いよいよ、待ちに待った旅行の日。
耳打ちでアンバー達との待ち合わせ場所は決めていたのだが・・・

 ファル :「遅いなぁ・・・」

集合場所のピラミッド前で、アンバー達を待つ天使連盟一行。

 ジュノ :「あっちは何やってるんだろう・・・」
 アル :「・・・ふと気になったのだが・・・」

アルが口を開く。

 アル :「ファルの言うとおりの時間に来たはいいが、ジェイド達に時間は伝えてあるのか?」
 ファル :「あ・・・・」

どうやら、集合場所だけ決めて時間を伝え忘れてしまっていたようだ。

ケルビナ:「ファルお兄様〜・・・」
ルーシィ:「お兄ちゃん、しっかりしてよ・・・」
 ファル :「・・・ご、ゴメン・・・」
セラフィ:「今からでも耳打ちしましょう。準備がどれほど終わっているかわかりませんけど・・・」
 アル :「そうだな。」

この事態の元凶であるファルが耳打ちで伝えることになった。

−お〜い、アンバー?−
−あ、はーい、ファルさんおはようございますー−
−おはようって、今起きた所なのか?もう11時回ってるケド・・・−
−あら?もしかして皆さんお集まりですかー?−
−あぁ、ゴメン・・・時間伝え忘れててさ・・・−
−あややー・・・ちょっと手間取ってしまいまして・・・・・・
 今からすぐ向かいますので5分ほどお待ちくださいネー−
−わかっった。急かして悪いな・・・−
−それでは、また後で〜−
−うぃ〜−

 アル :「で、どうなんだ?」
 ファル :「あぁ、5分ほど待って欲しいそうだ。」
セラフィ:「5分で準備できるのですか・・・?」
 ファル :「少し手間取ってるって言ってたから、あらかた済んでるんじゃないか?」
ルーシィ:「・・・寝てなくてよかったね。」
ケルビナ:「・・・それだけが幸いですわね・・・」


アンバー:「ジェイドちゃん?そろそろ目がさめたかなー?」 ジェイド:「・・・・・・・。」 寝起きの死ぬほど悪いジェイド。それに、あまり寝付けなかったため未だ夢の中である。 アンバー:「しょーがないなぁ・・・・・ファルさんたちを待たせてるんだから、       もう行きますよー?」 そういってジェイドの手を引き、カプラ転送を利用して集合場所へと急ぐ。 アンバー:「さってと・・・・急ぐとしましょうか」 ジェイドの手を引き、猛烈ダッシュでピラミッド前へ進むアンバー。 ジェイドの体がこいのぼりのようになびいてるのは見なかったことにしておこう。 瞬く間にピラミッド前へ到着し、けたたましく砂埃を立ててアンバーがやってきた。 アンバー:「はぁー・・・・・はぁー・・・・・・・       み・・・みなさま・・・・おまたせ・・・・・しま・・・・・・した・・・・・       ぜぇー・・・・・・はぁー・・・・・・」  アル :「・・・そんなに急いで来たのか・・・?」 ファル :「いや、マジシャンだから体力ないんだってさ。」 セラフィ:「それにしても、ちょっとヒドいのでは・・・?」 ジェイド:「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 いまだ夢の中の様子、立っているだけでもすごいものである。 アンバー:「いえ・・・・・・おまたせ・・・したのは・・・・・・・こちらですし・・・」 最近は体力もついてきたのか、多少回復が早くなっていた。 ジュノ :「ジェイドは・・・寝てるのか・・・?」 アンバー:「起きては・・・いると思いますよ。       昨日あんまり寝てないんですよ、実は。」 ジェイド:「・・・・・・あ・・・・・皆様・・・・・・おはようございます・・・・・・」 多少目がさえてきたのか、ようやく口を開くジェイド。 アンバー:「あ、起きた(笑)ジェイドちゃんおはよー」  アル :「あぁ、おはよう。」 ケルビナ:「きっと良く育ちますわw」 アンバー:「ジェイドちゃん、ただでさえ寝起きが悪いんだから早く寝ないとダメでしょー。       着替えさせるの大変だったんだからー。」 二人はおそろいのサマードレスを着こなしている。 ジェイドのほうには、胸にワンポイント百合の刺繍が施されていた。 アンバー:「♪〜私のお手製なんですよー今度一緒につくってみましょうか」 ジェイド:「・・・・・・・」(うっつらうっつら) ケルビナ:「私は遠慮させていただきますわ・・・」 ルーシィ:「おねーちゃん、やってみたら?」 セラフィ:「わ、私よりジュノ君のほうが・・・」 ジュノ :「ぇ・・・俺!?」 ファル :「っていうか、ジュノくらいしかできそうにないな・・・」  アル :「たしかに・・・」 ジュノを除いた5人が、揃ってうなづく。 ジュノ :「い、いや・・・俺も遠慮するよ・・・       確かに、手先は器用だけど・・・」 ジュノの中に、妙な固定観念があるようだ。 アンバー:「あらー? ジュノさん器用なのですか?       なら、私が手取り足取りご教授して差し上げますよー♪」 ジュノ :「いや、マジで遠慮するからっ!!」 アンバー:「あやー・・・残念ですねぇ・・・私にもお弟子さんが出来ると思ったのニィ・・・」 恐怖にも似た反応を示すジュノ。