お湯に色がついているのは
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温泉に入るときの違和感は「色」と「におい」ではないか。それは料理の好き嫌いに似ている。味の美味しいまずいに至る前に「見える」ものと「鼻につく」ものが支障になりやすい。刺身の赤身や納豆の臭いがなじめないで食わず嫌いになるようなものだ。慣れてしまえば奇異に感じないがそれがひとつのハードルになる。
銭湯から始まったせいかお湯は透明なもので底のタイルによって色が変わり、薬湯は入浴剤で着色されたものと思い込んでいた。温泉に出向くと乳白色とか茶色の湯があって何度も腰がひけた。わざわざ濁った湯にはいることもあるまいとためらうこともしばしばあった。
温泉の発生メカニズムを考えると、地下の熱源であるマグマに温められた地下水やガスが地上に吹き出すには「溜め池」と「導出通路」の二つが介在する。つまり、地下水やガスが「地層」や「岩盤」と接するから鉱石の成分の違いによって色がつくのである。中にはラジウムのように放射性物質もある。温泉特有の異臭、たとえば腐った玉子ような硫黄臭には相変わらずなじめないがこれも同じような原因だろう。
ちなみに、「ツムラ温泉科学プロジェクト」 http://www.onsenkagaku.com/trivia/trivia06.html には次のような説明がされている。「たとえば、赤色の多くは、その温泉が含有する鉄質(赤鉄鉱・鉄明礬(ばん)など)によるものです。アンチモンが含まれると、オレンジ色になったりもします。緑っぽいものは、熱水環境に適した藻類の場合もあります。」
それにしても温泉にはいろいろな色がある。八ヶ岳周辺は茶色の湯が多いし、東京や横浜には黒湯もある。また、ブドウやエメラルドの色だってあるようだ。色から選ぶ温泉データベースのホームページもある。それも源泉に含まれる鉱物のちがいだろう。
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