラフィ:「ど、どうしたんですか?そんなじっと見て・・・」 アンバー:「・・・・・・てぃ♪」 不意にセラフィの胸を掴むアンバー セラフィ:「ひぁっ!? な、何をするんですかっ!」 とっさに振りほどくセラフィ セラフィ:「私たち以外にも、兄さん達も見てるんですよっ!?」 アンバー:「むー・・・・・・」 なにやら落ち込んでいる アンバー:「セラフィさん・・・・」 セラフィ:「なんですか?」 アンバー:「やっぱりうらやましいですねーそのスタイルは・・・・」 いうなり落ち込むアンバー アンバー:「はぁー・・・・・」 セラフィ:「うらやましい・・・ですか?」 アンバー:「どうです御三方?」 不意にアンバーが話題を振ってきた アル :「どう・・・と聞かれてもな。」 ジュノ :「セラ姉ぇ、胸大きくないし。」 ファル :「ボディラインは整ってると思うけど、水掛着を着てちゃよくわかんないしな。」 セラフィの姿が消えた。 次の瞬間・・・ ジュノ :「がっ・・・ぁ・・・」 セラフィ:「ジュノくぅ〜〜ん?? な・に・か・言いましたかぁ?」 ジュノが額をわしづかみにされていた。 足元を見ると、足が地面から浮いている。 アンバー:「あわわわわ・・・・セラフィさんここは一つ穏便に・・・・」 肩を抑えなだめるアンバー スパァンッ! ジュノを掴んでいたセラフィの手が払いのけられ、ジュノは床に倒れ伏す。 アル :「セラフィ、そこまで。」 セラフィ:「あ・・・私・・・」 ファル :「ジュノ〜・・・大丈夫かぁ?」 ジュノ :「っつ・・・ぁ、な・・なんとか。」 ルーシィ:「おねーちゃん、目が本気だったよ・・・」 ケルビナ:「ステキですわぁ・・・w」 アンバー:「あ・・・あはー・・・・」 やや引き気味のアンバー アンバー:「まぁ言い出しっぺがいうのもなんですが皆さん入浴を楽しみましょう」 セラフィ:「そうですね。」 一同 :「はぁ〜・・・」 アンバー:「そういえば、ここの温泉の効能って負傷傷とかにも効くのですかネェ?」 ??? :「傷の治りを早くする効能はあるけぇ、安心しなせぇ。 じゃが、あえて”傷”とつけんでも”負傷”っちゅ〜だけで”傷”っちゅ〜意味にならんかぇ? さておき、えぇ湯じゃのぉ・・・」 一同 :「!?」 アル :「じぃさん・・・? なんでココに・・・」 受付爺 :「ここはワシの家じゃけぇの。風呂はココしかあらへんけぇ。」 ファル :「でも、フツー客と一緒には・・・」 アンバー:「自営業というやつですかー・・・・とはいえ・・・」 気配もなく存在する爺様に驚愕と若干の恐怖を感じた 受付爺 :「言うとろう?こっちは片付けもあるんじゃて。客入浴は11時まででのぉ、そっからワシと従業員が入って、 日付が変わるあたりで片付けじゃ。」 時計を見ると、すでに11時を回っていた。 アンバー:「あらーもうこんな時間ですかー・・・・しかたありませんパパッとあがるとしますかー」 受付爺 :「まンだえぇでよ。それに、もう一人来るじゃろうて。 みんなで入ったらえぇ。 今夜はお客さんたぁしかおらへんでよ。」 アンバー:「うーん・・・・・どうしますかねぇ・・・ とりあえず、わたしはジェイドちゃんの事もありますし 先に上がらせていただきます」 と言うが早いか、浴場の扉が開く。 ??? :「まだ人がいらっしゃ・・・・・」 人影を見るなり硬直する入り口の人影 受付爺 :「おいでなすったかぇ」 ??? :「え・・・まだ・・・いらっしゃって・・・・」 アンバー:「あはー♪つーかまーえたー♪」 入り口の人影に飛びつくアンバー セラフィ:「ジェイドさんっw」 ジェイド:「ちょっ・・・姉上・・・皆様がいらっしゃるのになんで・・・・」 アンバー:「いいじゃなーい。