【珍スポ観光 File011】
ニコニコ共和国(福島県)
(その4)
それから14年後(!)の2004年、近くまで来たので、その後この共和国がどうなっているのか様子を見ようと、久しぶりに訪れてみることにしました。
あいかわらずのフリーパスで首都(と称する温泉街の中心部分)へ近づいていくと、まず「ニコニコ有料駐車場」という看板が目に飛び込んできました。もちろんこれだけで判断はできませんが、どうやらまだ「ニコニコ共和国」は健在のようです。
無事、国会議事堂が残っていました!
あれっ!? 白亜の建物だったはずなのに、自然素材っぽくなってますね。昔の写真と見比べてみると、どうやら前部にあった円柱などのハリボテ的な部分が撤去されてしまったみたいです。
最初のときに説明を端折りましたが、この国会議事堂、時計が二つ付いてます。一つは日本の時刻、そしてもう一つはご覧の通りニコニコ共和国の時刻を表示しているんですね(決してDPEやクリーニングの仕上がり時間を示している訳ではないのです)。
ちなみに日本との時差はちょうど1時間という話でしたが、この時計で見ると1時間5分ぐらいある感じ……。
見覚えのある看板を発見。塗装の様子を見ると、私が前回見たときから塗り直してますよ。議員定食やニコニコラーメンを食べるべきなのでしょうが、いかんせん腹がすいておらずパスしてしまいました(……無理してでも食べておけばよかったとちょっと後悔してます)。
前回写真を撮り損ねていた「国立豆富蛋白研究所」。もちろん豆腐屋です。
こちらの地方にありがちなインディーズ・コンビニっぽい外観は「おみやげ&工芸ギャラリー」。看板をよく見ると……
「ニコニコラジウム卵」って、なんか大丈夫なんですか!?
(フツーの温泉卵とどこが違うのかわからなかったんですけど……)
「ニコニコ共和国は小さな独立国 安達太良山に抱かれた笑顔あふれる心のユートピア。1982年4月28日。初代大統領シローキムラが独立宣言をしました。高原温泉独立国の誕生です。国旗は3色。緑はさわやかな風 青はほんとうの空、赤は燃える情熱。通貨単位はコスモ。宇宙や秩序の意味があります。えっ、なぜ独立をしたのかって? みんながニコニコと目立ちたかったからかな!」(一部読めない部分は想像で復元)
……前に来たときはこんな看板なかったような気がします。この木像はシローキムラ初代大統領ですかね?
「アルコール管理局」は飲み屋のようです。その名称は酒屋が名乗ったほうがふさわしいと思うのですが……。
「夕顔横丁サービス局」。ママが「めんどくさいから適当でいいでしょ。ここ夕顔横丁だから夕顔横丁サービス局でどう? うん、それでいいんじゃない」……といった感じで名付けられた経緯が想像されますね。
あれっ!? 「国立演舞場」はこんなことに……。前回寄っておけばよかったなあ〜。
つづいて前回同様、バードランドへ向かうことにしました。途中「国会議事堂」の案内標識を発見。どうせならもっと本格的な標識にすれば面白いのに……。
あれ、確かこのあたりだったはずだけど……
って影も形もねえ〜っ!
……ということで、本当は一泊してアルコール管理局や夕顔横丁サービス局にでも寄っていきたいところでしたが、翌日用事があったためおとなしく帰ることにします。
帰る前に何かおみやげを買おうと、国会議事堂の近くのお店に寄ったところ、カステラの中にあんこが入って表に「ニコニコ」の焼き文字が入っている「ニコニコ焼」というお菓子のサンプルを発見。ちょっと古ぼけた感じのサンプルだったので若干の不安をおぼえながら購入しようとしたら、やっぱりもう作っていなかった、というエピソードが最後にあって、今回の旅は終了したのでした。
※1982年4月28日に開国したこの「ニコニコ共和国」ですが、2006年8月31日の「ニコニコ共和国最後の晩餐」をもって日本国へ統合、姿を消してしまったそうです。
福島県二本松市岳温泉
END
(1990.5/2004.10)
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