*2009年9月のワタクシ。*
両国の江戸東京博物館で『写楽 幻の肉筆画』展行って来た。
写楽と言えば当然、天才浮世絵師なんだが、今回の企画はなんと、ギリシャに渡った日本画の展覧会。
確か明治維新後、浮世絵の価値が認められていなかったため、殆ど無駄紙扱いで、茶碗の包装紙にされて海外流出したって話もありますが(汗)。
ああ、なんちゅう罰当たり。
正直、前半は似たような狩野派の屏風絵やら、色の褪せた浮世絵美人画やらが続いて、ちょっと眠くなっちゃったんだけど。
いや美人画もいいんですよ、ちょっと見るとか、ついでに見るとか、フスマに貼ってあるとかね(笑)。ただ数が多すぎて、それに(文化的価値はともかく)極彩色のいわゆる浮世絵ではなくて、多色刷り以前の単色とか2色刷りとか地味なのが多くて。しかも色褪せてるしさ。
後半、色も鮮やかな錦絵の写楽や北斎が登場して、一気に目が覚める。
やはりこの迫力、この洗練ぶりは、ただ事ではない。
表題の写楽の肉筆画、小さい扇子に描かれた物なんだけど、会場を出てエレベーターに貼ってあるポスターを見て、改めて感動。大幅拡大に耐える、迫力と繊細さ。全然ボンヤリ感が無い!さすが。
美人画と共に役者絵もやたら並んでて眠くなってたんだけど、それでも写楽の役者絵は…キャラクターが伝わって来そうで。もう全然、別次元。
あんな変な顔なのに(笑)まぎれもなく『ひと』なのですよ。すごい。
後の方で北斎の『百物語』が5枚揃ってて、ラッキー!
どこかユーモラスでありながら、背筋が本当に寒くなる怖さ。そして、何ともモダンなシュールなセンスに惚れ惚れ。
…でも、夢に出て来そうだ……ブルルッ。
何故ギリシャ?と思ったら、ギリシャの大使さんが、パリとウィーンで買い集めてギリシャに持ち帰ったんだそうで。
大使さん、グッジョブ。
きっと包装紙やら二束三文で海外に流出して、そうでなくても日本国内でも粗末に扱われて、消えて行った浮世絵は数知ずあるんだろうな。
以前何かで、西洋やらでは美術はずっと王侯貴族の特権的愉しみだったけど、江戸時代の日本では一般庶民が普通に絵画を愉しんでいた。その文化水準の高さは凄い、という話を聞いた気がする。
それはそうなんだけど善し悪しで、だからザラにあるもの、として扱われてしまったのね。
それでも、やっぱり突出した物は残っている、と思いたい。
写楽や北斎のような。
ドキドキ感が全然違うもの。
9/20(水)
仕事終了。
オリジナルで絵も描くマンガの仕事は久しぶり(涙)だったので、ちょっと心配だったんだけど。
身体を壊す事も無く、取りあえず無事仕上りました。
今回のテーマは『節約主婦』と言う事で、何年か前にも一度同じテーマで『節約バカ一代』ってのを描いたんだけど、あの時とは世の中が全然変わってしまっていて、私自身の生活も困窮の一途を辿っているので、“貧困”“節約”という単語に対する自分の意識が全く変わっている事を再認識した。
主婦の節約術とか、実は大嫌いだったんだけど…いえ、雑誌やTVで笑いながら見るぶんにはいいけど、自分でやるのはイヤだなと。
今もイヤだけど、無い袖は振れず。ついつい安い方、安い方へと行く自分がいる。
それで今回は、「どこまで?」というのが主要テーマ、かも。それと言うのも、巷に流布する『節約法』なるモノの中に、殆ど犯罪というタイプのモノが少なくないから。
犯罪性は無くとも、生きるセンスが崩壊してるような例も多いし。
今回、図書館で何冊もその方面の本を借りて読んでみて、殆どそのまま使わせていただいたケースが何件かあるんだけど、最高(低)と思ったのが、
「夫のパンツのウエストゴム部分を切ってヘアバンドにする」
というもの。すごいでしょ?
他にも色々傑作な例が載っていて、けっこう楽しく描く事ができたんだけど、出来栄えは…うーん。
やっぱりちょっと、絵が硬くなってるかな?と、印刷上がりを見て思ってしまった。
少しおとなしめの綺麗な線を目指してるせいもあるけど、それより普段から描き込んでないのが良くないんだと、反省。
反省はしたけど、相変わらずサボッてばかりなんだけど。
同じ本に載った、同じく節約がテーマの他の人の作品が、かなり面白くて、ちょっと敗北感…。
うーん。頑張らなくては。
世間様はシルバーウィークという事で、母と鎌倉へ行く。
お目当ては、去年も見た記憶がある(一昨年だったかも?)、白い彼岸花を見る事。
私の記憶では、鶴岡八幡宮の裏手に白い彼岸花の群生が…と、思ったのに、八幡宮裏に彼岸花は見事に群生してるけど、色は真っ赤。
白いのドコで見たんだっけ〜?と話しながら、すぐ近所の"萩寺"こと宝戒寺へ行ってみると、ここだ!