過去に何かあったのかもしれない。 アンバー:「さてさて、皆さん立ち話もなんですし、そろそろ出発しましょう。」 ジェイド:「・・・・・く〜・・・・・」(寝) 立ったまま寝に入るジェイド。かなり器用なことをしだす始末・・・ アンバー:「このままでは、ジェイドちゃんが深い睡眠に入ってしまいますネェ・・・」  アル :「と・・・とりあえず行こうか。」 セラフィ:「そうですね。」 寝ているジェイドを、アンバーがズルズルと引きずりながら、一行は目的の旅館へと進む。 ファル :「それ・・・せっかくの服がボロボロにならないか・・・?」 アンバー:「結構丈夫に出来てますから大丈夫です。おねーさまの技術はすごいんです。えっへん」 ない胸を張って自慢げなアンバー ファル :「そ、それならいいけど・・・」 (ひょっとしたら武器修理で直せるんじゃないだろうか・・・) そんなことを考えてしまうファルであった。 アンバー:「今日はいい天気でほんとよかったですねー♪」  アル :「本当だな。ただ・・・砂漠の道中で天気がいいというのも・・・どうかと思うが・・・」 アンバー:「あ、今日実はお弁当とか作ってきたので皆さんで食べてくださいね♪       腕によりをかけて作りましたので」 そういっていやに縦長の風呂敷包みを持ち上げてみせる ファル :「あぢぃ・・・」 砂漠生まれじゃないファルはすでにヘタれかけていた。 ふと見ると、集団の中にセラフィの姿が無い。 アンバー:「・・・・・・あら?セラフィさんは、どちらへ?」 ケルビナ:「セラお姉様・・・?」 振り返ると、後方に座り込んでなにやらゴソゴソしていた。  アル :「おーい、セラフィー? なにやってるんだ〜?」 アルの呼びかけに答えるかのように、セラフィが叫ぶ。 セラフィ:「みなさ〜ん! お昼にしますよ〜〜!!」 見ると、日は激しく照り付け、時刻は12時を回っていた。 よく見ると、セラフィが留まっていたのはオアシスの傍。 程良い日陰もある。 アンバー:「あやー・・・もうそんな時間ですか、私たちが遅れてしまいましたからネェ・・・」 ファル :「いや、俺が時間伝えてなかったから・・・」  アル :「そうだな。この場合はファルが悪い。」 ファル :「ゴメン・・・」 ジュノ :「それよりも、早く食いに行こうぜ!!」 相変わらず、食べ物が関わると目の色が変わるジュノであった。 ジェイド:「・・・・・・ごはん・・・・・・?」 ごはんに反応したジェイド アンバー:「ほーら、ジェイドちゃん朝食べてないでしょ?   お昼にしますよー」 ジュノ :「セラ姉ぇのメシは美味いぜ〜♪」 セラフィ:「ジュノ君も料理上手じゃないですか・・・」 ジュノ :「味付けはセラ姉ぇのほうが断然いいけどなw」 アンバー:「あらー・・・私の料理がお口にあえばいいんですけど・・・」 そういって重箱を開くと色とりどりの涼しげな料理が現れる ジュノ :「ぉ、うまそ〜♪ じゃ〜早速・・・」 ビシッ 手を伸ばすジュノに、アルの音速の手刀が入る。 ジュノ :「って〜・・・なにすんだよ、兄者!」  アル :「問答無用で手を出すヤツがあるか!       今は俺たちだけじゃないんだぞ・・・」 ジュノ :「そ、そうか・・・ゴメン。」  アル :「わかればいい。 さぁ、みんなでゆっくり食べようか。」 アンバー:「あはー♪、どうぞどうぞ、お食べになってくださいなー♪」 "いただきます"と全員で手を合わせ、食事にする。 ジェイド:「・・・・・・いただきます・・・・・・」 ちゃっかり正座をして食事をるジェイド、だが箸のスピードは遅い ジュノ :「む・・・この味は・・・       "う〜ま〜い〜ぞ〜〜!!"」 ファル :「ジュノ、ちょっと食うの早すぎ・・・」 ジュノ :「うまいもんは早く喰わなきゃなくなっちまう!!」 周りの倍以上の速度で口の中にかき込むジュノ。 かかえているのは・・・アンバーが持ってきたモノだった。 アンバー:「一杯あいりますから、遠慮せずにドンドンお食べくださいねー」 ジュノ :「そりゃ〜もぅ、遠慮なくw」 アンバー:「☆σ∇σ) ニパッ!! まぁまぁ、そんなに喜んでもらえるとは、       作った甲斐があるというものですよー       ささ、遠慮せずにこちらもどーぞ♪」 そういって次の重箱をジュノに渡す ジュノ :「ぉ〜!! まだこんなに!!」 なおも加速するジュノ。 セラフィ達も、アンバーの重箱をつついている。 ケルビナ:「本当・・・おいしいですわね・・・」 ルーシィ:「おね〜ちゃんと同じくらいおいしいよ・・・」 セラフィ:「アンバーさん、この味付けはどうやって?」 セラフィは作り方のほうに興味があるようだ。 ジェイド:「・・・・・・もきゅもきゅ。」 マイペースに食事を続けるジェイド、ようやく目も覚めてきた様子 アンバー:「☆σ∇σ) ニパッ!! 色々と香辛料とかハーブを採るのが趣味でして       組み合わせで煮込んだり、出来上がりに散らしたりとするだけでこうも変わってくるんですよ       よろしければ、今度レシピをお渡ししますよ」 セラフィ:「えぇ、是非w」 その傍、アルもただ黙々と食事をしていた。 