睡眠時間は、短くても長くても死亡率を高める

最新疫学研究情報No.34

睡眠不足が健康を損ねることはよく知られていますが、フィンランドの産業衛生研究所のChrister Hublin博士の研究グループによって、「睡眠時間が短くても長くても、死亡率を高めることになる」という報告がなされました。

研究グループは、21268人の双子(18歳以上)を対象に「睡眠時間と死亡率の関係」を調べました。22年間の追跡調査の結果、睡眠時間が7時間未満の人は、7~8時間の人と比べて死亡率が男性で26%、女性で21%増加したことがわかりました。また、睡眠時間が8時間以上の人は、7~8時間の人と比べて男性で24%、女性で17%多く早死にしていることが明らかになりました。睡眠不足でも睡眠過剰でも死亡率を高める傾向は、特に若年層において顕著にみられました。

Hublin博士は、この研究を通して「現時点では、長時間の睡眠がなぜ死亡率を高くするのかという原因は特定できないけれども、どのような人にとっても最適な睡眠をとることは大切である。睡眠時間の過不足は、糖尿病や心臓病などと同じくらい深刻なリスクファクターになる」と結論づけています。

出典

  • 『Journal SLEEP Vol.30 2007年10月号』
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