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そうだ、奈良行こう ≪吉野≫ |
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宿泊者限定の金峯山寺の夜間拝観に参加するため、宿泊地は必然的に吉野に決定。
桜の名所ということは知っていたが、世界遺産になった「紀伊山地の霊場と参詣道」に吉野山も含まれているとは初めて知りました。
今回は夜中から雨が降り出して天気には恵まれませんでしたが、機会があれば次はゼヒ桜の季節に来てみたいもの。詳しい情報については、吉野山観光協会(http://www.yoshinoyama-sakura.jp/)のサイトなどを参照。
金 峯
山
寺
今回の旅の2大目的の1つが、役行者が開いたと言われていて、現在でも「修験道の聖地」(パンフより)となっている金峯山寺(http://www.kinpusen.or.jp/)の夜間特別拝観。 仁王門修理の費用捻出のため、通常は公開されていない秘仏・金剛蔵王大権現の特別公開が2012年春より10年間にわたり期間を区切って行われているのだ。 2012年秋の公開は10/13~12/2となっていた(夜間拝観は期間中の週末のみ)。
夕食後に同じ旅館から参加するメンバーがロビーに集合し、旅館の人の先導で徒歩5分の金峯山寺へ。 事前に「夜は冷えるので暖かくしてきてください」と言われたため、みんな結構着込んでいる。
境内に入ると既に数十名の参加者が本堂(=蔵王堂、左上写真)前に整列していたので我々も合流。 ここで式次第の書かれた紙とともに、夜間拝観限定のお札と、本堂に上がるときの靴入れ用として金峯山寺のロゴ入りエコバッグ(右上写真)をもらう。 これも夜間拝観料 3,000円のうちではあるが、なかなか気が利いている(?)。
今後の進行に関する簡単な説明があった後、いよいよ20時から夜間拝観開始。一行は法螺貝を高らかに吹きならす僧侶隊の後に続いて本堂に突入した!お堂の中は消灯されていて、ロウソクの明かりだけがところどころに灯っている状態。3体の金剛蔵王大権現の前の扉は開いているが、暗いのであまりよく見えない。 参加者全員が堂内に着座したところで扉も閉め切られ、法要が始まった。
薄暗い中、参加者も一緒に真言のようなもの(?)を唱えたり、僧侶の皆さんが再び法螺貝を吹いたり(音の高低を自由自在に吹き鳴らせることに感心)、またみんな一緒に「南~無~蔵王~大権現~」と7回唱えたり。
するとここで「皆さんと蔵王大権現様の間にご縁が結ばれました」ということで、堂内は暗いまま、像のみライトアップ ドーン!(左下写真はパンフより転載)
暗闇の中に浮かび上がる高さ7mの巨大な金剛蔵王大権現。 中央が「過去」を現す釈迦如来、右側が「現在」を現す千手観音、左側が「未来」を現す弥勒菩薩で、顔はコワイけれど、青い色は大慈悲を現しているのだそう。
写真撮影は不可でしたが、JR東海の金峯山寺スペシャルサイト(http://nara.jr-central.co.jp/campaign/kimpsenji/special/index.html)から『人間が求めた怒れる仏』の「記事を読む」→記事中の画像を「拡大する」で金剛蔵王大権現のアップ画像が見れます。
さらに僧侶の皆さんによって「諸天讃」という声明が歌われ、これがなんとなく聖歌っぽい(いや、あまり詳しくないのでイメージですけど)荘厳な感じで舞台効果満点。 不信心者の女王様1号でもちょっと感動しましたよ (^^)。その後は副住職が参加者の健康や心願成就、東日本大震災からの復興を祈念し、参加者一同も焼香。 引き続き法話ということで、金剛蔵王大権現の由来なども説明された(が、イマイチわからなかった (^^;)。 テキトーに書いてウソになってもイカンので、詳しく知りたい方は金峯山寺サイトを見るか、自分で夜間拝観にチャレンジしてみよう!
