寒い戸外からやっと逃れて、暖かなスープ皿の上に 顔を伏せたウォンを、キースはじっと見つめた。 「どうなさいました?」 視線に気付いて顔をあげた彼にキースは、 「君の眼鏡は曇りどめがしてあるんだな」 「ええ。伊達ですから外してもいいんですが」 「色気のない話だ」 ガッカリした声を出すので、ウォンは笑った。 「いいじゃないですか。する時には外すんですから」 キースは苦笑した。 「わかってないな。不意打ちがしたいんだ」