白い彼岸花、ちょっとピークは過ぎた感があったけど、まだまだ綺麗に咲いてる。
彼岸花と言えば、圧倒的に赤のイメージだけど、白いものなかなか雰囲気あるでしょ?
このお寺には、赤いのもあり、数は少ないけど黄色い彼岸花も咲いてる。
でも黄色のは、花も大降りで、ちょっと違う花みたい。(写真撮り損ねた…)
彼岸花というのは独特の形だけれど、百合に近い種だそうで、そう言われてみると丸い花は百合に似た複数の花が集まっているのだと気付く。黄色が一番百合っぽかったな。
宝戒寺の別名は『萩寺』。
まだ早いかなと思ったけど、こちらも見頃を迎えて、それこそ庭中が萩の木。
源氏の霊の供養のために建てられた寺なんだそうで、源氏の白旗にちなんだ白い萩と白い彼岸花が植えられたとか。
言い伝えの真偽はともかく、白い花というのは一種独特の美しさがあって、それがまとまって咲き誇る様は、ちょっと異世界的。
これまた白い、でも枯れて赤く色付く芙蓉の花も美しかったです。
鎌倉で彼岸花を見た翌日は、姉もやって来て父の墓参り。
実家から徒歩20分程の父のお墓のあるお寺は、いつ行っても何かしら花が咲いてる素敵は庭があって、咲いてました、彼岸花。
真っ赤なのがいっぱいと、白もチラホラ数本。
なーんだ、わざわざ鎌倉まで行かなくても…(笑)。
9/23(水)
お台場の潮風公園でバーベキュー。
先月ガンダム見物に行ったばかりなので、迷う事もなく行けて良かった。
和裁の繋がりで知り合ったP氏は、なんだかとても顔が広いようで、この日も40数人集まった。
当然一つのグリルでバーベキューが囲めるはずもなく、5〜6チームに分かれてしまったが、あちこち行ったり来たりして知らない人と話すのは面白い。
何人か知り合いもいて、心強いし。
一昨年だかにも同じ企画で集まったが、その時は寒くてビールが残ってしまった。
今日はそこそこいい気候。ビールも美味しい。
犬を連れて来てる人、子連れの人もいて、ニギヤカだった。
二次会も、殆ど脱落者ナシ!の大盛況。
私は途中でおネムになてしまい(笑)一足先に帰らせてもらった。
このところ、朝走っているので夜が早いのよ。
長野剛さんの個展に行った。
東大のすぐ近くのGallery ART SPACE で、3回に分けての展示会。
3回の内容はジャンル別になっていて、
9/20-26 オリジナル作品特集
10/18-24 スターウォーズ特集
11/22-28 三國志・戦国武将特集
と、いう事で、今回はオリジナルの美人画特集。
長野さんの描く人物は、老若男女揃って美形揃い。
『信長の野望』は特に有名だけど、信長に限らず、キッチリした彫りの深い顔立ちに、ちょっと憂いを含んだ表情は、一度見たら忘れられない。奇をてらった作風ではないだけに、その吸引力は凄いものがあると思う。
オリジナルの作品群では、ギリシャ風の衣装を身にまとった美女達が独り、幻想的な背景の前でポーズを取っている物が多かった。
なんともはや、美しいこと。タメ息出ます。
画力の確かさ、色使いの美しさ、人物の美形度はもちろんの事、全体に流れる品の良さが素敵。
今回は、残念ながら『スターウォーズ』はどうしても時間が取れず、11月にもう一度『三國志・戦国武将』を見に行った。
そちらも大迫力で、本当に目の保養、目の正月。
Mさんにお願いして、念願の熱海へダイビングに。
初対面のY氏と三人。天気薄曇り、水温は23℃と快適。
1本目・ソーダイ根。
久しぶりの熱海なのに、水はイマイチ。
でも、今回の主目的は、三浦で水没しかけたハウジングが無事かどうか確かめる」事。
1本目は写真をあきらめ、空のハウジングを持って深い所へ行ってみる予定だったので、まあ、いいか。
群れはいっぱい。上級者二人と一緒なんおで安心してのんびり潜れる。
28mあたりまで行ったが、ハウジングは水も入らず曇る事もなくて、大丈夫みたい。
ハウジングは無事なようなので、2本目はカメラを入れて、沈潜〜ビタガ根。
水がやっぱりイマイチだったので、写真の数は少ない。出来た画面は緑色。
それでも、可愛いカサゴが行きも帰りも同じサンゴにとまってたり、サクラダイ、キンギョハナダイ、ネンブツダイの群れいっぱい。ミツボシクロスズメダイやカゴカキダイも。
気候はいいし、魚はいっぱいだったので、取りあえず満足としよう。
片付けて、近くのイタリアンレストランへ。
テラスを開け放ったオープンスペース席で、ゆったり昼食。
パスタも大盛りで美味しくて、豪勢なデザートプレートを追加して三人でシェアして食べた。
厨房には大きなピザの釜があり、ピザも美味しそうだったな。
いいお店だったのに名前を忘れてしまった。
海が見えそうで見えない微妙なロケーションだったんだけど……。
残念。