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GAMBERO ROSSO & SLOWFOOD EDITORE |
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VINI D`ITALIA 2002 |
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今回で15巻目の創刊となる、内外ワイン業界への影響が最も強いワイン・ガイド・ブック。ローマに本部をおく”Gambero Rosso Editore(ガンベロ・ロッソ誌)とピエモンテはブラの”Slowfood(スロー・フード協会)操る美食倶楽部”アルチゴ―ラ”の強力なタッグにより、堂々とワイン・ガイド界の王者に君臨する。評価は、もはやすっかりとお馴染みになったとも言える「ビッキエーリ(グラス)」の数で示され、「3ビッキエーリ」が最高レベルを表すものだが、今回から「3ビッキエーリ」は赤色で紹介され、「後一歩で”3ビッキエーリ”」であったワインにも、赤色の「2ビッキエーリ」が与えられた。「2002年度版」においては、12,610ワイン、1,770ワイナリーが紹介されており、「3ビッキエーリ」の数はピエモンテ州の61本、トスカーナ州の52本を筆頭に241本。一般に多くのワインが出揃う5月にイタリア各地の責任者により予選が行われ、テイスティングのリーダーのDaniel Cernilli(ダニエレ・チェルニッリ氏)指導のもと、秋口に最終選考が行われる。その的確なテイスティングや評価の下され方の正しさから、多くの読者の信頼を最も得ているワイン・ガイドであると言えるが、時々見られる偏屈などの要素から、「広告収入と採点の関係」が噂されていた為に、今回から単独生産者からの広告を載せない方針へと変わった。英語版も発売されており、「3ビッキエーリ」の詳細情報はサイトにても得ることが出来る。 |
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VERONELLI EDITORE |
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I VINI DI VERONELLI 2002 |
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イタリアで最初のテイスティングによるワイン・ガイド・ブックの創刊を行った、有名な実業家でもある”Luigi Veronelli(ルイジ・ヴェロネッリ氏)”の指導するワイン・ガイドで、今回の創刊は13巻目。グループの執筆カである”Gigi Brozzoni(ジジ・ブロッツオーニ氏)と、”ワイン・スペクター誌”等の作家でもあるアメリカ人”Daniel Thomases(ダニエル・トーマッス氏)により、テイスティングが行われる。1835ワイナリーが紹介され、情報量としては”ガンベロ・ロッソ誌”を超える幅の広さを見せるが、テイスティングされるワインは約8,000本。ワイナリーの数字的詳細や、データなどの記入にマメさが見られるのが特徴。100点満点の採点方式で、90点以上が「最優秀ワイン」として評価される。評価の高いワインの最新年代が、過去3年代以上に91点以上を獲得している場合に於いて”Super3Stelle(ス−パー3ツ星)の称号を与えている。 |
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GRUPPO EDITORALE ESPRESSO |
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VINI D`ITALIA 2002 |
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今回、初の創刊となった、有力新聞社”エスプレッソ”によるワイン・ガイド・ブック。実に、3220ワイナリー、14350本という膨大な情報量を誇り、カテゴリー別に紹介されるDOC(G)関連のテイスティングの幅広さには圧巻。テイスティングはそれぞれの地域の生産協会などで主に行われ、生産者から寄せられるテイスト用ボトル以外は、買い付けてまでも取り組んだだけに、他誌の取り扱わないマイナーなワインへの評価も下されている。有名な”リストランテ・ガイド”同様、0,5点が基準、12点以上の20点満点で採点され、”16点以上”がほぼ他誌の最大評価ワインと類似する。基本的に採点結果にかなりの的確性が見受けられるが、「リーダー」として紹介される17点以上の上位ワインになってくると、最高”19,5点”までの「格差」に僅かな疑問が残る。巻末には優秀ワイナリーの紹介もあり、主要葡萄品種や、各DOC(G)の説明なども丹念に紹介され、数あるガイド・ブックの中で価格が最も安いのも好印象。テイスティング・リーダーは”Aressandro
Masnaghetti(アレッサンドロ・マスナゲッティ)”氏。 |
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LUCA MARONI EDIZIONI |
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ANNUARIO DEI MIGLIORI VINI ITALIANI 2002 |
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ルイジ・ヴェロネッリ氏の下で、イタリア最初のテイスティングによるワイン・ガイドの創刊を行った際の責任者であった、ローマ生まれのルカ・マローニ氏の創刊するワイン・ガイド・ブック。2000年8月から20018月までに、彼の事務所に寄せられた試飲ボトル8939本の中から、彼自身により直接選考され”80点以上”を獲得した472ワイン(5,28%)が紹介されている。詳細までにこだわったテイスティング、詳細情報の的確さ、デザインの美しさなどは実に見事で、明らかに偉大なテイスティング者であることは疑いないが、上位5本中3本が同一生産者のワインという片寄りはいささか不自然かも。さら言えば、”どのワイナリーの”、そして”どのワインがテイスティングされた”かの詳細もあれば尚良い。非常に美しく仕上がった情報誌であるといえるが、他誌の2倍に当たる価格は少し高すぎるかも。残念ながらイタリア語のみですが、70255ページにもおよぶ彼のサイトにても、多角な考察によるワイン情報を愉しむことが出来ます。 |