カラオケと自信過剰、下げ相場は「習うより慣れよ」、じり高、子供の遊び、
配当収入を増やすには、今後の活動予定、続・配当収入を増やすには、再びPBRとROEについて、
しんさん主催の勉強会、同業他社の見つけた方・書籍編、4冊目の出版時期について、吉田松陰、
J-REIT狂想曲、シティとバンカメ
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ショートコラム(2006年11月)
■シティとバンカメ(2006年11月29日) |
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昨日のNY市場で、バンク・オブ・アメリカ(BAC)がシティグループ(C)を抜き、時価総額で米銀首位に躍り出ました。この両行は対照的な戦略を取っていることで知られています。世界中で事業を展開し、法人にも個人にも対応するシティグループに対し、バンク・オブ・アメリカは事業を米国内に集中させ、中小企業や消費者をターゲットにしています。 ここ5年間、M&Aにより業容を拡大したバンク・オブ・アメリカの株価は堅調です。一方、不祥事のあったシティグループはほぼ横ばいで、S&P500指数(_GSPC)を下回っています。 今後の展開については、米国内の消費(消費者の借入を伴う)が堅調であればバンク・オブ・アメリカ、アジアをはじめとするグローバル経済が成長するならシティグループに分がありそうです。両行とも配当利回りが高く、バンク・オブ・アメリカで4.2%、シティグループで3.9%あります。 米国株に投資するならば、外せない金融セクターですが、どちらに投資するかは判断の分かれるところです(もちろん、二股をかける方法もあります)。 |
■J-REIT狂想曲(2006年11月28日) |
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ここのところ、小型株どころかTOPIXまで下がり始めました。そんな中で、J-REITが好調なパフォーマンスを見せています。私のポートフォリオもJ-REITに助けられている状態です。
私がJ-REITをポートフォリオに組み入れたのは、米国のデータから、株と異なった値動きをする(相関係数の低い)「第3のアセット・クラス」と見なしたからです。日本円にて3%以上の配当利回りを得られるのも魅力でした。債券のオルタナティブ(代替)という役割も持たせています。 そういうこともあり、J-REITには分配金の上昇に伴う緩やかな値上がりを期待していました。ところが、最近の上昇はやや急過ぎるように思えます。旗艦ファンドである日本ビルファンド、ジャパンリアルエステイトは配当利回りが3%を切ってしまいました。一方で、レジデンシャル(住宅)系を中心に、時価総額の低いものは株価が低迷したままという二極化も起きています。
何となくですが、証券会社が餅代稼ぎに「リートなら安心・好利回り」と投信を売り出すような予感がします。今年、株で痛い目にあった投資家は、また高値を掴まされるのでしょうか。 そういう私も、アセット・アロケーションを組んでいる以上、簡単に外すことはできなのですけどね。 |
■吉田松陰(2006年11月25日) |
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安倍総理が吉田松陰の言葉「士は過ちなきを貴しとせず、過ちを改むるを貴しと為す」(過ちがないことを重んじるのではなく、過ちを改めることを重んじる)を引用していました。 投資家にぴったりの言葉ですね。投資では、完璧な投資判断はありえないからです。私も「間違いは素直に認め、直ちに修正する」ことを重んじています。そのおかげで、生傷は絶えないものの、深手を負うことはまずありません。 |
■4冊目の出版時期について(2006年11月24日) |
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残念ながら、4冊目の本「バリュー投資のための<図解>「決算書&企業価値」分析ドリル(仮題)」の出版時期が延期になりました。出版社の方でWindows Vista向け入門書を急ぐためとのことです。PC関係書籍が主力のところなので、致し方ありません。 出版時期は、2月中頃まで遅れる可能性もあり「2007年新春セミナー」の方が先になりそうです。セミナー内容についても、少し見直しが必要かなと思っています。 というわけでややヒマであります(苦笑)。 |
■同業他社の見つけ方・書籍編(2006年11月23日) |