その風貌たるや、威風堂々。 なぜが威厳と落ち着きを感じる。 ・・・風に揺れる頭のウサミミさえなければ・・・だが。 ジェイド:「・・・・ふぅ・・・・・・ご馳走様でした。」 行儀よく両手を合わせ食事を終わらせた。  アル :「ジェイド・・・」 何かに気付き、アルが呼びかける。 ジェイド:「?・・・・・・なんでございますか?アル様」  アル :「ご飯粒・・・ついてるぞ。」 そう言ってアルは自分の頬を指差す。 ジェイド:「え・・・・あっ(////)」 あわてて自分の頬を探り米粒をとる ジュノ :「ふぃ〜・・喰った喰ったw 余は満足じゃw」 ファル :「お前はアマツ人か・・・」 ケルビナ:「食べた・・・というより、ジュノお兄様は食べすぎかと・・・」 ルーシィ:「いつものことだよ・・・」 食後の談話をしているうちにセラフィも片付けを終え、ジュノの腹もこなれてきたようだ。 ジェイド:「ちょっと、失礼します・・・」 そういってオアシスのほうへ向かうジェイド セラフィ:「どうしたんですか?」 ジェイド:「顔を洗いに・・・思えば起き抜けなので・・・・(///)」 アンバー:「私も、重箱のほうを洗ってきますね」 セラフィ:「はい。」 かく言うセラフィは、さっさと洗い終えてみんなの所に座っていた。 ジェイド:「お待たせいたしました。」 顔を洗い終わり、すっきりした顔で戻ってくるジェイド アンバー:「はーい、こちらもおわりましたー♪」 重箱を片付け戻ってきたアンバー  アル :「よし、じゃぁ行くか。」 再び歩き出す一行。 目的の旅館まで、それほど距離はなかった。 ファル :「ところでアンバー、下見とか行ったか?」 アンバー:「いいえ、折角ですからはじめて見る感動を味わってみたかったですから」 ジェイド:「・・・海には実は行った事がないので、とても楽しみです」 ファル :「そっか。」  アル :「旅館の名前は・・・?」 ファル :「あぁ・・・なんて名前だったかな?」 アンバー:「たしか・・・・」 チケットを見直して アンバー:「『惨劇館』ですね。」 ジュノ :「イヤな名前だな・・・って、惨劇館・・・?」  アル :「・・・あそこか・・・」 ジュノとアルはモロク生まれ。 旅館について何か知っているようだった。 セラフィ:「なにか知ってるのですか?」  アル :「いや、昔からよく耳にした。それだけだ。」 ジュノ :「まぁ、有名ドコだしな〜」 ルーシィ:「モロクに来ると、よく名前聞くね。」  アル :「モロク周辺にいた頃、何度か通りかかったことがある。       海辺の近くで、外観はけっこうイイ宿みたいだが。」 ジュノ :「名前がチョットなぁ・・・       でも、旅館の部屋から見る海は絶景みたいだぜ?       地元の人気スポットみたいだ。」 どこからかパンフレットのようなものを取り出し、眺めるジュノ。 それによれば、客入りも良い旅館のようだ。  アル :「ついたぞ。」 一行は足を止める。 見ると、確かに立派な旅館が建っていた。 外観からすれば、いかにも高級旅館である。 だが、掲げられた看板は・・・"惨劇館" いかにも、何かありそうな宿である。 アンバー:「ささ、皆さんチェックインを済ませてしまいましょう」 ファル :「ちょいまち。」 ファルが呼び止める。 ジェイド:「どうしました? ファル様」 ファル :「チェックインは15時。今はまだ13時だぜ?」  アル :「あと2時間・・・か。とはいえ、このまま海に行くわけにも・・・」 アンバー:「でしたらそこら辺をぶらぶらしますか?」 セラフィ:「チェックイン時間前でも、受付で荷物は預かってくれますよ?」 ジュノ :「じゃ、荷物預けて、少しぶらりとしようぜ。」 ケルビナ:「本当に大丈夫なんでしょうか・・・」 旅館の名前から、ケルビナは荷物を預けることに不安を抱いていた。  アル :「大丈夫だろう。よく耳にする旅館だが、悪いことは聞かない。」 アンバー:「まぁ大丈夫ですよ、宿泊券がプレゼントされるくらいなんですから」 ジュノ :「そーそー。ちゃんとしてるからこそ、こーいうことができるってねw」 荷物を預けるため、旅館の中に入る一行。  受付 :「いらっしゃ〜い」 受付に立っていたのは、いかにも老舗らしく、おじいさんだった。 アンバー:「こんにちわー、これ宿泊券です」 そういって宿泊券を渡す  受付 :「はいはい。ひぃ・ふぅ・みぃ・よぉ・・・6名様ね。       まんだ部屋に入れんでよぉ、そこいら散歩しとってちょ〜よ。       券はまんだ後でもらいますわ。」  アル :「荷物だけでも預かって欲しいのだが・・・」  受付 :「はいはいはい、お預かりな〜。 はい、番号札。       荷物はしっかり見とくでよ、お気をつけてや〜」 ジェイド:「それでは、よろしくお願いいたします」 深々と頭を下げる ジュノ :「で、ドコに行く?」 アンバー:「どうしましょうか?私たちはこのあたりは不慣れですし・・・」  アル :「この辺りだと・・・ファロス燈台が近いな。」 