確定申告シーズン、新刊「バリュー株ドリル」について、今回影響を受けた本とDVD、商売熱心、
続・バフェットの利益率とROIC、銘柄選びのヒント、続・J-REIT狂想曲、
新春セミナーとエンジュクセミナーの違い、小売業の景気循環性、智に働けば角が立つ、
つまらない投資、日常と非日常、急落
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ショートコラム(2007年2月)
■急落(2007年2月28日) |
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このところ運用が好調でして「今年はもう終わってもいい」と思っていた矢先、マーケットが急落しました。なかなかうまくはいかないものですね。 朝、NY市場をチェックするとひどいこと(416ドル安)になっていたのですが、東京がここまで下がる(一時700円超下落)とは思っていませんでした。 以前、動くとき、動かないときにも書きましたが、パニック的な売りには何もしないのが一番です。「定期的にこうむる損失に黙って耐えるのが投資家の義務である」というケインズの言葉を思い出しましょう。 イートレの持株ボードを眺めながら、ふと思いました。「この状況で売らざるを得ないのは、どういう人達なのだろうか」と。 |
■日常と非日常(2007年2月25日) |
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本日もテニススクールで汗を流してきました。テニススクールでは、勝ち負けにこだわらず、プレイを楽しんでいます。いいショットが決まれば喜び、ネットにかけてしまえば悔しがります。なぜなら、そこは日常の世界だからです。 私は普段、マーケットに関するビジネスをしています。株式市場は、合理的に考える者が勝ち、感情に流される者が負ける非日常の世界です。 豊かな人生をおくるには、日常と非日常のバランスをとることが肝要だと思います。非日常の世界で、数少ない勝者になることができても、日常の世界が充実していなくては、人生つまらないですね。 |
■つまらない投資(2007年2月24日) |
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昨年の今頃より、アセット・アロケーションを組んだ投資に変更しました。1年間かけて、新しいポートフォリオを作り上げてきたわけです。
現状での課題は、 欧米以外の外国株、海外REIT、商品(金、原油など)を組み入れていないことですが、割安な投資手段がない以上、やむを得ないと思っています。 アセット・アロケーションを組んでいる以上、ポートフォリオが固まってくると、やることがなくなります。アクティブにアセット・クラスの比率を動かしては意味がありません。日本株にしろ、欧米株にしろ、大型株は基本的にホールドです。 こういう投資をしていると「アセット・アロケーションはつまらないなぁ」と思います。パフォーマンスにしても、今後TOPIXを大きく上回ることはないでしょう。 でも、投資とは、本来そういうものだと思います。 人並み(市場平均)でも、長期間続けることができれば、投資で資産を築くことは可能です。それができないのは、短期間でマーケットから退場させられる投資家が多すぎるからです。 |
■智に働けば角が立つ(2007年2月22日) |
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私のHNは、有名な草枕の冒頭句「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい 」からつけています。 世間では「智に働けば角が立つ」のですが「角が立たない」ところもあるのです。どこかわかりますか? それは株式市場です。合理的に考えるほど、利益を得ることができます。ただ、他人に妬まれるという意味では「角が立つ」かもしれないですが。 一方で「情に棹させば流される」のは、世間も株式市場も同じです。特に、マーケットで感情に振り回されるとろくなことはありません。 「もし、漱石が株式投資を行っておれば、成功していたのではないか」そう思うことがあります。 |
■小売業の景気循環性(2007年2月19日) |
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たーちゃんが景気循環株について書かれています。簡潔にまとまっていますので、興味のある方はご覧になるといいでしょう。 私は、このような景気循環株を投資対象として避けており、安定成長株を好んでいます。ところが、小売業のように安定しているとされている業種でも景気循環の影響を受けます。 小売業は、一般的に差別化が難しいので、なるべく早く店舗数を増やしてシェアの拡大に走ります。そういうことから成長期の企業はFCF(フリー・キャッシュフロー)がマイナスになっても(無理をしてでも)新規出店を行います。FCFがマイナスということは、どこからか資金を調達する必要があります。 つまり、資金調達(公募増資や銀行借入)が容易な時期に、小売業は新規出店を加速します。当初は順調でも、差別化が難しいことから、店舗数の増加は過当競争を生み、業界全体の収益が悪化するわけです。 昨年、ドラッグストア各社の業績が良くなかった理由を、私なりに分析するとそうなります。このような業態で、同業他社比較を懸命に行っても、徒労に終わったのではないでしょうか。 |
