
囲碁は古代中国にて、仙人から教えられて始まったそうです。
その後、占いにも用いられていたとか。
古代中国は戦乱の世、合戦の吉凶でも占っていたのでしょうか。
日本の戦国武将達も、茶の湯同様に囲碁も嗜んでいたそうです。
ここでは、勝敗の付け方、陣地の取り合いについて説明します。
先に、アゲハマを多くあげた方が勝つ訳ではないと言いました。
では、何によって勝敗を決めているのでしょう。
それは、盤上の自軍勢力の強さ、即ち陣地の大きさです。
それでは、囲碁で言うところの陣地とは何でしょう。
下図は、陣地を示したものです。
 |
それぞれの色が地を表しています。 |
囲碁では、陣地の事を地(じ)と呼びます。
上図は、終局後に地を数え易く並べ替えたものです。
地は、自分の石で囲った分の交点を数えます。
その時、自分の石は入れません。
ですから、なるべく少ない石で多くの地を囲える方がいい訳です。
上図では、白が27目、黒が19目で、白が8目分勝っています。
ではもし、地の数が同じであったらどうでしょう。
当然、引き分けとなります。囲碁では持碁(じご)と言います。
そこで、正式な対局には、コミというルールがあります。
先に打つ黒が有利なので、白に始めから、地を数目あげるのです。
2004年5月現在では、コミは6目半とされています。
(私が囲碁に興味を抱いた頃は、コミ5目半でした。)
この6目半の半によって、引き分けが無くなるのです。
ちなみに、コミは互先(たがいせん)の場合だけで、置き碁(おきご)の時には使いません。
互先とは、ニギリで先手・後手を決めるハンデなしの対局の事。
置き碁とは、弱い人の方が先手の上、置き石(おきいし)数子を盤上に置いた状態から始めるハンデ戦の事です。
これで、囲碁は地を多く取った方が勝ち、と判りましたね。
では次に、下図を見て下さい。
 |
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 |
終局の1例です。 |
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こちらはまだ終局していません。 |
上図左は、終局図の1例です。黒・白、共に攻め手がありません。
お互いに、次の1手が無い事を確認したら終局です。
自分と相手が、共に「パス」したら終わり。というのが良い様です。
Aの交点は、ダメといいます。
黒・白、どちらが打っても、地が増えも減りもしません。
まさに“駄目”で、囲碁のこの言葉が語源だそうです。
終局後に、どちらかが石で埋めます。
次に上図右ですが、未だ終局とは言えない状態にあります。
どこかに、守りの不備が残されているのです。
そのキズがどこか、分かりますか?
黒番、白番、どちらの場合にも、1つずつキズがあります。
下図で確認してみて下さい。
 |
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 |
黒番の場合 |
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白番の場合 |
キズの位置は、それぞれの1手目です。
攻めずに、自分のキズを埋めてもいいでしょう。
そこがキズだと気付けるか、が大事なのです。
上図左、白が2の時3に打ってしまうと、かなり痛い目に遭います。
上図右、黒は2の時に、白1の1路上に守るのがいいでしょう。
白が下手に欲張ると、逆転の可能性があって面白い。
それには、白のキズも関係しています。
宜しければ、数手先を読んでみて下さい。
それも囲碁の楽しみ方の1つ、かと思います。
さて、終局まで来たらアゲハマの出番です。
アゲハマは、相手の地を埋める事が出来るのです。
アゲハマが5子なら5目、10子なら10目、相手の地が減ります。
直接勝敗を決めるものではないが、非常に重要な要素である、という意味が、これでお解かり頂けた事でしょう。
そして最後に、数え易い様に並べ替えるのですが、この作業を整地(せいち)といいます。
しかし、この頁で使用した図程度ならば問題ありませんが、19路盤での接戦だったりしたら、黒・白の地が複雑な形で判別が難しく、整地の作業自体が困難だったりします。
ですから、必ずしも整地は必要ではありません。
腕を上げて、慣れてからで構わないと、何かで読みました。
正直、コンピューターとの対局しか下積みのないValh.は、整地に自信ありません(^_^;
ちゃんと地を数えられれば問題ない、という事です。
ちなみに、数えるのは相手の地です。信頼関係が大切なのです。
ですから、マナーの一環として、始める時は「お願いします。」
終わる時には「ありがとう御座いました。」と挨拶を忘れずに。
マナーに絡んでもう1つ、別の終局についてです。
最後まで打ち切って、地の数を比べるのを数え碁(かぞえご)といい、今、説明した形です。
そしてもう1つ、一方が『もう勝ち目がない』として「負けました。」とか「ありません。」と投了した場合で、これを中押し(ちゅうおし)といい、黒(白)の中押し勝ち、と表現します。
何故マナー絡みかと言うと、勝ち目がないと明らかなのに打ち続けるのは相手に失礼、という事なのですが、これが中々判断が難しい。
やはりある程度の腕が必要で、Valh.は自信ないです(^_^;
下手には練習にもなるので、上手の方々には、大目に見てもらえると助かります。
ここまでで、大体のルールは説明したと思いますが、もう少しだけ、知っておいて損はない話があります。
宜しかったら、続きもご覧になってみて下さい。
次の説明は、生きている石、死んでいる石についてです。
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