入浴あれこれ
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温泉の三養
へそ曲がりだからたまに家族に素朴な質問を問いかける。
「何のために入浴するのだろう」と言えば、
「健康に決っているじゃない。身体を清潔に保って病気の予防をするのよ」と説教混じりの答えだ。
「それならシャワーで充分だろう」と問い詰めれば風呂嫌いは不潔だと決めつける。
健康のために入浴するなら冷水浴で足りる。また、長風呂は湯冷めや湯あたりの元ではないか。そして、むかし流行ったヘルスセンター、今ならスーパー銭湯や日帰り温泉へなぜ出向くのだろう。
ところで、5ー3に掲載した『温泉学入門』によれば「温泉の三養」というのがあるそうだ。
●疲労を回復さる「休養」、
●病気を予防して健康を維持する「保養」、
●病気を治療する「療養」である。
これは温泉が心身に及ぼす効果に応じた利用法の区分だろう。先にあげた家族の答えは第2の保養をさすのだろう。風呂嫌いにいわせれば第1の休養だって入浴は疲れる元だ。そして、頭は悪いが健康だけはしっかりしている我が家には第3の療養は無縁である。
これも参考資料に掲載した『お風呂の歴史』によれば古代ギリシャでは冷水浴が主で、温水浴は病気の治療に限られていたという。健康な者は水を浴びるのであって湯の中に入るのは病人だけだという。外国のことを持ち出すのは気がひけるが、最近の温泉めぐりは休養と保養を名目にした気分転換ではないか。ま、これも広く解釈をすれば健康には心と身体の調和で成り立つから保養なのかもしれない。
入浴が温水に身体をひたすという行為だと決めつけるのは我が家の家族だけでないようだ。日本でも沐浴(もくよく)とか潅水浴(かんすいよく)が行なわれてきたことを知らないだけだろう。そういうことを意識せず温泉に入浴に出向くのも日本人は温泉の入浴が当然という思い込みが浸透しているからだろうか。
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