チリ通信−20 (2006年6月5日)

皆様、いかがお過ごしでしょうか。私は元気です。
こちらの夜はすっかり涼しくなって、ジャケットが必要なほどです。

まずは仕事の進展状況ですが、イマイチなので横に置いといて前回に予告した養殖会議の様子をお知らせします。

会議には学生や関係者を含め400人ほど集まったようで、開会式はイキケ市のテアトルシアターにて行われました。
講演やパネルの展示は、はす向かいにあるホテル・アルトゥーロプラトで行われ、私も自分の出展したパネルの前で1日過ごしました。
訪問者は学生が多く、京大に留学予定の生徒に日本の生活様式を聞かれたり、もちろんパネルの説明をしたりしました。
うまく他大学の教授から彼のプロジェクトへの参加オファーがあり、まずはプロジェクト会議に出席し様子を見ることとなりました。
参加する場合は私の大学との契約上の問題が考えられ、どういう形になるか分かりませんがまずは一歩前進です。

話にはおまけがあり、ホテルの裏に一日駐車していたのですが駐車違反切符を2枚も貰ってしまいました。
今月は警察裁判所に出頭しなければならず、詳しくは次回お知らせします。

会場前はオールドタウンの中央広場で時計台や公園があり、銀行や官庁街となっています。
最近は観光用に昔風の石畳の通りを再開発し、路面電車を走らせています。

  

   


次は休日の過ごし方ですが、最近は釣りに凝っています。

おもに大学前で釣っており、養殖施設からの排水があるためか結構釣れます。
しかし仕事場で休日を過ごすのは精神衛生上よくないので、車で遠出をしています。
町から離れると海岸に出られる道は意外と少なく、出られる所は海軍の基地だったりします。
郊外は見渡す限りの砂漠、青い海と空の世界です。
砂漠は昔あったバルキルマーの火星の映画を連想する景色で、そんな中で釣りをしています。
釣果のほうは意外と釣れないもので、仕掛けばかりをとられています。

  

このあたりにはAcha (Medialuna ancietae)と呼ばれるメジナに似た魚がいて、魚体重は20-30Kg にも成長します。
アチャは潮流が速く白波の立つ荒磯に生息するため漁獲が困難で,主に水中銃で漁獲されています。
美味で希少価値があるため非常に高価ですが、資源が枯渇し幻の魚となりつつあります。
2000年に種苗生産をするため親魚採集をしましたが、選ばれた特別のダイバーだけが獲れる魚だと分かりました。
なぜならば素潜りで泡立つ視界の悪い海水の中を激しい潮流に逆らって泳ぎ、息を止めて魚を待ち仕留める漁法だからです。
我々はその上に、生け捕りにして欲しいという条件なのでほとんど確保できませんでした。
大量種苗生産には親魚が20から50尾は必要なのですが、機会があれば挑戦したいと思っています。




*前回に仕事用E-mailアドレスをtoshichile@yahoo.comとお知らせしましたが、都合によりchiletoshi@yahoo.comに変更いたします。



           


二川topへ