通勤時に歩くことは、糖尿病予防に役立つ

最新疫学研究情報No.32

定期的にしっかり運動することによって、2型糖尿病のリスクが下がることはすでに明らかにされていますが、今回、大阪市立大学大学院医学研究科の産業医学の研究チームによって「通勤時に歩くという程度の軽い運動でも、歩行時間が長ければ糖尿病のリスクを下げることになる」という報告がなされました。

研究チームは、糖尿病を発症していないデスクワークの男性8576人(40~55歳)を対象にして4年間の追跡調査を行い、「健康診断」と「通勤時の歩行時間のアンケート」を実施しました(内、878人が調査期間中に2型糖尿病を発症しました)。

研究の結果、毎日21分以上歩く男性は、10分未満しか歩かない男性と比較して糖尿病のリスクが27%低くなることが確認されました。

研究者の佐藤恭子氏(Ph.D.)は、「歩く習慣によって、血糖を管理するインスリンの働きが高められる。通勤時の歩行時間が長いほど2型糖尿病の予防に役立つ」と結論づけています。

出典

  • 『Diabetes Care 2007年 9月号』

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