SBI証券にてバークシャーハサウェイB株を取扱い開始好景気時代には倹約貯蓄
7月のバリュー投資塾ウォーレン・バフェット氏の金言月刊リベラルタイム8月号
バブルに乗るべきだろうかテンプルトン卿の金言ワタミの収益性
100円ショップ3社の既存店売上高株式投信の純資産総額推移無事之名馬
鳥貴族天満橋店目を剥いた国民健康保険税の納税通知書
バフェット・パートナーシップコモディティ型企業東京セミナー後の懇親会場
新幹線というトールゲート鳥貴族は飛翔できるのか「やぶへび」にもなる配当控除
グレアム流とバフェット流の違い不動産投資の勉強を通じて再認識したこと
億万長者の株式売買頻度有効求人倍率がバブル景気以来の高水準
エスクリの第1四半期決算は実質減益

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ショートコラム(2014年7月)

■エスクリの第1四半期決算は実質減益(2014年7月30日)

エスクリ(2196)の第1四半期決算が発表されました。

売上高は37.5%増加、営業利益は50.0%増加と、一見、絶好調に思えます。ただ、5月28日付のショートコラムで述べたとおり、同社は会計方針の変更を行っています。

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前期
3,413
178
162
93
当期
4,692
268
243
144

決算短信添付資料によれば、その影響額は67百万円とありましたので、会計方針の変更を行わなかった場合の業績は下表のとおりです。

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前期
3,413
178
162
93
当期
4,692
201
176
77

営業利益は12.9%の増加にとどまり、成長株好きの投資家なら失望する数字です。当期純利益に至っては、減益となります。

なお、同社は会計方針の変更について、決算短信添付資料上で釈明しています。

当社グループでは、従来、有形固定資産の減価償却方法について定率法(ただし、建物については定額法)を採用しておりましたが、当第1四半期連結累計期間より、主要な有形固定資産の減価償却方法について定額法へ変更致しました。

この変更は、平成25年5月10日に発表した中期経営計画を達成するため、出店エリアをこれまでの首都圏、名古屋、関西の大都市圏から全国の都市部へと拡大して行くことを契機に、当社グループの有形固定資産の使用実態を見直したことによるものであります。

その結果、従来より進めてきた接客に関する情報の定量的分析による施設運営や営業支援の仕組化の浸透により、従前と比して受注および施行がより安定的に推移する傾向が判明したこと、並びに現状の新規出店がお客様のニーズに基づき長期的な視点で行われるものに変化していることから、耐用年数にわたり一定額の費用が計上される定額法へ変更するものであります。

この文面を私なりに解釈すれば、要点は次の2つです。

●同社の強みである「超都市型出店」だけでは、売上高が中期経営計画に届かない
●有形固定資産の減価償却方法が定率法のままでは、利益でも中期経営計画に届かない

会社四季報夏号によれば、エスクリ株のうち、投資信託が15.2%を保有しています。今回の決算について、ファンドマネジャー氏はどのように思われているのでしょうか。


■有効求人倍率がバブル景気以来の高水準(2014年7月29日)

昨年11月に1倍を超えた有効求人倍率ですが、その後も上昇を続け、今年6月には1.10倍に達しました。1.10倍という数字は、バブル景気の余韻がまだ残っていた1992年6月以来、22年振りです。

雇用統計は遅行指標につき、有効求人倍率が1倍を超えてくれば、景気は明らかに良くなっているはずです。株では、儲け話が巷にあふれます。不動産も、都心ではミニバブルの様相を呈してくるでしょう。

こうなってしまえば、常に景気を先読みして動く株式市場がピークアウトするのも時間の問題です。持株の中で割高になった銘柄を処分してキャッシュポジションを高め、来たるべき弱気相場に備える時期が迫っているようにも思えます。

有効求人倍率とTOPIXの推移

 


■億万長者の株式売買頻度(2014年7月28日)

億万長者は、どのぐらいの頻度で株の売り買いをするのでしょうか。

先日、久しぶりに読み返した『となりの億万長者』に、興味深い調査結果が掲載されていました。下のグラフは、そのデータを元に作成したものです。

著者のスタンリー博士は「株を頻繁に取引する億万長者を見つけるのは至難の業である」と結んでいます。どうやら、億万長者はじっくり型のようですね。

億万長者の株式売買頻度


■不動産投資の勉強を通じて再認識したこと(2014年7月26日)

