『先輩に教えられた話、それに関する思い出』 11期 友廣
大学に入学してから昔からの憧れであった、ダイビングクラブへ入部したのが、スチューデント・ダイバーズ・クラブです。
ダイビングの知識を少しも知らなかった僕が、スーツもちゃんと着られ、マスク、シュノーケル、フィンもやっと一人前にこなせるようになり、
何とか潜れるようになったのも、熱心に指導してくださった、諸先輩の御蔭です。
5月に行われた下田の一泊合宿で、スーツの着かた、マスク、シュノーケルの使い方を教わり、
また、ダイビング中の注意事項を詳しく教えていただきました。
そしてクラブの雰囲気に触れ、入部してよかったと思いました。
初めての海、それは僕の憧れを実際の物としたのです。
しかし、憧れと現実とはまるで掛け離れたものだったのです。
青く澄んだ海の中では、僕はまるで何も出来ない小人のように、呆然とただ海を見ることしか外に出来ませんでした。
海の大きさ偉大さをこの目ではっきりと見たのです。
バディを組んだ先輩に付いて、マスククリアー、シュノーケルクリアーを教えていただきました、
夢中でやりましたがなかなかうまく出来ませんでした。
ところが、先輩ときたらいとも容易にやって見せてくれるのです。
負けるものかとやって見ると海水が目に入り、鼻に入り、また飲んでしまったりで海水のしょっぱさを、いやというほど思い知らされました。
バディを組んでくれる先輩が隣を泳いでくださることが、どんなにありがたいことか、バディ確認の時に目が会うと、
「お前大丈夫か?」と声を掛けてくれるようで、おもわず「ハイ」と返事をし、心が落ち着くのです。
海の中では話は出来ない。でも、話し以上に理解出来るようです。
夏休みになり、初めて本格的である合宿に参加しました。
場所は大島で行われ、一週間あまり先輩と後輩が一つ屋根の下で、共同生活をしました。
合宿中に先輩たちに、今までと違った物をいろいろ教わり、僕のダイビングに抱いていた考えに、大いにプラスになりました。
あいにく天候に恵まれずに、はじめの日から波酔いになり、まったくまいりました。
また波の力が強く出入りに大変苦労しました。
そんな時に先輩からの適切な指導、あるいは注意など僕にとってはありがたいものでした。
合宿中では、海で得た物よりは宿で自由時間の時などに、先輩と楽しく話した中から得た物の方が多いように思われます。
それは、先輩方一人一人が持っているダイビングが、自分に合う先輩と、合わない先輩とがいて、
ピタット合う先輩と自分とを比べて見ると、類似点があちこちにみられるのです。
肌と肌との触れ合いがクラブの和を広げて行くように思えました。
毎回違った先輩とバディを組むと、同じことに対しても違った説明が出てきます。
ところがその一つ一つにはみんな類似しているから不思議です。
個人の考えは違うけれども教えようとする心が同じだからかもしれません。
ある先輩に疲れたときの休み方を教えていただきました。
ある日からだの調子が悪く、かなり辛かった時に、教えていただいた休み方で本当に助かりました。
先輩と泳いでいて、フィンの使い方などじっくり見て、真似ようとしたり、ダイビングフォームもまた真似ようとしたりしますが、
なかなかうまく行きません。
でもいろいろな先輩のフィンの使い方や、ダイビングフォームを見ていると、1人か二人は自分の身体に合う使い方をしている先輩がいるもんです。
そんな先輩をじっくりと見、研究して自分の技術を向上させていこうと思います。
僕がここまで来る事が出来たのも、良きにつけ、悪しきにつけ、先輩一人一人のおかげだと思っています。
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