ファル :「さっすがアル兄w 亀の甲より年の功w」  アル :「ファル・・・一度死ぬか?」 ファル :「わ、わっ! 冗談だって、冗談!!」 セラフィ:「とりあえず、燈台に行きましょうか。」 ケルビナ:「どんなモノがあるんですの?」  アル :「燈台というくらいだから、とうぜん船着場だ。       あとは、船で運ばれてきたものや獲れたての海産物を売る市場があるな。」 ジュノ :「・・・ローグの転職場も・・・な。」 ジェイド:「燈台・・・・・?」  アル :「あぁ、燈台と言うのはだな・・・       暗い夜の海でも船が安全に航海できるように、目印になる明かりを灯す塔のことだ。」 ジュノ :「高い位置から遠くまで光を送るから、       燈台の真下はけっこう暗いけどな〜」 ジェイド:「・・・・・なるほど・・・・・是非みてみたいです。」  アル :「ここの下が船着場だ。」 アルが立ち止まった場所から先は、けっこう長い下り階段だった。 セラフィ:「ここを・・・降りるんですか?」 ジュノ :「そうだぜ〜。 俺なんか転職場探して、何度昇り降りしたことか・・・」 そのときのことを思い出し、げんなりするジュノ アンバー:「あやー、新しいダンジョンみたいですねー(笑)」  アル :「まぁ、ダンジョンと比べたら危険性は全然ない。」 ルーシィ:「とにかく、行こうよw」 ケルビナ:「そうですわね。市場も見て回りたいですわ。」 セラフィ:「めずらしい食材はあるでしょうか・・・」  アル :「カプラも近いから、買い物したら預けておくといい。」 ファル :「この階段・・・カート引くの厳しいなぁ・・・」 しぶしぶ、ファルはカートを抱え上げて階段を降りていく。 アンバー:「わーい♪ダンジョンたんけーん♪」 ジェイド:「姉上、違いますからはしゃがないでください」 浮かれるアンバーとうなだれるジェイドではあるが ちゃんと後にはついていく セラフィ:「これが、燈台・・・」 ルーシィ:「大きいね〜・・・」 ケルビナ:「頂上が見えませんわ・・・」 ファル :「ぜぇ・・・はぁ・・・ぜぃ・・・」 はじめて見る燈台に感激する3人・・・ と、息を切らしてそれどころではないファル。 ファル :「みんなヒドイぜ〜・・・少しは手伝ってくれても・・・」  アル :「家を出るときに言ったろう?カートは置いていけと。」 ファル :「ンなコト言ってもよぉ・・・ある程度のモンはココにいれておかねぇと・・・ なんかあったらどーすんだよ・・・」 ふと見渡すとアンバーの姿がない ジェイド:「・・・・姉上?」 ジェイドが振り向くとアンバーは下の方でしゃがみこんでいた ファル :「どうかしたのか? アンバー。」 ジェイド:「・・・・何をしているのです?姉上」 アンバー:「・・・・・・・・・・。」 返事がない、どうやら疲弊しているようだ ファル :「下り階段でヘバったのか・・・       先が思いやられるな・・・」 アンバー:「す・・・すいません・・・ちょっと・・・体力が・・・」 額に汗して息も絶え絶え、本気で体力がないようだ アンバー:「私は・・・大丈夫です・・・から・・・お先に行ってくださいな・・・・」  アル :「今が1時半・・・よし、今から1時間は自由行動。       各自、離れすぎないように。」  5人 :「は〜い」 ジェイド:「わたくしはここで姉上を介抱しますので」 そういってアンバーのそばへ座り込む 天使連盟一同は、アルを残してそれぞれ思い思いの場所に向かった。 市場を見に行く者、燈台に向かう者、近くの漁師と話す者・・・ 各自、買い物やら見物やらを済ませ、アルのところに戻ってくる。  アル :「おかえり。楽しめたか?」 セラフィ:「めずらしい食材、買い込みましたw」 ルーシィ:「燈台、立ち入り禁止だったよぉ・・・」 ファル :「せ・・・セラフィ・・・買いすぎ・・・」 ファルはセラフィの買い物に付きあわされ、荷物持ちをしていたようだ。 ジェイド:「姉上、皆様お戻りになりましたが・・・大丈夫ですか?」 アンバー:「・・・うん、大丈夫。      すいません皆様、心配をおかけしました。」  アル :「よし、そろそろ時間だな。 宿に戻ろう。」 ファル :「・・・あの階段昇るのか・・・」 ジュノ :「向こうにスロープがあるぜ?」 ファル :「なんで降りるときに教えてくれないんだよ・・・」 階段よりはラクであろうが、来る時より荷物の多いカートを引いていては、スロープでも大変だ。 ファル :「ちょっと、カプラ行って来る・・・」 そう言ってファルは一人、カプラの倉庫へと向かった。 ジェイド:「姉上、ユックリ歩いて戻りましょうね」 アンバー:「そうだね、ジェイドちゃんごめんねー」 やや遅れてはいるがゆっくりとアルたちの後をついて行った アンバー:「あれ?ファルさんはどらちへ?」 待つこと数分、驚くほど軽くなったカートを引きずって、ファルが走ってくる。 ファル :「お〜〜い!! 置いていかないでくれェェェェ!!」  アル :「・・・荷物がなくなったとたんに・・・元気なもんだな。」 ルーシィ:「やっぱ、ファルお兄ちゃんはああじゃなきゃw」 ケルビナ:「ショボくれてる姿は、似合いませんわね。」 