不動産投資 家賃収入&売却益 両取りのルール』を読んだり、不動産投資の勉強を通じて、不動産投資の基本的な考え方が分かってきました。

●投資するエリアや物件のタイプを絞り込むことで、目利き力を高める
●なるべく安く買うことにより、高い実質利回りを確保し、早期の資金回収を計る
●その上で、市況が上向いた時に売却することで、キャピタルゲインを狙う

投資の原理原則は、株も不動産もそう変わらないことから、これを株式投資に応用すれば、次のとおりになります。

●投資する市場や銘柄のタイプを絞り込むことで、目利き力を高める
●不況期に、なるべく安く買うことにより、高い配当利回りなど、十分な安全域を確保する
●その上で、株式市場が活況を呈するまで保有し、高値で売却することで、キャピタルゲインを狙う

しかし、毎日のように株価が変動する株式投資では、問題点も発生します。

●投資した後、すぐに株価が反転するとは限らない
●損切りを行えば、せっかくの安値で買えても、振り落とされてしまう
●損切りをしなかった場合、長期に渡り、塩漬けになる恐れがある

次のような、解決策もあるにはあるのですが、リスク管理上は好ましくありません。

●買い付けた後も、株価が下がり続けることを想定しておく
●配当利回り3%以上など、一定の条件を満たしている限り、損切りを行わない

この辺りの折り合いをどうつけるかが、課題になりそうです。投資は、目利き力さえあれば、逆張りの方が儲かりますから。


■グレアム流とバフェット流の違い(2014年7月24日)

バリュー投資といえども、投資家によって流儀はかなり異なります。そこで、グレアム流とバフェット流の違いを簡単にまとめてみました。

現実の数字のみを冷徹に追い求めるベンジャミン・グレアム、自分の理解できるビジネスに限り将来まで見通そうとするウォーレン・バフェット、2人の投資手法は対照的です。

共通点は、本人たちの基準に対し、株価が割安でなければ投資しない点でしょうか。

  ベンジャミン・グレアム ウォーレン・バフェット
重きを置く資産 有形資産
(特に流動資産)
無形資産
(のれんやブランド
の競争優位性)
バリュエーション 過去7〜10年の
平均EPSに対する
PERまたは
1株あたり純流動資産
に対する株価
キャッシュフローの
現在価値
(ただし計算している
姿は一度も目撃されて
いない)
保有期間 長くて2年 10年以上
投資対象 条件に合えば
どんな銘柄でもOK
(分散投資)
理解できる
事業に限定
(集中投資)
重視する財務指標 自己資本比率
流動比率
ROEまたはROIC
経営陣の資質 考慮せず 重視
経営陣との関係 株主の権利を主張し
ときには資産売却を
迫った
個人的に有効的な
関係を築く
過熱相場への対応 株式比率を下げる 静観
インデックス投資 晩年は認めた 個人投資家に推奨

■「やぶへび」にもなる配当控除(2014年7月23日)

今年から、配当所得の税率が20.315%に引き上げられました。高配当銘柄をたくさん持っている投資家にとっては、配当金の税額も馬鹿にできなくなります。

しかし、普通のサラリーマンであれば、配当所得を総合課税として確定申告し、配当控除を適用することで、税金の大半が戻ってきます。

私自身も、サラリーマン時代は課税所得が330万円以下(所得税率10%)だったため、配当金の所得税を支払った記憶がありません。

ただ、配当控除に関しては、いくつか注意点があります。

まず、適用できない銘柄があることです。国内にて法人税を納めていない、J−REITや外国株は配当控除の適用外です。

次に、結果的に支払う税金が多くなるケースもあることです。配当所得の申告により、課税所得が695万円超となる高所得者、配偶者控除を外れてしまう主婦、国民健康保険料の負担が増える自営業者などです。

エクセルでシミュレーションを行い、どの方法が税引後のリターンを高めるのか、事前に検討すべきでしょう。配当控除が「やぶへび」になるのであれば、長く持ちたい高配当銘柄はNISAに組み入れたいものです。

総合課税選択時の正味税率


■鳥貴族は飛翔できるのか(2014年7月22日)

19日の東京セミナー終了後、近くの日高屋で時間をつぶし、鳥貴族大井町西口店で懇親会を行いました。開店直後の18時過ぎから店内は混んでおり、店を出た20時半前には、入店待ちの行列ができていました。大盛況といっていいでしょう。

