chapter3

 異常な行為が終わったあと、エオメルは横たわったままぼんやりしていた。
執政家の長子が「ああ・・・良かった・・・」と呟きながら腕を伸ばしてサイドテーブルの上に置いてあった酒ビンをつかむ。
ボロミアはビンの中身を全部飲み干すとエオメルの隣に寝転がり、すぐにすやすやと眠ってしまった。
弟君のほうは、使い終わったディルドゥを布で丁寧に拭き清めている。

 窓からは柔らかな午後の陽射しが差し込んでいた。
エオメルは、ぐったりと力尽きた身体をシーツに沈めながら、(この人たち・・・すごい変)と思っていた。

 箱をもとのクロゼットに仕舞ったファラミアが、寝台に戻ってエオメルの枕元に腰掛けた。
そしてかれの髪を指に絡めると「綺麗な色ですね」といって陽に透かして見るのだった。
もう、そんな優しい声にはだまされないぞ。とエオメルは思った。
全身がかつてないほど脱力して肛門がじんじんと痛む。
「ね、エオメル殿。また後でわたしと楽しもうと約束しましたよね」
そんな約束をした覚えはない。とエオメルは思った。
だが、答える気力もなく、黙っていた。
するとファラミアはかれの髪を軽く引っ張りながら、「この国にあなたがいらっしゃることを知って、今後のローハン訪問が楽しみになりました」と言うのだった。

「今まで、兄上と王子殿下がディルドゥで楽しんでいるのを眺めているだけで、正直退屈していたんです。セオドレドさまは御自分の快楽だけを追求なさるタイプなので、わたしに触れられるのを嫌がりますしね。わたしがちょっと背後に回ったりすると、「おまえなんかに犯られてたまるか」と怒鳴るんですよ。人を強姦魔かなにかのように・・・そのたびにわたしは傷ついていたんです。他国のお世継ぎのことをとやかく言いたくありませんが、あなたの従兄殿は相互利益とか相身互いとかいった言葉をご存じないようですね。時には「おまえは指でもくわえて見てろ!」なんて酷い言葉を仰ることも。だから今回も、楽しいのは兄上だけで、いつもと同じようなことになるのだろうなと諦めていたんです。ところが・・・セオドレドさまはお留守で、代わりにエオメル殿あなたがいてくださった・・・」

 ファラミアはため息をつくと、エオメルの金髪をかきあげるように撫でた。
「容姿・人柄・出自のいずれも優れて、しかもすぐやらせて下さるという、天使のようなあなたが」
好きでやられたんじゃないわい。と思いつつエオメルは無言で宙を見つめていた。
「さっ、こちらにどうぞ、わたしの天使」
ファラミアはエオメルの両脇から手を差し入れてかれを抱き起こした。

 まだ身体が萎えたままのロヒアリムは、「うぁー・・・?」と不明瞭につぶやいて、大人しく相手の膝の上に抱きかかえられた。
「なんと素直で可愛い方なんだ」
甘く囁きながらファラミアはエオメルに口づけ、舌で口内を探ったあと首筋に唇を当てて跡を残した。
エオメルはぐったりとファラミアの肩に顔をもたせかけ、相手に抱きつく格好でその愛撫に身をゆだねている。
胸や背中を撫でられ、何度もキスされるのをさほど嫌な気もせず(まあ気持ちいいかも・・・)とぼんやり思っていると、軽く持ち上げられて腰が浮き気味になった。
と思った瞬間、かれの秘所に固いものがズブと侵入してきた。

「ひッ・・・!」
思わず立ち上がろうとすると肩を押さえつけられて腰が沈み、ファラミアのペニスがかれの肉壁を掻き分けて強引に奥まで納められた。
「あっ・・・いやだ・・・!」
エオメルは逃げようともがいたが、きつく抱きしめられていて動けない。
「な、何ですこれは」
「え?対面座位ですよ。俗に駅弁ともいいますね」
「いや、体位のことじゃなく!」