ラスト20分くらいは自由拝観。3体の像をじっくりと眺めたり、裏手の方に陳列されているそれ以外の像や宝物を見学して、21時に終了。 お守りなどの売り場に金剛蔵王大権現の絵ハガキでもあれば…と思ったが、残念ながらなかった。
法要の最中ずっと正座しているので足がしびれるが、パンフのキャッチコピー「吉野には、心奮わす夜がある…」を味わえる、貴重な体験でした。夜間拝観に参加した人がチケットの半券&もらったエコバッグを持参すると、翌日6時半から約1時間の朝の勤行に参加できると言われたが、翌朝は雨だったため、1号は朝風呂の方を選んでしまい(笑)、朝の勤行には参加せず。 でも朝食の席で見たら、参加した人たちもいたようでした。
その代わり、チェックアウト後に金峯山寺を再訪。今度は本堂には入らず境内を散策するだけにしましたが。右下写真は、金剛蔵王大権現のご開帳によって修理しようとしている国宝・仁王門。
吉 水
神
社
金峯山寺より徒歩5分、道路から脇の坂をいったん下り、さらに上ったところにある(左写真)のが吉水神社(http://www.yoshimizu-shrine.com/)。 こちらも役行者による創立で、義経・静御前・弁慶が逃げてきたと言われていたり、南朝の後醍醐天皇の行宮となったり、秀吉の吉野の花見の本陣となったりといろいろな謂われがあるところ。拝観料 400円(割引券で360円)。
門を入ってすぐ右手に「一目千本」と書かれた巨大看板があり、ここから見える桜に秀吉も感動したらしいのだが、このときは時期的に紅葉にも早いし、雨に煙ってよく見えず…。
建物は日本最古の書院造だそうで、その中に「後醍醐天皇玉座の間」や「義経潜居の間」があり、後醍醐天皇の御物や秀吉愛用の屏風が展示されている。 展示品の中には重文の「義経の鎧」がある一方で、本当か~?とツッコまざるを得ない「弁慶の七つ道具(の1つ)」などもあり。庭の北側には北闕門(右写真)という小さな門が建っていて、ここで山伏たちが九字真法による邪気祓いを行ったという。 九字真法というのは『孔雀王』とかに出てくる、「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」という例のアレです。
邪気祓いのやり方が書いてあったので女王様&しもべ1号もトライしてみましたが、雨が降っていて長傘を持ちながらだったのと、結構やり方が難しいこともあって、結局グダグダに。 だから多分邪気は祓えていません(爆)。
余談ですが、吉野ケーブルの降り場からの道筋をストリートビューで確認しようと思ったら画像がなかったのに、なぜか吉水神社の境内はストリートビューの対象になっていた。WHY?(もちろん境内にクルマは入れません)
新 吉
野
温
泉
辰巳
屋
吉野山へは近鉄吉野線の終点・吉野駅から吉野ケーブル(http://www.yokb315.co.jp/)というロープウェイ(左上写真)で3分。このロープウェイは日本最古で、世界遺産ならぬ機械遺産に認定されている。 2日間有効の往復券 600円。
ロープウェイの便は1時間に4本。女王様たちが16時過ぎに乗った上り路線は空いていたが、途中ですれ違った下り路線は満員だった。 ロープウェイに揺られながら周辺の山々を眺めたところ、10月末の時点ではまだ紅葉はほとんど見られなかった(右上写真は旅館の部屋から撮った朝の吉野山)。ロープウェイを降りてからの上り坂は傾斜がキツく、並んでいるみやげものやを覗く気力もない(飛鳥地区サイクリングで体力消耗した後だったし…)。 5分ほど頑張って歩き続けて、今夜の宿「新吉野温泉 辰巳屋」(http://www.yoshinoyama.com/)に到着した。
なお、ロープウェイ降り場から旅館まで、旅館から先の金峯山寺周辺まで、さらに近鉄吉野駅からロープウェイ乗り場までの間にコンピニはない。 旅館から金峯山寺の間におつまみも売ってる酒屋があったけど、閉店時間は早かった。飲食物等持ち込みたい人は、ロープウェイに乗る以前に買っておく必要アリ。
今回の宿は楽天トラベルで探した宿泊プランで「特別プラン 宿泊者限定【声明と闇に浮かぶ蔵王権現】夜の拝観」 14,700円というもの(特別拝観料別途)。 源泉掛け流しではないが一応温泉だし、部屋もキレイそうで割と評判がよかったので、こちらの旅館に決めました。
チェックインするとまずロビーと同じフロアにある喫茶スペースでウェルカム梅茶&黒豆入り羊羹(左中写真)を供される。 そしてその場で館内の説明を受け、夕食&朝食時間も聞かれた。この方法だといちいち部屋に仲居さんが入ってくる必要がないのでこちらも気楽だし、効率的でヨロシイ。 また、布団の上げ下ろしもちゃんと食事中に済んでいて、そういう点ではこの旅館に対する女王様1号の評価は高い。旅館は坂に面して建っているので、玄関のあるフロアが3階。「270°の展望をお楽しみください」ということで屋上が開放されていて、桜の季節には素晴らしい眺めらしい。
小さいながらも露天風呂のついた大浴場でサイクリングの疲れを癒やした後に食事処で夕食。食事の献立は割とどこでも出てくるようなもの多し。 いくら冷凍保存技術の発達した現代とはいえ、吉野の山中で刺身は要らないんじゃないの~?と思うが。右中写真は名物の行者鍋(だと思う)。
2日目の朝はあいにくの雨だったが、チェックアウト後に大荷物をフロントに預け、旅館の長傘を借りて付近を散策。
宿の目の前には銅鳥居(かねのとりい)(左下写真)という銅製の鳥居が立っている。これはもともと東大寺の大仏鋳造の残りで造られたもので、日本三鳥居の1つとか。周辺でなんといってもよく見かけるのは、吉野発祥の柿の葉ずしの店。海から遠い吉野でも魚を食べられるよう、塩サバを殺菌効果のある柿の葉で包んだもの。 右下写真は本店が吉野町にある老舗・平宗(http://kakinoha.co.jp/)の柿の葉ずし。 といってもこれは帰りの新幹線に乗る前に京都駅で買った (^^; もので、7ヶ(鯖×2、鮭×2、エビ、穴子、小鯛)入り 987円。
他には同じく名産の吉野葛を使った和菓子の店や、吉野和紙の店もあった。