ファル :「な・・・何? なんか、言った?」 やや息を切らせ気味に、一行に混じるファル。 セラフィ:「ファル兄さんも戻りましたし、これで思い残すことなく宿に戻れますねw」 アンバー:「あらあら、皆さんの荷物持ちでしたかお疲れ様です。」 そういって笑顔で迎えた ファル :「はぁ・・・もう宿の前じゃねぇか・・・」 確かに、目の前には宿の入り口があった。 ジュノ :「時間は・・・15時チョイ過ぎ。」 セラフィ:「チェックインしましょうw」 ジェイド:「さぁ、皆々様。チェックインを済ませませんと時間が過ぎてしまいますよ」 宿に入ると、さっきと同じおじいさんが迎えてくれた。 アンバー:「あ、先ほどはどうも、時間になったのでチェックインに来ましたー」  受付 :「おんや、おかえりなさいまし。まんず、お預かりしとった荷物、返しますわいや。」 カウンターの上に、どさっと置かれるアル達の荷物。  受付 :「お客さんらぁ、たしか・・・宿泊券持っとりよったのぉ?」 アンバー:「はい、無料宿泊券です」 そういっておじいさんに券を差し出す  受付 :「はいなはいな。お客さんらぁ、丁度えぇ時に来なすったなぁ。        今日は他の人は、だンれもおらへんでよぉ。ゆっくり、くつろいでくださいましなぁ。」 券を受け取るおじいさん。  受付 :「そン言えばお客さんらぁ、大部屋がえぇかのぉ?」 アンバー:「えーっと・・・・・」 すっと後ろを振り向き アンバー:「いかがいたしましょう?私たちは皆様にお任せしますが」 ジェイド:「・・・・・・・わたくしもかまいません、皆様でお決めになってください。」  アル :「できれば3人ずつくらいの部屋がいいのだが・・・」 ジュノ :「そっだな。俺らも一応、男なワケだし・・・」  受付 :「3人部屋かいなぁ・・・いつもならだいじょうぶやけんど・・・」 セラフィ:「なにかあったんですか?」  受付 :「いんや、大掛かりな内装工事中でのぉ・・・       3人部屋は1室しか空いておらなんで・・・」  アル :「あとの部屋は?」  受付 :「お客さんらぁやったら、あとは2人部屋2室と、       お一人様は個室になりますけんども・・・」 ジェイド:「いかがいたしましょうか・・・」 アンバー:「うーん・・・ここまで来て、別々というのも面白くありませんよ?」 ファル :「男と女が同じ部屋の方がモンダイあると思うが・・・」 ケルビナ:「ありえないとは思いますが、もしも・・・ということもありますわ。」 ジュノ :「男3人一部屋ってのも、むさ苦しいな・・・」  アル :「アンバーとジェイド、ファルとジュノはそれぞれ2人部屋。       セラフィ・ルーシィ・ケルビナは3人部屋で。俺は一人でいい。       このほうが、何かと行動しやすいだろう。」 アンバー:「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 誰にも見えない角度で舌打ちをかますアンバー ジェイド:「姉上、アル様がお決めになったのですからお従いになってください       第一お任せになったのですから、わたくし達が口を挟む理由はございません。」 姉のほうを見向きもせずに言い放つジェイド。やはり、何を考えているかは隠せないらしい  アル :「もう一つ選択肢としては・・・女性陣を大部屋にまとめて、俺ら3人が1部屋にまとまる。       どっちがいい?」 ルーシィ:「男女関係無く、好きな人と同じ部屋・・・っていうのは?」 ケルビナ:「なんとなく・・・誰かに集中しそうではありますわね・・・」 ジェイド:「・・・・・・・・・・・・・・」 アンバー:「・・・・・・・・・・・・・・」 ジェイドは無表情にアンバーはにこやかにアルの方を見ていた。  アル :「・・・お、俺・・・?」 アンバー:「誰もそんなことは言っていませんよー?」 楽しそうに言い放つアンバーその横でジェイドはそっぽを向いている セラフィ:「まぁ、それは置いておくとして・・・どうしましょうか?」 アンバー:「さ、アルさんお決めになってーくださいなー」  アル :「・・・いや、ここは多数決を取ろう。       さっき言った3つの中から、どれかに手を上げてくれ。       みんな、どれがいいか決まったか?」 アンバー:「はーい、おっけーでーす」 ジェイド:「わたくしも決まりました」 セラフィ:「大丈夫です。」 ジュノ :「俺はOK。」 ケルビナ:「決まりましたわ。」 ファル :「ん〜・・・じゃぁアレかな。」 ルーシィ:「私もおっけ〜だよ。」 それぞれ、意見は決まっているようだった。  アル :「じゃぁ聞くぞ。まずは・・・男女関係なく好きな人と同じ       部屋がいいという者は?」 アンバー:「はいはいはーい♪」 勢いよく手を上げるアンバー それに混じって、こそっと控えめに手を上げるケルビナ。 アンバー:「二人のようですねー。」  アル :「二人・・・か。       じゃぁ次、女性陣を大部屋にまとめて、男性陣は別室がいいという者。」 ルーシィ:「はい。」 