 なんとか弟君から身体をもぎはなそうと焦るエオメルを、青い瞳で見つめながら「これからはわたしが楽しむ番です。遠慮しませんよ、エオメル殿!」と宣言すると、ファラミアはズンズン腰を突き上げはじめた。
「ヒッ、アッ、はうんッ」
ついさっき乱暴に押し広げられて、じんじん疼く部分を掻きこすられて、エオメルは喘いだ。
「ふふ。やはり最初の時よりは楽に入りましたね。でも、締まりはなかなかのものですよ」
などと言いながらぐりぐりかき回す弟君だった。

「ハッ、あん、あぁー・・・ッ」
「ディルドゥに比べればどうってことないでしょう?」
ファラミアのペニスは例の異物とは違って、芯は固いが血の通う熱いぬくもりがあった。
散々こすられて過敏になった内壁を刺激され、エオメルの秘所が悦びに潤う。
揺すぶられながらかれは抑えきれない嬌声を上げ、相手の指で股間を刺激されると勃起した。
「こちらのほうも、大変喜んでおられるようだ。一段とたくましさを増して・・・」
ファラミアがかれの性器を上下にこすると、「あッ、いいッ、はぁッ、ファラミア殿・・・っ」とエオメルは相手にしがみついてよがるのだった。

 ロヒアリムの身体は明らかにゴンドーリアンを迎え入れて喜悦していた。
腕のなかで乱れる相手の様子に満足を覚えながら、ファラミアは言った。
「このままでも充分楽しいですが。せっかくですから、もっと気持ちよくして差し上げましょう。ただ攻めまくるだけがセックスじゃないってことを教えてあげます」
挿入したまま、ファラミアはゆっくり身体を前のめりに倒して、前傾姿勢になった。
「あ・・・」
はぁはぁしながらエオメルは仰向けに横たえられ、足を大きく広げられた。

 相手の片足を肩にかけ、腰をしっかり抱えなおしたファラミアはやや抜き加減にしたペニスで軽く突きはじめた。
「ま、七浅八深の法というやつですが。こう、七度は浅く突いて」
パンパンパンパンパンと軽くピストンさせて、エオメルに「アッアッアッ」と声を上げさせる。
「で八度目にズバンと」と大きく抜き出したものをグッ!と最奥にねじり込むのだった。
「はあぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ッ!!」
エオメルが甲高い声を上げて激しくのけぞる。

 そのパターンを二度、三度と繰り返すうちに、エオメルのペニスは透明な液に濡れそぼってびくびく震え、ファラミアに弄られている後腔も熱くうねった。
「ああ、ファラミア殿・・・っ、いいっ、来る・・・!あっあっ、駄目っ、いくーーーッ」
と激しく身悶えながらエオメルが射精すると、ファラミアもきつい締めつけに耐えられず、唇を噛み締めて相手の体内に放出した。

「実に素晴らしい、エオメル殿」
ファラミアが耳元で囁く。
「ああ・・・もう、わたしは何がなんだか・・・」
快感に目の前がぐるぐる廻るような気がするエオメルである。
窓のほうを見ると、まだ陽が高い。
この数刻の間に今までの経験を凌駕する性行為を立て続けに味わって、かれは眩暈がした。

 が、弟君はかれを抱きしめたまま離さず、さらに「まだまだです、エオメル殿さあもう一回」などと言い出した。
「ひぇー・・・」
か細い悲鳴を上げ、「わたしはもう駄目です、本当に駄目です、これ以上したら死んじゃいます・・・」と相手を押しとどめようとするも、ファラミアは「何をおっしゃいます、こんな見事な身体をなさっているくせに。さあ」と言いながら再びかれに覆いかぶさるのだった。

 そこに、「起きたぞー!」とボロミアが二人のあいだに割って入った。
「わたしを忘れるな!」
「おや、兄上も復活ですか。ではエオメル殿、本格的に三人で楽しむことにしましょうか」
と弟君がにっこりする。
「いっ、いやです・・・」
力なくもがく身体を再び抱き起こすと、ファラミアは今度は後ろ向きにエオメルを膝の上に座らせた。
椅子に腰掛けるように相手に抱かれたエオメルの秘所に、すぐに弟君の性器が後ろから入って来る。
「あぁ〜」
かれの前にまわったボロミアが、ロヒアリムの足を大きく開かせると、自分の弟のものが深く埋め込まれているのが見えた。

