魚や野菜は、喘息・アレルギーの発症リスクを低減させる

最新疫学研究情報No.35

ギリシャのクレタ大学のLeda Chatzi博士の研究チームによって、「魚や野菜を多く摂取する子供は、喘息やアレルギーの発症リスクが低減する」との発表がなされました。

研究チームは、スペインのメノルカ島に住む生まれたばかりの子供460人を対象に、食習慣とアレルギーの関係について6.5年間の追跡調査をしました。被験者と母親(妊娠・授乳期)の食物摂取頻度調査票(96品目)のデータをもとに研究が進められました。

その結果、最も多く魚を摂取する子供は、最も少ない子供に比べてアトピーのリスクが57%減少することが明らかになりました。また、野菜(トマト・ナス・キュウリ・インゲン・ズッキーニ)を多く摂取する子供は、少ない子供に比べて喘息のリスクが62%も低減することも確認されました。一方、他の野菜や果物の摂取と喘息・アレルギーの発症には明らかな関連性は見られませんでした。

Chatzi博士は「今回の研究によって、魚に含まれるオメガ3脂肪酸がアレルギーの炎症を抑え、野菜に含まれる抗酸化物質(ベータカロテン・ビタミンC・リコピン)が肺組織の損傷を防ぐことが確認された」と結論づけています。

出典

  • 『Pediatric Allergy and Immunology 2007年9月号』
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