静かながら、ハッキリと意思を感じられる。 しかし、それ以上手は上がらないようだった。  アル :「一人・・・と。」 アンバー:「お一人・・・のようですね」 ルーシィ:「みんなで騒げていいと思ったのに・・・」 セラフィ:「たしかに、大部屋をキープすれば寝るまでは全員で騒げますからね。」 アンバー:「と、言うことは他の方々は3番目の案ということですか?」  アル :「そうだな、手を上げていない者が過半数。決まり・・・か。」 ジェイド:「・・・・・・。」 決まったことで小さな安心の顔をするジェイド ジュノ :「みんなで騒ぐのも楽しそうだけどな〜・・・       やっぱ、どうしても『最悪の事態に動きやすい状況』ってのがな。」 アンバー:「ではでは、早速お部屋のほうまで向かうとしましょう。       いつまでも入り口で立ち往生するのもなんですから」  アル :「そうだな。じゃぁ各自、部屋に移動しよう。」 ジュノ :「ファル兄、ヨロシクな。」 ファル :「一夜限り・・・だけどな。」 なにやら悪巧みをしそうなコンビも出来上がった。 ジェイド:「姉上、いたずらが出来ない環境でさぞ残念そうですね。」 無表情の中にも冷たい嫌味の効いたセリフを放つジェイド アンバー: 「ジェイドちゃーん、おねーさまをうたがわないでよー」 姉の悪巧みを阻止せんとするジェイドとなんとか悪巧みを成功させようとたくらむアンバーである  受付 :「ほんだらまぁ、ごゆっくりなさりぃなぁ。」 セラフィ:「はい、ありがとうございます。」 ルーシィ:「ねね、部屋に荷物置いたら、この宿を見て回ろうよw」 ケルビナ:「お風呂と食堂の場所くらいは把握しておかなくてはいけませんわね。」 アンバー:「ジェイドちゃん、あとで温泉見に行こうよー。       ここの温泉疲れとか怪我とかに効くんだって。       パンフレットに書いたあったよ。」 ジェイド:「・・・そうなのですか・・・姉上、もしかして・・・」 アンバー:「いいから、あとで行こうね。」 そういって与えられた部屋へと進むアンバー ジェイド:「・・・・・・姉上。」 すこし立ち止まってから後を追うジェイド  受付 :「そン言えば皆様」 ジェイド:「はい?なんでしょうか?」  アル :「ん?」 受付の言葉に耳を傾ける。  受付 :「皆様ンらぁ、かなり迷っとられたにぃ、もう晩の時間も近ぅて・・・」 ジェイド:「・・・・・・もう、そのような時間で・・・・・・」  アル :「そうか・・・もうそんな時間になっていたか。」  受付 :「ンだども、宿ぉ見る時間くらいならありますけぇ。       食堂に来るついでに、イロイロ見てきておくんなせぇ。」 ジュノ :「あぁ、そうさせてもらうよ。」 そのとき、 ジュノの口の端がわずかに上がったことに気づくものは居なかった。 ジェイド:「お食事の時間は何時になりますでしょうか?」  受付 :「今が5時半、晩の時間は6時半になりますけぇ。       お風呂は7時から入れるようにしときますンで、       11時までならお好きに入っておくンなせぇ。」 ジェイド: 「わかりました、ありがとうございます。」 そういって深々と頭を下げた  受付 :「ほンだらまぁ、ごゆるりと。」 それが、受付の人の最後の言葉に・・・(ウソ ジェイド:「6時半ですか・・・・・・」 部屋に向かいつつなにやら悩むジェイド 部屋に入るとアンバーが何故か布団を敷いていた アンバー:「あ、ジェイドちゃん遅かったね、どうしたのー?」 ジェイド:「いえ、ちょっと今後の予定を・・・って、何をしているのです姉上?」 アンバー:「んー早めの準備をね♪」 ジェイド:「・・・・・・・・・・・。」 何の準備ですか何の と心の中で言うジェイド ジェイド:「あ、姉上。夜ご飯は6時半ということですので、遅れないようにお願いしますよ。」 アンバー:「んーわかった、じゃあその間散歩してきてもいいよね?」 ジェイド:「時間に遅れないのであればかまいませんが、余計なことはしないでくださいね」 先に釘を刺されやや引き連れ気味のアンバーだがそそくさと廊下へと出て行った その頃、ジュノとファルは・・・ ジュノ :「ファル兄、こっちこっち。」 ファル :「お、おう。」 なにやらコソコソと動いている二人。 そこは、ちょうど浴場の裏手にあたるところだった。 ジュノ :「な、ココからなら・・・」 ファル :「しかし、よくこんな場所知ってたなぁ・・・」 ジュノ :「当たり前w ガキの頃はよくココで・・・」  アル :「よくココで・・・何だ?」 ジュノ :「ぅおぁっ!!」 突然のことに飛び跳ねるジュノ。 ファル :「あ・・・アル兄・・・なんでこんなトコロに?」  アル :「それはコッチのセリフだ。少し外の空気を吸いに来たら、不思議な物音がしたんでな。       ま、こんなコトを企てているんじゃないかとは思っていたが、       まさか本当にいるとはな・・・」 ジュノ :「ま、まぁまぁ・・・」  アル :「お前たちは、セラフィ達のことを甘く見すぎている。       未遂で終わっておけ。」 