「エオメル殿、こちらのほうもまた元気になっていただいて、わたしを楽しませて欲しいものですな」
ボロミアはエオメルのペニスをぐっと握りながら言った。
「あッ、はぁっ」
ファラミアが腰を動かし始めると、射精したばかりでうなだれていたものが反応して固さを増す。ボロミアはかれの股間に顔を埋めてペニスを咥えた。
「はァ・・・あぁ・・・あん・・・ッ」
弟君に後ろからずんずん突き上げられ、兄上に舐めしゃぶられたエオメルは身体をよじって喘ぐのだった。

 ボロミアは舌を蛇のようにうねらせて時折甘く噛み、さらに先端の穴を舌先でこじ開けるように刺激した。
執政家の調子の絶妙な舌技と、弟君の腰使いにエオメルのペニスが再び張り詰める。
「ああぁ・・・」
「おお、また素晴らしくたくましくそそり勃ちましたな、エオメル殿!このカリ首の立派なこと。しかもお口が閉じきれないほど液があふれて」
と言いながら先端を口ですっぽり覆い、ボロミアはカウパー液をじゅるる、と吸い上げた。

「はぁああぁ〜〜〜んッ!」
激しく身悶えるエオメルを責めたてながら、「兄上、あまり強く吸うとエオメル殿が達してしまいますよ」と弟が忠告する。
「そうだな。イクならわたしの中でお願いしたい」
そう言うなりボロミアはファラミアに揺さぶられているエオメルの腰の上にまたがった。
指で支えながら腰を下ろしていくと、エオメルのペニスがボロミアの肉の中にめりこんでいく。
「おお、すごい・・・やはり、いい・・・」
執政家の長子は、感嘆の声をあげながらロヒアリムと繋がった。

 という訳で。
後ろからファラミアにハメられ、自分のモノはボロミアにハメたエオメルは、ゴンドーリアン二人にサンドイッチ状態にされてしまった。
「アッ、はァんッ、エオメル殿ォッ、いいーっ!」
ボロミアがエオメルの肩につかまりながら、自らの快楽を求めて激しく腰を動かしている。
それに連動してファラミアも下から押し上げ、えぐり上げる。
「ひぃーっ、ああーんっ、いいーっ、だめーっ、いやーっ」
前後からもたらされる刺激に、ロヒアリムは金髪を打ち振って喘ぎ、叫んでいた。
もはや自分でも何を言っているのか良くわからない。

 三人で尻を打ちつけあう卑猥な音が室内に響く中、「あぁーっ・・・死んじゃうー・・・ッ」
「あっあっあっ、い、いいぞ、すごいッ、滅茶苦茶いいですぞッ」
「ああ、エオメル殿、あなたのここは熱くてよくしまって最高です」
と、三者三様にかれらは快楽の声をあげるのだった。
「き、気が変になりそうですッ!あぁッ、もうッどうにかなってしまうそうっ!い、いくっ!」
若いエオメルは刺激に耐えられず、ボロミアの中で果ててしまった。
だが、肛門に媚薬でも仕込んでいるのか、ボロミアの肉ヒダはエオメルの性器を咥えたまま淫らにうねってかれを締め上げ、再びロヒアリムを勃起に導いた。

「おぉッ、素晴らしい回復力!」
ゴンドールの総大将が歓喜の声をあげる。
もっともエオメルのほうは、度を過ぎた行為にリンパ腺が引き攣って痛み、さらに腎臓と横隔膜の辺りもズキズキしはじめ、心臓は異常に脈打っていた。

「ねえ兄上、このままエオメル殿をさらって、ミナス・ティリスに連れて行きましょうか。誰にもわからない場所に閉じ込めて、鎖でつないでかれを飼うんです。そして時々楽しむというのはどうでしょう」
「おお、いいなそれ!グッドアイディアだ、わが弟よ!」
ゴンドーリアンの物騒な提案に、エオメルはさすがに真顔になって抗議した。
「なっ何を言われるのか!?とんでもない、駄目ですそんなこと!それにきっとセオドレド殿下が気づいてお怒りになりますぞ!マークとゴンドールの仲にも影響するでしょう・・・!」
それを聞いた兄弟はげらげら笑い出した。