ただ、気になったのは客層の偏りです。通常、週末の居酒屋では、1人カウンターで飲んでいる男性、ちょっと贅沢しにきた家族連れ、サラリーマン風の中年グループなど、客層がバラエティに富んでいます。

ところが、鳥貴族大井町西口店では、私たち以外、全員が20代と思われる若者のグループでした。男性の服装や女性のメイクも何となく似ていました。若者の間で、一時的な人気になっているのであれば、やがてブームが沈静化する恐れもあります。

また、鳥貴族は国産鶏肉を毎日店舗で串打ちしていますが、280円という単価設定もあり、味はごく普通です。このレベルなら、輸入鶏肉をセントラルキッチンで下ごしらえしても、ほぼ同じようなメニューが提供できそうです。そうであれば、大手居酒屋チェーンが指をくわえて見ていないはずです。

1年もたたないうちに「鳥大名」や「鳥富豪」といったチェーン店ができて、どちらが本家か分からない状況になっているかもしれません。この業界では、革新的だったビジネスモデルの「塚田農場」が、外面だけをまねた「山内農場」に追随されてしまった前例があります。

しかも、業界大手は、サイドメニューが少ない鳥貴族の弱点をつき、焼鳥の単価を下げることも可能です。かつて、牛丼チェーンの値下げ競争で「吉野家」が苦境に立たされたのは、豊富なサイドメニューで補える「すき家」に対して、対抗できる手段を持たなかったからです。

とにかく、参入障壁がべらぼうに低く、少しでも人気店になろうものなら、すぐに模倣されてしまうのが居酒屋チェーンです。現段階では、ユニークなビジネスモデルの鳥貴族ですが、その競争優位がいつまで続くのかに注目したいですね。


■新幹線というトールゲート(2014年7月21日)

東京出張時、よく利用するのが京都駅6時38分発の「のぞみ」です。

2011年の土日、この列車の自由席はガラガラでした。しかも、乗客の大半が名古屋で下車してしまい、東京までは数えるほどしか乗っていないときもありました。震災直後、沈滞ムードの漂っている首都圏まで遊ぶに行く人など皆無だったからです。

しかし、今年に入ってからは「自由席に座れるかどうか」心配になってきました。窓際はまず無理、通路側にかろうじて座れる程度です。念のため、予め指定を取っておくことも考えなければなりません。

私のような空港へのアクセスが悪い地域の住民にとって、東海道新幹線はトールゲート(関所)です。東京まで出向くには、他に選択肢がないからです。そのことが分かっておれば、2011年の東日本大震災直後は絶好の投資チャンスだったはずです。

仮に、JR東海(9022)を6,000円前後で仕込んでおれば、配当と優待を受け取りながら、株価の値上がりを楽しめたことでしょう。いつやってくるかは予測できませんが、次の弱気相場に備えて、トールゲート企業をいくつかピックアップしておきたいと思っています。

JR東海 株価チャート(週足)


■東京セミナー後の懇親会場(2014年7月18日)

明日19日、東京セミナー終了後の懇親会場について、少し迷っています。

再度、鳥貴族(3193)でもいいのですが、セミナー会場近くにある鳥貴族大井町西口店の営業時間が土曜日は18時からなのです。セミナーは、17時に終わりますので、1時間どこかで時間をつぶす必要があります。

そうであれば、久しぶりエー・ピー・カンパニー(3175)経営の四十八漁場品川店を偵察するのも面白そうです。セミナー当日、皆さんのご要望などを聞いた上で決めたいと思っています。


■コモディティ型企業(2014年7月17日)

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』にコモディティ型企業の解説があります。

コモディティ型企業とは「提供する製品やサービスには際立った特色がなく、消費者にとっては値段が唯一最大の選択基準となるような事業」を行っている会社です。

●航空会社
●鉄鋼製品
●石油・天然ガス
●紙・パルプ
●自動車

この手の企業群は、業界として過剰設備を抱えており、収益も不安定なことから、中長期投資の対象になりえません。特に、今のような景気・株価とも回復している局面での投資は避けたいものです。

どうしてもコモディティ型企業に投資を行うのであれば、不況になり、収益の落ち込んだときに買うのがセオリーです。もっとも、そういった局面では、他にも魅力的な銘柄がゴロゴロしているはずですが。


■バフェット・パートナーシップ(2014年7月16日)

