|
◎目次
●何で分からないの
●理解できない程度
●相手次第で変わる
●分からせる必要
●分かり易くする
関連
38 写真やビデオを加えて
41 表やグラフの効果
■何で分からないの
我が家では子どもに教えるのが私の仕事だ。自転車の乗り方、テントの設営、簡易無線機の操作、パソコンの利用に加えて受験勉強まで関わってきた。
道楽を行なわせたり説明するのは苦ではない。理解者を増やす機会である。楽しいばかりに細かいことまで立ち入って、かえって嫌いにさせるマイナス面もでた。
でも、元々好きでない勉強は気乗りがしない。「こんな簡単なことが何で分からないのか」と教えているうちに虚しくなった。おかげで二人とも浪人した。予備校に通わせたが、つまずくと説明を求められて仕事が増える始末だ。
目次に戻る
■理解できない程度
理解できないパターンは三つある。分からないという人のレベルを見極める必要がある。これは相手が子どもや大人でも同じだ。
第一は知識が欠けること。つまり、勉強不足である。基本的なことが分かっていないから何もかもが戸惑う。
第二は説明に納得できないこと。もっともらしいが変な感じがして信じられない状態である。ある程度勉強しての戸惑いだ。
第三は思い込みが邪魔して受け付けないことだ。すでに身に付けた知識や経験が障害になる。分かっているが受け入れる気にならない状態だ。
目次に戻る
■相手次第で変わる
学ぶということは、「関心」と「信頼」の二面がつきまとう。
興味や関心が欠けるものは必要性を感じても受け入れられないときがある。教え方の上手下手と無関係だ。面白くて楽しい授業が身に付かなかったのはここにある。私の場合は技術、美術、音楽がこういう傾向にあった。
もう一つは、必要性や関心があっても教師に対する信頼で生じる。あの先生なら分かるが、この先生のはちょっとというやつだ。私の場合は理科、数学、英語が先生によって成績が上下した。
目次に戻る
■分からせる必要
同じことを質問されるのはウットウシイ。教えたことを覚えているからマドロッコシイ。あまりにも続くと腹が立って、「何回目だぞ」と言ってしまうのも恥ずかしい。
理解力には個人差がある。のみこみの良い悪いは確かにある。でも、早覚えの早忘れもいる。分かったと思い込んでいる場合も多い。本当に理解させるためには我慢とチェックが欠かせない。
同じことを蒸し返されるのを避けるためにも、基本的なことは徹底的に分からせるしかない。うろ覚えで留まらないようにことあるごとにチェックする必要がある。
目次に戻る
■分かり易くする
★分からせるためには、内容を噛み砕いたり、言い替えることでなじみにくいさを解消することである。
★話の始めに天気とか時事の話題をもってきて緊張感をほぐし、耳を傾ける雰囲気を作って本論に入るようなものだ。
★ゆっくりした口調で、相手に伝わる声量か確かめて徐々に説明する必要がある。ときには、質問を加えて聞き手の反応も確かめる。早口の説明は聞き手を混乱させ、疎外感を生み出す。
★内容は聞き手のレベルで対応する。程度をおとせば良いわけではない。言い替えは避けて、正攻法で説明すべきときもある。大切なものは何度も繰り返すべきである。
★話す順序と内容の重要性をいかに組み立てるかをあらかじめ決めておくにかぎる。聞き手の反応を確かめて調整すれば良いだろう。
目次に戻る
|
|
|