■新春セミナーとエンジュクセミナーの違い(2007年2月16日) |
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「バリュー投資 新春セミナー」(【2007年新春セミナーCD】として販売中)とエンジュクでの「割安成長株の見極め方徹底マスター(実習講座)」の違いについて質問をいただきました。 今回、エンジュクより依頼があり「バリュー投資 新春セミナーと同じ内容ならできます」とお答えしたところ「それでもかまわない」ということだったので、お受けすることにしました。 問題は参加料です。セミナー会社の場合、私のような低料金ではできません。そこで、時間を延長して帳尻を合わすことにしました。 「バリュー投資 新春セミナー」・・・3時間で8,400円(セミナーCDも同料金) そして、午前中に「バリュー株で勝つための<図解>「決算書&企業価値」分析ドリル」の補足説明を行い、昼からの理解度を高めるようにしたいです。昼からの内容は同一ですが、今回は、割安成長株の見極め方に特化したいので「第5部:個人投資家として成功するために」は省略します(ここは10年以上の投資経験をお話できる、私のセールスポイントでもあるわけですが)。なお、企業価値のところでは、資本コストが難しいとの声が多いので、補足的にEV/EBIT倍率(EV/EBITDA倍率ではない)を使おうかと思っています。 DCF法(割引キャッシュフロー法)に対するご要望も多いのですが、計算自体は「バリュー株で勝つための<図解>「決算書&企業価値」分析ドリル」を読んでいただき、サポートページの「企業価値計算シート(DCF法)」をダウンロードしてもらえれば誰でもできます。やり方は暗記でもかまわないでしょう。 ただ、予想成長率や割引率を決めるとき「どこまで分析できるか」が問題です。「バリュー株で勝つための<図解>「決算書&企業価値」分析ドリル」でわざわざ定性分析について取り上げているのは、DCF法との関連がおおいにあるからです。要するに、計算式より前提条件が大切であり、その話はセミナーに含まれています。だから、DCF法の説明はしないつもりです。 さて【2007年新春セミナーCD】と「割安成長株の見極め方徹底マスター(実習講座)」のどちらを選ぶかですが、懐具合と時間(貴重な休日を費やすかどうか)で決めていただければと思います。 皆さん、セミナー料金の「高い安い」を気にされますけど、その前に「自分の休日1時間はどれぐらい価値があるのか」考えてみてください。 なお、エンジュクセミナーもDVDを発売する予定です。 |
■続・J-REIT狂想曲(2007年2月16日) |
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cpainvestorさんのところに書かれているとおり、DAオフィス投資法人の資産運用会社であるダヴィンチ・セレクトが行政処分を受けました。 J-REITの銘柄選択においては、配当利回り(J-REITは収益を全て分配するため、PERの逆数が配当利回りになります)やLTV(Loan to Value:借入金比率)といった指標に加え、オジリネーター(スポンサー企業)の姿勢や物件のクオリティを知っておく必要があります。 ネット・経済誌をチェックしておけば、だいたいわかるのですが、DAオフィス投資法人の評判は芳しくありませんでした。また、ここはLTVが上限とされる60%を超えており、定量分析でも買えないはずです。
そういうこともあり、配当利回りは高くても良識のある投資家は手を出さなかったのですが、昨年末より急上昇をはじめました。今回の事件で投資家が目を覚まし、J-REITの適正な価格形成がなされることを望みます。 一つ気になるのは、私募ファンドの抱えている(競争力の劣る)物件を系列J-REITに売却することで利益を上げている(あまりよろしくない)ビジネスモデルが通用しなくなる可能性があることです。そういう銘柄群には気をつけた方がいいのではないでしょうか。 今回の事件をどう扱うかで投資家の力量が問われそうですね。 参考コラム:J-REIT狂想曲(2006年11月28日) 関連ブログ:オジリネーターとJ-REITの微妙な関係 |
■銘柄選びのヒント(2007年2月13日) |