賢明なる投資家』の補遺に、ウォーレン・バフェット氏の講演「グレアム・ドット村のスーパー投資家たち」の書き起こしが収録されています。

その中で目を見張るのは、バフェット氏が駆け出し時代に運用していたバフェット・パートナシップ(BPL)の成績です。すべての年でNYダウを大幅に上回り、しかもリターンのマイナスだった年が一度もありませんでした。

NYダウ
 BPL
1957
-8.4
10.4
1958
38.5
40.9
1959
20.0
25.9
1960
-6.2
22.8
1961
22.4
45.9
1962
-7.6
13.9
1963
20.6
38.7
1964
18.7
27.8
1965
14.2
47.2
1966
-15.6
20.4
1967
19.0
35.9
1968
7.7
58.8
1969
-11.6
6.8

BPLが発足した時点で100ドルを投資すれば、割安銘柄が見当たらなくなったことを理由に解散した1969年には2,894ドルにまで増えた計算になります。一方、NYダウでは100ドルが252ドルにしかなりません。

なお、当時のバフェット氏は自室にて、1人で運用を行っていました。つまり、私たちとほとんど変わらなかった訳で、個人投資家にとって参考になるのはBPL時代です。この時代、どのような投資を行っていたかについては『スノーボール〔上〕 』に記述があります。

BPLの累積パフォーマンス


■目を剥いた国民健康保険税の納税通知書(2014年7月15日)

本日、送られてきた国民健康保険税の納税通知書を開封して、目を剥きました。合計納付金額に77万円と印字されていたからです。しかも、この額は、私の住んでいる市の賦課最高限度額です。

理由は、昨年の株式譲渡所得でした。個人事業主の場合、事業所得に株式譲渡所得を合算した総所得額から国民健康保険税を計算するため、上限に達してしまったのです。

前回、多額の株式譲渡所得が発生した2006〜2007年は、健康保険の任意継続中だったため、今回のようなケースははじめてでした。

慌てふためき、ネットにて回避方法がないか調べたところ、自営業者では「特定口座・源泉徴収あり」にしておけば、高い税金を払わずに済んだとのこと。

「ああ、知らなかった」そう嘆いても、後の祭りです。もともと、確定申告を行っていた私は「特定口座には何らメリットはない」と解釈して、移行していなかったのでした。

遅まきながらも、先ほど特定口座申込書を請求しました。NISA口座と合わせて開設するつもりです。自分なりに勉強していたつもりの税金ですが、まだまだ甘かったです。今回は、高い授業料になってしまいました。


■鳥貴族天満橋店(2014年7月14日)

昨日の大阪セミナー終了後、鳥貴族天満橋店に出向きました。新規上場した、鳥貴族(3193)の店舗視察を兼ねた懇親会です。

まず店舗ですが、天満橋駅近くながら、雑居ビルの4Fにありました。1Fにこだわらないことで、出店コストを抑えているものと思われます。

280円(税込304円)均一の焼鳥は、チェーン店の割に、そこそこいける味でした。量も多くて満足です。

評価すべきは、ビールなどの酒類も280円であることです。何ら付加価値のない(仕入れて売るだけ)酒類で粗利を取る居酒屋が多い中で、良心的な価格設定には好感が持てます。

ただ、焼鳥以外のメニューが少なく、2時間足らずで店を出ました。結果的に、回転率の向上に貢献して、店側の思う壺でした(笑)。ビジネス街に立地しているにもかかわらず、日曜日の夕方もそれなりに混んでいました。

勘定は、それなりに飲み食いして、1人あたり2,500円。安くてお腹いっぱい食べたい、大学生や若手サラリーマンに受け入れられそうなお店でしょうか。

株価次第では、投資対象としても面白そうです。注意点としては、居酒屋チェーン店自体が、競争も厳しく、人気が出ればすぐ模倣されてしまう業態ということです。今後の展開を見守りたい銘柄です。


■無事之名馬(2014年7月13日)

無事之名馬(ぶじこれめいば)という格言があります。競走馬を指して「能力が多少劣っていても、怪我なく無事に走り続ける馬は名馬である」とする考え方を表したものです。

私はこの言葉が好きです。投資に置き換えれば「時々のパフォーマンスが多少劣っていても、致命傷を負うことなく、マーケットを生き抜けば名投資家である」とも受け取れるからです。


■株式投信の純資産総額推移(2014年7月12日)

