特殊なルール、コウ

「劫」と書いてコウ読む


ここでは、
囲碁世界の千年戦争大いなる矛盾を解決する手段である『コウ』のルールを説明します。

先ずは、典型的な形をご覧頂きましょう。
下図です。

Aに白が打つと、黒1が取れます。 しかし、そのすぐ後に、Bに黒が打ったなら、白2が取れる...?!
Aに白が打ちます。 そして、Bに黒が打つと・・・

お分かりですか?
Aに白が打って、黒1を取った右の図です。
さらに、
Bに黒が打って、白2を取ったら左の図に戻ってしまいます。
では、どちらもこの1子を諦めずに取り合っていたら、
対局は終わるのでしょうか。
はい、終わりません。
このままでは、
千年戦っても決着を見ないのです。
この状態を
コウと呼び、この矛盾を解消する為のルールがあります。

コウが始まったら、石を取られた側は、すぐ取り返してはならない。

まぁ、ただそれだけ、と言えばそれだけなんです。
右の図で言えば、黒は次の1手を別の場所に打たなければなりません。
その後、白が
Bに打って取られない様に守ったら、コウは終了。
この時、白も別の場所に打ったなら、黒は次の手番に
Bに打って、白2を取ってもいいんです。
するとまた、黒1が
コウになって、白はすぐにはAに打てません。

これも一応、
にしてみましょう。

先の右図から、黒3→白4でコウの終了です。 先の右図から、黒3→白4→黒Bでコウは継続です。
コウは終了。 黒がBへ打てる状態です。

コウ
は、勝負の駆け引きとして重要です。
黒3や白4を他に打つ事で、別の場所の
攻防に影響するからです。
もっと危ない場所を守ったり、別の場所に有利な1手を打ったりです。
コウに限りませんが、本来打ちそうな1手を打たず、別の場所の攻防に回る事を手を抜く・手抜きと呼びます。
何も、広い
盤面、この場所だけで勝敗が決する訳ではありません。
コウである事、アタリである事を承知ならば、あえて手抜きをするのも駆け引きです。
気付かずに、結果、手を抜いてしまうのが辛い。
落ち着いて
盤面全体をよく見る、これが大切です。

それでは続いて、
勝ち負けの決め方を説明しましょう。



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