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「バリュー投資の勉強をしているものの、なかなか銘柄選びに結びつかなくて・・・」そういう悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。今回は、銘柄選びのヒントについてです。 銘柄選びは「投資家のアンテナ」の精度にかかっています。常に「何か、よい銘柄はないか」と問題意識を持って行動すれば、職場でも、街を歩いていても銘柄を見つけることができます。 私がセンチュリー21・ジャパンを見つけたのは、身動きすらできない満員電車の車窓からでした(この話は「黄金の3ステップでもうかる はじめてのバリュー株」に書いてあります)。 ところが「投資家のアンテナ」の精度は、簡単にはあがってくれません。その場合、何らかの形で強制的に見つけることになります。「超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術」では、ブランデス社など、バリューファンドの投資銘柄をチェックする方法を取り上げました。 「黄金の3ステップでもうかる はじめてのバリュー株」ではTOPIX Core30(リンク先はPDF)から3銘柄選ぶ手法を紹介しています。この手法は「黄金の3ステップでもうかる はじめてのバリュー株セミナーDVD」でも実演しました。このセミナーDVDは、値段も安めですし、初心者の方におすすめできます。 また、機械的でもよい方は榊原教授の「DVD 単純明快!!超バリュー投資 Prof.サカキ式株式投資セミナー【完全版】」「年利30%のスーパー大学教授が語る「科学的」バリュー投資法 入門ゼミナールDVD」が参考になるでしょう。 もう一つ「無理に探さない」という方法もあります。インデックスファンド(TOPIX ETFなど)への投資です。 結局は、本やDVDの紹介になってしまうわけですが「近道」をしたければ「時間(ノウハウ)をお金で買う」ことも必要になります。中には高いものもありますが、今の投資家は教材が充実している分、恵まれていると思います。私が初心者の頃は、何もなかったのですから・・・。 |
■続・バフェットの利益率とROIC(2007年2月12日) |
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事業素質の優れている会社を見つけるための指標として「株価4倍「割安成長株」で儲ける収益バリュー投資術」ではバフェットの利益率を「バリュー株で勝つための<図解>「決算書&企業価値」分析ドリル」ではROIC(投下資本利益率)を使っています。 その違いについて再度説明しておきます。 ROIC=当期純利益÷(運転資本+有形固定資産) 運転資本=売上債権+棚卸資産−支払債務 につき、ROICを展開すると ROIC=当期純利益÷(売上債権+棚卸資産−支払債務+有形固定資産) となります。 バフェットの利益率=当期純利益÷(棚卸資産+有形固定資産) ですから、ROICより売上債権と支払債務の差額を省略した「簡易的ROIC」がバフェットの利益率となります。 どちらを使うかは、投資家側で判断すべきでしょう。計算が簡単なのはバフェット利益率、本式はROICです。 |
■商売熱心(2007年2月10日) |
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このサイトをいつもご覧の方は「角山も、最近は商売熱心だな」と感じられるかもしれません。たまたま、時期が重なっただけなのですが、Webを通じてのビジネス経験を積むべく、試行錯誤を行っているところです。 何でも自分で試すことのできる環境はありがたいです。これが会社であれば、Webビジネスを理解していない旧世代や「もう少し様子を見よう」という慎重派に押されて、実行に移すのは大変だと思います(私が長年在籍していた建築資材メーカーはそうでした)。 仕事の切れ目ができれば、少し離れていた実務の世界で武者修行をしたい気持ちもあります。思えば、サラリーマン時代の「二足の草鞋」も悪くなかったです。 ということで、色々考えながらやっています。「金持ち父さん、貧乏父さん」に書いてあるように、ビジネスの世界では「セールス&マーケティング」が重要ですね。 |
■今回、影響を受けた本とDVD(2007年2月9日) |
