【珍スポ観光 File028】
S城美術館(静岡県)
(その4)
入るとまず1階は古美術関係の展示でした。
しかし、各所に抑えきれないミラクルパワーがにじみ出てきているようで、後ろには早くも隕石パワーの看板が……。
K氏が隕石を身につけているときと、身につけていないときの脳波を比較したグラフを発見!もちろん身につけているときのほうが活発なようです。
看板に名前のあったお吉千体観音。なかなか壮観ですけど、観音像の出来としては若干の疑問を感じないではありません。
ちなみに、このお吉観音、写真を撮ると下腹部に男性の顔が浮かび上がるそうです。この写真では全然わかりませんが、写真の撮り方が悪かったんだと思われます。たぶんですが……。
2階から4階は、お吉資料コーナーというか、ジオラマコーナーでした。
みなさんご存知と思いますが、念のため説明しておくと、お吉とは江戸時代末期、アメリカ総領事ハリスの世話係として奉公に上がった女性です。しかしハリス帰国後、周囲に淫売扱いされるなどして、自らの命を絶ってしまった悲劇のヒロインです。
無意味にセクシーなシーンもありました。手ぬぐいの位置がヒジョーに作為的ですね。
最上階は展望台になっており、山の上にあるため、なかなか眺めは良好です。でもよく見ると柵が危険なことに!
隕石(?)の置かれた庭。なにやら意味ありげな三角のしるしもありますね。
さて、順路に従っていったん1階まで降り、今度は地下へ。こちらは隕石ワールド全開でした!
大隕石が祀られた祭壇。ミラクルパワーで色々な願い事が叶うようです。
なぜか曲がったスプーンも。館長のK氏はユリ・ゲラー氏と会見したこともあるそうで、超能力は宇宙的なパワーによるもの、という解釈でしょうか。
隕石パワーの体験場だそうです。なんで袋がたくさんあるのかと思ったら、それぞれに隕石が入っており、団体客にも対応できるようになっているのだとか。
ちなみに案内板には「生命力を活性化する磁力を発しておりますので手を3センチほど離していると暖い気が感じられます」
「この隕石を手でさすり願い事をすれば……あなたの思いはきっと叶えられるでしょう」と書かれていました。
帰ってから調べたところによると、この城、もともとは観光用として1965年(昭和40年)に建てられたもので、それから何人かの所有者のもとを経て、1995年(平成7年)K氏が買い取ったそうです。
K氏は、子供の頃から天文学に興味を持ち、天体の観測などを行っていましたが、長じてロケットや人工衛星に関心を向けるようになり、個人的にロケットの設計なども行うようになりました。そして1957年(昭和32年)には、打ち上げられたかどうかは置いておくとして、全長25mという日本最大のロケットを設計・建造しています。
しかし1980年ごろから、氏の関心は隕石とUFOに移っていきます。UFOの存在を信じる人たちが集まり、輪になって踊りながら宇宙と交信しUFOを呼ぶという「宇宙踊り」が、テレビで紹介されていたのもこの頃だったかもしれません。
この「宇宙踊り」、現在でもこのS城前に設置された隕石(?)を囲んで行われている模様です。
2000年(平成12年)には東京の新宿四谷に「U宙村」という、事務所兼骨董&隕石販売のお店も開いており、最近はK氏もそちらにいることが多いようです。
※たいへん残念なことにこの「下田城美術館」、建物が老朽化して危険なため2008年11月より休館中で、今のところ再開の予定はたっていないとのことです。多くの施設がこのようにして廃館となっているので、ぜひ「下田城美術館」は頑張って復活して欲しいものです。(2011年10月追記)
静岡県下田市中828
END
(2006.12)
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