千里よせ来る海の気を吸って戦う
上陸作戦
作戦開始前の記念写真 1976年 大島 この時の上陸部隊は、9期と10期であった。
(メンバーは、写真をクリック)
敵上陸部隊の先鋒であるフロッグマン達が、沖からひそかに忍び寄って来る。
祖国防衛のため、なんとしてもこの海岸を死守しなければならない。
白砂青松のもと、阿鼻叫喚、肉弾相打つ大スペクタクルは展開されたのであった。
あまりの馬鹿馬鹿しさゆえに忘却の彼方に消え去った合宿ならではのイベントを今に残さん。
上陸作戦レシピ
1.やる日時 @夏合宿のなか頃、なぁんか中だるみしてきて「つまんないぞッ」となった時、練習を早めに切り上げて行ないます。
(つまらないのは、3年生以上で、1年と2年は、大変な思いをしているので、つまらないどころではありません)
A日頃の練習時こんなことやっては、いけません。
2.やる場所 @砂浜じゃないとおもしろくありません。
A人けのない海岸。(通報されたら、お説教じゃすまない・・・たぶん)
B大島の民宿「三佳」からまっつぐの海岸がベスト・・・だった。(今は、どうか知らない)
3.用意するもの @打ち上げ花火(デカイのだろうが、ちゅうくらいのだろうがOK) できるだけたくさん。
但し、パラシュートが飛び出るやつはダメです。(危ないから)
A連発花火(できたら五連発以上が楽しい) できるだけ大量に。
B爆竹 たくさん。
Cロケット花火は使用禁止です。(危ないから)
D活きのいい、とっつかまえて埋めたくなるほどカワイイ、1年生と2年生。
(2年生を混ぜるのは、前年度経験しているので、1年生に要領を教えさせる為です。このように、指導経験を積み
苦楽を1年生と共にすることにより、立派な執行部として育ち、慕われていくのです。)
E1年、2年ともにウエットスーツを着用しダイバーズナイフを装備していただきます。
マスク、シュノーケル、フィン、ウエイトは必要ありません。
このへんまで読んで、何やるのか分かった貴方。 貴方はスルドイ!
4.やりかた @まず状況設定をおこないます。
その時の気分で、ここは、ノルマンディのオマハビーチ、あるいは南太平洋に浮かぶ戦略的に重要な島の海岸であると執行部が
宣言します。
例えば、ここはオマハビーチと決まった瞬間から、1、2年生は、Dデーを目前に控え、ダンケルクの悔しさを胸に、後続の将兵の
ため上陸地点に血路を開こうと闘志を燃やす、英国海軍特殊部隊になりきります。
迎え撃つ 3、4年生とOBは、当然、名将エルヴィン・ロンメル元帥ひきいる、ドイツB軍集団の将兵になりきります。
南太平洋と決まれば、米海兵隊と、島を死守する帝国海軍陸戦隊あたりでありましょうか。
A1、2年生は、ぎりぎり足が立つあたりから、海岸に向かって泳ぎだします。 戦闘開始です。
Bそれを見た、3、4年生とOBは、「敵発見、距離20m、砲撃開始ッ!」の号令とともに、投石を開始します。
(注意) 投石はアンダースローで行なってください。
当然のことながら、本気でぶつけてはいけません。
敵の上陸を阻む為の威嚇射撃と心得、敵の周囲に水柱を立てて脅かす程度にしてください。
C上陸部隊は、Bの注意にもかかわらず、ぶつけよう、ぶつけようとするやつが必ずいます(OBに多い)ので潜ってよけましょう。
D上陸部隊は、波打ち際にたどり着いたと同時に、ナイフを抜き放ち、地雷を探りながら匍匐前進を開始します。
D-1 地雷なんか埋まってないのは、わかってたって慎重にザクザク目の前の砂にナイフを突きたてながら匍匐前進します。
D-2 上陸部隊は、匍匐前進以外の行動をとってはいけません。間違っても立ち上がって走ったりしてはいけません。
D-3 なんでそんなことするのか?
だって、的がすばやく動いちゃ、つまんないじゃん!
E守備隊は、敵が射程距離に入り次第、花火の水平撃ち攻撃(キャ〜待ってましたァ)を開始します。
F敵が水面にいようが、波打ち際だろうが、匍匐前進中だろうが、じゃんじゃん撃ちまくってください。
G花火は、遠慮なく命中させてかまいません。
H爆竹も、情け容赦なく、匍匐前進中の敵に叩き込みましょうね。
「花火は人に向けてはいけません」なんて注意書きや、理性はこの際ひとまずおいておくのではなく、きれいサッパリ忘れさる!
この頃になると、連発花火の曳光弾が乱れ飛びかい、爆竹がそこらじゅうでハデに破裂しまくり、
海岸は火薬の煙りと臭いが渦巻き、ものすごく、い〜状態になります。何がいいのかわかりませんが。
さあ、白兵戦の始まりです!
まだ早いっちゅうのに、白兵戦が待ちきれず、記念撮影中に襲いかかってきた8期西原さん。(右端)
I「突撃ぃ〜!」の号令を合図に、守備隊は、上陸部隊をよってたかって押さえ込み、どんどん埋めてしまいましょう。
(これがSDC名物のひとつ、「生き埋め」の上陸作戦バージョンです)
いい機会ですから、ここでSDC名物「生き埋め」のご説明もいたしましょう。
白兵戦となり、「生き埋め」まではご理解いただけたかと思いますが、「上陸部隊全員を埋めれば作戦終了なんだな」、
などと思ったあなた、あなたは、まだSDCを理解してらっしゃいません。ここからがSDCの真骨頂です。
J上陸部隊を、全員埋める必要はありません。
K白兵戦のどさくさの中で誰を埋めてもかまわないのです。
L上陸部隊員が、守備隊に協力して仲間を埋めちまおうが、先輩だろうが、OBだろうが油断してるやつや、いじめたいやつは、
逆さ胴上げ同様、餌食にしてかまいません。
このように、SDCでは陸上で遊ぶ時には、上下関係など無いに等しく、どこでも先輩風吹かすような人は、いなかった・・・?
すすんで餌食になりたがる先輩が沢山いて逆に困ったことは沢山ありましたが。
かくして戦いすんで、日が暮れて、民宿「三佳」に帰る道には、夕顔が咲き、ヒグラシが鳴いているのでありました。
上陸作戦、生き埋め 以上をもちまして終了でございます。 お分かりいただけましたでしょうか?
海の岩一つ引っくり返しても生態系が壊れることを知っているSDC、花火の後始末が厳重を極めたことは、言うまでも無い。
上陸作戦ってなに?
ただ花火で人を撃ちたかっただけさぁ〜。