日本一周第3回「白い雲のように」 

第17日目「早稲田の栄光〜兵庫県・ 大阪府・東京都〜」
 

2006年8月21日(月)

 
 
 まったく予想していなかった引き分け再試合。ここまで来たら何としても優勝してもらわならければならない。それにしても、勝利の女神は時に残酷な仕打ちをする。8月21日は平日。まさか、引き分けになると予想していた人はいるはずがあるまい 。実際僕の友人がそうだったが、泣く泣く今日、仕事に行った人もかなりの数に登るであろう。 
         
 
     

 


梅田 →(阪神戦)→ 甲子園  
 

 
 


〈西宮〉

 
  ◆甲子園球場(HP)  
 



37年ぶりの決勝引き分け再試合
 

 

 

 今日は月曜で平日だということで、昨日よりややゆっくりして8時前に甲子園入りした。やはり長蛇の列ではあったが、昨日より前のほうに並ぶことができた。
 応援する側も当然昨日以上に熱が入る。昨日は球場でビールを4杯飲んだのだが、今日は持ち込みで朝から飲んでいる。
  
 
 



 

 
   
 スターティングメンバーが発表されて驚いた。なんと、早実はエースの斎藤佑樹を今日もマウンドに送り出したのである。 まさか連投とは…。一方の駒苫は、昨日同様菊地が先発した。
 僕もさすがに、昨日15回を投げ切った斎藤の連投は無いだろうと思っていた。だから2番手の2年生投手・塚田晃平の先発を予想していた。しかし塚田は、1回戦の鶴崎工戦で9回にマウンドに登るも、8球連続ボールですぐに降板させられてい る。それが原因だったのだろうか。結局、決勝戦で彼の登板は無かった。しかし、結果的にこれが早実にとって功を奏したのだと思う。もし、塚田が先発していたら、おそらく早い時点で駒苫打線に 捕まっていたに違いない。 
     
 
 



斎藤佑樹が好投
 

 
 
 1回表、斎藤は三者凡退と上々の立ち上がりだった。昨日の疲れをまったく感じさせない。
 その裏、早実は安打と四球で2死1、3塁とし、船橋のタイムリーで先制。早くも田中を引き出すことに成功する。
 1回終わって1−0と早実がリード。これって、昨日延長16回までやってれば早実が勝ったってこと?
 
 斎藤に対して、田中は明らかに疲れが見えていた。
 早実は2回裏にも2死2塁から川西のタイムリーで追加点を奪う。

 駒苫も6回表に先頭の三谷忠央のソロアーチで1点返すが、早実はその裏にすぐに2死1塁から白川英聖のタイムリー。
 7回にも2死2塁から後藤のタイムリーで、4−1と早実がリードを広げる。
   
 
 



 

 
 
 早実リードのまま9回に入った。この回を抑えれば、早実の夏の初優勝が決まる。しかし、さすがは強豪の駒苫。ただでは終わらない。
 先頭の三木がヒットで出塁すると、続く中澤竜也がツーランホームランを放つ。なんと土壇場で1点差に迫ったのである。
 しかし、斎藤はまったく動じた様子を見せず、続く2人を抑える。そして迎えたバッターはエース田中将大。斎藤はここに来てこの日最速の147キロ を記録した。なんて奴だ、この場面でどこにそんな体力が 残っているのだ。まさに鉄人。最後は田中を三振に切って取り、4−3で早実が夏の甲子園初優勝を成し遂げた。
  
 
 



バッターボックスに田中将大を迎える
 

 
       
 偉大な先輩の王貞治も荒木大輔も成し遂げられなかった偉業である。しかも初優勝。母校の優勝に立ち会える人は毎年いるが、母校の初優勝に立ち会える人は そう滅多にいない。まさに僕は歴史的瞬間を目の当たりにしたのだ。
    
 
 



4−3で早実が勝利

 

 
      
 考えてみたら甲子園には初日の開会式の時に来ている。まさか、そのまま閉会式までいるとはその時は想像できなかった。 甲子園のおかげで日本一周旅行の計画はだいぶ狂ったが、それも嬉しい誤算である。
   
 
 



閉会式


選手退場
 

 

 


甲子園 →(阪神戦)→ 梅田  
 

 
 


〈大阪〉

 
 
 この日は結局、700mlのビール缶を5本空け、さらに試合が始まってからは球場のビールを買って飲んでいた、さらに試合後は当然大阪で祝勝会を軽く済ませ、東京への帰路についた。
   
 

 


大阪 →(東海道本線) → 新大阪 →(のぞみ)→ 東京  
 

 
 


〈東京〉

 
 
 もちろん新幹線の中でも飲んでいた。この夏、僕は一生分のビールを飲んだのではないだろうか。しばらくビールはいいかな。いや、この感動を一生のものにするために、早実の試合は今後観なくてもいいのかもしれない…。
  
 
  早稲田健児〜 兵庫県・大阪府〜 集まり散じて人は変われど〜早稲田〜  
 


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