『トレーナーとして』 9期トレーナー 難波 ・ 石崎
トレーナーの主な役割は部員全員のコンディションの調整である、と自覚してやってきた。
そこで週3回の陸上トレーニングにおいては、基礎体力の向上と維持に努め、
毎日曜日の海ではその日の体調を整えるための準備体操を行ない、
合宿においては長い期間中の健康管理を目指しての早朝トレーニングを行なった。
陸トレでは、ダイビングで必要とされる体力(特に脚力)を養うために色々のトレーニング法を工夫し、実行した。
その中で自慢できる物と言えば『直角』と呼ばれるものである。
それは、足を肩幅ぐらい前後に開き、腰を落とす。
その時に足首、膝、足のつけ根の関節を直角になるように保つ。
手は腰に添える。
30秒ほどで体の向きを180度回転させる。
これを4〜6回繰り返すというものである。
この運動はかなり手ごたえのあるもので、3〜4回も繰り返すと足が震え出す程である。
けれども部員には何故か好評で、皆が苦しみながらも頑張ってくれている姿を見るのは、とても頼もしく、又うれしかった。
陸トレでの問題点は、部員の学年、学科が異なっている為に毎回全員が顔をそろえることが困難なことである。
次代には、これについて始めから全員参加の建前は捨て、バラバラでも良いからとにかく部員が週に3回はトレーニングできるように
トレーニング日を組んだらいいと思う。
毎日曜日の準備体操については、車のアイドリングと同じであると考えて、体操を構成し行なってきた。
次代の人たちへのアドバイスとしては、まずその点を注意してもらいたい。
そして大きな声で掛け声をかけながら行なうと気持ちも引き締まって効率よくできるので、これは続けてもらいたい。
合宿においても運動の考え方は日曜日ごとの準備体操と同じである。
けれど合宿は長期間なので、個人別の運動対応力を考える必要がある。
具体的には、かなり走り込んでも大丈夫な人と、そうでない人とのことなど。その運動量の差をどう処理しようかと悩んだ。
マラソンの場合、速いグループを別に作るかとも考えたが、うまくいかなかった。
で、マラソンのペースは遅い人に合わせるはめとなった。
その点はもっと考えなければならない所である。
トレーナーはただ掛け声をかけるだけと理解されがちだが、トレーナー自信も他の部員もトレーニングの重要性を再認し、
練習に積極的に参加して欲しい。
いざという時、自分を救ってくれるのは気力と体力だと思いませんか。
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