2002年8月30日
マラウイ通信 病院編

Muri Buanzi

こちらマラウイは日増しに暑くなってきております。
今年の産卵期は本腰を入れて種苗を作る予定です。
カウンターパートも初めての大量種苗生産となるはずです。

こちらには救援物資が大量に入ってきていますが、横流しや横領があるようです。
問題は物資を必要としているのは僻地なので、物資をいかに運ぶかが問題になります。
我々の技術指導する農村の選定条件のひとつは車でいける所となってます。
それでも30分も歩いたり、雨季は橋が流され行けないことがあります。
11月から雨季に入ればさらに条件が悪くなるでしょう。

先日私の住んでいる町のゾンバセントラルホスピタルに、家族を連れて見学に行ってきました。
ここは公立の病院で、無料で治療が受けられます。
数人の医者(国際協力関係のドイツ人やVorantiaServiceOverseasのフィリピン人)が、多くの患者の治療にあたっています。
先月は村に入った泥棒が頭に斧をつけたまま歩いてきたそうです。
治療室の外では泥棒が逃げないよう村人が待ち構えていたそうですが、数日後に泥棒は死んだそうです。
ここにある薬は外国から供与され横流しを免れた、鎮静剤と抗生物質があります。
患者のほとんどはHIV陽性だそうですが、たいていの人が検査を受けないか検査を受けても結果を知りたがりません。
ベッドが200くらいに対して、入院患者数は400人くらいだそうです。
したがってベッドの間の床に人が寝たり、1台に二人寝たりするそうです。
また雨季になれば病人が増え、病室の外のひさしの下にも人が寝るそうです。
当日は天気が良かったので、外にたくさん患者が寝転がっていました。
医者のフィリピン人いわく日光を浴びるほうが良いそうです。
残念ながらさすがの私も写真を撮る勇気がありませんでした。
私は食べ物のすえた臭いと死にかかった人の臭いが腹の中にたまり、1日胃が重く感じました。
Joyは栄養失調でかぶれた顔にハエがたかっている子供を見たのがショックだったそうで、家に帰ってから寝込んでいました。
海は病室の中を歩くのにいささか顔が引きつっていました。
なぎさはやはり臭いに参っていました。
現在ドイツの援助が入り病室を立て替えており、ますます病人があふれています。
マラウイにはたくさんの医療援助が入って最新の医療施設がありますがほとんど稼動していません。
なぜなら援助側は施設を示すことで実績を作るだけで、運営に必要な資金や医者・薬品消耗品が援助されていないからです。
ここの外国人医師はHIV患者の中で感染の危険と劣悪な環境のため、大きなストレスにさらされています。
ドイツ人医師はマラウイ運営側との意見の衝突で休暇をとっていました。
フィリピン医師は十分な薬がないので、できるだけ入院さして十分な栄養補給をしてから村に帰すようにしているそうです。

そんなこんなで暮らしております。


「マラウイ通信 マラウイの漁村」