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以前、同業他社の見つけ方(2006年4月23日)いうコラムを書いたのですが、今回は書籍を紹介しましょう。 概要をつかむには「業界地図」を見るのがいいでしょう。アマゾンでは「2007年版 図解革命!業界地図最新ダイジェスト」「「会社四季報」業界地図〈2007年度最新版〉」が売れているようです。 シェアを調べたい場合は「 日経 市場占有率〈2007年版〉」が便利です。 流通・小売に詳しくなりたいなら「 日経MJトレンド情報源〈2007年版〉」がおすすめです。昔は「流通経済の手引き」という書名でした。初心者時代は毎年の発売を楽しみにしていたものです。 これらの本は、辞書的にも使えますから、四季報とともに手元に置いておくのも悪くないと思います。 |
■しんさん主催の勉強会(2006年11月22日) |
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本日はしんさん主催の勉強会(12月2日(土)名古屋で開催)の資料を作っていました。ゲスト講師として30分程度フリートークを行います。3ページの簡単な資料ですが、アセット・アロケーションやポートフォリオの組み方についてお話したいです。 この勉強会は講師陣が豪華です。 残席は少なくなっているようですが、上記リンクから申込みできます。実費にて、オフ会にも参加できますよ。 下げ相場のときこそ、こういう機会に参加して、学んでおきたいものですね。辛いときの地道な努力が、やがて花を咲かせるのは、投資でも何でも同じだと思います。 |
■再びPBRとROEについて(2006年11月19日) |
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質問が多いので、PBRとROEについて整理しておきます。 PBRとROEには、次の関係が成り立ちます。 PBR=PER×ROE PERが同じであれば、ROEが高いほどPBRも高くなります。 A社:PBR0.75倍=PER15倍×ROE5% つまり、低PBRと高ROEは相反する関係にあります。 「じゃあ、どちらを優先すればいいの?」という疑問がわいてきますね。 どちらを優先するかは、資産バリューか収益バリューかで変わってきます。 資産バリューでは低PBR優先、収益バリューでは高ROE優先となります。ただし、注意事項があります。 低PBR銘柄については、最近の調査で、必ずしもリターンが高くないことがわかってきました。「低PBR銘柄の高いリターンは、少数の「大化け株」の非常に高いリターンによるところが大きい(東大卒医師が教える 科学的「株」投資術)」という指摘には注意が必要です。 また、ROEは経営指標であり、それだけでは株価が割高か割安かわかりません。 資産バリューでは、低PBRに加えて、低PERであることや業績改善度も見ていくことになります。低PBR銘柄が業績上方修正を行った場合「誰も期待していなかった」だけに株価の上昇度は大きくなります。 収益バリューでは、高ROEであることより、むしろ低PERであることが大事です。好業績であることも必須条件です。低PERで好業績が持続できるのであれば、ROEは高ければ高いほどいいです。最悪なのは、高ROE(=高PBR)、高PER銘柄に悪材料が出たときです。株は目も当てられないほど下がります。 株価は、あくまで企業業績に連動するものです。一つの指標にとらわれず、複合的に見ていくといいでしょう。 |
■4時間半の打ち合わせ(2006年11月18日) |
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今週は、出版社に出向き、4冊目の打ち合わせをしてきました。今回は「図解」がメインテーマです。初校の段階で、本文はほとんどできているので、図表の見せ方やページネーション(ページの割り振り)についての検討です。 午後1時からはじまり、休息もせず、お茶も出ず(笑)、5時半までぶっ続けの打ち合わせでした。いつもながら、編集者さんの「いい本を創ろうという熱意」には頭が下がります。 山積みだった問題はほぼ解決しましたので、何とか年内に出版できそうです。それにしても、年2冊はきついです。 |
■続・配当収入を増やすには(2006年11月17日) |
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メールをいただいたので、もう少し詳しく書いてみます。 私のアセット・クラスは日本株、J-REIT、外国株が3本柱です。個人向け国債にも投資していますが、預貯金の代用です。外国債券については、リターンが限られる割に為替リスクが高いと判断しています。米国株投資用のキャッシュポジションとして、米ドルMMFを少し持っている程度です。 日本株は、現状での配当利回りは低いですが、増配する企業が増えてきました。今は、増配余力のある大型株(トヨタ、武田、キヤノンなど)をポートフォリオの真ん中に据えています。そして、独自のビジネスモデルを持ち、収益力の強い小型株で脇を固めている構成です。配当原資となるのはFCF(フリー・キャッシュフロー)なので、FCFの潤沢な会社を選ぶようにしています。 J-REITは、資産内容が良く、配当利回り3%半ばの銘柄がメインです。