トヨタ中間決算有価証券報告書の熟読経営者の背中
インフレは収まらない
「2022年上期のIPO銘柄」音声データ成長株投資家の指摘
株券コレクション書店の株本コーナー資力眼力握力

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ショートコラム(2022年11月)

■資力眼力握力(2022年11月30日)

サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』を読了しました。個人的にいちばん刺さったのは「おわりに」に記されていた次の文言です。

投資をするうえでは、資力(お金)や眼力(銘柄選定・分析)、握力(相場に左右されないメンタル)が必要です。

資力は人それぞれですし、眼力は、日々さまざまな決算を見ることで鍛えるしかありません。でも、10倍株にいちばん必要なのは「握力」です。

かくいう私も、自分自身の握力不足を十分に認識しているつもりです。何せ、臆病な性格ですから・・・。これをどうやって高めるかに頭を悩ませています。

「気合と根性で」という精神論ではたぶん無理でしょう。何らの仕組みを確立する必要がありそうです。


■書店の株本コーナー(2022年11月29日)

昨日、ショッピングモール内にある、地元の大きな書店まで出向きました。『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』の内容を手に取って確認するためです。

個人投資家の著書では、万人受けを狙った編集者の手が必要以上に入り込み、本人の投資の良さまでスポイルされるケースが散見されます。そんな残念な株本を数冊見かけたこともあり、必ず店頭でチェックするようにしているのです。幸いにも杞憂に終わり、本書を買い求めて帰宅しました。

この書店に立ち寄ったのは久しぶりです。株本コーナーが奥まった場所から手前の好位置に移動しており、思わず素通りするところでした。また平日の昼下がりにも関わらず、まるで30年前の自分のような、細身で気の弱そうな若い男性が株本を物色していました。

そういった状況を見せつけられると、投資チャンスはまだ少し先かなと感じます。株本コーナーが元の奥まった場所に戻り、誰も寄り付かなくなるまで、もうしばらく辛抱が必要なようです。


■株券コレクション(2022年11月26日)

10倍株(テンバガー)ハンターとして、その道では知られている個人投資家がいらっしゃいます。ネット上で10倍株の調査を行うと、たびたびお名前が登場する、愛鷹さんという方です。

このたび著書『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』を出版されたとある方に知らせていただきました(Tさん、ありがとうございます)。

愛鷹さんの投資手法に関して、以前から感じていることがあります。それは『サイコロジー・オブ・マネー』に取り上げられている大成功を収めた美術品商との共通点です。

優れた美術品商は、膨大な量の美術品を投資対象として購入する。多くの美術品を長期間保有すると、その一部が優れた投資対象であることが判明する。

その結果、ごく一部の高リターンな美術品により、コレクション全体が黒字になる。これが成功する美術品商のビジネスの仕組みなのである。

実は私も、株券コレクションという趣味を始めようかと思案しています。成長が期待できそうな会社を100株ずつ買い集め、持ち続けるというものです。

あくまで道楽で蒐集する訳ですから、いちいち損益を気にする必要はありません。気が向けば、旅行を兼ねて株主総会に出席できる楽しみもあります。

ただひとつだけ残念な点は、株券自体が電子化されてしまい、昔のように紙の株券を眺める楽しみがなくなったことでしょうか。


■成長株投資家の指摘(2022年11月23日)

最近読み返している、フィリップ・フィッシャーの著書『株式投資で普通でない利益を得る』より引用します。

長年かけて最高の利益を上げたいならば、残りの14ポイントの評価が低いのに、財務力が高いとか現金資産が多いという理由だけで株を買ってはならない

成長株投資家であるフィッシャーは銘柄選択に当たり、 経営陣の優秀さ、技術開発力、マーケティングや販売力などの「数字に現れにくい強み」を重視していました。いくら定量面が魅了的であっても、定性面で劣る会社は、長期投資の対象にはならないと力説しています。

バリュー投資を行っていると、バランスシートが良好であったり、現金同等物が時価総額を大幅に上回っているという理由で、これといった強みを持たない会社を買ってしまうことがときどきあり、フィッシャーの指摘は耳が痛いです。私自身もそのような投資先には、あまりいい思い出がありません。


■「2022年上期のIPO銘柄」音声データ(2022年11月16日)

11月13日に開催したバリュー投資塾「2022年上期のIPO銘柄」音声データが完成しました。

2022年上期に新規上場した37社の中から、今後の成長を期待できる「サムシングニュー(何か新しいもの)」を持っている8社に関して、有価証券報告書をベースとした分析を行ったセミナーです。

(1)売上トップ企業のほぼ半数に導入されている学習管理プラットフォームを提供しており、学習塾向けオンライン英会話にも進出しているライトワークス(4267)

(2)国策「地域包括ケアシステム」の追い風に乗っている、訪問看護のドミナント展開を行っているRecovery International(9214)

(3)サービス実施以外はオンラインで完結する、家事代行のマッチングプラットフォームを運営しているCaSy(9215)

(4)産業医による役務提供にクラウド型サービスをパッケージ化した、企業向け健康管理サービスを提供しているメンタルヘルステクノロジーズ(9218)

(5)指定難病であり60歳以上の患者が約9割を占める、パーキンソン病専門の老人ホームを全国展開しているサンウェルズ(9229)

(6)テクノロジーを組み込んで効率化を進め、マッチング相手や成約までのスピードを短縮化したM&A仲介サービスで急成長しているM&A総合研究所(9552)

