チリ通信−23 (2006年9月11日)

皆様、いかがお過ごしでしょうか。私は元気です。
日本は残暑が厳しいようですが、こちらイキケは汗ばむ日があり春近しです。

さて今回はSORO仕事の話です。
そもそもチリに来た目的は魚類養殖の発展促進と自分の能力を試すためです。
私は足掛け25年に渡り、世界のアチコチで養殖技術開発と技術移転をしてきました。
そして今年50歳になりますが、これからの10年間を今までの経験の集大成として、自分の価値を評価しようとしています。
JICA時代は経済的にも社会的地位も恵まれていましたが、単騎になると家族を養うだけでこんなに大変なものかと思いもしませんでした。
また肉体的に50歳はピークを過ぎていますが(老眼・疲労回復が遅い・すぐ腰が痛くなる)、
知識と経験とのバランスを考えれば今しかないと思います。

今の仕事上の問題点は能力を発揮する仕事を始める所まで、なかなか行き付けない事です。
チリは途上国を抜けつつあるといえ、やはり日本と比べると時間の進み方が遅いようです。
現在進行中のプロジェクトでも問題はありすぎるほどで、現実を受け入れることが大切かな。
魚類養殖に関しては今のところ二つの案件を準備中で、それらのプロジェクトが獲得できれば家族を養えるようになり、
とことん仕事ができそうですが・・・。
現在のチリで魚類養殖の開発ができるのは、私しかいないと自負しています。
思い上がりでしょうが、そうでも思わなければリキが出ません。
ぼやいても仕方が無いので、まずは目の前の仕事を確実にこなし、前を向いてトコトコ歩いていく様に心がけています。

今年も水産栄養学を大学で教えていますが、教えることの難しさを感じています。
良く思うのですが生徒は自分を映す鏡のようで、彼らから自分の仕事の通信簿をもらっているようです。
水産養殖の未来を担う卵を育てている気持ちです。



時々自分はこの先どうなるのだろうと、ゾッとする時もあります。
相変わらず明日は良く見えず当分は休みが無いようですが、今はそういう時期だと認識しています。
とはいえ体が資本の仕事なので健康には十分注意しています。

というところで今回はチャオです。


         


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