『入部動機と何故やり続けているのか』   11期 稲葉


 全くといっていいほど泳げなかったこの私が何故SDCに入部したかといいますと、

よく海の映画(クストーの沈黙の世界のような美しい海の一部分)を見ていくうちに、私の心の中は海の素晴らしさ、美しさ、

雄大さ等が強く焼き付き、この海に対していつも接していたいという感情になり、それならば1から教えてくれて、

あまり金のかからない大学のクラブに入ろうと思い捜した所、この日大に水産学科があるのを知り、海に関する学科なので、

潜水部か何か有ると思い入学してこのクラブを捜して入部したのです。


 やはり、カナヅチであるという事は、たいへん辛く、厳しかったのですが、ここまで一度も退部したいと思わずにやって来られたのは、

先輩のおかげであります。


 このクラブに入って最初の海に入った日は、一生忘れないと思います。

というのは、ウエット・スーツを着てその上にオモリを付けて海に浮くとは全く信じられなく、フィンの使い方も知らなかったので、

背の立たない所へいけず、海岸近くでウエイトなしでフィンの練習をしたりしていました。

その時、頭の中では知っていたのですが、体に力が入りおぼれそうになったりして、本当に大変でしたが今では良い想い出となりました。


 毎週海に行く時、あの厳しい練習に耐えなければ一人前のダイバーになれなく、自分の眼で海を見る事が出来ないのだと、

怖がる心を押えて海に挑んで行きました。

その練習の内一番いやだったのは、スノーケル無しとマスク無しでした。

というのは、スノーケルが有れば、息をする時に顔を水面上に出さなくて済むのに、それが無いので顔を出して息をするのがどうしても出来ず、

この時も海水を大量に飲みました。

そして、泳ぎをしてみんなから大分離れてしまいました。

マスク無しも、海水が眼に入り、痛くて前が全然見えず、スノーケルで息をしようとしても鼻から海水が入って来て喉が痛くなったりしましたが、

息をする時、鼻をつまんでした所うまくいったので、少しの間これでやったりしましたが、数週間(数ヶ月)後、これをどうにか克服できました。


 このように厳しく日曜日のないこのクラブを何故続けて来たかと言いますと、一口では言えないのですが、

あえて言うと海の魅力に魅了されて毎日曜海に行くのが楽しみになっているからだと思います。


 練習中や、フリーの時間に見る魚の群れや、貝を見ていくうちに完全に海の虜になっている事を知り、

もう海なしでは生きて行けない気持ちになって、まだ本当の海の姿を知らず、海の恐さもあまり知らないので、

これらを知って一人前のダイバーになり、世界中の海に潜ろうと心の中に決めています。


 ただ潜っていて残念に思う事は、体力があまり無い事と、写真等に撮っておきたいほどの綺麗な物があまり無く、

ゴミが海の中を泳いでいる様、あたり一面ゴミだらけで、このゴミを全部取り除く事ができず、このように海を汚していた一人であった事です。

海がだんだんと弱って行き、死に至る事の無いように、海を汚さず元の健康で美しい様になってほしいと願っております。



         


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