(7)ニッチな荷物用エレベータに経営資源を集中してトップシェアを取り、その保守点検で稼いでいる守谷輸送機工業(6226)

(8)保証料前受のストック型ビジネスである、住設機器の延長保証(最長10年)を提供しているジャパンワランティサポート(7386)

ご購入を希望される方はメールにて、氏名、電話番号(メール不達など、何かあった際の連絡にのみ使用します)を記入してお申込みくださいませ。折り返し、振込口座のご案内をいたします。

なお既にお申込み・ご入金をいただいた分に関しては、本日、メール添付にて送信済みです。

「2022年上期のIPO銘柄」音声データ

セット内容

zip形式の圧縮ファイル約68MB(mp3形式の音声データ約275分、pdf形式のテキスト100ページ、資料付き)

2022年11月13日に開催した大阪セミナーの音声を収録・編集しました。映像は含まれておりません。

データ代金

銀行振込 26,400円

Googleドライブ経由によるデータでの受け渡しです。メールに添付する形で行います。希望される場合は音声CDの送付も承ります。

概要

2022年上期に新規上場した37社の中から、今後の成長を期待できる「サムシングニュー(何か新しいもの)」を持っている8社に関して、有価証券報告書をベースとした分析を試みました。

テキスト
目次

第1部 2022年上期のIPO総括
1−1 IPO件数の推移
1−2 業種別の件数
1−3 業種別一覧表(情報・通信業)
1−4 業種別一覧表(サービス業)
1−5 業種別一覧表(その他の業種)

第2部 情報・通信業
2−1 ライトワークス(4267)

第3部 サービス業
3−1 Recovery International(9214)
3−2 CaSy(9215)
3−3 メンタルヘルステクノロジーズ(9218)
3−4 サンウェルズ(9229)
3−5 M&A総合研究所(9552)

第4部 その他の業種
4−1 守谷輸送機工業(6226)
4−2 ジャパンワランティサポート(7386)


■インフレは収まらない(2022年11月15日)

ソフトバンクグループ(9984)決算説明会の動画を視聴しました。その中で印象に残ったのは、孫正義会長兼社長が語った次の言葉です(22分から23分にかけて)。

ここしばらく、インフレは収まらない。

ここしばらく、上場株ですら大変だ。ましてや未上場株は、時差があるから、当分大変だ。

我々は守りを固める。新たな投資はより慎重に(する)。

ソフトバンク社内で話し合い、出した結論とのことでした。

何からのポジショントークが含まれているかもしれませんけど、投資会社である同社の示した指針として、重く受け止めたいです。


■経営者の背中(2022年11月12日)

本日の朝日朝刊によれば、ソフトバンクグループ(9984)の決算説明会で、孫正義会長兼社長が次のように語ったそうです。

決算発表でのプレゼンを私がするのは当面の間は今日が最後。最後のメッセージにしたい

この記事を読んで直ぐに思い浮かんだのが、フィリップ・フィッシャーが著書『株式投資で普通でない利益を得る』で述べていた「株について調べるべき15のポイント」の14番目でした。

ポイント14 その会社の経営陣は好調なときは投資家に会社の状況を饒舌に語るのに、問題が起こったり期待が外れたりすると無口になっていないか

投資会社になってしまった以上、ソフトバンクグループの業績に浮き沈みが出るのは仕方ありません。長期投資の場合、逆張りで狙うのもありですけど、その際に重視したいのは「経営者の背中」です。今回の対応に関しては、ちょっと残念な気がしました。


■有価証券報告書の熟読(2022年11月8日)

11月13日(日)に開催するバリュー投資塾「2022年上期のIPO銘柄」の準備が佳境に入っています。

今回は分析対象を8社に絞り込んだこともあり、各社の有価証券報告書を熟読し、下記の項目からセミナーテキストにポイントを抜き出しました。

●事業の内容
●経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
●事業等のリスク

一例を示せば「事業等のリスクより、その会社に投資を行う際、特に留意する箇所を3つあげる」といった具合です。1社当たり2〜3時間を要したものの、自分自身にとっても勉強になる作業でした。

セミナー当日は、これらのポイントについて私なりの見解をお話しした上で、皆さんと意見交換ができればいいなと思っています。


■トヨタ中間決算(2022年11月2日)

朝日新聞朝刊にトヨタ中間決算に関する記事が出ていました。その中で気になった箇所を引用します。

ただ、小型車が多く、所得も上がっていない日本での値上げは容易でない。長田准執行役員は「お客様の生活の足に関わるところは、慎重にみながら値段を上げる」と言葉を選んだ。

建前はともかく、本心ではどう思っているのでしょうか。財務が良く、コスト競争力に優れる同社は、足元の逆境ですら国内シェアをさらに高めるためのチャンスと捉えているかもしれません。

過去を振り返れば、ボリュームゾーンのカローラクラスにおいて、他社がカローラのコストパフォーマンスに対抗できず、サニーやファミリアなど大衆車の車名が消えていきました。

トヨタ幹部は、(北米事業で)ローンの貸し倒れの割合が上がっているのが気がかりだという。

この部分のみ、なぜか幹部の名前が出ていません。匿名を条件に話してくれたのでしょうか。ローンで個人消費が成り立っている北米では、自動車のみならず、ローンの延滞率に注目しておきたいです。



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