ラブホテルに投資するファンドもあるそうですが、私はその方面に詳しくないので(笑)、手を出しかねています。ふと思ったのですが、調査(?)に出向く場合、角山オフィスの経費で落としていいのですよね(笑)。 外国株に関しては、ほとんど米国株です。米国株は、銀行、たばこ、医薬品などに配当利回りの高い銘柄があったのですが、株価上昇により、魅力が低下してきました。そもそも、米国は配当利回りの高い方ではありません。世界を見渡すと、英国、オーストラリア、タイ、マレーシア、シンガポールなど、配当利回りの高い国はたくさんあります。日本の証券会社で売買できる市場・銘柄であれば、調べてみるのも面白いと思っています。 外国株は、現地の証券会社で取引できるのが理想的です。ネット証券であれば手数料も安いですし、銘柄の制限もありません。各種ETFにも投資できます。私も、米国のネット証券に口座を開設したのですが、取引は断念しました。「送金したのに、口座に反映されない」「ログインできない」などトラブルが発生したとき、電話でやりとりできるほど英語が堪能ではないからです。 投資信託については、コスト面から、インデックスファンド(及びETF)以外は使うべきでないと考えています。楽天証券にて、S&P500 ETF(IVV)の取扱いが開始されたのは喜ばしいことですが、早く日本でも各種ETFに投資できるようになってもらいたいですね。日本株でも、RUSSELL/NOMURAバリュー指数ETF、東証J-REIT指数ETFなど、ぜひほしいです。 まあ、こんな感じで投資しています。次の目標は年間配当収入120万円(月10万円)です。 |
■今後の活動予定(2006年11月15日) |
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今年も後1か月半となりましたね。今後の予定について書いておきます。 12月はしんさん主催の勉強会に参加します。12月2日(土)に名古屋で開催です。ゲスト講師として30分程度フリートークを行います。 大阪での某投資研究会にも参加予定です。 4冊目の本は、初校の段階ですが、図表の修正が多く、今年中の出版が微妙になってきました。なるべく早く出す方向で作業中です。 私自身のセミナーは、来年(2007年)1月下旬に大阪、2月上旬に東京で行う予定です。会場はすでに押さえてあります。内容については、4冊目の校正が終わり次第考えて、12月中には詳細をお知らせします。 |
■配当収入を増やすには(2006年11月13日) |
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今、考えているのは、どうやって配当収入を増やすかということです。 株式市場は毎年のようにあがるものではありませんから、キャピタルゲインを常に稼ぐのは困難です。ただ、インカムゲインに関しては、増配してくれる銘柄を選べば、年々増やしていくことは可能です。 今年になって、J-REITや米国株を組み入れたおかげで、ポートフォリオの利回りが向上しました。安定性も増しているようです。年間の受取配当金についても、7桁が視野に入ってきました。 今後は、世界から集めた高配当銘柄でポートフォリオを組むのも悪くないと思っています。試しに調べてみると、アジア株に配当利回りの高いものが見つかりました。情報収集が少し大変ですが、やってみる価値はありそうです。 |
■子供の遊び(2006年11月10日) |
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道ばたで、小学生らしき子供が遊んでいました。 5人で輪になり、一つのサッカーボールを投げ合って、受け損なうと失点がつくというルールでした。失点の一番多い子供が負けになるのでしょう。 最初のボールを持っていた子供は、投げたというか渡したような感じでした。受け取ったのは、5人の中で、一番体格がよく力の強そうなガキ大将です。ガキ大将は、自信満々です。傲慢な態度で、全員を見渡しながら、一番弱そうな子供にボールを投げつけます。弱そうな子供は、当然のように受け損ねて、さっそく失点がつきます。 私は横を通っただけなので、見たのはそこまでなのですが、この3人の子供はどんな投資家になるのか想像してしまいました(笑)。 まず、ガキ大将にボールを渡した子供は、小学生ながら渡世術を身に付けているといえます。ガキ大将にチャンスボールを渡して、攻撃をまぬがれようとしたのでしょう。彼は、パクリ投資家になりそうです。途中まではそこそこのリターンをあげられるものの、自分で投資判断ができないために、最後はやられるパターンです。 ガキ大将は、自信過剰があだになり、投資では大火傷をするかもしれません。 バリュー投資家になりそうなのは、弱そうな子供です。彼は、力が弱いがために、他人と正面からぶつかってはかなわないことを小さい頃から思い知らされます。「自分は、どうやったら勝てるのだろうか」を常に意識します。つまり、バリュー投資の下地が形成されているわけです。 そういう私も、体が弱くて力のない子供でした。小さいころの遊びでは、あまり楽しい思い出がなかったような気がします。その分「他人と同じではいけない」という意識が自然に生まれてきたともいえそうです。 |
