10年以上の携帯電話使用で、脳腫瘍のリスクが増大する

最新疫学研究情報No.33

スウェーデンのオレブロ大学病院Lennart Hardell博士の研究チームによって、「10年以上の携帯電話の使用により、脳腫瘍のリスクが増大する」との発表がなされました。

研究チームは、携帯電話使用と脳腫瘍との関連性を調査した16件の症例対照研究について、比較分析を行いました。その結果、10年以上携帯電話を使用している人は携帯電話を使用していない人に比べて、聴神経腫瘍(*聴力低下などをきたす良性の脳腫瘍)のリスクが2.4倍になることが明らかになりました。また、神経膠腫(*全脳腫瘍の中で最も多い代表的な悪性腫瘍)のリスクが2倍になることも確認されました。研究では電話を持つ側の頭部、つまり電磁波にさらされた脳の領域に、より脳腫瘍を発生しやすいことも明らかにしています。

Hardell博士は、「今回の研究は、携帯電話が人々の間で使用されるようになってから十分な時間を経た時点でのものであり、携帯電話の使用と脳腫瘍の因果関係を強く示唆するものである」と結論付けています。

出典

  • 『Occupational Environmental Medicine 2007年9月号』
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