「もちろん冗談ですよ。信じやすい、素直な方だ」
「身体の反応も実に素直ですしなあ」
と言いつつあいだに挟んだエオメルをゆさゆさ揺する。
エオメルをあんあん言わせながら、ファラミアは「あなたは最初、わたしに抱かれるのを嫌がっておられたが、いざ経験してみるとどうですか?なかなか良いものだということがお分かりでしょう?」とかれに尋ねた。
「はぁッ、よ、よくわかりませんッ」
ファラミアの体にはエオメルとボロミア、二人分の体重がかかっているため、弟君の性器はずっとエオメルの中に根元まで埋め込まれたままで蠢いている。

「ほーら、わたしのものがこんな奥までずっぽり入っていますよ。エオメル殿の肛門もヒクヒク痙攣して喜んでらっしゃいます・・・ジュブジュブ音なんかさせちゃって、いやらしい」
「ああッ、わたしの中に入っているエオメル殿のものも、固く見事に勃ち上がっていて凄いですぞ!わたしのあそこがごりごり擦られて、気持ちいいことこの上なしッ!」
ボロミアはエオメルの上で開脚し、激しく自慰を行いつつ、つながった部分をぶんぶん回転させている。
エオメルは自分を抱きしめるファラミアの腕をつかんですがりながら、兄弟の動きに揺さぶられ、快楽に翻弄されていた。

「もう、あなたの中はぐちゃぐちゃに濡れて凄いですよ。肉がうねうねと誘っています」
かれの耳元でファラミアが淫猥に囁く。
「こんなのもお好きでしょう?」と言われて乳首をつままれ、こすり合わされる。
「アッ、あンッ!」
「どこが一番いいですか?やはり、ここかな」
とつぶやくなり、ズン!と突き上げる。
「ヒぁぁッ」
「わたしのペニスをくわえて、掻きまわされてるとこですか、一番いいのは?」
「あッ、ああ、うぁあッ」
「ほら、どこがいいのか答えなさい、エオメル殿」
「やッ、わからないッ」

「わからないってことはないでしょう。尻ですよ、尻。ケツ○ンコ。栄誉あるローハンの軍団長殿は、ケツ○ンコに突っ込まれて、イキまくってる最中です。違いますか?」
などと言いながら、弟君は猛烈に押し上げた。
「ひーッ、あっあぁんッ、そ、そのとおりですうッ!」
金髪を振り乱してエオメルが答える。
「じゃ、あんなに嫌がってたわりに、やってみたら感じちゃって大変なんですね、エオメル殿?」
「あッ、んッ、し、知らないッ」
「何です、またそんな風にとぼけて。もっと素直におねだりしないと駄目です。そしたら更に激しく犯してあげますから」
「やっ、これ以上されたら死んでしまうッ!」
「嘘おっしゃい、されたいくせに」
ファラミアがいっそう激しく上下に揺らす。エオメルは悲鳴を上げて大きくのけぞった。

「ねえ兄上」
「んッ、ああ?」
ガンガン腰を使ってロヒアリムをむさぼりながら、ボロミアは欲情に濡れた瞳で弟を見た。
「兄上が一番感じる場所はどこですか?」
弟に尋ねられた執政家の跡継ぎは「尻だッ!」と即答した。
「エオメル殿のバズーカでケツ○ンコを掘られて、わたしは最っ高に感じちゃってますぞぉーッ」
などと、ボロミアを信奉するゴンドールの民たちが聞いたら、その場で爆死してしまいそうなことを絶叫する兄上であった。

「だそうです。エオメル殿も同じでしょう?兄上くらい素直にならなくちゃ。ほらほら」
ここを先途と、ファラミアは凄まじい勢いで揺すりあげる。
「ひあぁーッあっあっあーッ」
「気持ちいいですか、エオメル殿」
「い、いいッ、あぁん、感じるぅーッ、ひぃーッ」
「で、どこで感じるんです」
としつこく聞かれ、ついに羞恥心を投げ打ってエオメルは叫んだ。
「あぁーっ!ケ、ケツ○ンコですッ!あなたにケツ○ンコを犯されて、感じてますうーーーーッ」
かれの答えに、「よくできました」とファラミアがにっこり笑う。
「ファラミア殿のエッチ〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
顔を真紅に染めてエオメルはわめいた。