■じり高(2006年11月8日) |
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持ち株はなかなかあがってくれませんが、体重の方はじり高です (^^; 。「医師がすすめるウオーキング」という本を読んで、散歩も実行しているものの、それだけでは追いつかないようです。やはり、家にいるのはよくありませんね。 さて、4冊目の校正がはじまりました。今月は、この仕事がメインです。ドリルがついているので、数値を間違わないよう、慎重に行いたいです。図表についても、できるだけ工夫したものを掲載できるよう、校正の段階で手を加えています。 4冊目の本は、私の集大成です。ここが区切りとなるので、しっかり終えてから次に進みたいものです。 |
■下げ相場は「習うより慣れよ」(2006年11月3日) |
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アクセス統計を更新しました。このサイトを立ち上げた頃は、Yahoo! 掲示板に宣伝にいったり、SEO(検索エンジン対策)を考えたりしたのですが、今はまったく放置です。 そういうこともあり、アクセス数には投資家マインドも反映されていると感じています。やはり、新興市場の下落がボディーブローのように効いてきているのでしょうか。 ただ、投資には不思議な一面がありまして、投資家の気分が高揚するほどリターンは低くなり、投資家マインドが冷え込むほど将来の受取額は多くなります。これは頭では理解できても、実際の下げ相場では、思わず逃げ出したくなるものです。 私は、このような下げを1997年〜1998年、2000年〜2003年の2回経験しています。何事も経験を積めば慣れるもので、今回は「またか」といった程度です。 そういう私もはじめての下げ相場では、何もできませんでした。当時は、新聞で株価をチェックしていたのですが、株価欄のページが来ると、手が早く動いて飛ばしてしまうのです(苦笑)。半年ほど株価を直視できませんでした。「あのとき、勇気を出して、買っておくべきだ」と思ったのは、1999年に株価が戻ってからです。 2回目は最後まで目をそらしませんでした。ポートフォリオのメンテナンスを行い、ダメなものは損切りして、有望な銘柄と入れ替えました。日経平均1万円割れは「ない」と思っていたので、かなりきつかったですが「マーケットの先行きは予想できない」という貴重な教訓をもたらしてくれました。下げ相場でポートフォリオを放置して、対応が遅れたのも反省点です。 今回は3回目です。少しはうまくやらないと、2回も辛い思いをしてきた意味がありません。今年に入り、1月の乱高下と2月の下げは、1997年、2000年の状況と酷似していました。特に、不動産流動化銘柄の値動きは2000年のIT関連とそっくりでした。昨年12月に相場過熱のサインはほぼ出尽くしています。 「終わった」と判断した私は、2月に不動産流動化銘柄を売り切り、アセット・アロケーションを組んで、日本株は大型株中心にシフトしました。合わせて、高値圏で買った銘柄の損切りを徹底して行いました。2月はバタバタしましたので、キャピタルゲイン税(私は含み益の段階では計算せず、売却時に一括計上しています。今まで持株を一気に売ることがなかったので問題はありませんでしたが、今後は見直しが必要かもしれません)もあり、パフォーマンスが一気に落ちましたが、その後は安定しています。 今回、はじめて下げ相場を経験された方は大変だと思います。しかし、ここまで残っている皆さんは「ガッツのある」方ばかりです。とくかく、この下げ相場をのりきってください。1回目は何もできないかもかまいません。私だって、そうだったのです。2回目になれば、少しは対応できるでしょう。3回目はもうちょっとうまくやれるはずです。 |
■カラオケと自身過剰(2006年11月1日) |
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某所での「バリュー投資家 バリュー投資家のセルフイメージとして「カラオケは苦手」という先入観(バイアス)を持っていたのですが、皆さん「歌って踊れるバリュー投資家」ばかりでまいりました。私もカラオケは得意なつもりが、どうやら「自信過剰」であったようです。 なぜか、某投資家さんの歌われた「なごり雪」の「落ちては解け〜る・・・を見ていた〜♪」のフレーズが印象に残っています(職業病といわれました、苦笑)。 さて、次回は「バリュー投資家テニス&卓球大会」です(笑)。 |
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