『クラブに入った動機と何故今まで続けたか』  10期 寿美


 思い起こせば2年前、桜舞い散る藤沢校舎で、まだ希望に胸を躍らしていた頃配られたクラブ・サークル紹介の本をパラパラとめくっていて、

ふと目にとまったのが「Student Divers」。

ダイビングについての知識は、ほとんど無かったけれど、以前からテレビや映画でのダイビングのフィルムが好きで、

テレビで観るダイバーたちは、美しい海の中をいかにも気持ちよさそうに、魚のように泳いでいて非常にあこがれていたのです。

海の底って本当にあんなに美しいのだろうか、水の中で息が出来るってどんなだろう、潜るってフワフワと飛んでるみたいな感じかしら・・。

私のダイビングへのあこがれはテレビから始ったのです。


 『あなたも海の底で魚と戯れてみませんか』というサークル紹介の記事に惹かれ部員勧誘の時、

誘われるままに話しを聞き、即入部を決めてしまった。

今思うと、よく話も聞かないであっさりと入ってしまったものだナと、恐ろしくなるのですが。

 そして、まだ少し肌寒い5月のうす曇りの日曜日、初めて潜りというものを教わったのだけど、

最初の感想は、ダイビングって大変なものだナァということです。

それまでダイビングというものをよく知らず、軽い気持ちで入部してしまった私にはショックでした。

テレビで観るダイバー達が、余りにも軽々と潜っているのでダイビングなんて簡単なものだと考えていたのです。

が、いざ自分がやってみると潮は飲むし、波酔いはするし、耳抜きは出来ないし、とても軽々とはいかない。

それに最初の頃はクラブになじめず、先輩たちは親切だったけど、なにか一人とり残されているように感じ、

同輩がみんな男の子で女の子が私だけだったことで、色々ととまどったり、淋しく思ったり、

早まったかなナーと最初の1、2ヶ月は後悔しっぱなしでありました。

でも一年の夏合宿の時、なんとか少し潜れるようになり、やっと念願の海の底の世界をよく観れるようになって、

潜ることの面白さがわかり始めました。

同時にクラブにも打ち解けて楽しくやれるようになり、ダイビングとクラブを続ける自身をもったのもこの時からです。

この合宿は本当に無我夢中で失敗も多かったけど、いままでで一番強く思い出に残っています。


 もう一つ印象に残っている事は、初めてボンベで潜った時の事、恐いのと嬉しいのが交じり合って、あっというまの数十分間だったけれど、

パッと目の前に広がった真鶴のお花畑の光景は忘れることができないでしょう。


 なぜ今までクラブを続けたか、と聞かれると、海は潜るたびに、何かしらこういう感動を与えてくれるし、

SDCにはいったことは、私の大学生活で最大の成功だと思うからです。

またたく間に過ぎていった2年間の思い出のほとんどがクラブのことなのですから。


 私がダイビングにひかれるのは、海の魅力よりもクラブのせいではないかと思ってしまいます。



         


文集もくじ