「じゃ、ご褒美を上げますよ」とファラミアは言い、エオメルの腰をしっかり抱えると唇をかみ締めて、パワフルに突きあげるのだった。
「はぁッ、いいッ、すごくイイッッファラミア殿ォッ」とエオメルが涙を流して叫び声を上げ、ボロミアも「あッ、来る!ビッグウェーブが来るぅッ!!ハァッ、すごいッ、いくいくいくうーーーーッ!」と大声を出した。
寝台が壊れそうな勢いでぎしぎしと音を立てる。

 三人は互いをむさぼり尽くそうと、上下左右に身体を揺すりあった。
あまりの快感にエオメルの頭は空白となり、理性が溶け去って、身体は悦楽を感じるだけの容器と化した。
気が狂いそうな感興のなかに叩き込まれたかれは、美貌の兄弟二人にはさまれて絶叫した。
「あっあっあっーーーーーーッ、いいーっ、気持ちいいッ、あぁんもっとぉぉーーっ!もっとめちゃくちゃにしちゃってぇーーーーーーッ!」
床が抜けるかと思うほど軋み、狂乱状態のかれらに、やがて悦楽の最大値が訪れた。

「ぁはあ・・・ッ、エオメル殿・・・!」とうめき声を発してファラミアがかれの中で達すると、エオメルも「ひぃッ・・・」と身体を震わせてボロミアの内部に放った。
「はぁッ、いく・・・!」とボロミアは喘ぎ、執政家の長子からほとばしる白濁は、エオメルの腹に飛び散って、かれの引き締まった皮膚を濡らすのだった。

−−と、そこへ突然扉が開いて、部屋の主が帰ってきた。
長身容姿端麗なローハンの王子セオドレドである。
王子は自分のベッドの上で、ゴンドーリアン二人と従弟が全裸でつながっている様子を見て、「何これ」という顔をした。
そして次の瞬間、王子は眼前の光景の意味を理解した。
セオドレドの口から「ぎぇぇーーーーーーーっ!?」と怪鳥のごとき叫び声が放たれる。

 ファラミアが疲労に憂いた白い顔で、声の主を見て挨拶した。
「ああ・・・お帰りですかセオドレドさま。おひさしぶりです。お邪魔していますよ」
「お。セオドレドではないか。混ざるぅ?」とボロミアが明るい声を王子にかける。
「なっ、何をしているんだおまえたちっ」
セオドレドは愕然としながら寝台に駆け寄り、「エオメルに何を・・・!?」と叫んだ。
「大変美味しくいただきました」とファラミアが答える。

 幼いときから大切に育ててきた、純情素朴な王子の従弟は、兄弟にはさまれてぐったりしており、体を精液まみれにして白目をむいていた。
何というか、もはや、完膚なきまでに手遅れな状態である。

 セオドレドは顔を引きつらせて、兄弟を強引に押しのけようとした。
「畜生、離れろ!」
エオメルの上に乗っかったままのボロミアを、思いきりブーツで蹴飛ばすと、執政家の長子は寝台の向こうに落っこちて「イターイ」といった。
「何をなさるんです、乱暴な」とファラミアが抗議する。

 その弟君のペニスが従弟の肛門に埋まったままなのを、王子は目を見開いて凝視した。
セオドレドがエオメルをファラミアの膝の上から引きずり起こすと、弟君のものが引き抜かれた従弟の体内からは、精液と血がだらだら流れ落ちた。
それを見た王子の顔が蒼白になる。
「こっこの変態兄弟、わたしの従弟になんてことを・・・」

「何をお怒りになってるんです?エオメル殿だって楽しんでましたよ」
しれっと告げるファラミアの青い瞳をにらみすえて、セオドレドは怒りの口調で言った。
「元凶はおまえだな、ファラミア。おまえが画策してこんな真似を」
「なんです、そんな怖いお顔をなさらなくても。王子殿下だって、今までわたしの兄上と散々楽しんできたじゃないですか」
「そうだぞセオドレド。今回だって、わたしはきみの誕生日を祝おうとやって来たのだぞ。きみに自分をプレゼントして、二人で楽しんじゃえ☆と思ってわざわざローハンまで出向いたのだからな」
ボロミアが立ち上がって王子に言う。
「そんなもん、おまえが楽しいだけだろッ!」とセオドレドが怒鳴った。