折角の混浴温泉を満喫しようよぅ♪」 そういってジェイドを湯船へと引っ張り込む アンバー:「はーい、1名様ごあんなーい♪」 ジェイドを湯船に引き込むアンバー セラフィ:「ささ、これを着て・・・」 どこからか水掛着を取り出し、ジェイドに着せる。 ジュノ :「よ〜、遅かったじゃないか。もう時間も過ぎてるぜ?」 受付爺 :「あンのお嬢さんは前もって聞いとるでよ。」 ジェイド:「えと・・・その・・・あの・・・」 あとずさるように湯船の隅へ奥へと移動していくジェイド アル :「なんでそんな隅に行くんだ。 みんなと入ればいいだろうに。」 ジェイド:「いえ・・・・その・・・・・」 端まで行き着くと限りなく身をかがめるジェイド ファル :「気分でも悪いのか?」 ルーシィ:「そー言えばここに来る前に、フロントのところでぐったりしてたよ・・・」 ケルビナ:「気分が優れないので、あとで一人で入ると・・・」 アンバー:「まぁまぁ、あまりジェイドちゃんを困らせないでくださいまし」 そういうとジェイドの前へ身を置くアンバー ジェイドの姿を隠すように。 アル :「何か事情があるのか・・・まぁ、無理強いはしない。」 ジュノ :「そういえば、さっきアンバーが傷に効くかどうか聞いてたけど、 ひょっとしてジェイドの体の傷・・・なのか?」 アンバー:「・・・・いやーわたしが結構生傷が耐えないものですから 少しでも傷跡が薄くならないかなーと 玉の御肌が台無しですからー・・・あはー♪」 ルーシィ:「たしかに、お肌キレイだね〜・・・」 さわっ アンバー:「ひゃっ!!? んもぅ!なにをするんですかー おかえしですよー」 つつー ルーシィ:「ひゃぅんっ!! も〜、やめてよぉ・・・」 アンバー:「あはー♪ なかなか敏感肌ですねー もっとしちゃいましょう」 つつー つつー つーーーー ルーシィ:「はぁぅ!? あぅ〜・・・ひぅっ!? ぅぅぅ・・・」 ジュノ :「なぁ、・・・ファル兄ぃ?」 ファル :「あぁ、ヤベェな。」 アル :「お前達もまだまだだな。」 アンバー:「あははー♪ おねーさまはどきがむねむねしてきましたよー・・・・ふふふ・・・・」 ケルビナ:「セラお姉さまぁ〜〜〜!!」 がっし セラフィ:「きゃぁっ!」 ジュノ :「兄者は平気なのかよ・・・」 アル :「無感情鍛錬を受けてるからな。」 ジュノ :「とか言って、”非情の心”握り締めてんじゃん、ズリィよ。」 アル :「感情を殺す効果を、まさかこんな風に使うとは思わなかったが、」 アンバー:「ささ、ルーシィさん いきますよぉー・・・・」 つーーーー ルーシィ:「ひゃ、ぁんっ! ふぁ・・・」 ファル :「俺、あがるわ。 耐えられネェ・・・」 ジュノ :「俺も・・・」 アンバー:「んーーーーかわいぃーですねー♪」 ぎゅーーーー(抱きしめ) ルーシィ:「ぁ〜ぅ〜・・・アンバーさん、そんなに締めたら苦しいよぉ・・・」 アンバー:「あーごめんねーあんまりにかわいくってー」 ぱっと抱きしめていた腕を放す ジェイド:「・・・・・・・」 我関せず温泉を満喫している ケルビナ:「お姉さま〜(*´д`) ハァハァ…」 セラフィ:「ちょ、ケルビナちゃん!? やめてぇぇぇぇぇっ!」 アル :「・・・・・・」 ファルとジュノがあがった後、残されたアルもまた、一人で温泉を満喫していた。 アンバー:「折角だしルーシィさんお背中ながしてあげましょうかー」 ルーシィ:「なんかイヤな予感がするから遠慮するよ・・・」 アンバー:「そんな警戒しなくてもーなにもないよぅ 洗いっこするだけだよぅー」 ルーシィ:「ホントにぃ・・・?」 