チリ通信−6 「イキケのブセオ」 (2005年4月15日)
「ホヤとフジツボはどうやって食べるのですか?」という管理人の問い合わせに対する、二川からの返事。
いかがお過ごしでしょうか。
私は元気です。
ホヤ(ピューレ)・フジツボ(ピコロコ)の料理方法と飲み物の件です。
まずチリは世界3大漁場の一つを持ち、イワシ類が大量に漁獲されています
これを魚粉とし日本の養殖の餌として、大量に輸出されています。
なぜイワシが大量に発生するのかと言えば、南極よりの栄養に富んだフンボルト海流がチリ沖で上昇し、
この水が植物プランクトンを大発生させイワシを育てるからです。
したがって沿岸の海水は沖縄と違い黒い色をしており、掬うとたくさんのプランクトンが見られます。
日本で言う黒潮と言うものですが、本当に黒く透明度も悪いわけです。
同じことが赤道の反対側のバハカルフォルニアでも起こっており、ジャイアントケルプやアザラシのオンパレードです。
このプランクトンを大量に含んだ水はイワシだけでなく、貝類や海藻類など全ての生物をはぐくんでいます。
ですからチリのフジツボはこぶしほどの大きさがあり、ホヤもたくさん採れます。
(アー!ジジイは話が長い。)
ここでの沿岸漁業は海底が岩場で急深なため、網漁よりも潜水漁が盛んです。
ブセオ(潜水漁師)には水中銃で魚を獲る漁師と、へらでホヤや貝類をとる漁師の2種類あります。
貝類獲りは危険が少ない代わりに単価が安いので、潜水時間も長く重労働です。
やはり魚漁師のほうが技術的にも体力的にも上で、話していても知的に感じるのは偏見か。
漁はフーカーを使って行なわれますが、事故が多くてよく漁師が死にます。
漁師と話をするとたいがい、息子にこの仕事を継いで欲しくないと言います。
私のプロジェクトの中には、漁師による漁協の設立と保険制度・購買部・クリニックの設立が含まれており
漁民の生活向上を目的にしています。
さて、ピューレとピコロコの料理方法です(ヤットカヨー!)
アツアツのソパデマリスコス(海鮮鍋)に、生のピューレや茹でたピコロコの身を乗せて食べます。
上品なところはソパデマリスコスは、直に火にかけた陶器で出てきます。
このソパデマリスコスにはサパティージョ(ヒザラガイ?)やチョルガ(イガイ)と魚の切り身やウニもドバッと入っており、
体が温まり力がつきすぎてチト困る。
アー食いたくなった!!。
ピコロコは茹でて身を取出し野菜と混ぜ、オイルとをかけてエンサラーダにもします。
当ては当然ヴィーノ(ワイン)ですが、赤か白かは意見の分かれるところです。
赤党によると白は薬品(防腐剤?)が入っており、白なんか飲むモンジャナイ!と言います。
白党によると白はスッキリして、赤なんか飲めないと言います。
一般に言う肉は赤で、魚は白は誰が決めたか知らんがイラヌお世話と言うことです。
話は変わりますが、月曜日にやっと1月から3月分の私の給料がでました。
薄給とはいえ、出るものがでないとヤッパやる気がしませんナ。
明日はチリの習慣でパガールデピソという、初給料が出たら友達を招待して宴会をするのをやります。
海洋学部の教授連や事務関係・学長を招待して、日本人の名に恥じぬ宴会をしたいと思っています。
大学では私の名前を知らない人でもカンパイで知っているほど、カンパイと叫ぶのをひろめています。
チリやマラウイでは大声で叫ぶのはあまり良いことではないのですが(ドコデモソウダ)、
日本人が大声でカンパイを叫ぶのは大好きです。
カンパイの輪が徐々に広がっています。
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スペイン語の水産物の辞書はこちら。
ちょっと話題がそれるが、初めてキューバに旅行した人の体験談はこちら。
※ ( )内のコメントも二川。原文どおり。
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