「きみが最近ちっともゴンドールに来てくれないから、会いたかったんだぞー?」
従弟を抱きかかえた王子は、二人をにらみながら「わたしはもう、自らを戒めることにして、おまえたちとの不適切な関係は断とうと決めていたんだ!」と言った。
「知りませんよそんなこと」とファラミアが物憂げに答える。
弟君は金髪を指でかき上げながら、「たまたまあなたがご不在で、わたしたちは困っていたんです。するとエオメル殿が、わたしがセオドレドさまのかわりになりましょうとご自分で仰られたのですよ。せっかくの申し出を断るのも失礼だと思いまして、まあこういうことに」

 セオドレドは目を据わらせながらファラミアを見ていたが、やがて低い声で言った。
「ファラミア・・・この借りはいずれ返すからな。今に見てろ、おまえを死ぬほど泣き喚かせてやるから」
王子の言葉を聞いた弟君は白い顔に優雅な笑みを浮かべるのだった。
「それはそれは。大変楽しみにしておりますよ王子殿下。−−ですが」
青い瞳を鋭く細め、刃物のごとき視線でファラミアは王子を見かえすと「返り討ちにしてさしあげます」と言った。

(・・・イヤっ。怖い・・・!)
セオドレドは内心震えあがった。
「もう、おまえたちなんか大嫌いだ。はやく帰れ。今すぐ帰れ!」と王子はわめいた。
「なんだセオドレド、わたしたちはまだ食事も出してもらってないぞ。きみはいつからそんな礼儀知らずになったんだ」
ボロミアが不満の声を上げる。だが、ファラミアは手を上げてそれを制した。
「いいですよ、セオドレドさまのおっしゃるとおりにしましょう。もともとわたしたちが急に押しかけてきたんですし。それにもう、充分すぎるくらいご馳走になりましたから」
といって意味ありげにセオドレドに抱かれたエオメルの身体を眺める。
その嫌味な視線に、王子は眉を吊り上げた。
そして「さっさと帰らないと、殺すからな!」と言い捨てると、従弟を抱きかかえて部屋を出て行った。

 セオドレドは空いている客間に入り、ぐったりしたままの従弟をソファに横たえた。
マントを着せかけて「くそ・・・あいつらに酷い目にあわされたんだな、エオメル」といいながら顔を撫でさすった。
やがて、ぼうっとしたままだったエオメルの瞳の焦点が合って、従兄の顔を認めたようだった。
「殿下・・・」
「エオメル、大丈夫か」
セオドレドが相手の顔を間近に見つめると、年下の従弟は王子の首に腕を絡ませて抱きついてきた。
王子は相手の身体を抱き返した。すると従弟は。

「あぁ〜セオドレド・・・ねえ、あなたのぶっといので今すぐわたしのケツ○ンコをぐっちょぐちょにしちゃってくださぁーい」
などと聞いたこともない淫らな声で言いだすのであった。
「うわぁあああぁぁ」
ローハンの世継ぎの上げる絶望の声が黄金館に響き渡る。

 ゴンドールの兄弟はだるい身体で身支度を整えると、帰る用意をしはじめた。
「なんだ、セオドレドのやつ、一緒に楽しめばいいのにつまらない」
ぶうぶう言う兄の背中を撫でながら、弟君は「まあ、すぐまた来ればいいですよ。きっとエオメル殿も歓迎してくださるでしょうし」といいながら微笑んでいた。

「ねー、早くー、早くってばぁ殿下〜〜〜〜〜〜」
とすっかり壊れちゃった従弟を、よしよし可哀想にと抱きしめながら、ああ・・・今はなきエオムンド殿とセオドウィン叔母上になんと言い訳すれば、と涙があふれて止まらないセオドレドであった・・・。

20050207up



またすぐ来るんですってYO!
セオドレドとファラミアが仲良くする方向で続編など書きたいと思います。
両方攻なので2人でやったりはしませんが。 ・・・と、この時は思ってましたしかし人の心というものは(笑)。
是非続編も読んでやって下さいまし。



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