2002年8月26日
マラウイ通信 飢餓編

Muri Buanji
Dili Bwino Kaino

こちらマラウイはようやく暖かくなり始めました。
しかしエルニーニョのせいか雨が早く、昨日はアラレが降っておりました。
NHK衛星テレビでは南部アフリカの飢饉についてニュースが流れていました。
都市部ではいつもと変わりがないのですが、村落では飢饉が始まっております。
飢饉はまだ序の口で、いつもは12月からがピークとなります。
昨年は養殖用餌としてトウモロコシ粉粕(マデア)を農民に預けると、いつの間にか彼らの食事になってました。
今年はマデアを買うことすらできません。
ここの貧しさはアジアや南米で見てきたのとは種類が違うようです。
普通彼らは1日に2回食事をしているようですが、本来粗食に強いようです。
先週我々の入っている村で9歳の子供が死にました。
その子は弟に自分の食事を回し、3日に1回食事をしていたそうです。

我々は零細農民の蛋白源供給として自家養殖を推進してきました。
資金と技術をてこ入れし養殖を推進し、余剰の魚生産ができれば市場で換金し生活が豊になると考えました。
つまり我々が歩んできた道です。
しかし最近気が付いたのは、零細農民は魚をつくれないか、つくっても豊にならないということです。
なぜならば、彼らの主食はトウモロコシでその主食が満足につくれていないこと。
魚養殖は副業であり、魚は緊急時の資金で病気や結婚式などお金が必要なときに換金するもの。
したがって魚は増えることより死なない(減らない)ことが重要です。
このことより零細農民を対象とした養殖普及は、農作物の安定生産を主軸とした技術移転とそれを助ける養殖形態となります。
たとえば農業用のため池を作り年間安定して農作物に水をやり、同時にその池で魚を飼う様な形態です。
そんなこんな事を現場では話しております。

お体大切にご活躍ください。


「マラウイ通信 病院編」