アンバー:「信じてよー・・・ね?」 ルーシィ:「ぅ〜・・・わかった。」 アンバー:「やったー♪ じゃ向こういこっかー」 ルーシィ:「うん。」 そういってアンバーとルーシィは浴槽を出ていった アル :「ジェイド・・・?」 ジェイド:「・・・・はい?」 アル :「やけに静かだが、大丈夫か?」 ジェイド:「はい、大丈夫ですが?」 アル :「そうか・・・」 ジェイド:「・・・ですが・・・」 アル :「ん?」 ジェイド:「あの・・・・・あまり見ないでください・・・」 語尾は消え去りそうなほど小さく、身体はさらに縮こまっていった アル :「あ、あぁ・・・すまない。」 しばし沈黙。 少しはなれたところでは、まだセラフィとケルビナがじゃれ合っていた。 アル :「・・・綺麗な・・・満月だな。」 ジェイド:「・・・はい。」 二人は満天の夜空を黙って眺めていた アル :「ところでジェイド・・・・」 ジェイド:「はい・・・アル様?」 アル :「みんなで風呂に行くと言ったとき、一人だけ遠慮していたが・・・?」 ジェイド:「・・・はい・・・あの・・・・」 アル :「あ、いや・・すまない。 言いづらいなら別に・・・」 ジェイド:「その・・・あまり素肌を見られるのは・・・・」 アル :「あぁ、そういうことか・・・ 気分が悪そうにしていたと聞いたから、別の事情かと・・・」 ジェイド:「いえ・・それは・・・・その・・・・・」 アル :「言いにくい・・・か?」 ジェイド:「申し訳ありません・・・」 アル :「いや、いいんだ。 俺も少し深く突っ込みすぎたかな。 すまない。」 ジェイド:「・・・・・」 ジェイド:「アル様、そろそろ上がりますので・・・」 アル :「ん? あぁ、そうか。 じゃぁ俺も上がるか。 ジュノとファルはとっとと上がったし・・・」 ジェイド:「その・・・・後ろ向いていてもらえませんか?」 アル :「あ、あぁ。 わかった。」 入り口に背を向けるアル ジェイド:「・・・・・・・・・・・・」 背を向けたことを確認すると足早に脱衣所へ向かって行った 浴槽には布のすれる音のあと扉の開閉の音が静かに響いた アル :「さて、俺も・・・」 上がろうとして入り口の方を向くアルだったが、すぐにまた入り口に背を向ける。 ケルビナ:「おねぇさまぁ〜〜〜w」 セラフィ:「ケルビナちゃん、ソコ引っ張っちゃだめ〜〜〜っ!!」 ケルビナ:「いいじゃありませんか〜・・・」 アルがいることなどお構いなしに水掛着を乱れ得させて暴れまわる2人。 ルーシィ:「アンバーさん、背中のキズひどいね〜・・・どうしちゃったの?」 アンバー:「えっ!?・・・あ・・ああ・・・気になさらずにね、痕になっちゃってるから平気ですよー」 ルーシィ:「でも、見てるだけで痛々しいよ・・・ これ、強くこすっても大丈夫なの?」 アンバー:「もう平気ですよ、ふふっここの温泉の効用で消えると良かったんだけどねー♪」 ルーシィ:「傷の治りを早める効果はあるみたいだけど、さすがにここまでヒドい傷跡だと・・・」 アンバー:「私のはまだいいほうだよ・・・・・ささ、気にせず洗っちゃいましょう♪」 ルーシィ:「う、うん。」 アンバーの背中を懸命にこするルーシィ。 アンバー:「はー・・・極楽極楽・・・・♪」 ルーシィ:「アンバーさん、気持ちいい?」 アンバー:「うん、とっても上手ですねーお姉さんとも洗いっこしてるのかなー?」 ルーシィ:「うん、私がココに保護されてしばらくは、おね〜ちゃんとお風呂入ってたよw」 アンバー:「ルーシィさん、お姉さんのお肌も艶々ですか?」 ルーシィ:「うん、おね〜ちゃんの背中はツヤツヤでスベスベだよ〜w」 アンバー:「ほほー・・・いいことを聞きました・・・・(蛇笑)」 ルーシィ:「いいこと・・・なの?」 