10月5日(金) “〈『長崎新聞』より ― 〉「在ブラジル被爆者未払い手当て訴訟」勝訴に続き、韓国人被爆者の方も逆転勝訴の流れに”

今年2月6日「在ブラジル被爆者未払い手当訴訟」の最高裁判決で、私どもブラジル在住被爆者の向井昭治さん(06年12月逝去、享年79、当協会の副会長)ら3人の勝訴が確定したのは、すでにマスコミ等で報じていただきました。
この訴訟は、ブラジルに帰国したことを理由に、被爆者援護法に基づく健康管理手当の支給を打ち切られたのは違法として、広島県に未払い分の支給を求めたものでした。
これと同じ争点の訴訟が、現在進んでいます。
韓国人被爆者・崔季Kさん(04年7月逝去、享年78)のご遺族が、長崎市に未払い分の支給を求めているもので、いまは最高裁で審理中です。
この、崔さん訴訟の上告審弁論が来年1月に開かれることになりました。5日付『長崎新聞』が報じてくださいました。
同紙によれば、弁論が開かれることにより、崔さん側の勝訴が確定する見通しということです。
以下に、記事全文を紹介させていただきます。
(ホームページ管理者)
崔さん側、逆転勝訴へ 在外被爆者訴訟で1月上告審弁論
(「長崎新聞ホームページ」10月5日付 から全文抜粋)
離日したことを理由に、被爆者援護法に基づく健康管理手当を打ち切られた韓国人被爆者、崔季K(チェ・ゲチョル)さんの遺族が、未払い分の支給を長崎市に求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)は4日、双方の主張を聴く上告審弁論を来年1月21日に開くことを決めた。
「時効で受給権が消滅した」とする市の主張の是非が争点で、ブラジル在住被爆者による同様の訴訟では、原告勝訴の最高裁判決が今年2月に確定。最高裁で弁論があると大半の場合、二審の結論が変更されるため、原告逆転敗訴の福岡高裁判決が見直され、勝訴が確定する見込みとなった。
海外に居住地を移した被爆者の手当支給は、1974年の旧厚生省局長通達で打ち切られたが、在外被爆者にも受給資格を認めた大阪高裁判決の確定を機に、国は03年に通達を廃止した。
80年に被爆者健康手帳を取得した崔さんは、同年に韓国に帰国したため1カ月しか手当を受けておらず、04年に提訴した。
市側は時効を理由に反論したが、一審長崎地裁判決は「通達は在外被爆者に重大な障害だった。時効の主張は信義則上、許されない」とし、規定に基づき80年から約3年分に相当する約**万円の支払いを命じた。
しかし、福岡高裁は約3年分の受給資格を認めた上で「通達には一応の根拠はあった」と、時効の主張を認めた。
原告側は当初、手帳取得から提訴までの24年分の手当支給を求めたが、上告審では一審勝訴部分だけに減額した。
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「援護の流れ加速」 支援者ら高まる期待
(「長崎新聞ホームページ」10月5日付 から全文抜粋)
韓国人被爆者の手当受給をめぐり、「時効の壁」の是非を争っていた長崎訴訟は4日、最高裁で原告が逆転勝訴する見通しとなった。今年2月に同種訴訟で原告勝訴の最高裁判決が確定しており予想された流れだが、原告や支援者は「最終勝利」が現実味を帯びてきたことに喜びの声を上げた。
訴訟は、原告の崔季K(チェ・ゲチョル)さんが2004年7月に78歳で亡くなったため、遺族が継承。今年1月に福岡高裁で敗訴し、上告していた。
六女の美淑(ミスク)さんは「最高裁で弁論が開かれることになりうれしい。父の闘病生活と在外被爆者への支援を訴えたい」と話す。支援者の平野伸人さんは「さらに援護の流れが加速するだろう」と期待する。
国は今年2月の最高裁判決を受けて既に制度を見直しており、自治体は時効で未払いとなっていた手当を在外被爆者に支給している。
これに伴い、別の訴訟で敗訴した長崎市の広瀬方人さんも今年5月、海外滞在時の手当を受け取った。広瀬さんは「判決が出るまで自治体が主体的に支払おうとしなかったのは残念。今後はそうした姿勢を改めてほしい」と要望する。
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