チリ通信―15(2005年11月4日)

皆様、いかがお過ごしでしょうか。私は元気です。

早いものでチリに来てもうすぐ1年になろうとしています。
振り返ってみると今年は準備期間のような年でした。
今年前半はゆっくりと時間が進み書き物などをして過ごし、
後半は種苗生産・栄養学の講義それに自動車免許の取得などを同時進行でこなすというハードな日々でした。
いまだに言葉やチリ人社会が良く解りませんが、ここに来たことは間違いではなかったと思っています。
12月からはサンペドロ(イシダイに似た魚)のプロジェクトが始まり、能力をどこまで出せるか見ものです。
懸案事項の海洋牧場計画のためには大量種苗生産技術の確立は必須事項なので、またまた忙しい日々が始まるでしょう。
いずれにしても、やるべき仕事を一つずつこなして行き、来年の今頃には将来の見込みを立てたいと思います。
何とか家族そろって暮らせるようにしたいものです。
ちなみに11月下旬からクリスマスまで休暇で帰国しますが、日本食をたらふく食い懐かしい面々に会いリチャージしたいと思っています。

さて、ムラタ種苗生産の後編ですが相変わらず斃死が続いています。
前回に書いたように植物プランクトンを与えてみてもやはり斃死は納まらず、
摂餌しているにもかかわらず孵化後20日でほぼ居なくなります。
原因としては高水温による消化不良と栄養強化剤の品質劣化を疑っています。
高水温の原因は24時間取水できず日中に飼育水が外海水より2~3℃高くなることです。
これに対してはサンペドロのプロジェクトが始まり予算が使えるようになってから、大幅な取水システムの改修を計画しています。
また栄養強化剤は高価なためがまんして使用期限を過ぎたものを使っているためです。
しかしやっと新しい栄養強化剤を購入でき、最後の群に対して新しい強化剤を使用できそうです。
最後のあがきですが来年の種苗生産のためにも重要なことです。

仕事の話はさておき、昨日は学生の誕生日フィエスタに行ってきました。
こちらの大学生の中には20歳後半が結構いて、話がうまくかみ合い楽しく過ごせます。
経済的に自活して学校に来ている者や、実に貧しく学食のあまりを食べるため外で待っている学生もいます。
ですからフィエスタには彼らの食べたいものをいっぱい食べられるようドネイションをし、私もおいしいものを食べられるという按配です。

  

  

今回はチョリソ(ムール貝のようなもの)ずくしで、まずは茹で汁にミルクを入れたスープ。
まだ夜は結構冷えるので温かい、まったりスープは最高です。
茹でた身を散らしたサラダに酢の利いたドレッシングをかけていただけばこれまたOK。
貝付の身にパルメザンチーズをかけ、しゃぶりついてまたまたビエン。
最後は熾き火を作り網焼きにし、ビーノ片手に馬鹿話や自分達の学生時代の話をして楽しく酔っ払いました。
たとえば学生の一人は2年ほどストリートチルドレンをしていたが一念発起して大学にはいった話。
私が石垣島の船着場でホームレスと暮らしていた話をすると、"オレも沖縄に行きテー!"という具合です。
2時まで飲んでいましたが、主賓の学生は結局現れずというお粗末でした。
そんなこんなで暮らしています。
日本に帰ったらすし喰うゾー。

かしこ
        

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