アンバー:「ささ、今度は私の番ですねールーシィさんこちらへどうぞー」 ルーシィ:「あ、うんw おねがいします。」 アンバー:「わー・・・・お肌綺麗ですねー♪」 アンバー:「んしょんしょ・・・・痛くないですかー?」 ルーシィ:「ん、きもちいいよ〜w」 アンバー:「ほんと綺麗ですねー・・・・」(つーーーーー) ルーシィ:「ひぁぅっ!? も〜、やめてよぉ・・・」 アンバー:「あはー♪ 綺麗なのでつい・・・」 ルーシィ:「ぅ〜・・・あんまりやると怒るよぉ?」 アンバー:「あはー♪ごめんなさいねー・・・はーいお湯かけますよー」 ルーシィ:「うんっ」 頭の上から桶にためたお湯をかける アンバー:「はーい、綺麗ぴかぴかですよー」 ルーシィ:「はぅ〜・・・さっぱりしたぁw」 アンバー:「そろそろルーシィさんは上がる?」 ルーシィ:「最後にもっかいお風呂入る〜w」 アンバー:「あはー♪のぼせないようにしましょうねー」 元気よく走っていくルーシィ。だが、濡れた床はすべりやすく・・・ つるっ ざっぱ〜ん 足元が滑って宙を舞い、勢いで温泉に飛び込む形となった。 床で腰を打たなかったのが幸いと言ったところか。 アンバー:「あらあらー・・・・大丈夫ですかー?」 心配になり近寄るアンバー ルーシィ:「あ、うん。 ぜんぜん大丈夫だよ〜w」 と、何事も無く笑うルーシィの横で、水浸しになっているのが一人・・・ アル :「ルーシィ・・・」 ルーシィ:「あ、ますた〜・・・まだいたんだ?」 アル :「湯には静かに浸かるもんだぞ・・・というか、水掛着を着ろ! 水掛着をっ! 目のやり場に困る・・・」 ルーシィ:「ぁっ!?」 顔を真っ赤にして、あわてて水掛着を羽織り直すルーシィ。 アル :「ついでに、セラフィとケルビナを止めてきてくれないか・・・?」 ルーシィ:「え? なんで?」 アル :「・・・うかつに振り向けんから温泉から出れないんだ・・・」 ルーシィ:「あ、なるほどっ!」 ぽんっ と手を叩いて、セラフィに近づいていくルーシィ そして、アルに近づく不振な影・・・・ アンバー:「あはー♪ アルさん楽しんでますかー?」 アル :「・・・楽しそうに見えるか?」 ため息混じりに答えるアル。 アンバー:「知ってていいましたー♪」 心底楽しそうである アル :「・・・知ってて答えた。」 あきれ気味に言い放つ。 アンバー:「アルさんアルさん」 アル :「何だ?」 辺りを見回し耳元で アンバー:「ジェイドちゃんことはあまりおきになさらずに 女の子には知られたくな秘密が5つはあるものですから♪ それに・・・・」 アル :「それに・・・?」 アンバー:「いずれちゃんとお話しますよ・・・・」 アル :「そうか・・・」 アンバー:「アルさんでしたらお任せできるかもしれませんしね・・・・」 アル :「任せる・・・?」 ぱっとそばをはなれて アンバー:「ではそろそろ上がるとします」 アル :「ん、あぁ。」 アンバー:「みなさーん、湯冷めしないように身体はちゃんと拭くんですよー♪」 セラフィ:「ちょっと、ルーシィまでっ!」 ルーシィ:「おね〜ちゃんの肌、すべすべ〜w」 アンバーの声は届いていないようだった。 アンバー:「ではではー♪」 そういってアンバーも脱衣所に姿を消して行った。 アル :「・・・で、結局俺はいつ出れるんだ・・・?」 浴場の騒動は、従業員が掃除に来るまで続いていたそうな。 ところで、受付爺はというと・・・ 受付爺 :「はぁ〜・・・えぇ湯じゃったのぉ・・・」 いつのまにか上がって、受付に座っていた。 ←第1章へ 第3章へ→