投資信託協会によれば、6月末の公募投信残高が83兆5640億円となり、6年8カ月ぶりに過去最高を更新したそうです。

下のグラフは、公募投信のうち、株式投信の総資産総額推移を抜き出したものですが、サブプライムローン・バブルだった2007年と同じ水準まで回復しています。

ということは、株を持ちたい個人投資家はほとんど買っている訳です。需給を鑑みれば、そろそろ、警戒を要する時期に入っているともいえます。

株式投信の純資産総額推移


■100円ショップ3社の既存店売上高(2014年7月11日)

今年上期の、100円ショップ3社の月次が出揃いました。消費税増税後の明暗がはっきり分かれる形となっています。

 
1月
2月
3月
4月
5月
6月
キャンドゥ(2698)
101.9
99.8
113.2
96.8
100.9
96.9
ワッツ(2735)
101.2
99.3
112.3
97.3
99.6
97.7
セリア(2782)
103.1
101.9
113.7
102.1
104.1

101.3

オシャレ100円雑貨ショップとして、他社との差別化に成功しているセリアの好調さが目立ちます。一方で、経営が迷走中でこれといった特徴のないキャンドゥ、ローコスト経営で小商圏に強みに持ちながらも競争激化のあおりを受けているワッツは苦戦しています。

昨今、100円ショップ業界では、業績好調のセリアに、最大手のダイソー(非上場)をはじめ、同業他社が追随しようとしています。セリアの競争優位は、いつまで続くのでしょうか。


■ワタミの収益性(2014年7月9日)

一般的に、サービス業は労働集約的であり、付加価値が低く、収益性に劣るとされています。今回は、ワタミ(7522)を例として、そのあたりを試算してみます。

まず、同社の業績は次のとおりです。

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
 1株益
2014年3月期実績
163,155
2,946
2,133
-4,912
-123.8
2015年3月期予想
170,000
5,000
4,000
2,000
53.6

従業員数は、会社四季報夏号では6,394名です。ただし、有価証券報告書には、パートタイマーが外数で15,513名(1日1人8時間換算) と記載されています。合計では、21,907名相当が働いていることになります。

以上より、1人当たり営業利益を計算してみれば、たった13万4千円です。

●1人当たり営業利益13万4千円 = 営業利益2,946百万円 ÷ 従業員数21,907名

平均年収は、会社四季報夏号では537万円ですが、掲載されているのは親会社(持株会社)の数字です。仮に、300万円としても、1人あたり付加価値は313万4千円です。

●1人当たり付加価値313万4千円 = 1人当たり営業利益13万4千円 + 人件費300万円

これでは、いくら何でも、あんまりです。従業員に相応の給料を払い、株主にも報いるには、最低でもこの倍は必要ですね。収益構造の早急な改善が望まれます。


■テンプルトン卿の金言(2014年7月8日)

テンプルトン卿の流儀』に次の記述があります。

企業は資金を最大限集められそうな時期を選んでIPOや増資を実施することが多い。つまり株価が割高だと思ったときに株式を発行するわけだ。したがって当然バーゲンにはなり得ない。しごく簡単な理屈でしょう?

ということは、三井不動産や第一生命の経営陣も、自社の株価は割高だと思っているのでしょうか。もっとも、口が裂けても「イエス」とは言えないでしょうが。


■バブルに乗るべきだろうか(2014年7月7日)

今の相場は、難しい状況にあると感じています。というのは、ファンダメンタル的にもはや割安ではないものの、テクニカル的には買いだからです。

ここから、さらに上げ続けるのであれば、バブルといえないこともありません。ただ、バブル相場は、はじける直前が美味しいもの事実。個人投資家として、どう対応すべきでしょうか。

私も、バブルと分かっていて乗ったことが一度あります。2005年末の相場です。このときは、年初から積み上がった含み益のおかげで余裕があり、思い切ったリスクを取れるサラリーマン最後の年だったことから、あえてバブルに乗ってみました。その結果、2005年はプラス98.1%という、現物のみの投資家としては相当に高いパフォーマンスを達成できました。

しかしながら、翌2006年1月には、ライブドア・ショックをトリガーとして、バブルに踊っていた新興市場が総崩れとなります。結局、株価の下落が明らかになった2月に売りを出し、何とか利益を確保しました。実は、ライブドア・ショックの直前にも少しだけ利食ったのですが、その後も株価が上がり続けたので、残りの株を売り損ねてしまったのです。

