『手 袋』

「君は、もしかして潔癖性なのか?」
ウォンは肩をすくめた。
「まさか! 私は己の手をすすんで汚す男ですよ」
「じゃあ何故、いつも手袋を外さない」
ウォンは笑った。
「悪い事をするために決まってるじゃありませんか」
「指紋を残すぐらい、どうということもあるまい?」
「本当に、そう思いますか」
ウォンは手袋をとると、キースの手首を強く掴んだ。
「じゃあ、じっくりと痕をつけてあげましょうね……」


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Written by Narihara Akira (2004.11)
http://www5f.biglobe.ne.jp/~Narisama/