ファルとジュノは、セラフィが怒ったときの様子を思い出してゾっとした。 ジュノ :「わ、わかったよ・・・ファル兄、戻ろう。」 ファル :「あ、あぁ。」 そそくさと立ち去る二人を見送って、アルもその場を後にした。 ルーシィ:「ここがお風呂・・・」 セラフィ:「広いですね・・・」 ケルビナ:「のびのびとできて、気持ちがよさそうですわね。」 ガサッ セラフィ:「? 今、奥の藪で何か・・・」 ルーシィ:「なにか生き物がいたんじゃない?       モンスターはいないにしても、他の動物ならいるかも。」 セラフィ:「そうですね。」 ケルビナ:「そろそろご飯の時間ですわ。参りましょう。」 ルーシィ:「うん。」 3人は食堂へ向かった。 アンバー:「んーと、ここが温泉ですねー」 温泉の入り口で効能など書かれている看板を見ている アンバー:「効能がー…血行促進、リウマチ、関節痛、傷の治癒エトセトラ…       はー…色々あるんですねぇー」 素直に関心をしているアンバー アンバー:「おっと、そろそろ時間かなー遅れたらおこられちゃうし行こうかな。」 そういって食堂へ向かった。 その途中で同じく食堂へ向かうジェイドと遭遇 ジェイド:「あ、姉上」 アンバー:「あージェイドちゃん、これからご飯の時間だよね」 ジェイド:「はい、では一緒に行きましょう」 二人そろって食堂へと向かっていった。 所変わって食堂内。 ファル・ジュノが駆け込むと、すでにアルが座っていた。  アル :「来たか。」 ジュノ :「ま、時間に遅れちゃ悪いしな。」  アル :「くれぐれも・・・変なことはするなよ。」 ジュノ :「わぁってるって。俺だってまだ死にたくねぇよ・・・」 ファル :「みんなはまだみたいだな。」  アル :「そのうち来るだろう。」 そう言っていると、食堂の戸が開く。  アル :「ジェイドとアンバーか。」 ジェイド:「皆様お待たせいたしました」 アンバー:「ちょっと遅れちゃいましたねーすいません」  アル :「いや、まだ時間より早い。」 というが早いか、食堂の外が騒がしい。 ??? :「ほら、急がないと! 遅れちゃうよ!」 ジェイド:「・・・・・・なにやら騒がしいようですが?」 戸のほうをみてジェイドがつぶやく ??? :「そう言って、最後までゆっくりしてたのは誰ですか・・・」 ??? :「そんなことを言い合っている場合ではありませんわ。」 ??? :「って〜〜い!!」 勢い良く開け放たれる食堂の扉。 すでに中に居た5人は絶句している。 セラフィ:「はぁ、はぁ・・・皆さん・・・お待たせしました・・・はぁ・・・」 ルーシィ:「おまっ・・・たせぇ・・・ぜぇ・・・」 ケルビナ:「なんっ・・とか、はぁ・・・間に合ったようですわね・・・ぜぇ・・・」 アンバー:「あ、あはー・・・・・・(汗)」 ジェイド:「・・・・・・・・・・・(汗)」  アル :「・・・・・・ギリギリ・・・だな。」 大方、ルーシィのペースに巻き込まれたのであろう3人は、時間ギリギリに登場。 直後、食堂に料理が運ばれてくる。 アンバー:「さ、さぁ、なにはともあれご飯にしましょう」  アル :「そうだな。」 従業員 :「皆様、よくおいでくださいました。       本日は、当旅館近海で獲れた新鮮な海産物を調理した物をご用意しております。       コースではございますが、単品ごとの追加注文も承っております。       どうぞ、心行くまでご堪能くださいませ。」 セラフィ:「ありがとうございます。」 ジェイド:「有難うございます、ユックリ堪能したいと存じます」 ジュノは、従業員のお姉さんに魅入っていた。 ジュノ :「あんな綺麗なねーちゃん雇えるなんて・・・       やっぱ、ココって結構スゴい旅館なんだな・・・」 アンバー:「あらあら、ジュノさんはああいった美人さんがお好みなんですねー?」 ジュノ :「いやいや、キレーなお姉さんは誰だって好きだろ?」 少々アセり気味に反論する。 アンバー:「またまたーとぼけちゃってー 隠さなくてもいいですよぉー♪」 いいネタを掴んだらしく言い寄るアンバーではあるが ジェイド:「姉上、これよりお食事ですお静かに願います。」 ジェイドにビシャリととめられる始末である アンバー:「う〜…わかりましたよぅ・・・」 どうやらお腹も減っているらしく素直に引き下がった そうこうしているうちに次の料理が運ばれてくる。 セラフィ:「さぁさぁ、ドンドン料理が来ちゃいますから、はじめましょう。」 アンバー:「わーおいしそうですねぇー いただきまーす♪」 ジェイド:「……いただきます」 言うなり箸を進めるアンバーと黙々と啄ばむジェイド、姉妹といえど実に対照的である ジュノ :「俺らも食おうぜ〜♪」 ケルビナ:「そうですわね。せっかくのお料理が冷めないうちにいただきましょう。」 ルーシィ:「わ〜・・・どれもおいしそ〜・・・」  アル :「海産物は日ごろあまり食べないからな・・・いい機会だ。」 皆、それぞれ思うように箸をつける。 セラフィ:「これは・・・どのように調理を・・・モクモク」 セラフィはやはり”おいしいものの調理法”が気になっているようだ。 