恥ずかしいことに、バブルと分かっていて乗ったつもりが、自分自身もバブル相場に酔ってしまいました。そのため、冷静さを保てず、我に返るのに時間がかかり、売却のタイミングが遅れました。持株の中には、高値から半分近くまで下がった銘柄もありました。それでも、買値より高く売れたのは、不幸中の幸いですが・・・。2006年は、年初のドタバタがひびき、マイナス5.0%のパフォーマンスでした。

何を言いたいのかといえば、バブルに上手く乗るのは難しいということです。短期と割り切り、収益機会を追及するのもありですが、その場合はリスク管理をしっかり行いたいものです。


■月刊リベラルタイム8月号(2014年7月5日)

ただいま発売中の『月刊リベラルタイム2014年8月号』に記事を書かせていただきました。「GPIFで株価が上がるのであれば、どのような銘柄を買えばいいのか」という内容です。

記事では、3つの投資プランを提案しました。短期と割り切るのであれば、このような投資も面白いと思っています。


■ウォーレン・バフェット氏の金言(2014年7月4日)

この度『バフェットからの手紙 [第3版]』の翻訳版が出版されることになりました。せっかくの機会ですので、私が気に入っているウォーレン・バフェット氏の金言を3つ紹介します。

市場は、短期的には投票計。長期的には重量計

他人が慎重さを欠いているときほど、自分たちは慎重に事を運ばなければならない

潮が引いてはじめて、誰が丸裸で泳いでいたかが分かる

昨晩、NYダウが1万7000ドルを突破しましたが、この状況を当のバフェット氏はどう思っているのでしょうか。

バフェットからの手紙[第3版]


■7月のバリュー投資塾(2014年7月3日)

7月のバリュー投資塾(自主開催セミナー)の構成が固まってきましたので、ご案内をしておきます。

今回は、サービス業(非製造業)に絞り込んだ個別銘柄分析を行います。というのも、メルマガにも書きましたとおり、製造業よりサービス業の方が個人投資家向きだと思っているからです。

また、相場が佳境に差し掛かっていることもあり、投資環境や投資の本質についてもお話したいです。

ご参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。

7月のテーマは「サービス業の個別銘柄分析」です
日時・場所

2014年7月19日(土) 10:30〜16:50 東京・大井町 きゅりあん

2014年7月13日(日) 10:30〜16:50 大阪・天満橋 エル・おおさか

セミナー終了後、懇親会を開催します(費用は実費です)。

人数

少人数制(10名様程度まで)

受講料

銀行振込 25,920円 当日現金 28,000円

3日前までのキャンセルは返金いたします。それ以後のキャンセルは次回以降の受講に振替させていただきます。

内容

決算発表資料や会社四季報夏号を元に、今後の我が国において、好業績の期待できそうなサービス業の個別銘柄分析を行います。

テキスト
目次

1 投資環境
1−1 FRBマネタリーベース
1−2 米国長期金利
1−3 ウォーレン・バフェット指標
1−4 マージンデット(証拠金債務)

2 製造業とサービス業
2−1 製造業
2−2 サービス業

3 サービス業の個別銘柄分析
ビジネスモデルのユニークな好業績企業を中心に10銘柄を予定

4 投資の本質
4−1 勝ち負け
4−2 情報
4−3 日常と非日常
4−4 株価サイクル
4−5 私(角山)が生き残れた理由


■好景気時代には倹約貯蓄(2014年7月2日)

本多静六博士の著書『私の財産告白』で述べられている言葉です。

投資戦に必ず勝利を収めようと思う人は、何時も、静かに景気の循環を洞察して、好景気時代には倹約貯蓄を、不景気時代には思い切った投資を、時期を逸せず巧みに繰り返すよう私はおすすめする。

著者は、実際に投資で資産を築いた人物だけに、言葉の重みが違います。先人の知恵を取り入れるのであれば、今はどうすべきでしょうか。


■SBI証券にてバークシャーハサウェイB株を取扱い開始(2014年7月1日)

SBI証券にて、ウォーレン・バフェット氏の率いるバークシャーハサウェイB株(BRKB)の取扱いが開始されます。

B株の株価は126.56ドル(6月30日終値)。SBI証券では、米国株を1株から売買できますので、個人投資家にも十分に手が届きます(ただし、ある程度まとめて買い付けないと手数料負けします)。

バークシャーハサウェイ株の長期パフォーマンスは、S&P500指数に大差をつけています(チャートはA株です)。私は未だにNISA口座を開いていないのですが、SBI証券にてバークシャーハサウェイB株に投資するのもありかと思っています。

バークシャーハサウェイA株(BRKA)株価チャート



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