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新刊「バリュー株で勝つための<図解>「決算書&企業価値」分析ドリル」の出版にあたり、影響を受けた本とDVDをあげておきます。 「収益バリュー投資術セミナーDVD」・・・KENさんのセミナーで「3つのビジネスモデル」「ファイブフォース分析」をはじめて知りました。すごく新鮮な印象を受けたのを憶えています。また、DCF法についても、FCFの求め方を工夫すれば簡素化できることを教わりました。ご多忙な中、開催されたこのセミナーDVDはすごく価値の高いものです。 「早川圭の株「バリュー投資」常勝セオリー」・・・新刊で使いたいデータがこの本にまとめられており、転載をお願いしてみると、快くOKをいただけました。早川さんの実力は相当なもので、よい意味での「図々しさ」があれば、(セミナー講師として)私なんか敵わないのではと思うときがあります。「神秘の割安成長株投資実践セミナーDVD」がベストセラーとなっているのもうなずけます。(私のDVDより売れているらしい、泣) 「東大卒医師が教える 科学的「株」投資術」・・・ご存じ、KAPPAさんの著書です。私が新刊を書きはじめた頃、この本が出版され、おおいにモチベーションがあがりました。張り切りすぎて、新刊がやや難しくなったかもしれません(笑)。ぜひ、続編を書いていただきたいです。 「道具としてのファイナンス」・・・新刊には、ファイナンスの考え方がかなり入っています。ベースは「バリュー投資入門」ですが、石野さんの「道具としてのファイナンス」の影響もあります。ファイナンスをしっかり勉強したい方は、この本を読まれるといいでしょう。 というわけで、新刊が出来上がりました。この場を借りて、お礼を申し上げたいです。 |
■新刊「バリュー株ドリル」について(2007年2月7日) |
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新刊「バリュー株で勝つための<図解>「決算書&企業価値」分析ドリル」について、少し補足をしておきます。 この本は、私の集大成として書いたものです。仮に、忙しいサラリーマン生活に戻り、もう本を書けなくなっても悔いが残らないようにしました。銘柄分析について、私が持っているものはすべて出しています。 そういうこともあり「少し難しい」と思われるかもしれません。Amazonの書評でも「かなり難しい」「レベルが高度」とあります。今まではふれなかった領域まで踏み込んでいますので、そう感じるのでしょう。 ただ、一つだけ言っておきたいのは「プロを含めて、多くの市場参加者は、この程度は常識として知っている」ことです。「投資「4つの黄金則」」では、個人投資家の行為を「小さな手こぎの舟で、第六艦隊に立ち向かっていくのと変わらない。結果は目に見えている」と評しています。 時間は掛かっても、せめてこの程度はマスターしてほしいと思い、力を入れて書きました。そういう意味で、じっくり取り組んでいただきたい本です。 ある出版社の方からは「3万円のセミナーと同じ価値がある」と言われましたし「本当に書店で売って良かったのか、通販で高額マニュアルとして販売すべき内容では」というメールもいただきました。 山口揚平さんが「なぜか日本人が知らなかった新しい株の本」を出版されたとき「3万円の価値があるものをこんな値段で出すのは納得いかない」と述べられていましたが、その気持ちはよくわかります。 なお「バリュー投資 新春セミナー」では、本書の投資手法をどういう手順で用いるのかを解説しました。実習(ケーススタディ)では、ある企業の決算書から本書の投資手法に落とし込む過程をお見せしています。セミナー内容は、本よりやさしくしました。 今回は、ご要望もあり、【2007年新春セミナーCD】として販売することにしました。「バリュー株で勝つための<図解>「決算書&企業価値」分析ドリル」とあわせて聞いていただければ効果的です。 購入を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入して申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。
(トップページにも同じものを掲載しています) |
■確定申告シーズン(2007年2月5日) |
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大阪セミナー、Amazonキャンペーン、東京セミナーとイベントが集中して、少しバタバタしていました。セミナーに参加していただいた皆さん、キャンペーンに応募していただいた皆さん、ありがとうございました。
さて、いよいよ確定申告シーズンですね。私は初めての青色申告を行うのですが、取られるばかりなので、気が重いです(笑)。 昨年は、この2冊で勉強しました。フリーの方にはおすすめですので、再掲しておきます。 なお、確定申告とは、関係ないのですが「資格起業家になる!成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方」を読んで刺激を受けました。私のビジネスは、資格は必要ありませんが、ビジネスモデル自体は「先生業」と同じです。 この本によると、開業する以上は月商100万円を目指すべきとあります。ハードルは高そうですが、やはりその程度は稼がないといけないのでしょうね。 |
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