アンバー:「♪〜〜やっぱりこういった旅館で皆さんと一緒にお食事するのは楽しいですし       料理も一段とおいしいですねぇ〜♪」 色々な料理に手を出しつつ口も動く、かなり器用な事をこなしている一方 ジェイド:「……もきゅもきゅ……」 食べることに夢中のようである ジュノ :「あれも・これも・それも・こっちも・・・うおぉぉぉぉぉ!!」 ものすごい勢いでただひたすら食べ続けるジュノ。 ファル :「おいジュノ・・・」 ジュノ :「う〜ま〜い〜ぞ〜!!」  アル :「・・・もう少し静かにできないのか、お前は・・・」 ルーシィ:「ジュノお兄ちゃんらしいけどね。」 ケルビナ:「おいしいものはおいしいのですわ。それを表現するのはいいのですけれど・・・       ちょっと、騒がしいですわね。」 セラフィ:「もうちょっと場を考えたほうがいいと思いますよ・・・?」 アンバー:「まぁまぁ楽しいことには変わりありませんから・・・・・・       皆さんのお料理まで手を出さないでくださいね?」 笑顔でさらりと言い放つとどめの一言 ジュノ :「・・・ゴメン・・・」 さすがにみんなから攻められ、少しショゲている。 ジェイド:「あ・・・皆様お茶のお代わり等いかがですか?」 何時の間にやら急須をもって来るジェイド アンバー:「あ、ジェイドちゃんお茶もらえるー?」 ジェイド:「はい、姉上どうぞ」 ささっと熱々のお茶を注ぐ ジェイド:「皆様はよろしいですか?」  アル :「それじゃ、俺ももらおうかな。」 手近にあった湯飲みを差し出すアル。 ジェイド:「はい、アル様どうぞ。 熱いのでお気をつけください。」  アル :「ぉ、ありがとう。」 湯飲みを受け取り、お茶をすする。 アンバー:「はー……お茶がおいしー♪」 一通り食べ終わっているアンバーはマッタリモードである ファル :「今一瞬、アンバーがすごいオバサンっぽく感じたのは俺だけか?」 他のメンバーは無言で顔を伏せている。 アンバー:(ギギギギキ…)「……何か仰いましたか?ファルさん?」 ユックリと顔を向けトーンも低く問うアンバー、心なしか嫌なオーラも見えなくない ファル :「いや、その年に見合わないことを言うんだな〜と思って・・・」 アンバー:「…ファルさーん?女の子に対してそれは失礼ですよぉー?」 ジェイド:「さ、さぁ、皆様お食事も終わった模様ですし、お部屋のほうへ戻ることにしませんか?」 不穏な空気を感じたジェイドが話に割ってはいる セラフィ:「そ、そうですね。お料理もなくなったことですし・・・」 ジュノ :「・・・もう動けねぇ・・・」  アル :「”食えない”じゃないくて”動けない”のレベルなのか・・・」 ケルビナ:「食べすぎですわ・・・少しは加減したらどうですの?」 ジュノ :「腹いっぱい食ったほうが・・・幸せだからな〜w・・・」  アル :「とりあえず、部屋に戻ろう。そこのダルマ(ジュノ)は・・・ファル、よろしく頼む。」 ファル :「へぃへぃ。転がして行ってやろうか?」 ジュノ :「や〜め〜れ〜・・・」 ジェイド:「さ、姉上戻りますよ。」 アンバー:「ちょっとまってねぇー、これからちょっと最高議会を開かないと・・・」 ジェイド:「馬鹿なこといってないで、お部屋に戻りますよ」 首根っこを掴みアンバーを連れ出す アンバー:「ま、まってジェイドちゃん これは重要な問題で…」 ジェイド:「では、皆様ごちそうさまでした、失礼いたします」 深々と頭を下げ部屋を後にするジェイド、その後なにやら叫び声が聞えたがとびらに阻まれ よくは聞えなかった・・・・・・ セラフィ:「さ、私たちも戻りましょう。」 ケルビナ:「そうですわね。部屋に戻ったら、定番の・・・」 ルーシィ:「定番? なにかやるの?」 セラフィ:「定番って・・・まさか・・・」 セラフィの予想は的中することになる。 ジェイド:「姉上、まったく何をしているんですか・・・」 アンバー:「だってー女の子にあんなこといっちゃダメだと思うの〜」 ジェイド:「とはいえ、姉上のしぐさにも多少の問題が・・・」 アンバー:「むー・・・ジェイドちゃんまでー・・・もういいもん!!」 そういってすたすたと先に部屋へ戻っていくアンバー ジェイド:「・・・・・・・・・・・・」 その後を黙ってついていくジェイド。 ここはジェイド・アンバーの部屋 アンバー:「だって、ジェイドちゃんだってああいうこと言われたら嫌でしょー?」 ジェイド:「いえ・・・わたくしはそのようなことは」 アンバー:「ほんとかなー?アルさんに言われてもそういえるー?」 ジェイド:「アル様はそのようなことはけして言いません!!」 いきなりの強い反論に引き気味アンバー アンバー:「そ、そんなに大声出さなくても・・・」 ジェイド:「大体姉上は大雑把過ぎるのです!!この前だって・・・・・・ぁくっ!!」 突然胸を押さえ前のめりになるジェイド アンバー:「ジェ・・・ジェイドちゃん・・・? !!・・・もう切れそうなの!?」 ジェイド:「は・・・はい・・・そのようです・・・」 アンバー:「急がないと・・・動ける?」 そういってアンバーはジェイドを連れて外へ出た。 ←序章へ 第2章へ→